【完結】雨上がりは、珈琲の香り②

チャフ

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うなじ濡れる時

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「まぁまぁあーちゃん、乾杯しようよ♪」

 俯く私にりょーくんは明るい声でお猪口を渡す。

「でも……」
いであげるから! 一緒に旅行を楽しもうね♪ めいいっぱいはしゃいじゃおう!」
「う、うん……」

 言われるがままお猪口を受け取ると、りょーくんが冷酒を注いでくれて

「遅くなっだけど、誕生日のお祝いさせて?」

 小首を傾げながら私の顔を除きこむ。

「うん♡ そうだよね、私の誕生日の為にりょーくんはいっぱい準備してくれたんだもんね♪ めいいっぱい楽しむっ!!」

 自分の無知を恥じるよりも今は単純にりょーくんに感謝しようと思い、私もりょーくんのお猪口に冷酒を注いで乾杯した。

「じゃあ、乾杯♪」
「かんぱーい♪」

 2人で一緒にお猪口に唇を浸して

「わぁ! 美味しいね!! この前のお酒とは違った香りがする!!」
「お酒、おススメのものにしてみたけどこれも美味しくて飲みやすいね!!」
「そうだねー。この辺の地酒って言ってたよね」
「うんうん」

 一緒に頷き、ニコニコ微笑み合う。

(そうだよねっ♪ 楽しむのが1番だよねっ!)

 大好きな人と過ごす非日常的な時間を楽しむ事にした。



「あーちゃんもお酒すすんでるね。足りなくなったら同じものを追加する?」

 空になった私のお猪口にお酒を注ぎながらりょーくんが聞いてきたけど

「えー、たくさん飲んだら酔っ払っちゃうよぉ♪」

 手をブンブン振る私。
 
(りょーくんの良い飲みっぷりに私も一緒になって飲んでしまってるけど、既に顔がポワポワしてるよ~)

「なんで遠慮するの? 今日はあーちゃんにたくさん喜んでもらいたいのに♡」

 笑顔のりょーくんがそっと私に近付く。

「美味しいから飲むペース早くなってないかなぁ?」
「そう? 普通じゃない?」

 そう言いながらりょーくんはお酒をまた口に含んでいるけれど、足元には既に用意されていた瓶が空になっているのが見えた。

「りょーくんはお酒強いからいいかもしれないけど私酔っ払いやすいし……」

 私が言い終わらないところで

「んっ♡」

 突然りょーくんに肩を掴まれ、唇を奪われる。

「ん♡」
「んふうぅん♡」

 そして去年のりょーくんの誕生日の時みたいにキスしながらりょーくんの口内からお酒が流し込まれた。

「あーちゃんも酔っちゃえばいいのに♡ 今夜はゆっくり出来るんだから♡」

 それからイケメンの熱い眼差しを注がれて……

「酔ってる? りょーくん」

 困ってしまってついそんな事を問いかける。

「酔ってるけど、全然へーき♪」

 りょーくんは私の問いに笑ってそう答えて、またキスをしてきた。


 ちゅっ…


 いつの間にか体をがっちりホールドされていて、りょーくんはつ ついばむようなキスを私にしていく。

「んっ……」

 食前にお互い温泉に浸かった効果か、それともそもそものお酒の効果なのか……りょーくんの唇も体もいつもより温かくて、キスがいつも以上に心地良い。

「気持ちいい?」

 りょーくんが顔を上げて私の目をじっと見つめる。

「うん……気持ちいい♡」

 素直にコクンと頷く私に

「じゃあ、もうちょっと飲もうよ。料理もまだあるんだし♪」

 セクシーな声で呼びかけてくるから、こっちも「うん」と言わざるを得ない。



「はぁ……顔があっつぅい……」

 食事が終わったら、全身がほわほわ。

「お腹いっぱいになった?」

 頬をピンク色に染めているりょーくんが私の顔を覗き込んでいて

(りょーくんも酔ってるんだ……一緒だ♡)

「うん♡ 美味しいものばかりで大満足だよ♡」

 凄く嬉しくて幸せな気持ちになる。

「良かった♡ めちゃくちゃ嬉しいし、準備してきて良かった♡」

 それからりょーくんは私にいっぱいいっぱいキスをしてきて

「あーちゃんと今こうしていられるのが幸せだよ♡」

 嬉しい言葉を優しく温かく掛けてくれた。

「うん♡ 私もすっごく幸せ♡」
「あーちゃん大好きだよ♡」
「私もりょーくん大好き♡」

 酔っ払っているけど、めちゃくちゃ嬉しくて幸せだ。

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