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2nd season 第一章
102 開業
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おかしい・・・。
グラム王国歴334年11月10日。
聖都について三日目だというのに、俺達は銭湯をはじめていた。
夕べ、シリア達が風呂から上がったら、そういう事になっていた。
俺達は冒険者で、曲がりなりにもC級パーティー。
なのに依頼の一つもこなす前に、訓練所で湯を沸かしている。
スパの前身で作った、旧式の男湯と女湯。
俺たちがいる間限定のサービスとして、依頼達成時に希望すると、銅貨一枚で入浴券が買える。
「いや、これ、絶対数日でパンクするだろ?」
「大丈夫よ、男女それぞれ一日100人までで、選出方法はギルドに丸投げだから」
「毎日金貨二枚なっ!働くより儲かんなっ!」
「俺・・・金貨一枚で試練の洞窟挑んだんだよな・・・」
「今日はお試しで先着順、明日からは塩漬け依頼に優先権抱き合わせるみたいよ?」
「・・・やるなニェリーザさん」
うん、まぁ別にいんだけどね?
なし崩しで外に出なくてもここで寝泊まり出来るようになったし。
「俺達、冒険者じゃなくて絶対、業者の人だと思われてるよな・・・」
「そうでも無いわよ?女に執着が酷いナチュラルボーンキラーって事にはなってるけどね?」
「・・・嘘が無いだけになんとも言えん」
「いいじゃない?お風呂沸かしてるだけで食べてけるなんて、働いてるのユリアとミランだけよ?」
「まっ、魔力訓練には丁度いいな」
「他のみんなは取りあえずギルドの中だけ、まだ勝手に外は出歩かないように言ってあるわ」
「あー、それ、言おうと思ってた!さすが我が妻!愛してるよー」
「もう・・・あたしもよっ?」
「あー、オホンっ」
「ニェリーゼさん、どうしました?」
「仲睦まじいのは良い事だが、他人がイチャついてるのは胸焼けがするものだ・・・神殿から遣いが来たぞ」
「それはスミマセン・・・何もギルマス自ら伝言に来られなくとも・・・」
「シリア達は人気だが、猊下は『気に入らないとすぐ殺す』ともっぱらの噂でな?受付嬢が怖がるのだ」
「・・・しどい・・・でも概ね正解。気に入らない条件が明確な所が欠落してるけど・・・」
「いいじゃない?アンタが嫌われるだけで、みんな安全になるんだからっ!」
「ごもっとも」
うん。
ぶっちゃけ世間の評価とかどうでもいい。
この尻があれば俺は生きていけるっ!
しかもいっぱいあるんだぜ?
「アンタ・・・また馬鹿な事考えてるわね?」
「いえ、まったく。それで、ニェリーゼさん、内容は?」
「驚いたことに、明日猊下が謁見下さるそうだ。どういう事だ?」
「いや、俺に聞かれても・・・ホルジス様、なんかしたのかな?」
「では明日は私も同行しよう、一同で来るようにとの事だったからな」
「・・・・・いえ、明日は俺達だけにしておきましょう。恐らく、揉めます。ニェリーゼさんは立場的に不味いでしょう」
「ん?大丈夫なのか?」
「まぁ、イザとなったら殺り逃げしますんで。その前にホルジス様が治めてくれるでしょうけど」
「・・・殺り逃げ・・・私はお前を捕縛しておくべきかもしれんな?」
「ですよね?これ、王国だったら国王暗殺宣言みたいなもんですし・・・ただ、雇い主がその教皇の雇い主だったりするワケですが」
「・・・うむ、まぁ、なるべく穏便にな?シリア、頼むぞ?」
うむ。
話が簡単に進み過ぎる。
ホルジス様の暗躍って線が濃厚だけど、用心に越したことは無いな・・・。
~~~~~
「いやぁ~、予想以上の成果だな。これで明日は塩漬け依頼もカタが付くだろう」
