3 / 57
私の履歴書
第3章 出会い
しおりを挟む
私は家内を初めて見た時のことを、今でも鮮明に覚えています。
今から20年以上前のことでしょうか。
私は警備会社に勤めており、会社には病気のことは伏せていました。
月に一度、病院に診察に来ていました。
診察が終わり薬を待っている間、病院内にある喫茶店で時間を潰すのが、私の習慣でした。
いつものように、非番だった月曜日に来院し、薬待ちの間喫茶店のカウンターでアイスコーヒーを飲んでいる時でした。
カランカランとドアが空いた音がし、私はドアの方をおもむろに眺めると、白いTシャツを着た、まっすぐなロングヘアーの女性が1人で入ってきました。
その女性は軽くうつむき加減で、テーブル席に1人で腰掛けコーラを注文しました。
入院しているのかな?
歳は自分より下かな?
私は想像を働かせました。
他の患者さんがその女性にちょっかいをかけていたのを、彼女は手で迷惑そうに振り払っていました。
おとなしそうな人だな。
私が彼女をはじめの見た時の第一印象でした。
2度目に会ったのはそれから数年たった時でした。
私は5年続いた仕事をリタイアし、病院のソーシャルセンターという所でリハビリすることになりました。
老若男女問わず、少人数でスポーツをしたり、農耕をしたり、陶芸をしたりしました。
陶芸の時間に、病棟から彼女が来ていました。
彼女はウォークマンを聞きながら、ひたしら貝殻の形をした、たぶん灰皿であろう粘土を磨いていました。
私はちょっと勇気をだして、彼女の肩をたたき、「何を聞いているの?」と話しかけました。
「ブランキー。」彼女は少し面倒くさそうに答えました。
「あ~イカ天に出ていた!」私が言うと。
「友達だったから。」彼女はそう言い、またイヤホンを耳にあて、貝殻を磨きだしました。
あまり良い
印象は持たれてないのかな?私は思いました。
その次に会ったのは、彼女の入院している病棟でした。
比較的自由な開放病棟だったので、日中は入院患者さん以外の人でも、出入りは自由でした。
私はソーシャルセンターから、デイケアに移っていました。
たまたま病棟を覗きに行ったら、彼女がいました。
いままでの印象とは別人で、彼女は病棟の長椅子に座り友達とゲラゲラ笑っていました。
以前私が入院していた時一緒だった青年が居たので、卓球をすることになりました。
場が盛り上がってくると、彼女もやろうと言ってきました。
勝敗の結果はあまり覚えていませんが、彼女は卓球が上手かった印象がありました。
後に私の妻になる彼女との馴れ初めはまた、後日お話しいたします。
今から20年以上前のことでしょうか。
私は警備会社に勤めており、会社には病気のことは伏せていました。
月に一度、病院に診察に来ていました。
診察が終わり薬を待っている間、病院内にある喫茶店で時間を潰すのが、私の習慣でした。
いつものように、非番だった月曜日に来院し、薬待ちの間喫茶店のカウンターでアイスコーヒーを飲んでいる時でした。
カランカランとドアが空いた音がし、私はドアの方をおもむろに眺めると、白いTシャツを着た、まっすぐなロングヘアーの女性が1人で入ってきました。
その女性は軽くうつむき加減で、テーブル席に1人で腰掛けコーラを注文しました。
入院しているのかな?
歳は自分より下かな?
私は想像を働かせました。
他の患者さんがその女性にちょっかいをかけていたのを、彼女は手で迷惑そうに振り払っていました。
おとなしそうな人だな。
私が彼女をはじめの見た時の第一印象でした。
2度目に会ったのはそれから数年たった時でした。
私は5年続いた仕事をリタイアし、病院のソーシャルセンターという所でリハビリすることになりました。
老若男女問わず、少人数でスポーツをしたり、農耕をしたり、陶芸をしたりしました。
陶芸の時間に、病棟から彼女が来ていました。
彼女はウォークマンを聞きながら、ひたしら貝殻の形をした、たぶん灰皿であろう粘土を磨いていました。
私はちょっと勇気をだして、彼女の肩をたたき、「何を聞いているの?」と話しかけました。
「ブランキー。」彼女は少し面倒くさそうに答えました。
「あ~イカ天に出ていた!」私が言うと。
「友達だったから。」彼女はそう言い、またイヤホンを耳にあて、貝殻を磨きだしました。
あまり良い
印象は持たれてないのかな?私は思いました。
その次に会ったのは、彼女の入院している病棟でした。
比較的自由な開放病棟だったので、日中は入院患者さん以外の人でも、出入りは自由でした。
私はソーシャルセンターから、デイケアに移っていました。
たまたま病棟を覗きに行ったら、彼女がいました。
いままでの印象とは別人で、彼女は病棟の長椅子に座り友達とゲラゲラ笑っていました。
以前私が入院していた時一緒だった青年が居たので、卓球をすることになりました。
場が盛り上がってくると、彼女もやろうと言ってきました。
勝敗の結果はあまり覚えていませんが、彼女は卓球が上手かった印象がありました。
後に私の妻になる彼女との馴れ初めはまた、後日お話しいたします。
10
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説

ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
執事👨一人声劇台本
樹(いつき)@作品使用時は作者名明記必須
青春
執事台本を今まで書いた事がなかったのですが、機会があって書いてみました。
一作だけではなく、これから色々書いてみようと思います。
⚠動画・音声投稿サイトにご使用になる場合⚠
・使用許可は不要ですが、自作発言や転載はもちろん禁止です。著作権は放棄しておりません。必ず作者名の樹(いつき)を記載して下さい。(何度注意しても作者名の記載が無い場合には台本使用を禁止します)
・語尾変更や方言などの多少のアレンジはokですが、大幅なアレンジや台本の世界観をぶち壊すようなアレンジやエフェクトなどはご遠慮願います。
その他の詳細は【作品を使用する際の注意点】をご覧下さい。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

体育座りでスカートを汚してしまったあの日々
yoshieeesan
現代文学
学生時代にやたらとさせられた体育座りですが、女性からすると服が汚れた嫌な思い出が多いです。そういった短編小説を書いていきます。

坊主の誓い
S.H.L
青春
新任教師・高橋真由子は、生徒たちと共に挑む野球部設立の道で、かけがえのない絆と覚悟を手に入れていく。試合に勝てば坊主になるという約束を交わした真由子は、生徒たちの成長を見守りながら、自らも変わり始める。試合で勝利を掴んだその先に待つのは、髪を失うことで得る新たな自分。坊主という覚悟が、教師と生徒の絆をさらに深め、彼らの未来への新たな一歩を導く。青春の汗と涙、そして覚悟を描く感動の物語。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる