70 / 107
7章
幕間Ⅲ ドワーフの饗応(後編)
しおりを挟む
◆◇◆◇◆
その夜……。
俺は宛がわれた部屋のベッドで寝ていた。
思ったよりも疲れていたらしい。
ベッドに寝っ転がるなり、すぐに睡魔が襲いかかってきた。
ハッと気付いた時には、部屋は真っ暗だ。
地下なのだから当たり前なのだが、俺は一瞬パニックになる。
部屋の中にある壁時計を見ると、丑三つ時を指していた。
弱ったな……。
早く寝てしまったからか。
変な時間に目が覚めてしまった。
「目が覚めたアルか?」
「メーリンか? ああ。地下だからかな。なんか時間の感覚が――――って!!」
なんでメーリンが俺の部屋にいるんだよ。
「むふふふ……」
次第に目が慣れてくる。
現れたのは、不敵な笑みを浮かべて、メーリンだ。
まず出現した場所がおかしい。
部屋の扉の前でもなければ、ベッドの側でもない。
何故かベッドの上で、馬乗りになっていた。
しかも、半裸の姿で。
「ギャ――――」
「静かにするネ。大丈夫ヨ。痛いことはしないネ。むしろ気持ちの良いことヨ」
俺の口を塞ぎ、メーリンは蠱惑的に微笑む。
気持ちのよいこと?
ま、まさか――――。
「むふふふ……。いい感じに硬くなってるアルね」
メーリンは頬を上気させながら、俺の下腹部をさする。
ああ! 逃れられない男のリビドー。
そりゃあ、ベッドの上に下着姿の女の子が馬乗りになってたら、その…………男の子として反応しちゃうのは必然でしょ!
そりゃあメーリンの身体は小さくて、小学生高学年という感じではあるのだけど、きちんと胸もあって、太股――――ダメだ、こりゃ。
喋れば喋るほど、ボロが出るヤツだ。
「メーリン、やめろ」
「何をやめるネ? よくわからないアルね」
「とりあえずベッドから降りてくれ」
「駄目アル。今から大魔王様と既成事実を作って、正室にしてもらえばドワーフ族は安泰アル」
この展開、すっごいデジャブ感がある。
「ダメダメ。そういうのはなしなし」
「何? わたしの身体に興味ないアルか? そりゃ人族の女と比べたら背丈は低いけど、これでも出るところ出てるアルよ」
「そ、それはわかったから」
「むふふふ……。大魔王様も男ネ。すけべヨ」
「ち、ちが――――」
そういうことじゃなくて!!
「それに人族の男の中には、小さい方がいいと――」
「断じて、俺にそっちの趣味はない!」
「でも、ルナもミャアもステノも、どっちかというと幼いアルよ」
あれは偶然なの!
「まあ、どうでもいいアル。さあ、大魔王様、観念するヨロシ……」
メーリンは身体を俺に預ける。
下着越しだから、ダイレクトに感触が伝わってきた。
やばい! 頭がぽぅっと……。
「「「そこまでです。メーリン!!」」」
突如、声が聞こえた。
バッとシーツが飛ぶ。
俺のシーツの中から現れたのは、ルナ、ミャア、ステノだった。
「それ以上は許しません」
「獣に代わってお仕置きみゃ!」
「殺す……」
いきなり3人の娘たちは殺気立っていた。
その気に当てられて、メーリンは怯む。
「さ、3人とは卑怯アル!」
一触即発の状態になる。
女性陣の間に大きく火花が散った。
その横で俺は固まり、戦況を見つめている。
ちょ! どういうこと!?
