2 / 173
1st season 第一章
002 冒険者の日常
しおりを挟む
冒険者の朝は早い。
宿の裏庭にある井戸で顔を洗い、桶2つに水を汲んで階段を登る。
ユリアが身支度するための水だ。
彼女は魔法で水を出すことも出来るが、冒険者として戦闘の為に魔力は温存しておくべきだ。
「ユリア、おはよう」
「んー・・・」
ユリアに声を掛け、もう一度裏庭に降りる。
朝の鍛錬だ。
戦闘系ギフトを授からなかった俺の装備はタワーシールドに戦斧。
裏庭とはいえ生活区画で刃物を振り回すのはあまりよろしく無いので、戦斧は訓練用の石斧だ。
まずは基礎体力。
地面に伏せたタワーシールドの握りを左手で掴み、変則の片腕立て伏せ。
オールアウトするまで追い込んで、昼の冒険で力が出せなくては本末転倒なので、じんわりと汗をかいたところでストップ。
朝のうちにこれをやっておくと、不意の攻撃に左手一本で防御しなければならない時でもしっかりと筋肉に力が入る。
次に攻撃動作の反復。
左手で盾を支持したまま、正面の仮想敵に対して打ち下ろし・かち上げ・袈裟懸け・横薙ぎの都合八方向からの素振りを繰り返す。
片手で振り回す石斧はともすると打点がヨレてしまうので、しっかりと集中して、速度よりも正確な打線を心がける。
練度効果(中)のギフトがあるおかげで、単調ながらもインパクトの威力は絶大、ゴブリンの持つようななまくら相手なら剣ごと叩き折って仕留められる。
もっとも基本的に俺の役割は盾だ。
どんな攻撃も絶対にユリアまで通さない事が大切だ。
ユリアさえ守り通せば氷魔法で決められるので、前衛後衛二人だけのパーティーでも、この一年大きな怪我も無くやってこれた。
「カイン、ご飯いこっ!」
「おう」
身支度を整えたユリアが呼びに来たら、もう一度汗をぬぐって食堂へ向かう。
~~~~~
冒険者になって一年、ギルドランクもひとつ上がってFになった。
「「おはようございまーす」」
「おはよう、今日も気をつけてね」
顔なじみになった門番と挨拶を交わし、街の南門を抜けていつもの狩場へと向かう。
常時依頼のレッドラビットをメインに、狩れそうな獲物が見つかればそれを狩る。
パーティーに魔法使いが居ても、火魔法や雷魔法では肉も毛皮も傷んでしまう、ユリアの氷魔法で仕留めれば高値で買い取ってもらえる。
危険も少ない相手だし、二人でも結構な数を持って帰れる。
「グギャッ!ギャギャッ!」
「ギャゲッ!グゲッ!」
レッドラビットを二羽仕留めたところで遠くから不愉快な声が耳に入る。
「ゴブリンだ!何匹だろう?」
人型最下級のモンスターとは言え、ゴブリンの腕力は人間のソレを軽く凌駕する。
冒険者としてレベルが上がり始めた二人であれば腕力で同等、技量では大きく勝っているのだが、数が多ければ苦戦することもあり得る。
「そんなに多くはなさそうだけど・・・」
「今日はまだ始めたばかりだし、まだ帰るわけにはいかないよな・・・やろう」
この一戦、ユリアは今ひとつ積極性に欠く。
当然といえば当然、ゴブリンに負ければ男は殺されるだけで済むが、女は生殖の為に攫われる。
二人にとっては然程驚異とならない相手とは言え、一般女性であれば恐怖の対象、ユリアも少なからず嫌悪を抱かずには居られない。
草原から発生源である森の境界まで素早く移動した二人は大木の陰に身を隠す。
森から現れるであろうゴブリン達に奇襲攻撃をかけるためだ。
「グゲッ・・・ギャ」
「ギャッギッ!ギッギッ!」
「グギャッ!ギャギャッ!」
「ギャゲッ!グゲッ!」
「・・・四匹は居るな・・・10mまで引きつけて氷礫で先制してくれ。同時に飛び込んで一匹は仕留める」
「わかった。気をつけてね?」
単発高威力の石礫に対し、氷礫は5cm角の氷の礫を数十叩き込む。
貫通力は無いが竹刀で滅多打ちにされる程度のダメージを与えることが出来る。
防具を持たない集団への先制攻撃としては効果絶大だ。
「(いくよ)氷礫!!!」
ユリアの魔法発動と同時にカインが飛び出す。
「ギャーッ!」
「ギャワッ!」
「グギャッ!」
不意打ちの礫を全身に浴び混乱する四匹、先頭の一匹にカインの戦斧が振り下ろされる。
深く打ち込み過ぎると斧が頭蓋に挟まれて抜けなくなり、後続への対応が困難になる事を踏まえて、頭蓋の中心から前側だけを叩き割って打ち抜いた。
左手のタワーシールドを突き上げて後続の三匹をまとめてバッシュ!
引き下ろしたタワーシールドを地に突き立て、即座にバックハンドの横薙ぎを死角から放つと、たたらを踏んだ二匹目の側頭部が破裂する。
「ユリアっ!」
「氷槍!!!」
血飛沫の中を突き抜けた全長2mの氷槍が、三匹目の鳩尾と四匹目の脇腹を串刺しにした。
「・・・グッ」
「・・・ギョェ」
戦闘時間わずか8秒でゴブリン四匹の戦果、二人だけのランクFパーティーとしては上出来過ぎる内容だ。
~~~~~
「換金おねがいしまーす」
「はい。シシラル・ヴィレッジのお二人ですね。レッドラビットが七羽に魔石はゴブリンでしょうか?」
「はい。四匹倒しました。」
カインとユリアは出身地である『シシラル・ヴィレッジ』をパーティー名にしていた。
数多くの冒険者が在籍するこの街のギルドで、ギルド職員にパーティー名を覚えてもらえるというのはF級としてはなかなかの期待度と言って差し支えない。
もっとも、ギルドの期待はシシラル・ヴィレッジに対してでは無く、希少な氷魔法の使い手でであるユリアに対してなのだが。
「レッドラビットは状態がいいから1羽あたり銅貨1枚と鉄貨2枚、魔石は一つ銅貨2枚になります」
「ありがとうございます」
「明日も頑張って下さいね」
銅貨15枚と鉄貨14枚を受け取る二人だが、ホクホク顔のユリアに対してカインはやや渋い顔だ。
報酬が納得いかないわけでは無く、ユリアの肢体に集まる視線が気に食わないのだ。
「一日で164レア、順調だね!」
「俺はゴブリンで血塗れだけどな」
「帰ったらキレイにあらってあげるから」
「洗っても匂いがするんだよー」
二人が宿泊している『銀の剣亭』は一泊二食付きで一人20レア、昼食を採る習慣はこの世界には無い。
カインとユリアは一人用の部屋に二人で泊まることで30レアにまけてもらっている。
一日10レアとは言え一年で金貨3枚以上の節約になるのだ。
~~~~~
「はぁ~、今日のシチューはおいしかったねー♡」
「ユリアは肉っ娘だもんな」
「カインだっておかわりしてたじゃーん」
「ははは」
ユリアの水魔法シャワーで身ぎれいになった二人は銀の剣亭で夕食を摂った。
冒険者向けの格安宿屋でありながら、2~3日に一度は肉の入った料理が出るので、宿泊客は皆長期滞在ばかりで、滅多に空きが出ることは無い。
「ねぇ・・・この調子で貯金していけば、4年くらいで結婚資金貯まるかな?」
「・・・なんか、現実的に考えると照れくさいよな?」
「うん・・・でもカインが一緒じゃない将来なんて想像できないよ」
「ユリア・・・俺を選んでくれてありがとう。俺、ほんと幸せだ」
この世界で結婚するという事は子供をつくるという事に等しい。
そして命の危険が付き纏う冒険者を、夫婦でしながら子育てというのは現実的では無い。
将来の具体的な職業など想像もできない二人だが、漠然と「金貨100枚貯まったら冒険者をやめて結婚できる」と考えているのだった。
「カイン、私もカインが大好きです」
「ユリア・・・・」
「・・・ちゅ」
「・・・んくっ」
「寝よっか?ユリア」
「うん」
少しだけ舌を絡めあったあと、腕枕をして目を閉じる。
昼の冒険で疲れているとは言え、薄衣一枚で伝わってくる少女の体温はオスとしてのカインをやすやすと眠らせてはくれない。
悶々と猛る下半身を持て余しつつも、胸を満たす幸福感を明確に感じられるこの時間が、カインはたまらなく好きだった。
「・・・ねぇ、カイン?」
「・・・ん?」
「ギルドのお姉さんに聞いたんだけど、男の人って、固くしたまま眠るの・・・辛いの?」
