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第4話
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馨はなにか聞きなれない音に目が覚めた。
あたりは暗く、まだ夜中のようだがその音は一定の間隔で聞こえてきて、誰かが人為的に出しているのはわかった。
まさか暴漢でも屋敷に?咄嗟にそれが頭に浮かんだ。しかも今日は旦那様も来ていて、旦那様雪さんどちらにも危害を加えられては大変だ!と、布団から飛び出て、表を確認するために障子をそっと開けて外を見た。
真冬の冷気で息が白く漏れ、廊下の向こうのガラスの外は明るい月明かりで庭の真ん中の南天が照らされている。
音は少し消えてから再び聞こえ出した。
ー誰もいないか?一体この音は…ー
自分が暴漢の前に出ていったとして何ができるかというと、吹っ飛ばされて終わりだろうが、でも盾くらいにはなれる、と庭を目だけで見回して廊下に出る。 雪の部屋は大丈夫だろうか…と目をやるとぼんやりとした光が灯っていた。
電気ではなく、行灯のような柔らかい光が数箇所揺らめいている
「まだ起きているのかな。久しぶりに会って話込んでるんだろうな」
少し微笑ましい気持ちで障子を見つめていると、行灯の光に照らされて影が見えた。
ー!?ー
その影の動きに馨は思わず息を詰める。
炎のせいで大きく見えるだけだろうが、それがわかっていても大きな影が何かを振り下ろし、それが振り下ろされた時に先ほどから聞こえる音がすることに気づいた。
ー暴漢が既に雪さんの部屋に?ー
さっき身を挺してでもと思った矢先だが、足がすくんだ。振り下ろしているものは一本のものに見える。まさか刀か…
色々考えるとますます足がすくみ、その場に座り込みそうになったが、気付いたことがあった。
その音が響いた直後に、微かにだが声が聞こえるのだ。
パシィッ!
「あぁっ!」
その声は聞いたことのない声で、誰が発しているかといえばあの部屋は雪の部屋で…
微かなその声は大層なまめかしく、多分だが叩かれているのだろう、その音がした時に必ず、
「ああっ!」
と漏れ聞こえてくる。
馨はそれをしばらく聞き入ってしまった。
なんと衝撃的で、なんて官能的な…声…。
「はぁ…旦那様…もっと、雪を打ち据えて…」
「まだ足らないのか?雪は欲張りだな…」
「ああ…それはっだめです…あ…旦那様勿体無いですから…ああっ」
馨は腰が抜け冷たい廊下にへたり込んだが、初めて手で触れないままに自分の中心が勃ち上がり、そして果てていた。
「え…あ…そういう…」
掏摸の親分は、いつでも女を側においていた。自分たちに説教するときも乳を揉んだり、股ぐらに手を突っ込んで女に嬌声をあげさせたりしていたから、男女の性愛くらいはわかっていた。…が
雪の声は女性のそれではないが、頼政のような男性的な声でもない。
しかもこう言う状況の声なので、吐息も交じり少しだけ高くなって男女関係ない煽情的な「音」となって耳に届く。
場末の女があげた嬌声なんかよりもよっぽど官能的で、耳から直接股間へ来るような…
影は床に寝ている者を愛するように動き、その動きにまた声が上がって時々しなやかな腕が伸びて見える。
そこへ再び細い一本棒が唸り、ピシッと音を立てると
「ああっ!あ…ぁ…いいっ…」
そう声が上がって、部屋の中は静かになった。
つい身を乗り出そうと廊下で膝立ちになった馨は、雪の部屋の障子の端に立っているトキと目があった。
「え…トキさん…?」
トキは、淵に手拭いがかかっている桶を持ち、薫に向かって人差し指を口に当て顔を横に振る。そして手のひらを上に向けて馨へ突き出し、部屋へ戻れと言うように何度も手を突き出した。
その後トキは障子が開くところにその桶を置き、もう一度馨の方を見て再び部屋へ戻れと手を突き出し、そして廊下を曲がっていく。
馨は自分で出してしまった下帯が気持ち悪いのも手伝って、動きたくなく居たが、雪の部屋の影が障子に近づいたのを察し慌てて部屋へ戻り少しの隙間を開けて障子を閉めた。
雪の部屋の障子が開き、無骨な手が桶を取り上げそしてまた閉まる。
細く開けた隙間からそれを確認して、馨は布団へ潜り猛烈に自分を扱いた。
どうせ汚れてしまった下帯なのだからもういいとばかりに、先ほどの声を思い起こし、自慰をした。
「あれは…なに…。何かで打たれてたのに、あんな声が…ああ…すげえ…」
扱く手は止まらず、雪の声が頭に響き渡る。
「そう言う関係か…旦那様と雪さんはそう言う…」
男女ではない事は気にならなかった。
全てを受け入れ、そして感じ入り、そして手を動かす。
「あ…あぁ…で…ちゃう…でる…ああ」
思い出す雪の声で、そんなに時間はかからなかった。
果てて手の中に己の液を握りしめたまま、馨はしばし動かなかった。
軽く上がった息は徐々に戻り、それでも雪の声は頭に残っている。それからまたしばらくしてから馨は布団を背負うようにおきあがり、汚れた手を下帯で拭いながら下帯を外してしまった。
ー明日から雪さんの事ちゃんと見られるかなー
だいぶ落ち着いてからそんなことを考える。あの声と、されていたことを思うと、雪の顔を見たら何かしら反応してしまいそうだ。
これが早く寝なさいと言うことだったのか。と今更ながらに思ったが遅かった。 取り敢えずはいつもと変わらなく接しなきゃと思い直すが、まずは朝イチで下帯を洗わなければと言うことが、ちょっと面倒なことだった。