ご機嫌なニェリーゼさんとともに、俺達はギルドの居酒屋スペースで寛いでいた。
「あー、すんません。その件なんですけど、ちょっと延期してください」
「ん、何故だ?問題があるのか?」
「アレから色々考えたんですが、やはり恐らく、すんなりとは帰って来れないと思います」
「アンタ、ヤバイの?」
「うん、ニェリーゼさん、遣いの人は一同で来るように言ったんですよね?」
「ああ、間違いない」
「つまり、俺達全員に用があるか、もしくは俺以外に用があるって事だ」
「あっ!」
「前者の場合、異教徒を見せしめにしなければならない事情がある。後者なら・・・まっ、十中八九ユリアだな」
「ごめん・・・なさい」
「ユリア?謝っちゃダメって言ったでしょ?」
「はっ!スミマセン・・・」
「まだ追手と決まったわけじゃないわっ!いずれにしてもロックハウスの女に手を出す者は殲滅よっ!アンタッ!一人で行く気じゃ無いでしょうね?」
「今回は全員で行く。アリスも含めてだ」
「カイン猊下、大丈夫なのか?」
「はい。それが最善です。申請から三日。つまり、三日で教皇を動かせるか、教皇の名前を使える存在が相手です。逃げるにしても、逃がすにしても、既に網が張られていると考えるべきでしょう。ならば俺の手が届く範囲、更にホルジス様という切り札がいる神殿が一番安全です。そこでニェリーゼさんに伺いたいのですが、神殿にA級・・・いや、ヴァルダークさんより強い人はいますか?」
「ほぅ・・・ヴァルダーク程度なら倒せると?」
「いえ、封じるだけでいいんです。即死しなければホルジス様がなんとかしてくれるでしょう」
「ふむ・・・居ない、とは言い切れんな?神殿には教務長指揮下の暗部がある。アサシンの技は侮れん」
「うーん、それはちょっと厄介ですね・・・どうするか・・・」
「うむ、やはり私も行こう」
「いえ、それはマズイと」
「いや、決めた。たった今から私も神理教に鞍替えした。そしてホルジス様にお褒め頂くっ!」
「いいんですか?もう止めませんよっ?」
「ふんっ、遠くからひと目見ただけのジジイに散々自慢されたのだっ!お褒めいただいてギャフンと言わせるっ!」
「あー家庭の事情があるなら、ありがたく、利用させて頂きますです、っていうかお祖父さん、400歳超えてます?」
「500になる。因みにオヤジだっ!」
「・・・」
うん、ニェリーゼさんの歳に触れたらダメだ。死んでしまう!
「じゃ、どんな流れになるかシミュレーションしてくぞ」
「「「「「はーい」」」」」
うん、俺の時は「はーい」で、シリアの時は「うっす」なのね・・・。
「まず、今回俺達はホルジス様の名代だ。だから聖教教皇と俺は対等の立場、向こうが礼を尽くすのならこちらも応えるが、単に『頭を垂れよ』とか言われても頭下げちゃダメな?」
((((((コクコク)))))
「で、そうなると、恐らく司会者的な立場の人が『貴様らっ!猊下の御前であるっ!』的な事を怒鳴るので、俺が答えて挑発する」
「挑発するのか?」
「ええ、で、向こうが『生意気なっ!』的なセリフを吐きながら、剣なり槍なり向けてきたとことで『ホルジス様~タスケテー』、以上終わり」
「「「「「・・・・・」」」」」
「な、何やら近所のいじめっ子を罠にかける子供のような作戦だな?」
「まぁ、似たようなもんです。じゃ、念の為、ホルジス様が遅かった。もしくは来られなかった場合の対策な?」
(((((コクコクコクコク)))))
「俺の『ホルジス様、宜しいですか?』の言葉と同時に、ミドルハウス出すから、全員ジャンプな?」
「ん?そのミドルハウスというのは何かね?」
「あっ、そっか・・・練習しといた方がいいですね」
ミドルハウスはロックハウスとミニハウスの中間。
一辺が5mで高さ3m、直径60cmの穴が四方に開いた、引きこもりハウスだ!