「えっ・・・それはその・・・なかなか眠れないし、辛くないかと言われれば結構しんどいものはあるんだけど・・・女の人が、ユリアがどうなのか、俺良くわかんないし。ユリアが不安を感じてるなら、その不安が無くなるまで何年でも待てるし、平気だよ?」
「・・・」
後ろ向きで腕の中に居るユリアの表情はわからない。
この愛おしい少女が腕の中に居続けてくれるなら、肉欲なんて一生我慢したままで構わない。
なのに、薄闇の中に浮かぶ少女の耳をそっと口に含んでみたいし、その首筋に舌を這わせてみたくてたまらない自分の浅ましさを嫌悪する。
毛布の中でモゾモゾと少女の腰が動く。
それだけでカインのオスは戦斧の木柄よりも固く屹立してしまう。
不意に、少女の手がスルリとカインの下着に滑り込んだ。
「う・・・ユリア?」
「だまって・・・恥ずかしから何も言わないで」
白磁のように真白だった彼女の耳が、ピンク色に色づいているのがわかる。
後ろ向きのままカインのオスを包み込んだユリアの左手は自分と同じ人間の手とは思えないほど柔らかくて滑らかだった。
「・・・かたい・・・のね」
「・・・」
上下に数回、オスを撫でた左手はぎこちなくカインの下着をずり下ろし、彼女の臀部に押し付けるように先端を舐り始めた。
「うっ」
「・・・しゃべったらダメだからね」
薄絹ごしであるはずのユリアの下半身は何も纏っていなかった。
カインのオスからは粘液が滴り落ち糸を引く。
ユリアの指がオスを捉え、形の良いヒップにその粘液を塗りつけるようにこすりつける。
「・・・ふぅ・・・ふぅ・・・んっ・・・ふぅ」
突然もたらされたユリアからの献身に困惑し、かつて経験したことの無い淫靡な快楽に責め立てられ、愛すべき美しき少女への凌辱衝動を必死に抑えるカインは、声を殺して彼女にしがみつく。
「カイン・・・愛してる。私の中に入れてあげる勇気はまだないけど、これからは何度でもこうしてあげるから、我慢しないで出していいよ」
粘液でヌルヌルとぬめる尻肉がオスの前面をこすりあげ、細く柔らかな少女の掌が背面を舐る。
「ユリア・・・・ユリア・・・ユリ・・・ア・・・・・うっ・・・んっ」
びゅくびゅくと脈打つオスから放出された精液がユリアの肌をどろどろに汚す。
激しく射精したというのにカインのオスは一瞬で固さを取り戻し、少女は指で優しく舐り続ける。
「カインの精・・・とっても熱いんだね。男の人のこと知らなくて・・・気づけなくてごめんね。今までずっと我慢させちゃったから、今夜はカインが満足するまで何度でも出していいよ?」
「・・・ユリア・・・その、おれ、結構恥ずかしい・・・愛してる」
掌の中のカインが、少女の指よりも柔らかくなって果てるまで、ユリアの愛撫はいつまでも繰り返されるのだった。
宿の裏庭にある井戸で顔を洗い、桶2つに水を汲んで階段を登る。
ユリアが身支度するための水だ。
彼女は魔法で水を出すことも出来るが、冒険者として戦闘の為に魔力は温存しておくべきだ。
「ユリア、おはよう」
「んー・・・」
ユリアに声を掛け、もう一度裏庭に降りる。
朝の鍛錬だ。
戦闘系ギフトを授からなかった俺の装備はタワーシールドに戦斧。
裏庭とはいえ生活区画で刃物を振り回すのはあまりよろしく無いので、戦斧は訓練用の石斧だ。
まずは基礎体力。
地面に伏せたタワーシールドの握りを左手で掴み、変則の片腕立て伏せ。
オールアウトするまで追い込んで、昼の冒険で力が出せなくては本末転倒なので、じんわりと汗をかいたところでストップ。
朝のうちにこれをやっておくと、不意の攻撃に左手一本で防御しなければならない時でもしっかりと筋肉に力が入る。
次に攻撃動作の反復。
左手で盾を支持したまま、正面の仮想敵に対して打ち下ろし・かち上げ・袈裟懸け・横薙ぎの都合八方向からの素振りを繰り返す。
片手で振り回す石斧はともすると打点がヨレてしまうので、しっかりと集中して、速度よりも正確な打線を心がける。
練度効果(中)のギフトがあるおかげで、単調ながらもインパクトの威力は絶大、ゴブリンの持つようななまくら相手なら剣ごと叩き折って仕留められる。
もっとも基本的に俺の役割は盾だ。
どんな攻撃も絶対にユリアまで通さない事が大切だ。
ユリアさえ守り通せば氷魔法で決められるので、前衛後衛二人だけのパーティーでも、この一年大きな怪我も無くやってこれた。
「カイン、ご飯いこっ!」
「おう」
身支度を整えたユリアが呼びに来たら、もう一度汗をぬぐって食堂へ向かう。
~~~~~
冒険者になって一年、ギルドランクもひとつ上がってFになった。
「「おはようございまーす」」
「おはよう、今日も気をつけてね」
顔なじみになった門番と挨拶を交わし、街の南門を抜けていつもの狩場へと向かう。
常時依頼のレッドラビットをメインに、狩れそうな獲物が見つかればそれを狩る。
パーティーに魔法使いが居ても、火魔法や雷魔法では肉も毛皮も傷んでしまう、ユリアの氷魔法で仕留めれば高値で買い取ってもらえる。
危険も少ない相手だし、二人でも結構な数を持って帰れる。
「グギャッ!ギャギャッ!」
「ギャゲッ!グゲッ!」
レッドラビットを二羽仕留めたところで遠くから不愉快な声が耳に入る。
「ゴブリンだ!何匹だろう?」
人型最下級のモンスターとは言え、ゴブリンの腕力は人間のソレを軽く凌駕する。
冒険者としてレベルが上がり始めた二人であれば腕力で同等、技量では大きく勝っているのだが、数が多ければ苦戦することもあり得る。
「そんなに多くはなさそうだけど・・・」
「今日はまだ始めたばかりだし、まだ帰るわけにはいかないよな・・・やろう」
この一戦、ユリアは今ひとつ積極性に欠く。
当然といえば当然、ゴブリンに負ければ男は殺されるだけで済むが、女は生殖の為に攫われる。
二人にとっては然程驚異とならない相手とは言え、一般女性であれば恐怖の対象、ユリアも少なからず嫌悪を抱かずには居られない。
草原から発生源である森の境界まで素早く移動した二人は大木の陰に身を隠す。
森から現れるであろうゴブリン達に奇襲攻撃をかけるためだ。
「グゲッ・・・ギャ」
「ギャッギッ!ギッギッ!」
「グギャッ!ギャギャッ!」
「ギャゲッ!グゲッ!」
「・・・四匹は居るな・・・10mまで引きつけて氷礫で先制してくれ。同時に飛び込んで一匹は仕留める」
「わかった。気をつけてね?」
単発高威力の石礫に対し、氷礫は5cm角の氷の礫を数十叩き込む。
貫通力は無いが竹刀で滅多打ちにされる程度のダメージを与えることが出来る。
防具を持たない集団への先制攻撃としては効果絶大だ。
「(いくよ)氷礫!!!」
ユリアの魔法発動と同時にカインが飛び出す。
「ギャーッ!」
「ギャワッ!」
「グギャッ!」
不意打ちの礫を全身に浴び混乱する四匹、先頭の一匹にカインの戦斧が振り下ろされる。
深く打ち込み過ぎると斧が頭蓋に挟まれて抜けなくなり、後続への対応が困難になる事を踏まえて、頭蓋の中心から前側だけを叩き割って打ち抜いた。
左手のタワーシールドを突き上げて後続の三匹をまとめてバッシュ!
引き下ろしたタワーシールドを地に突き立て、即座にバックハンドの横薙ぎを死角から放つと、たたらを踏んだ二匹目の側頭部が破裂する。
「ユリアっ!」
「氷槍!!!」
血飛沫の中を突き抜けた全長2mの氷槍が、三匹目の鳩尾と四匹目の脇腹を串刺しにした。
「・・・グッ」
「・・・ギョェ」
戦闘時間わずか8秒でゴブリン四匹の戦果、二人だけのランクFパーティーとしては上出来過ぎる内容だ。
~~~~~
「換金おねがいしまーす」
「はい。シシラル・ヴィレッジのお二人ですね。レッドラビットが七羽に魔石はゴブリンでしょうか?」
「はい。四匹倒しました。」
カインとユリアは出身地である『シシラル・ヴィレッジ』をパーティー名にしていた。
数多くの冒険者が在籍するこの街のギルドで、ギルド職員にパーティー名を覚えてもらえるというのはF級としてはなかなかの期待度と言って差し支えない。
もっとも、ギルドの期待はシシラル・ヴィレッジに対してでは無く、希少な氷魔法の使い手でであるユリアに対してなのだが。
「レッドラビットは状態がいいから1羽あたり銅貨1枚と鉄貨2枚、魔石は一つ銅貨2枚になります」
「ありがとうございます」
「明日も頑張って下さいね」
銅貨15枚と鉄貨14枚を受け取る二人だが、ホクホク顔のユリアに対してカインはやや渋い顔だ。
報酬が納得いかないわけでは無く、ユリアの肢体に集まる視線が気に食わないのだ。
「一日で164レア、順調だね!」
「俺はゴブリンで血塗れだけどな」
「帰ったらキレイにあらってあげるから」
「洗っても匂いがするんだよー」
二人が宿泊している『銀の剣亭』は一泊二食付きで一人20レア、昼食を採る習慣はこの世界には無い。
カインとユリアは一人用の部屋に二人で泊まることで30レアにまけてもらっている。
一日10レアとは言え一年で金貨3枚以上の節約になるのだ。
~~~~~
「はぁ~、今日のシチューはおいしかったねー♡」
「ユリアは肉っ娘だもんな」
「カインだっておかわりしてたじゃーん」
「ははは」
ユリアの水魔法シャワーで身ぎれいになった二人は銀の剣亭で夕食を摂った。
冒険者向けの格安宿屋でありながら、2~3日に一度は肉の入った料理が出るので、宿泊客は皆長期滞在ばかりで、滅多に空きが出ることは無い。
「ねぇ・・・この調子で貯金していけば、4年くらいで結婚資金貯まるかな?」
「・・・なんか、現実的に考えると照れくさいよな?」
「うん・・・でもカインが一緒じゃない将来なんて想像できないよ」
「ユリア・・・俺を選んでくれてありがとう。俺、ほんと幸せだ」
この世界で結婚するという事は子供をつくるという事に等しい。
そして命の危険が付き纏う冒険者を、夫婦でしながら子育てというのは現実的では無い。
将来の具体的な職業など想像もできない二人だが、漠然と「金貨100枚貯まったら冒険者をやめて結婚できる」と考えているのだった。
「カイン、私もカインが大好きです」
「ユリア・・・・」
「・・・ちゅ」
「・・・んくっ」
「寝よっか?ユリア」
「うん」
少しだけ舌を絡めあったあと、腕枕をして目を閉じる。
昼の冒険で疲れているとは言え、薄衣一枚で伝わってくる少女の体温はオスとしてのカインをやすやすと眠らせてはくれない。
悶々と猛る下半身を持て余しつつも、胸を満たす幸福感を明確に感じられるこの時間が、カインはたまらなく好きだった。
「・・・ねぇ、カイン?」
「・・・ん?」
「ギルドのお姉さんに聞いたんだけど、男の人って、固くしたまま眠るの・・・辛いの?」
「えっ・・・それはその・・・なかなか眠れないし、辛くないかと言われれば結構しんどいものはあるんだけど・・・女の人が、ユリアがどうなのか、俺良くわかんないし。ユリアが不安を感じてるなら、その不安が無くなるまで何年でも待てるし、平気だよ?」
「・・・」
後ろ向きで腕の中に居るユリアの表情はわからない。
この愛おしい少女が腕の中に居続けてくれるなら、肉欲なんて一生我慢したままで構わない。
なのに、薄闇の中に浮かぶ少女の耳をそっと口に含んでみたいし、その首筋に舌を這わせてみたくてたまらない自分の浅ましさを嫌悪する。
