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2nd season 第四章
156 開示
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「なぁ、主様?コレ、雨が降ったらどうなんだ?」
うむ、目の付け所が完全に小学生だ。
微笑みをたたえたフレッドが父兄に見える。
「ライザ、雨は何処から降るか知ってるか?」
「そんなん誰でも知ってんだろ?空の上の雲から・・・そっかっ!雲の上に居れば傘がいらねーのかっ!」
「しかし友よ、壮絶な景色だ。雲の海など想像すらした事がない」
「すげぇーよなー?籠から降りても泳げそうな・・・ライザ?やるなよ?」
「・・・やっぱ無理なのか?」
「朝陽はもっと凄いから、期待しとけよ?」
「ああ、楽しみにさせて貰おう。して、ヤザンどのとホイクト君を呼んでくれば良いのだな?」
「ああっ!くれぐれも、空の上とはバラすなよ?」
「くっくっくっ・・・カインは人が悪い」
~~~~~
「ふむ、アルフレッド様、この『球体零号』という所で猊下がお待ちなのですな?」
「ああ。旅の間の連絡手段に慣れる必要があるから、ホイクト君と二人で来るようにとの事だ」
「賜りました。すぐに向かった方が?」
「ああ、それが良いだろう」
「では、失礼して、ホイクト、参るぞ」
「はっ!」
猊下から『暫く旅に出る』と聞かされた時には大変な事になると思いましたが、こうしてこまめに連絡が取れるなら、普段と何も変わりませんな。
しかし『球体零号』とは・・・、また何か変わった馬車でも作られたのか?
ブブウンッ
「よく来たな、ヤザンっ!」
「はへっ???」
なっ、なんだココは?
頭上には巨大な球。
眼下には・・・海?だが・・・水では無さそうだ・・・
「ぶふふふっ!聞いたかアリスっ!『はへっ』って言ったぞ!『はへっ』って」
「もう、カイン兄さん?ヤザンさんに失礼でしょ?」
ふむ・・・アリス様が居るという事は危険な場所では無いはず・・・しかし足場が悪い、グラグラと踏ん張りが効かぬ・・・舟・・・なのか?
「猊下、これはいったい?」
「よく下を見てみろ?知っているはずだ」
ふむ・・・よく見ると海のようなものから浮いて・・・「浮いているっ!!!!!?」
「ぶふっ!聞いたかアリスっ!『浮いているっ!』ってゆったぞ!『浮いているっ!』って!」
「ヤザンさん、ごめんなさい。どうしても兄さんが内緒だって聞かなくって。ここは空の上ですよ」
「なんだよアリス~、ストレスの溜まってるヤザンにも少~し、ユーモアを味あわせようっていう折角の計らいなのにぃー」
空の上・・・ふむ・・・確かに飛んでいるというのはしっくりくる・・・「な”っ!?」
「ぶふぉっ!『な』に『”』ついた『”』!」
「アリス様?これは空を飛ぶ馬車で、我々はその馬車に転移したという事ですかな?」
「はい。そーです。ここは雲の上。凄い景色でしょー?」
「ええ・・・よもや空を飛ぶ日が来るとは・・・猊下?これは何時から?」
「あー、その前に苦虫くん、君には失望したっ!なんだその無表情はっ?もっと面白いリアクションは出来なかったのかっ?」
「・・・猊下・・・ホイクトはあまりの事態に固まっているのです・・・」
「ふむ・・・まぁ仕方がないか。これが、ミズーラ王都を消滅させた兵器だ。我が国最大の機密だから、絶対に言うなよ?」
「これが兵器???」
「ここから俺が岩を落とせば、都市が無くなる」
「な”っ!」
「見てみろ苦虫くん!これが正しいリアクションだ!しっかりと上司から学ぶように!」
「猊下・・・教務長はともかく、私のような者にまで教えて宜しいので?」
「うむ。秘密は一人で抱えるとストレスだからな?ヤザンの胃に穴が開かぬよう、分散してやった」
「「・・・」」
「まぁ、それはさておき、これが空の上だ!交代が来るまで一時間ある。満喫しろ!」
「・・・本当に猊下は、お優しいのか、恐ろしいのか、判断つきかねますな」
しかし空を飛ぶとは・・・六年前のあの日、謀略が叶っていれば、取り返しのつかぬ損失を人類に与えてしまったのだろう・・・いや、もとより成功するわけが無いのだな・・・あまりにも、大きすぎる・・・。
「どうだヤザン?世界は広いだろ?」
「えぇ・・・思い知らされます・・・そして、なんと美しい・・・一度この光景を目にしてしまえば、いかなる絵画も陳腐に思える」
「苦虫くんもしっかり目に焼き付けとけよ?こんな光景、ペルシラのおっさんですら見たこと無いんだぞ?」
「はい・・・だんだん実感湧いてきました。ここ、空の上なんですよね・・・飛んでるんだ・・・」
「苦虫くんはユリアを助けてくれた。実は結構感謝してる。ささやかな礼だ」
「・・・光栄です」
「よしっ、俺が居たらリラックス出来ないだろう?アリス、寝室に居るから、何かあったら呼んでくれ」
「いえっ、猊下。差し支えなければ居てください。この光景は、我らだけで見るには巨大過ぎますゆえ・・・」
ふむ・・・よもやな・・・良い上司と良い部下、私も随分と恵まれた男では無いか。
この世界がどこに向かうのか・・・それは皆、目の前の若き王にかかっているのだろう。
私はそれを間近で見届ける事が出来る・・・なんと贅沢な事か。
「アリス!大変だ!ヤザンが俺に惚れたかもしれんっ!」
「「「・・・」」」
ふっ、さもありなん。
私は本当に恵まれた男だ・・・。
うむ、目の付け所が完全に小学生だ。
微笑みをたたえたフレッドが父兄に見える。
「ライザ、雨は何処から降るか知ってるか?」
「そんなん誰でも知ってんだろ?空の上の雲から・・・そっかっ!雲の上に居れば傘がいらねーのかっ!」
「しかし友よ、壮絶な景色だ。雲の海など想像すらした事がない」
「すげぇーよなー?籠から降りても泳げそうな・・・ライザ?やるなよ?」
「・・・やっぱ無理なのか?」
「朝陽はもっと凄いから、期待しとけよ?」
「ああ、楽しみにさせて貰おう。して、ヤザンどのとホイクト君を呼んでくれば良いのだな?」
「ああっ!くれぐれも、空の上とはバラすなよ?」
「くっくっくっ・・・カインは人が悪い」
~~~~~
「ふむ、アルフレッド様、この『球体零号』という所で猊下がお待ちなのですな?」
「ああ。旅の間の連絡手段に慣れる必要があるから、ホイクト君と二人で来るようにとの事だ」
「賜りました。すぐに向かった方が?」
「ああ、それが良いだろう」
「では、失礼して、ホイクト、参るぞ」
「はっ!」
猊下から『暫く旅に出る』と聞かされた時には大変な事になると思いましたが、こうしてこまめに連絡が取れるなら、普段と何も変わりませんな。
しかし『球体零号』とは・・・、また何か変わった馬車でも作られたのか?
ブブウンッ
「よく来たな、ヤザンっ!」
「はへっ???」
なっ、なんだココは?
頭上には巨大な球。
眼下には・・・海?だが・・・水では無さそうだ・・・
「ぶふふふっ!聞いたかアリスっ!『はへっ』って言ったぞ!『はへっ』って」
「もう、カイン兄さん?ヤザンさんに失礼でしょ?」
ふむ・・・アリス様が居るという事は危険な場所では無いはず・・・しかし足場が悪い、グラグラと踏ん張りが効かぬ・・・舟・・・なのか?
「猊下、これはいったい?」
「よく下を見てみろ?知っているはずだ」
ふむ・・・よく見ると海のようなものから浮いて・・・「浮いているっ!!!!!?」
「ぶふっ!聞いたかアリスっ!『浮いているっ!』ってゆったぞ!『浮いているっ!』って!」
「ヤザンさん、ごめんなさい。どうしても兄さんが内緒だって聞かなくって。ここは空の上ですよ」
「なんだよアリス~、ストレスの溜まってるヤザンにも少~し、ユーモアを味あわせようっていう折角の計らいなのにぃー」
空の上・・・ふむ・・・確かに飛んでいるというのはしっくりくる・・・「な”っ!?」
「ぶふぉっ!『な』に『”』ついた『”』!」
「アリス様?これは空を飛ぶ馬車で、我々はその馬車に転移したという事ですかな?」
「はい。そーです。ここは雲の上。凄い景色でしょー?」
「ええ・・・よもや空を飛ぶ日が来るとは・・・猊下?これは何時から?」
「あー、その前に苦虫くん、君には失望したっ!なんだその無表情はっ?もっと面白いリアクションは出来なかったのかっ?」
「・・・猊下・・・ホイクトはあまりの事態に固まっているのです・・・」
「ふむ・・・まぁ仕方がないか。これが、ミズーラ王都を消滅させた兵器だ。我が国最大の機密だから、絶対に言うなよ?」
「これが兵器???」
「ここから俺が岩を落とせば、都市が無くなる」
「な”っ!」
「見てみろ苦虫くん!これが正しいリアクションだ!しっかりと上司から学ぶように!」
「猊下・・・教務長はともかく、私のような者にまで教えて宜しいので?」
「うむ。秘密は一人で抱えるとストレスだからな?ヤザンの胃に穴が開かぬよう、分散してやった」
「「・・・」」
「まぁ、それはさておき、これが空の上だ!交代が来るまで一時間ある。満喫しろ!」
「・・・本当に猊下は、お優しいのか、恐ろしいのか、判断つきかねますな」
しかし空を飛ぶとは・・・六年前のあの日、謀略が叶っていれば、取り返しのつかぬ損失を人類に与えてしまったのだろう・・・いや、もとより成功するわけが無いのだな・・・あまりにも、大きすぎる・・・。
「どうだヤザン?世界は広いだろ?」
「えぇ・・・思い知らされます・・・そして、なんと美しい・・・一度この光景を目にしてしまえば、いかなる絵画も陳腐に思える」
「苦虫くんもしっかり目に焼き付けとけよ?こんな光景、ペルシラのおっさんですら見たこと無いんだぞ?」
「はい・・・だんだん実感湧いてきました。ここ、空の上なんですよね・・・飛んでるんだ・・・」
「苦虫くんはユリアを助けてくれた。実は結構感謝してる。ささやかな礼だ」
「・・・光栄です」
「よしっ、俺が居たらリラックス出来ないだろう?アリス、寝室に居るから、何かあったら呼んでくれ」
「いえっ、猊下。差し支えなければ居てください。この光景は、我らだけで見るには巨大過ぎますゆえ・・・」
ふむ・・・よもやな・・・良い上司と良い部下、私も随分と恵まれた男では無いか。
この世界がどこに向かうのか・・・それは皆、目の前の若き王にかかっているのだろう。
私はそれを間近で見届ける事が出来る・・・なんと贅沢な事か。
「アリス!大変だ!ヤザンが俺に惚れたかもしれんっ!」
「「「・・・」」」
ふっ、さもありなん。
私は本当に恵まれた男だ・・・。
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