「なんで、3人が俺のシーツの中から出てくるんだよ!!」
俺のもの悲しい絶叫は、丑三つ時のドワーフ城に響く。
そのキャットファイトは出立する直前まで続いたという。
~ ※ ~ ※ ~ ※ ~ ※ ~ ※ ~ ※ ~ ※ ~
べ、別に羨ましいとか、思ってないんだからね。
その夜……。
俺は宛がわれた部屋のベッドで寝ていた。
思ったよりも疲れていたらしい。
ベッドに寝っ転がるなり、すぐに睡魔が襲いかかってきた。
ハッと気付いた時には、部屋は真っ暗だ。
地下なのだから当たり前なのだが、俺は一瞬パニックになる。
部屋の中にある壁時計を見ると、丑三つ時を指していた。
弱ったな……。
早く寝てしまったからか。
変な時間に目が覚めてしまった。
「目が覚めたアルか?」
「メーリンか? ああ。地下だからかな。なんか時間の感覚が――――って!!」
なんでメーリンが俺の部屋にいるんだよ。
「むふふふ……」
次第に目が慣れてくる。
現れたのは、不敵な笑みを浮かべて、メーリンだ。
まず出現した場所がおかしい。
部屋の扉の前でもなければ、ベッドの側でもない。
何故かベッドの上で、馬乗りになっていた。
しかも、半裸の姿で。
「ギャ――――」
「静かにするネ。大丈夫ヨ。痛いことはしないネ。むしろ気持ちの良いことヨ」
俺の口を塞ぎ、メーリンは蠱惑的に微笑む。
気持ちのよいこと?
ま、まさか――――。
「むふふふ……。いい感じに硬くなってるアルね」
メーリンは頬を上気させながら、俺の下腹部をさする。
ああ! 逃れられない男のリビドー。
そりゃあ、ベッドの上に下着姿の女の子が馬乗りになってたら、その…………男の子として反応しちゃうのは必然でしょ!
そりゃあメーリンの身体は小さくて、小学生高学年という感じではあるのだけど、きちんと胸もあって、太股――――ダメだ、こりゃ。
喋れば喋るほど、ボロが出るヤツだ。
「メーリン、やめろ」
「何をやめるネ? よくわからないアルね」
「とりあえずベッドから降りてくれ」
「駄目アル。今から大魔王様と既成事実を作って、正室にしてもらえばドワーフ族は安泰アル」
この展開、すっごいデジャブ感がある。
「ダメダメ。そういうのはなしなし」
「何? わたしの身体に興味ないアルか? そりゃ人族の女と比べたら背丈は低いけど、これでも出るところ出てるアルよ」
「そ、それはわかったから」
「むふふふ……。大魔王様も男ネ。すけべヨ」
「ち、ちが――――」
そういうことじゃなくて!!
「それに人族の男の中には、小さい方がいいと――」
「断じて、俺にそっちの趣味はない!」
「でも、ルナもミャアもステノも、どっちかというと幼いアルよ」
あれは偶然なの!
「まあ、どうでもいいアル。さあ、大魔王様、観念するヨロシ……」
メーリンは身体を俺に預ける。
下着越しだから、ダイレクトに感触が伝わってきた。
やばい! 頭がぽぅっと……。
「「「そこまでです。メーリン!!」」」
突如、声が聞こえた。
バッとシーツが飛ぶ。
俺のシーツの中から現れたのは、ルナ、ミャア、ステノだった。
「それ以上は許しません」
「獣に代わってお仕置きみゃ!」
「殺す……」
いきなり3人の娘たちは殺気立っていた。
その気に当てられて、メーリンは怯む。
「さ、3人とは卑怯アル!」
一触即発の状態になる。
女性陣の間に大きく火花が散った。
その横で俺は固まり、戦況を見つめている。
ちょ! どういうこと!?
