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1st season 第四章

079 さらばダンライザ!

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/** 会話オンリー回ですっ! */


「と、いうわけで、ナルドさん、エルダーサに引っ越して貰えません?」

「いやおめぇ『というわけ』とか言われてもわけわかんねぇだろ?なんだよ教皇って?」

「なっちゃったもんは仕方ないじゃないですか?なぁ?」

「そうよ、おっちゃん。お金なんてもう使い切れないくらい持ってんでしょ?こっち来て手伝ってよ!」

「嬢ちゃん・・・相変わらずカインより遠慮ねぇなオイ」

「でっ、おっちゃんいつなら行けんの?今日?明日?」

「いや、別に仕掛かりの仕事があるわけじゃねーが、そんな今日明日ホイホイ動けるかっ!」

「わかった。じゃ明後日ね?決まりよ?ご近所さんにはあたしから言っといてあげるから。じゃ、あとは二人で相談しなさい?あたしはご近所のご挨拶行ってくるから。ユリア、行くわよ?」

「・・・カインよぉ、おめえ、すげぇの嫁に貰ったな?」

「ははは、頼りになるでしょ?諦めて下さい。じゃ、ちゃっちゃと炉の類とかバラしちゃいましょ」

「まじで行くのかよ・・・まっ、いいか。金持ちになったらココの暮らしも案外暇だしな」

「カイナルドなんかより全然すごいもん作れますから、期待していいですよ?あっ、お金は払えないんで、道楽でお願いします」

「おめぇ、白金貨どうしたんだよ?あ、また追加分貯まってんな。今回は8枚だ」

「・・・ナルドさん、マジで大富豪じゃないっすか!お金は別でもがっさり入ったんですが、とりあえずさっきのユリア買うのに10枚使って、神殿建てるのに5枚くらい?使っちゃったし、家臣も居るので倹約しないとなんですよ」

「奴隷に10枚も出したのかよっ?・・・よくあの嫁が許したな?」

「いやっ、むしろ嫁に買ってこいって言われて買ったんで、それなりにうまく行ってますよ?」

「・・・おめぇが大物なのか、嫁が大物なのか・・・まっ、なんだか面白くなりそうじゃねぇか?」


ぽっく ぽっく ぽっく ぽっく


「はぁ~、しかしミランが居ないと風呂沸かしも時間がかかり過ぎるな・・・とりあえずナルドさんの最初の任務は風呂釜の改良だな」

「おぅ、カイン、こりゃなんだ?」

「ふふふ、風呂ですよ風呂。知ってます?」

「あー、なんかお貴族様が使うお湯の池だろ?こんなもんが趣味なのか?」

「二時間後にはその意見がひっくり返ってますからね?」

・・・

「ふぃぃぃ~っ、すげぇなおい。お湯に入るのってこんな気持ちいいんかよ?」

「ナルドさんの最初の任務は湯沸かし器の改良ですね。今は石で作ってるから効率悪くて・・・鉄にすればずっと速く沸かせます」

「おう、コイツのためなら一肌脱ぐってもんよっ!」

「・・・いっそ幾つか作って、銭湯でも始めようかな?」

「銭湯ってなんだ?」

「この風呂を貸すんですよ。銅貨一枚2千円とかで少し贅沢な娯楽にならないですかね?」

「あー、いんじゃねーの?俺なら金貨でも払うね」

「大富豪の金銭感覚で言われてもね~・・・となると、混浴文化を普及させるべきか?湯浴衣ゆあみぎ?いや、俺にメリット無いな・・・うん、分けよ」

「何ブツブツ言ってんだ?」

「いや、銭湯を男女別と混浴と、どっちで普及させようかなと」

「あー、そんなん、裸の女がウロウロしてたら、おっ立っちまって落ち着かねぇだろ?」

「・・・なるほど、貴重なご意見ありがとうございます」


ぽっく ぽっく ぽっく ぽっく


「なぁ、カインよぉ?おめぇ・・・旅の間くれぇひかえらんねぇのか?」

ケフケフッ ケフケフッ

「あー、聞こえちゃいました?」

「聞こえるに決まってんだろうよぉ!」

「そのですね~、ユリアの奴隷紋がかなり特殊で、俺と三日もと可愛そうな事になるんですよ。そして十日しないと死んでしまう呪いなんです。なので置いて旅には出られないですし、ユリアだけシリアはお預けじゃ可愛そうじゃないですか?」

「なんだそりゃ?・・・ま、人んちの事情だ。しゃーねーならしゃーねーな。つーか両手に花で羨ましいこった」

「おっちゃん、帰ったらあと七人いんのよ?」

「はぁあっ?マジカヨ?嬢ちゃん怒んねぇの?」

「いやっ、六人はあたしが連れてきたし・・・もう一人はあたしより先に居たし・・・むしろ助かってる?みたいな?」

「エルダーサじゃみんなそんななのか?」

「いや、珍しんじゃない?っていうか他には知らないわね?」

「かぁ~っ、マジでおまえん家はわっかんね~わ」

「ウチは奥様が特別ですから・・・とても良い家族ですよ?」

「そうかそうか~。奴隷の嬢ちゃんがそういうなら問題ねーな」

「ちょっと!あたしの時とぜんぜん違うじゃないっ!なんでユリアにばっかりデレデレしてんのよっ!」

「そりゃぁおめぇ、持てる者と持たざる者?あんだろ?そういうの?」

「何を持ってて何を持ってないって!」

「いやいやナルドさん。シリアはこうみえて立派に『持てる者』なんですよ?それはもう世界が狙えるレベルの素晴らしいものをお持ちだ」

「あんたっ!人様に嫁の乳首語ってんじゃないわよっ!」

「嬢ちゃんは乳首がすげーのか?・・・いまいちわかんねーわ」

「俺、乳首とか言ってないし・・・」

「奥様はナルドさんと仲が良いのですね」

「あー、でもよ?何も考えずに来ちまったけど、エルダーサにはドワーフ居ねぇんだろ?そこんとこ大丈夫なのか?」

「領主様の全面バックアップがあるので問題ないでしょ。呑み仲間が欲しいならライザが居るし、アベルも結構絡み酒だし・・・他には・・・あ、おっさん仲間も居るし大丈夫ですね」

「領主様と面識あんのかよ?すっかり出世しやがったな~」

「いや、ナルドさんこそ。三年前は鍋とか包丁とか作る雑貨屋稼業だったのが、たぶんエルダーサ行っても一番の大富豪ですよ?」

「ははは、カイン様様だなおいっ!あ、なぁ、俺の白金貨、預かっててくんねー?全財産持って歩くとかおっかなくてよ?」

「えー、それ、俺がなんかで死んじゃったら大変じゃないですか?着いたら冒険者登録して、ギルドの口座に預けてくださいよ」

「旦那様は死にませんっ!」

「いや、ユリア、俺も死ぬつもりは無いけどな?もしもって事だから、なっ?」

「もしもでも・・・嫌です」

「はぁ・・・ユリアって、ほんと可愛いわね。あたしが男だったら絶対嫁にしてるわっ!」

「あ、ありがとうございます・・・奥様」

「わっかんね~わ。なんで性奴隷と嫁がこんな仲いんだ?」

「俺の人徳・・・じゃぁ、ないですね・・・はい」

「まっ、あたしの人徳ねっ!」

「・・・うん、たぶんそう。おまえ、まじすげーもん」


ぽっく ぽっく ぽっく ぽっく


「「「戻りました~」」」

「カイン様、長旅お疲れ様でした。そちらがナルド様ですか?」

「えれ~色気のある女将おかみだなおいっ!がぜん楽しくなってきた、宜しく頼むぜ~」

「ふふふっ、それはありがとうございます・・・でも、私はカイン様の所有物ですので、オイタはありませんよ?」

「まじかっ!カイン、てめぇ~この街の美人全部囲ってんじゃねーだろーな?こんなパッとしねぇのがなんでモテんだ?」

「あー、自分でもわかんないですね」

「あら、カイン様はこの街一番のイイ男ですよ?」

「・・・明らかにフツメンなのに、その辺のイケメンよりカッコよく見えるから問題よね・・・あんた、実はとか持ってないでしょね?」

「今日も嫁にフツメン言われた・・・シニタイ」

「っていうかおっちゃん、どこに住む?宿がいい?家作る?」

「家は要らねぇ。仕事場出来るまで宿でいいかな?仕事場出来たら仕事場に住むからよ」

「あー、そうだ、ラティア、相談なんだけど、白兎亭、拡張しない?」

「?、カイン様にしたい事があるなら、お好きにしていただいて構いませんが、今度は何を?」

「うん。ナルドさんの仕事場兼住居も置きたいし、他にも露天風呂を2つ増やして、銭湯やろうかなって」

「銭湯?ですか?」

「そう。俺達だけじゃなく、街の人や宿泊客にお風呂を貸し出す事業。ナルドさんに改良してもらって、火魔法使わなくても簡単に沸かせるようにするから、ユリアが居ないときだけ水魔法使いを雇うか、井戸から汲み上げるしくみを作るつもり」

「それは良いですね。みんな喜びます・・・でもなぜ2つも?」

「男と女でわけた方がいいかなと。で、女湯を高くして、男湯を低くすれば、覗きの心配も無いでしょ?」

「あんたがエロいことしてるとこ、女湯から丸見えになんない?」

「あー、その問題があったか・・・かといって女湯をウチのより低くすると、女性客は抵抗あるよな・・・ま、それは後で考えよう。それで、裏庭だけだと少し手狭なので、裏庭の向こうの土地?買っちゃおうかと」

「はい。わかりました。では、商業ギルドの方で仲介して頂きますね」

「お願いします。じゃ、とりあえずナルドさんに部屋も頼むね」

「はい、ナルド様、ご案内しますね」

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