ボスは1人でいいと、魔王軍の裏ボスなのに暗黒大陸に追放されたので、適当に開拓してたら最強領地と嫁を手に入れた

延野 正行

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8章

第46.5話 とびらが おそいかかってきた!(後編)

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 ガンッ!
 ガンッ!
 ガンッ!

 何か金属を叩いたような音が鳴り響いた。
 みんなは何が起こっているか、まだ理解できていない。
 先に気づいたのは、俺だった。

「みんな、ドアが迫ってくるぞ!」
「ドアが?」
「ホントみゃ! あいつ、ミャアたちを押しつぶすつもりみゃ!!」
「アイヤー! ちょ! ミャア、どうにかするネ!!」

 メーリンは悲鳴を上げる。
 そうこうしているうちにも、アタックドアが迫ってくる。
 ア〇ルトドアだと思ったら、デモン〇ウォールの方かよ。

 俺の幼少期のトラウマを、随分と刺激してくれるじゃないか!

 しかし、このまま黙ってみているわけにはいかない。
 その気持ちは通じたのか、チッタが走る。
 アタックドアの前に踊り出ると、【鉄壁】を張った。
 スキルを使って、押し返すつもりなのだろう。

『ガウゥゥゥゥゥゥゥウウウゥゥウ!!』

 チッタは唸る。
 アタックドアの力はあまりに無慈悲すぎた。
 チッタの力を以てしても、押し返すことは難しいらしい。

「まずいアルよ! 押し返されているアルよ」

 もうおしまいだー、とばかりにメーリンは頭を抱えた。

 いや、まだおしまいじゃない。

「そうです」
「まだ手はあるみゃ!」

 構えたのは、ルナとミャアだった。

 ミャアは【精神統一】のスキルを使う。
 【ためる】の第二派生スキル。
 攻撃力を倍加させることに加えて、その間防御力も上がるという優れたスキルだ。

 そこにルナが【怪力】を使って底上げする。

 ミャアの力はすでに200をオーバーしている。
 そこに【精神統一】による3倍の力、【怪力】による倍加が加わった。

 つまり、今ミャアの攻撃力は単純計算1000を越えている。

「行けっ!! ミャア!!!!」


「みゃあああああああああああああああ!!」


 ミャアは気勢を吐きながら、跳び上がる。
 ぐるりと空中で捻転しながら息をつけると、迫り来るアタックドアに襲いかかった。

 ゴオオオオオオオオオオオオオンンンンンン!!

 爆発音に似た音が響く。
 アタックドアは逆走する電車のように後ろへと下がっていった。
 そのまま自ら作り上げた壁に叩きつけられる。
 口をパックリと開けて、白目を向いた。

 瞬間、ついに扉が小さく開く。

「やったみゃあああああああああ!!」

 ミャアはガッツポーズを取る。
 どんなもんだいという風に、メーリンの方に振り返った。
 その得意げな顔を見て、先ほどまで呆然と戦況を眺めていたメーリンだったが、すぐに髪と片眼鏡の金鎖を揺らして、明後日の方向を向いた。

「ふ、ふんアル。頭の悪い獣人にしてはよくやったアルな」
「みゃっ! 命の恩人に向かって、なんていう言い草みゃ!」

 また2人は喧嘩を始める。
 本当に犬猿の仲だな。
 でも、喧嘩するほど仲が良いともいうけどね。

「うう……。ダイチ様、すみません。あまり活躍できませんでした」

 しょんぼりしていたのは、ステノだった。
 俺はポンポンと頭を叩く。

「ステノが得意な戦場もいつかやってくるさ」

 慰めるのだった。

~ ※ ~ ※ ~ ※ ~ ※ ~ ※ ~ ※ ~ ※ ~ ※ ~

パクリじゃなくて、オマージュだから!
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