「なんで、3人が俺のシーツの中から出てくるんだよ!!」
俺のもの悲しい絶叫は、丑三つ時のドワーフ城に響く。
そのキャットファイトは出立する直前まで続いたという。
~ ※ ~ ※ ~ ※ ~ ※ ~ ※ ~ ※ ~ ※ ~
べ、別に羨ましいとか、思ってないんだからね。
0
お気に入りに追加
1,253
あなたにおすすめの小説
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
性的に襲われそうだったので、男であることを隠していたのに、女性の本能か男であることがバレたんですが。
狼狼3
ファンタジー
男女比1:1000という男が極端に少ない魔物や魔法のある異世界に、彼は転生してしまう。
街中を歩くのは女性、女性、女性、女性。街中を歩く男は滅多に居ない。森へ冒険に行こうとしても、襲われるのは魔物ではなく女性。女性は男が居ないか、いつも目を光らせている。
彼はそんな世界な為、男であることを隠して女として生きる。(フラグ)
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
日本帝国陸海軍 混成異世界根拠地隊
北鴨梨
ファンタジー
太平洋戦争も終盤に近付いた1944(昭和19)年末、日本海軍が特攻作戦のため終結させた南方の小規模な空母機動部隊、北方の輸送兼対潜掃討部隊、小笠原増援輸送部隊が突如として消失し、異世界へ転移した。米軍相手には苦戦続きの彼らが、航空戦力と火力、機動力を生かして他を圧倒し、図らずも異世界最強の軍隊となってしまい、その情勢に大きく関わって引っ掻き回すことになる。
ハズレスキル【収納】のせいで実家を追放されたが、全てを収納できるチートスキルでした。今更土下座してももう遅い
平山和人
ファンタジー
侯爵家の三男であるカイトが成人の儀で授けられたスキルは【収納】であった。アイテムボックスの下位互換だと、家族からも見放され、カイトは家を追放されることになった。
ダンジョンをさまよい、魔物に襲われ死ぬと思われた時、カイトは【収納】の真の力に気づく。【収納】は魔物や魔法を吸収し、さらには異世界の飲食物を取り寄せることができるチートスキルであったのだ。
かくして自由になったカイトは世界中を自由気ままに旅することになった。一方、カイトの家族は彼の活躍を耳にしてカイトに戻ってくるように土下座してくるがもう遅い。
【しっかり書き換え版】『異世界でたった1人の日本人』~ 異世界で日本の神の加護を持つたった1人の男~
石のやっさん
ファンタジー
12/17 13時20分 HOT男性部門1位 ファンタジー日間 1位 でした。
ありがとうございます
主人公の神代理人(かみしろ りひと)はクラスの異世界転移に巻き込まれた。
転移前に白い空間にて女神イシュタスがジョブやスキルを与えていたのだが、理人の番が来た時にイシュタスの顔色が変わる。「貴方神臭いわね」そう言うと理人にだけジョブやスキルも与えずに異世界に転移をさせた。
ジョブやスキルの無い事から早々と城から追い出される事が決まった、理人の前に天照の分体、眷属のアマ=テラス事『テラスちゃん』が現れた。
『異世界の女神は誘拐犯なんだ』とリヒトに話し、神社の宮司の孫の理人に異世界でも生きられるように日本人ならではの力を授けてくれた。
ここから『異世界でたった1人の日本人、理人の物語』がスタートする
「『異世界でたった1人の日本人』 私達を蔑ろにしチート貰ったのだから返して貰いますね」が好評だったのですが...昔に書いて小説らしくないのでしっかり書き始めました。
元34才独身営業マンの転生日記 〜もらい物のチートスキルと鍛え抜いた処世術が大いに役立ちそうです〜
ちゃぶ台
ファンタジー
彼女いない歴=年齢=34年の近藤涼介は、プライベートでは超奥手だが、ビジネスの世界では無類の強さを発揮するスーパーセールスマンだった。
社内の人間からも取引先の人間からも一目置かれる彼だったが、不運な事故に巻き込まれあっけなく死亡してしまう。
せめて「男」になって死にたかった……
そんなあまりに不憫な近藤に神様らしき男が手を差し伸べ、近藤は異世界にて人生をやり直すことになった!
もらい物のチートスキルと持ち前のビジネスセンスで仲間を増やし、今度こそ彼女を作って幸せな人生を送ることを目指した一人の男の挑戦の日々を綴ったお話です!
スキル喰らい(スキルイーター)がヤバすぎた 他人のスキルを食らって底辺から最強に駆け上がる
けんたん
ファンタジー
レイ・ユーグナイト 貴族の三男で産まれたおれは、12の成人の儀を受けたら家を出ないと行けなかった だが俺には誰にも言ってない秘密があった 前世の記憶があることだ
俺は10才になったら現代知識と貴族の子供が受ける継承の義で受け継ぐであろうスキルでスローライフの夢をみる
だが本来受け継ぐであろう親のスキルを何一つ受け継ぐことなく能無しとされひどい扱いを受けることになる だが実はスキルは受け継がなかったが俺にだけ見えるユニークスキル スキル喰らいで俺は密かに強くなり 俺に対してひどい扱いをしたやつを見返すことを心に誓った
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる