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第1章
第4話 ギルドマスターとゴミ屋敷(前編)
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俺はステータスを確認する。
名前 四條 陸
年齢 22
種族 人間
職業 勇者
――――――――――――――
レベル 1
攻撃力 560
防御力 300
素早さ 300
スタミナ 120
状態耐性 250
――――――――――――――
スキル 縛りプレイ
――――――――――――――
現在の縛り なし
よし。
攻撃力が4倍。素早さも3倍。
スタミナ2倍。他は横ばいか。
足を縛ったから、攻撃と素早さが増加したんだな。
なるほど。段々と『縛りプレイ』の使い方がわかってきたぞ。
目的が達成されたため、縛りも消えたらしい。
「つぇえ……」
「嘘だろ」
「ギルドマスターを一発かよ」
ギルドマスターってなんだ?
ギルドのエラい人ってことか?
ヤバいな。
思わず蹴っちまったけど、仕事は貰えるんだろうか。
「リックさん」
すると、ネレムさんの声が聞こえた。
若干トーンが低い。
恐る恐る振り返る。
ネレムさんはカウンターから出てきて、俺の真後ろに立っていた。
「ああ、いや……。これは不可抗力というか……。降りかかった火の粉を払ったっていうか……」
俺はしどろもどろに弁解する。
だが――。
「すごいです!」
ネレムさんの顔は女神のように輝いた。
「へ……?」
「まさか、うちのギルドマスターを倒してしまうなんて」
声がやたら明るい。
あれ? もしかして、喜んでる?
「いや、でも……。この人、ギルドのエラい人では?」
「はい。でも、職員ではないんですよ。この人も冒険者で、このギルドで1番強い人ってだけなんです」
「1番強い。こいつが……?」
これがギルドで1番強いのかよ。
めっちゃ弱かったけどな。
こんなヤツがギルドマスターって、この辺の治安は大丈夫なんだろうか。
「ただこの人、ギルドでは評判が悪くて。エラそうだし、……やたらといやらしい目で見てくるし」
うーん。それは仕方がない。
何せネレムさんの胸は、それだけ魅力的だからな。
「その点、リックさんなら心配ないですね」
「へ? なんでですか?」
「ちょっと動かないで下さいね」
ネレムさんは俺に近づいてくる。
立派な胸が、俺に触れそうになるぐらい近く。
すると、ふわっと良い匂いがした。
上目遣いで「じっとして。肩の力を抜いて」と、ネレムさんは囁く。
ちょ、ま――。待って!
これどういう状況?
衆人環視の場で、その……。
ていうか、ルーナも見ているのに。
ルーナ見るな。
見ちゃいけません!
動揺する一方で、ネレムさんはそっと俺の胸に手を当てた。
「我、ネレム・アーニアが認証する。この者にマスターの称号を与え賜え」
それはまるで呪文のようだった。
すると、頭の中で勝手にステータスが開く。
名前 四條 陸
年齢 22
種族 人間
職業 勇者
――――――――――――――
レベル 1
攻撃力 580
防御力 320
素早さ 320
スタミナ 140
状態耐性 270
――――――――――――――
スキル 縛りプレイ
――――――――――――――
現在の縛り なし
――――――――――――――
称号 ギルドマスター
おお。称号っていう項目が現れたぞ。
ステータスも微増してる。
てか、俺がギルドマスター……?
いいのか?
俺、まだ1度も依頼を受けていないんだけど。
「これでよし」
ネレムさんは俺から離れた。
「リックさん、ステータスに変化はありましたか?」
「ええ……。ギルドマスターって」
「はい。今日からリックさんがギルドマスターです」
笑顔で言われてもなあ。
なんか実感がないっていうか。
いいのか。俺、超初心者だぞ。
(※ 後編へ続く)
名前 四條 陸
年齢 22
種族 人間
職業 勇者
――――――――――――――
レベル 1
攻撃力 560
防御力 300
素早さ 300
スタミナ 120
状態耐性 250
――――――――――――――
スキル 縛りプレイ
――――――――――――――
現在の縛り なし
よし。
攻撃力が4倍。素早さも3倍。
スタミナ2倍。他は横ばいか。
足を縛ったから、攻撃と素早さが増加したんだな。
なるほど。段々と『縛りプレイ』の使い方がわかってきたぞ。
目的が達成されたため、縛りも消えたらしい。
「つぇえ……」
「嘘だろ」
「ギルドマスターを一発かよ」
ギルドマスターってなんだ?
ギルドのエラい人ってことか?
ヤバいな。
思わず蹴っちまったけど、仕事は貰えるんだろうか。
「リックさん」
すると、ネレムさんの声が聞こえた。
若干トーンが低い。
恐る恐る振り返る。
ネレムさんはカウンターから出てきて、俺の真後ろに立っていた。
「ああ、いや……。これは不可抗力というか……。降りかかった火の粉を払ったっていうか……」
俺はしどろもどろに弁解する。
だが――。
「すごいです!」
ネレムさんの顔は女神のように輝いた。
「へ……?」
「まさか、うちのギルドマスターを倒してしまうなんて」
声がやたら明るい。
あれ? もしかして、喜んでる?
「いや、でも……。この人、ギルドのエラい人では?」
「はい。でも、職員ではないんですよ。この人も冒険者で、このギルドで1番強い人ってだけなんです」
「1番強い。こいつが……?」
これがギルドで1番強いのかよ。
めっちゃ弱かったけどな。
こんなヤツがギルドマスターって、この辺の治安は大丈夫なんだろうか。
「ただこの人、ギルドでは評判が悪くて。エラそうだし、……やたらといやらしい目で見てくるし」
うーん。それは仕方がない。
何せネレムさんの胸は、それだけ魅力的だからな。
「その点、リックさんなら心配ないですね」
「へ? なんでですか?」
「ちょっと動かないで下さいね」
ネレムさんは俺に近づいてくる。
立派な胸が、俺に触れそうになるぐらい近く。
すると、ふわっと良い匂いがした。
上目遣いで「じっとして。肩の力を抜いて」と、ネレムさんは囁く。
ちょ、ま――。待って!
これどういう状況?
衆人環視の場で、その……。
ていうか、ルーナも見ているのに。
ルーナ見るな。
見ちゃいけません!
動揺する一方で、ネレムさんはそっと俺の胸に手を当てた。
「我、ネレム・アーニアが認証する。この者にマスターの称号を与え賜え」
それはまるで呪文のようだった。
すると、頭の中で勝手にステータスが開く。
名前 四條 陸
年齢 22
種族 人間
職業 勇者
――――――――――――――
レベル 1
攻撃力 580
防御力 320
素早さ 320
スタミナ 140
状態耐性 270
――――――――――――――
スキル 縛りプレイ
――――――――――――――
現在の縛り なし
――――――――――――――
称号 ギルドマスター
おお。称号っていう項目が現れたぞ。
ステータスも微増してる。
てか、俺がギルドマスター……?
いいのか?
俺、まだ1度も依頼を受けていないんだけど。
「これでよし」
ネレムさんは俺から離れた。
「リックさん、ステータスに変化はありましたか?」
「ええ……。ギルドマスターって」
「はい。今日からリックさんがギルドマスターです」
笑顔で言われてもなあ。
なんか実感がないっていうか。
いいのか。俺、超初心者だぞ。
(※ 後編へ続く)
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