あたりは暗く、まだ夜中のようだがその音は一定の間隔で聞こえてきて、誰かが人為的に出しているのはわかった。
まさか暴漢でも屋敷に?咄嗟にそれが頭に浮かんだ。しかも今日は旦那様も来ていて、旦那様雪さんどちらにも危害を加えられては大変だ!と、布団から飛び出て、表を確認するために障子をそっと開けて外を見た。
真冬の冷気で息が白く漏れ、廊下の向こうのガラスの外は明るい月明かりで庭の真ん中の南天が照らされている。
音は少し消えてから再び聞こえ出した。
ー誰もいないか?一体この音は…ー
自分が暴漢の前に出ていったとして何ができるかというと、吹っ飛ばされて終わりだろうが、でも盾くらいにはなれる、と庭を目だけで見回して廊下に出る。 雪の部屋は大丈夫だろうか…と目をやるとぼんやりとした光が灯っていた。
電気ではなく、行灯のような柔らかい光が数箇所揺らめいている
「まだ起きているのかな。久しぶりに会って話込んでるんだろうな」
少し微笑ましい気持ちで障子を見つめていると、行灯の光に照らされて影が見えた。
ー!?ー
その影の動きに馨は思わず息を詰める。
炎のせいで大きく見えるだけだろうが、それがわかっていても大きな影が何かを振り下ろし、それが振り下ろされた時に先ほどから聞こえる音がすることに気づいた。
ー暴漢が既に雪さんの部屋に?ー
さっき身を挺してでもと思った矢先だが、足がすくんだ。振り下ろしているものは一本のものに見える。まさか刀か…
色々考えるとますます足がすくみ、その場に座り込みそうになったが、気付いたことがあった。
その音が響いた直後に、微かにだが声が聞こえるのだ。
パシィッ!
「あぁっ!」
その声は聞いたことのない声で、誰が発しているかといえばあの部屋は雪の部屋で…
微かなその声は大層なまめかしく、多分だが叩かれているのだろう、その音がした時に必ず、
「ああっ!」
と漏れ聞こえてくる。
馨はそれをしばらく聞き入ってしまった。
なんと衝撃的で、なんて官能的な…声…。
「はぁ…旦那様…もっと、雪を打ち据えて…」
「まだ足らないのか?雪は欲張りだな…」
「ああ…それはっだめです…あ…旦那様勿体無いですから…ああっ」
馨は腰が抜け冷たい廊下にへたり込んだが、初めて手で触れないままに自分の中心が勃ち上がり、そして果てていた。
「え…あ…そういう…」
掏摸の親分は、いつでも女を側においていた。自分たちに説教するときも乳を揉んだり、股ぐらに手を突っ込んで女に嬌声をあげさせたりしていたから、男女の性愛くらいはわかっていた。…が
雪の声は女性のそれではないが、頼政のような男性的な声でもない。
しかもこう言う状況の声なので、吐息も交じり少しだけ高くなって男女関係ない煽情的な「音」となって耳に届く。
場末の女があげた嬌声なんかよりもよっぽど官能的で、耳から直接股間へ来るような…
影は床に寝ている者を愛するように動き、その動きにまた声が上がって時々しなやかな腕が伸びて見える。
そこへ再び細い一本棒が唸り、ピシッと音を立てると
「ああっ!あ…ぁ…いいっ…」
そう声が上がって、部屋の中は静かになった。
つい身を乗り出そうと廊下で膝立ちになった馨は、雪の部屋の障子の端に立っているトキと目があった。
「え…トキさん…?」
トキは、淵に手拭いがかかっている桶を持ち、薫に向かって人差し指を口に当て顔を横に振る。そして手のひらを上に向けて馨へ突き出し、部屋へ戻れと言うように何度も手を突き出した。
その後トキは障子が開くところにその桶を置き、もう一度馨の方を見て再び部屋へ戻れと手を突き出し、そして廊下を曲がっていく。
馨は自分で出してしまった下帯が気持ち悪いのも手伝って、動きたくなく居たが、雪の部屋の影が障子に近づいたのを察し慌てて部屋へ戻り少しの隙間を開けて障子を閉めた。
雪の部屋の障子が開き、無骨な手が桶を取り上げそしてまた閉まる。
細く開けた隙間からそれを確認して、馨は布団へ潜り猛烈に自分を扱いた。
どうせ汚れてしまった下帯なのだからもういいとばかりに、先ほどの声を思い起こし、自慰をした。
「あれは…なに…。何かで打たれてたのに、あんな声が…ああ…すげえ…」
扱く手は止まらず、雪の声が頭に響き渡る。
「そう言う関係か…旦那様と雪さんはそう言う…」
男女ではない事は気にならなかった。
全てを受け入れ、そして感じ入り、そして手を動かす。
「あ…あぁ…で…ちゃう…でる…ああ」
思い出す雪の声で、そんなに時間はかからなかった。
果てて手の中に己の液を握りしめたまま、馨はしばし動かなかった。
軽く上がった息は徐々に戻り、それでも雪の声は頭に残っている。それからまたしばらくしてから馨は布団を背負うようにおきあがり、汚れた手を下帯で拭いながら下帯を外してしまった。
ー明日から雪さんの事ちゃんと見られるかなー
だいぶ落ち着いてからそんなことを考える。あの声と、されていたことを思うと、雪の顔を見たら何かしら反応してしまいそうだ。
これが早く寝なさいと言うことだったのか。と今更ながらに思ったが遅かった。 取り敢えずはいつもと変わらなく接しなきゃと思い直すが、まずは朝イチで下帯を洗わなければと言うことが、ちょっと面倒なことだった。
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