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細い身が絡まり合い、一本の紐となる
★10
しおりを挟む「ん……ふ」
「んふぅ」
「っん」
今までの人生経験を凌駕していると、僕は今感じている。
薄い皮膚同士の重なりとは思えない温もり。
柔らかな触感。
時々感じる微かな脈動のような震え。
長い年月をかけて愛し、男として1人の女を手に入れたと証明出来る温かく柔らかな花ちゃんの唇はスタンプのように重ねただけでも愛おしくて、互いの息衝きさえも艶めいていて、唇の味も吐息も甘く感じた。
「もっと……」
僕の顔を点のように口付けた彼女のしっとり柔らかな部分を己の唇や舌先で余すところなく味わいたくなって口を少しだけ開くと、花ちゃんも同様に口を開いて唇をプックリと突き出してくれた。
(綺麗だ……)
昼間の陽光によって柔らかな内側部分が白く光った彼女の唇は、この世のものとは思えないほどに眩く綺麗だと感じる。
「もっとちょうだい……花ちゃんの綺麗なところ」
吸い尽くしたいと欲した僕がためらわず白い光ごと花ちゃんの下唇全体を両唇で食み、痛がらない程度に吸うとジュゥッと微かな水音がして吸引しつつ引き離すとチュルッと可愛い音がする。
「はぁ……気持ちいいし美味しいよ花ちゃん♡」
「タイチ可愛い♪ 大好き♡」
たまらず感想を花ちゃんに聞かせると、目の前の彼女が愛おしい微笑みを見せてくれて、もっともっと好きになっていく。
「僕の方が花ちゃんの事を可愛いって思ってるし大好きだよ♡」
やわらかな微笑みを見せる花ちゃんに僕は負けじと告げ、今度は上唇を吸ってさっきのジュゥとチュルを愉しむ。
「タイチのキスがすごくエッチで、私変な気分になっちゃう……」
伏せ目がちにそう言って恥ずかしがる花ちゃんの可愛い睫毛やまぶたに僕はまた唇をくっつけて愛しみ
「僕の方が既に変な気分になってるし狂ってるよ」
と更に告げ、愛おしい口を全部全部味わった。
「んっ♡」
「ん……」
花ちゃんの口内へと侵入させる為に伸ばしていった僕の舌の動きは可愛らしくもなんともなく寧ろ醜くて狂っているようだと自覚しているのに、花ちゃんはそれを全部全部受け止めてくれる。
歯列を舐めると、口を大きく開けて迎え入れてくれる。
舌先で可愛い舌先を突いてくすぐれば、甘い吐息を漏らしながらくすぐり返してくれる。
もっと奥へと舌を入れ、唾液をそれに伝わせ流し込んだらためらわずに喉奥へと溜めさせ……最後にコクンと呑み込むところまで見せてくれた。
「花ちゃんすごくエッチ」
抱き合ったままゴロンと横に転がり、荒く呼吸しながらその言葉をかけた僕に今度は花ちゃんの方から吸い付いてきて、さっき僕がしたような狂った行為をそのまま返してくれた。
花ちゃんの舌に伝わせて流し込んできた唾液は、僕の鼻先につけてくれたものと同じとは思えないくらい甘くとろみがあって、正直呑み込むのが惜しい。
花ちゃんと口を離して、惜しみながらも甘くトロンとした花ちゃんの唾液を嚥下すると、花ちゃんは荒い息を整え僕の目を見て僕の好きな笑顔を見せてきた。
「私ね、タイチにも太ちゃんにもすごく感謝してるの。今からその話をしてもいい?」
そういえばリビングで花ちゃんはそのような事を言っていたと思い出して
「うん」
静かに頷くと、花ちゃんは嬉しそうに微笑んでから
「じゃあ……話すね」
と、呼吸を整え話を始めた。
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