「まず、これがミニハウス」
「な、なんだ、そのギフトは?魔力の流れを感じぬぞ?」
「あー、そこは追々って事で。で、一度みんなでやって見せるので、そこで見ててください」
「そうしよう」
「じゃ、行くぞ?『ホルジス様、宜しいですか?』」
トンッ ズッシーン
うん、繰り返し、繰り返し練習しただけはある。
一人の乱れも無く、全員がミドルハウスに納まると同時に、天井備え付けの参式を四方向の出入り口に構える。
「・・・コレは・・・見事だな・・・して、それは弓かね?」
「あっ・・・エルフの人に参式見せちゃった」
「あー、弓の一種ですね。俺達の主武装で、弓術ギフトがなくともそこそこ使えます」
「ほぅ!見せてもらって良いかね?」
「あー、ニェリーゼさんも弓術スキルも持ちですか?」
「ああ、故に弓には目が無くてな?噂に聞く幻の名弓に酷似しているようだが・・・」
「あー、うん。ニュリーザさんももう仲間だ。参式はギフト持ちにはメリット少ないので、宜しければこちらをどうぞ」
大昔に作ったカイナルドを進呈してみる。
「なっ!こ、これは、まさか!?」
「カイナルドです。俺の初期の作ですから、その後ナルドさんがどんなのを売り飛ばしてたかは知りませんが、入信祝い?みたいな感じです」
「よっ、良いのか?これ一本で白金貨三枚はくだらぬぞ?」
「えっ?三枚?」
「あー、きっと王国から持ってくる間に値上がりしたんだな・・・少し売っとくか?」
カイナルドを手にしてプルプルするニュリーザさん・・・推定200歳くらい?
「ニュリーザさん、遠慮しないで?コイツ、いくらでも作れるから、壊しちゃっても直せるしね?」
「おおおおおおお、まさしくホルジス様の導き!カイン猊下っ!この宝物に値する働きを約束しようぞっ!」
「いや、安全第一で・・・先、練習いいすか?」
流石はギルマス、あっという間に合わせてきた。
そして俺達は一塊に眠った。
口にはしないが、皆、明日は命の保証など無いことを認識している。
何故かカイナルドを抱きしめたままのニュリーザさんも泊まっていった。
もしかして、この人友達居なかったんじゃなかろうか疑惑を芽生えさせつつ、俺もちょっと緊張している。
グラム王国歴334年11月10日。
聖都について三日目だというのに、俺達は銭湯をはじめていた。
夕べ、シリア達が風呂から上がったら、そういう事になっていた。
俺達は冒険者で、曲がりなりにもC級パーティー。
なのに依頼の一つもこなす前に、訓練所で湯を沸かしている。
スパの前身で作った、旧式の男湯と女湯。
俺たちがいる間限定のサービスとして、依頼達成時に希望すると、銅貨一枚で入浴券が買える。
「いや、これ、絶対数日でパンクするだろ?」
「大丈夫よ、男女それぞれ一日100人までで、選出方法はギルドに丸投げだから」
「毎日金貨二枚なっ!働くより儲かんなっ!」
「俺・・・金貨一枚で試練の洞窟挑んだんだよな・・・」
「今日はお試しで先着順、明日からは塩漬け依頼に優先権抱き合わせるみたいよ?」
「・・・やるなニェリーザさん」
うん、まぁ別にいんだけどね?
なし崩しで外に出なくてもここで寝泊まり出来るようになったし。
「俺達、冒険者じゃなくて絶対、業者の人だと思われてるよな・・・」
「そうでも無いわよ?女に執着が酷いナチュラルボーンキラーって事にはなってるけどね?」
「・・・嘘が無いだけになんとも言えん」
「いいじゃない?お風呂沸かしてるだけで食べてけるなんて、働いてるのユリアとミランだけよ?」
「まっ、魔力訓練には丁度いいな」
「他のみんなは取りあえずギルドの中だけ、まだ勝手に外は出歩かないように言ってあるわ」
「あー、それ、言おうと思ってた!さすが我が妻!愛してるよー」
「もう・・・あたしもよっ?」
「あー、オホンっ」
「ニェリーゼさん、どうしました?」
「仲睦まじいのは良い事だが、他人がイチャついてるのは胸焼けがするものだ・・・神殿から遣いが来たぞ」
「それはスミマセン・・・何もギルマス自ら伝言に来られなくとも・・・」
「シリア達は人気だが、猊下は『気に入らないとすぐ殺す』ともっぱらの噂でな?受付嬢が怖がるのだ」
「・・・しどい・・・でも概ね正解。気に入らない条件が明確な所が欠落してるけど・・・」
「いいじゃない?アンタが嫌われるだけで、みんな安全になるんだからっ!」
「ごもっとも」
うん。
ぶっちゃけ世間の評価とかどうでもいい。
この尻があれば俺は生きていけるっ!
しかもいっぱいあるんだぜ?
「アンタ・・・また馬鹿な事考えてるわね?」
「いえ、まったく。それで、ニェリーゼさん、内容は?」
「驚いたことに、明日猊下が謁見下さるそうだ。どういう事だ?」
「いや、俺に聞かれても・・・ホルジス様、なんかしたのかな?」
「では明日は私も同行しよう、一同で来るようにとの事だったからな」
「・・・・・いえ、明日は俺達だけにしておきましょう。恐らく、揉めます。ニェリーゼさんは立場的に不味いでしょう」
「ん?大丈夫なのか?」
「まぁ、イザとなったら殺り逃げしますんで。その前にホルジス様が治めてくれるでしょうけど」
「・・・殺り逃げ・・・私はお前を捕縛しておくべきかもしれんな?」
「ですよね?これ、王国だったら国王暗殺宣言みたいなもんですし・・・ただ、雇い主がその教皇の雇い主だったりするワケですが」
「・・・うむ、まぁ、なるべく穏便にな?シリア、頼むぞ?」
うむ。
話が簡単に進み過ぎる。
ホルジス様の暗躍って線が濃厚だけど、用心に越したことは無いな・・・。
~~~~~
「いやぁ~、予想以上の成果だな。これで明日は塩漬け依頼もカタが付くだろう」
ご機嫌なニェリーゼさんとともに、俺達はギルドの居酒屋スペースで寛いでいた。
「あー、すんません。その件なんですけど、ちょっと延期してください」
「ん、何故だ?問題があるのか?」
「アレから色々考えたんですが、やはり恐らく、すんなりとは帰って来れないと思います」
「アンタ、ヤバイの?」
「うん、ニェリーゼさん、遣いの人は一同で来るように言ったんですよね?」
「ああ、間違いない」
「つまり、俺達全員に用があるか、もしくは俺以外に用があるって事だ」
「あっ!」
「前者の場合、異教徒を見せしめにしなければならない事情がある。後者なら・・・まっ、十中八九ユリアだな」
「ごめん・・・なさい」
「ユリア?謝っちゃダメって言ったでしょ?」
「はっ!スミマセン・・・」
「まだ追手と決まったわけじゃないわっ!いずれにしてもロックハウスの女に手を出す者は殲滅よっ!アンタッ!一人で行く気じゃ無いでしょうね?」
「今回は全員で行く。アリスも含めてだ」
「カイン猊下、大丈夫なのか?」
「はい。それが最善です。申請から三日。つまり、三日で教皇を動かせるか、教皇の名前を使える存在が相手です。逃げるにしても、逃がすにしても、既に網が張られていると考えるべきでしょう。ならば俺の手が届く範囲、更にホルジス様という切り札がいる神殿が一番安全です。そこでニェリーゼさんに伺いたいのですが、神殿にA級・・・いや、ヴァルダークさんより強い人はいますか?」
「ほぅ・・・ヴァルダーク程度なら倒せると?」
「いえ、封じるだけでいいんです。即死しなければホルジス様がなんとかしてくれるでしょう」
「ふむ・・・居ない、とは言い切れんな?神殿には教務長指揮下の暗部がある。アサシンの技は侮れん」
「うーん、それはちょっと厄介ですね・・・どうするか・・・」
「うむ、やはり私も行こう」
「いえ、それはマズイと」
「いや、決めた。たった今から私も神理教に鞍替えした。そしてホルジス様にお褒め頂くっ!」
「いいんですか?もう止めませんよっ?」
「ふんっ、遠くからひと目見ただけのジジイに散々自慢されたのだっ!お褒めいただいてギャフンと言わせるっ!」
「あー家庭の事情があるなら、ありがたく、利用させて頂きますです、っていうかお祖父さん、400歳超えてます?」
「500になる。因みにオヤジだっ!」
「・・・」
うん、ニェリーゼさんの歳に触れたらダメだ。死んでしまう!
「じゃ、どんな流れになるかシミュレーションしてくぞ」
「「「「「はーい」」」」」
うん、俺の時は「はーい」で、シリアの時は「うっす」なのね・・・。
「まず、今回俺達はホルジス様の名代だ。だから聖教教皇と俺は対等の立場、向こうが礼を尽くすのならこちらも応えるが、単に『頭を垂れよ』とか言われても頭下げちゃダメな?」
((((((コクコク)))))
「で、そうなると、恐らく司会者的な立場の人が『貴様らっ!猊下の御前であるっ!』的な事を怒鳴るので、俺が答えて挑発する」
「挑発するのか?」
「ええ、で、向こうが『生意気なっ!』的なセリフを吐きながら、剣なり槍なり向けてきたとことで『ホルジス様~タスケテー』、以上終わり」
「「「「「・・・・・」」」」」
「な、何やら近所のいじめっ子を罠にかける子供のような作戦だな?」
「まぁ、似たようなもんです。じゃ、念の為、ホルジス様が遅かった。もしくは来られなかった場合の対策な?」
(((((コクコクコクコク)))))
「俺の『ホルジス様、宜しいですか?』の言葉と同時に、ミドルハウス出すから、全員ジャンプな?」
「ん?そのミドルハウスというのは何かね?」
「あっ、そっか・・・練習しといた方がいいですね」
ミドルハウスはロックハウスとミニハウスの中間。
一辺が5mで高さ3m、直径60cmの穴が四方に開いた、引きこもりハウスだ!
「まず、これがミニハウス」
「な、なんだ、そのギフトは?魔力の流れを感じぬぞ?」
「あー、そこは追々って事で。で、一度みんなでやって見せるので、そこで見ててください」
「そうしよう」
「じゃ、行くぞ?『ホルジス様、宜しいですか?』」
トンッ ズッシーン
うん、繰り返し、繰り返し練習しただけはある。
一人の乱れも無く、全員がミドルハウスに納まると同時に、天井備え付けの参式を四方向の出入り口に構える。
「・・・コレは・・・見事だな・・・して、それは弓かね?」
「あっ・・・エルフの人に参式見せちゃった」
「あー、弓の一種ですね。俺達の主武装で、弓術ギフトがなくともそこそこ使えます」
「ほぅ!見せてもらって良いかね?」
「あー、ニェリーゼさんも弓術スキルも持ちですか?」
「ああ、故に弓には目が無くてな?噂に聞く幻の名弓に酷似しているようだが・・・」
「あー、うん。ニュリーザさんももう仲間だ。参式はギフト持ちにはメリット少ないので、宜しければこちらをどうぞ」
大昔に作ったカイナルドを進呈してみる。
「なっ!こ、これは、まさか!?」
「カイナルドです。俺の初期の作ですから、その後ナルドさんがどんなのを売り飛ばしてたかは知りませんが、入信祝い?みたいな感じです」
「よっ、良いのか?これ一本で白金貨三枚はくだらぬぞ?」
「えっ?三枚?」
「あー、きっと王国から持ってくる間に値上がりしたんだな・・・少し売っとくか?」
カイナルドを手にしてプルプルするニュリーザさん・・・推定200歳くらい?
「ニュリーザさん、遠慮しないで?コイツ、いくらでも作れるから、壊しちゃっても直せるしね?」
「おおおおおおお、まさしくホルジス様の導き!カイン猊下っ!この宝物に値する働きを約束しようぞっ!」
「いや、安全第一で・・・先、練習いいすか?」
流石はギルマス、あっという間に合わせてきた。
そして俺達は一塊に眠った。
口にはしないが、皆、明日は命の保証など無いことを認識している。
何故かカイナルドを抱きしめたままのニュリーザさんも泊まっていった。
もしかして、この人友達居なかったんじゃなかろうか疑惑を芽生えさせつつ、俺もちょっと緊張している。
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