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本物の気持ち

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「優姫、仕事の電話入ったからあそこに座って」
「うん。分かったよ」

有名な魚のトンネルを過ぎたあたりで徹さんが離れていった。
拓けたところにあるカフェスペースで腰をかける。
さっき撮った写真を見返していると、突然男の人に声をかけられた。



「あれ、優姫・・・だよね?」
「大輔・・・・」


顔を上げると、その声の主は高校から大学2年まで付き合っていた元彼氏と・・


「あぁ、彼女。大学の後輩なんだ。小百合、これが前言ってた元カノ。」

そう紹介されるとその小百合と呼ばれたスポコン大輔には似合わないような可憐な彼女が両手を合わせて、何か納得したような仕草をした。
そんな彼女の前でわざわざ物のような言い方しなくてもいいのに・・なんて思っていた。


「優姫は彼氏できたのか?」
「・・いや・・・」
「まぁ無理もないよな、お前の性欲についていける奴なんて到底いないって!」


公衆の面前でそんなこと言われて平然としていられる私ではない。
顔を俯きがちに乾いた笑いが出てきた。

「ははっ・・・それより大輔、素敵な彼女だね。」
「だろ?部活のマネージャーやっててさ~、家事も出来るしほんとイイ女なんだぁ、なっ!」

そう話を振られた小百合さんは今度はもじもじしながら俯きがちに照れていた。

「しかもお前より太ったよな。こいつは軽いからセックスも楽でさ~。」
「大輔くんっ・・恥ずかしいよぉ」

まったく私は何を聞かされてるんだ・・と思いながらも彼女の手前愛想笑いで過ごそうとすると、


「優姫?どうした?」
「あっ・・徹さん・・」
「この人たちは・・・・?」

トイレから戻ってきた徹さんが私の横に立つと、大輔は怪訝そうな顔をした。

「昔付き合ってた人なの。あとその彼女さん」
「おい優姫、彼氏いないんだろ?弟なんていたっけ?」

パっと徹さんの顔を見ると、眉をピクリと動かした。


「や・・あの徹さんは・・・」



その瞬間肩を寄せられ徹さんの顔が近付いてきた。
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