【完結】雨上がりは、珈琲の香り②

チャフ

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【番外編】余る、袖(亮輔side)

★4

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 彼女の抵抗する力が弱まったのを確認した俺は、それまでキッチリと留められていたボタンをゆっくりと外していった。

「あっ……はあぁ……」

 身長差の開きが大きい男の服とはいえ、ワイシャツのボタンはご自慢のEカップを拘束し締め付けていたらしい。
 ボタン外しで胸部分が解放されたと同時に彼女の息が漏れる。

「苦しかった?」

 柔らかな丸い胸は少しだけしっとりとしていて、左右の胸の間を鼻でスゥッと吸い込むと、石鹸とは別の良い匂いを感じた。

「今は別の意味で息苦しいよぉ……」
「ドキドキしてるって、意味?」

 息苦しさの意味が俺と同じであると願って彼女の顔を覗き込むと

「うん」

 素直に頷いてくれて余計に嬉しくなる。

(もう繋がりたい……)

 こっちの準備はもう出来ていた。
 後は彼女の心を準備してあげるだけ。

「んっ」
「んふうぅ♡」
 
 深いキスをしながら彼女のカラダを確かめようと胸や内股に触れ……淫らに喘がせる。

「んっ……りょーくぅん♡」

 ショーツのクロッチに手をかけたら、ぬるぬるに濡れていて

「フッ」

 思わず笑みが漏れてしまった。


「ちょっと待ってて」

 ゴムを急いでつけて

「おいで♡ 奥まで繋がろう♡」

 対面座位で彼女と繋がる。

「ひゃああん!」

 いきなり侵入した質量に彼女は全身をビクつかせたけれど、すぐに両腕を俺の首に回してくっついてくれた。

(ああ……今夜のあーちゃんも大好きだ)

 下から何度も突き上げ、カラダを上下に揺らす。

(いつも以上に、愛おしい……)

 密着してる部分が熱い。

「あっ! ……はっ………りょーくっ………」

(シャツがでかいから、小さな可愛い子を守ってあげたいって気持ちになるし)

「んっ……ああっ……」

(こうしているだけで彼女の匂いがシャツに移って染み込んでいくのかと思うとめちゃくちゃ興奮する……)

 今置かれたシチュエーションだけでなく、彼女自身の締め付けや艶のあるその声も興奮を掻き立てて……

「ああ…………もう……イッ……!!」

 俺のモノは暴発し、息を粗くさせた。



「はあっ……はあっ……」

 片手でゴムの処理をしながら、彼女をベッドに横たわらせる。
 
「はあ……はあぁ……」

 白色の照明に照らされた彼女の肌はうっすらピンク色に色付いていて艶めかしい。

「ふふ♡」

 先程まで繋がっていた部分に中指を差し込んでみると、ピンク色の腰がピクンと軽く跳ね上がった。
 
「先にイッてごめんね。もう一回しよ?」
「えっ……もう、一回?」
「うん、ダメ?」

 興奮し過ぎて行為をあっという間に終わらせてしまったのは申し訳なく思う。
 だから彼女をより気持ち良く満足させてあげようと再戦の提案を試みたんだけど

「だって……平日は一回の、約束でしょ?」

 言い訳の理由が可愛すぎてギュッと強く抱き締めた。

「いいじゃん♡ 今日くらい♡」
「だってぇ……」
「あーちゃんは何の心配をしてるの? 朝の支度? それとも腰の負担?」
「そりゃあもう……両方だよぉ」
「朝の支度は俺も一緒にやるよ。当たり前じゃん」
「じゃあ、腰は?」
「気持ち良さで夢の中に突入するあーちゃんの腰を真面目にマッサージしてあげる」
「それ、本当?」
「ホントホント」

 所謂ピロートークって言うんだろうか? エッチが一旦落ち着いた後のこのやり取りが、日に日に長くなり会話が上手に弾んでいっているような実感を得ている。

「嘘ついてるみたいな言い方だなぁ」
「信用してよ、心外だなぁ」
「だって私にワイシャツ着せちゃう変態彼氏なんだもん」
「確かに変態は否めない」
「でしょ?」
「だけど本当に信じて。明日の朝は絶対にあーちゃんをスッキリ快適な目覚めにしてみせるから」

 彼女を深い絶頂に導かせて寝落ちさせるのも好みなんだけど、こうして抱き締め頭を撫でながら甘い会話をするのは性的行為に匹敵するくらいの快楽を生むから、俺自身好きな時間でもあった。

「だからね、あーちゃんが満足するまで気持ちいい事、しよ?」

 彼女を抱えながらくるりと半回転して、今度は俺が下になって

「あーちゃんが上だけど、動かなくていいから。俺が揺らすだけ」

 再びゴムを手にして股間に装着する。


 
 それから有無を言わせず結合部にモノを当てて

「きゃあああああん♡」

 彼女の腰を引き寄せると共に最奥へと突き上げた。

 
「あっ、あっ、あっ、あ」

 顔を天井に向けリズミカルに喘ぐ彼女。
 豊かなEカップも、俺の腰の動きに合わせてぶるんぶるんと上下にリズムを打つ。

 シャツで半分くらい隠れているけれど、そこから見える下乳の動きは俺を興奮させるには充分で……

(すげーエロい♡)

 藤井が俺に言った言葉の意味はこういう事だったんだと実感した。


「あっ あっ はっ あっ……」

 強く抱き締め合いキスを交わしながらする対面座位も好きなだけれど、今みたいにトロンとした表情を下から眺められる騎乗位もなかなかのものだ。

 突く度にあーちゃんのいいトコロに当たって、中がキュッと締まって俺のモノをギュッとしがみついてくれているような気分になって……

 視界に入るあーちゃんの姿が、とにかくエロくて……


「はあああああん……」

 結合部の動きを一旦止めたら落ち着いた呼吸をし始めたのに…

 指で性感帯を愛撫し可愛がってあげると、嬌声を上げてビクビクと全身を震わせるんだ。


 全裸のあーちゃんがそうしている姿も充分エッチなのに、俺のシャツ1枚身体に纏わせるだけで何倍も何十倍もセクシーで……可愛くってたまらなくて……


「りょーくんっ……いっちゃう……」

 気持ち良さの波に溺れそうになりながら絶頂のタイミングを伝えくれる優しい彼女に

「俺も♡」

 幸せいっぱいの笑顔を振り撒き、腰の打ち付けを速めたのだった。










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