毛布の中でモゾモゾと少女の腰が動く。
それだけでカインのオスは戦斧の木柄よりも固く屹立してしまう。
不意に、少女の手がスルリとカインの下着に滑り込んだ。
「う・・・ユリア?」
「だまって・・・恥ずかしから何も言わないで」
白磁のように真白だった彼女の耳が、ピンク色に色づいているのがわかる。
後ろ向きのままカインのオスを包み込んだユリアの左手は自分と同じ人間の手とは思えないほど柔らかくて滑らかだった。
「・・・かたい・・・のね」
「・・・」
上下に数回、オスを撫でた左手はぎこちなくカインの下着をずり下ろし、彼女の臀部に押し付けるように先端を舐り始めた。
「うっ」
「・・・しゃべったらダメだからね」
薄絹ごしであるはずのユリアの下半身は何も纏っていなかった。
カインのオスからは粘液が滴り落ち糸を引く。
ユリアの指がオスを捉え、形の良いヒップにその粘液を塗りつけるようにこすりつける。
「・・・ふぅ・・・ふぅ・・・んっ・・・ふぅ」
突然もたらされたユリアからの献身に困惑し、かつて経験したことの無い淫靡な快楽に責め立てられ、愛すべき美しき少女への凌辱衝動を必死に抑えるカインは、声を殺して彼女にしがみつく。
「カイン・・・愛してる。私の中に入れてあげる勇気はまだないけど、これからは何度でもこうしてあげるから、我慢しないで出していいよ」
粘液でヌルヌルとぬめる尻肉がオスの前面をこすりあげ、細く柔らかな少女の掌が背面を舐る。
「ユリア・・・・ユリア・・・ユリ・・・ア・・・・・うっ・・・んっ」
びゅくびゅくと脈打つオスから放出された精液がユリアの肌をどろどろに汚す。
激しく射精したというのにカインのオスは一瞬で固さを取り戻し、少女は指で優しく舐り続ける。
「カインの精・・・とっても熱いんだね。男の人のこと知らなくて・・・気づけなくてごめんね。今までずっと我慢させちゃったから、今夜はカインが満足するまで何度でも出していいよ?」
「・・・ユリア・・・その、おれ、結構恥ずかしい・・・愛してる」
掌の中のカインが、少女の指よりも柔らかくなって果てるまで、ユリアの愛撫はいつまでも繰り返されるのだった。
0
お気に入りに追加
666
あなたにおすすめの小説

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました
ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。


城で侍女をしているマリアンネと申します。お給金の良いお仕事ありませんか?
甘寧
ファンタジー
「武闘家貴族」「脳筋貴族」と呼ばれていた元子爵令嬢のマリアンネ。
友人に騙され多額の借金を作った脳筋父のせいで、屋敷、領土を差し押さえられ事実上の没落となり、その借金を返済する為、城で侍女の仕事をしつつ得意な武力を活かし副業で「便利屋」を掛け持ちしながら借金返済の為、奮闘する毎日。
マリアンネに執着するオネエ王子やマリアンネを取り巻く人達と様々な試練を越えていく。借金返済の為に……
そんなある日、便利屋の上司ゴリさんからの指令で幽霊屋敷を調査する事になり……
武闘家令嬢と呼ばれいたマリアンネの、借金返済までを綴った物語
解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る
早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」
解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。
そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。
彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。
(1話2500字程度、1章まで完結保証です)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる