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私の履歴書
第16章 私の障害特性
しおりを挟む私は統合失調症で躁鬱の気があると言われています。
発症は21歳の時で現在51歳になります。
33歳のときに同じ精神科で知り合った4歳年上の女性と結婚しました。
40過ぎの時には私は家内に暴力を振るってしまい、別れることになりました。
そこで、30歳の時から受けていた生活保護を打ち切られ働くことになりました。
当初は年齢も年齢だけに、10年ぶりの社会復帰はとても大変でした。
健康保健にも入っていなかったので、精神科の薬も断ち、1年ほどはなんとか生活は出来たのですが、やはり調子が悪くなり仕事を辞めてしまいました。
妄想などの症状が出てきたのは、そのころだったかと思います。
まず、テレビを見ているとコメンテーターが私に話しかけていると思いました。
それも生番組、収録番組問わずでした。
私が笑うと画面の中のコメンテーターも笑い、目をそらすとちゃんと見てるかと言ってくるのです。
そして、やたらと新聞や報道番組に興味を持ち、世界情勢に敏感になりました。
自分の免許証の公安委員会という文字を見て、私は日本の公安に任命されていたんだと錯覚しました。
用もなく名古屋駅などへ行き、外国人などを見つけると、国際スパイではないかと、パトロールしているつもりになって、見張ったりしました。
時には、金城ふ頭まで行き北朝鮮からの密輸や密航などを見張ったつもりになったりしました。
とにかく、福祉乗車券を使い、名古屋中を徘徊し、深夜に家まで歩いて帰ることもしばしばでした。
気が付くと手持ちのお金で大阪まで行ったこともありました。
大阪のユースホステルに一泊し、近鉄で帰ってきました。
そんな生活を意味もなく送り、お金も無くなりました。
タバコの欲求は我慢できず、街を徘徊し落ちている吸いがらや、街の灰皿をあさりあてもなく、一日中歩きまわり、真っ黒に日焼けし、ガリガリに痩せました。
家に帰ると、味噌をお湯で溶かし、水で溶いた小麦粉をそこに入れて、すいとんを作って食べました。
味噌が無くなると、小麦粉を溶かしフライパンで焼いて、冷蔵庫の調味料を塗って飢えをしのぎました。
ふと、亡くなった父が、実は生きていて、火葬中に誰かに運ばれて、他の女と生活しているのではないかと思い、本籍のある、小牧市の役所まで行き、死亡届けを確認しにいきました。
次第に平衡感覚がなくなり、寝ているときに扇風機に巻き込まれる感覚がしました。
ひざがぬけ、足腰がたたなくなり、孤独と恐怖で死を感じました。
左足の小指がスースーと痛みだし、そこから白骨化していくのかと思いました。
壁のシミが、思考に合わせて人の顔や、死神に変化しました。
時計の音がゆっくりになり、秒針がとまり、時間の感覚がおかしくなりました。
家の中で「死ねー、おやじ!」と怒鳴ったり、奇声を発したりしました。
近所の人に、喧嘩腰になったりして、家の周りを警察官に囲まれました。
警察に家から出るように、ドアをノックされましたが、家から出ませんでした。
後日、生活保護課のケースワーカーと保護所の人が、訪問に来ました。
病院に行くことを促されました。
通院がはじまり、生活保護が再開しました。
元の調子に戻るまでは、半年から1年かかりました。
別れた家内も、私のところへ帰ってきました。
家内をはじめ、たくさんの人に迷惑をかけました。
薬の服用の大切さと、行きていけることのありがたさ。
日本という、戦争の無い国に生まれたことへの感謝。
他の国では戦争や飢餓で、苦しんでいることも忘れず、日本だけでなく世界中の人々が健康で安全にくらせることを願い。
今、自分ができることを真面目に考え。
世間様に迷惑をかけず、生前父が口をすっぱく言っていた「お上には逆らうな。」を肝に銘じ。
家内と二人三脚で、支え合って生きていくこと。
それが、今の私には、とても大事だと思っています。
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