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【番外編】彼のおトモダチ
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「はい、朝香ちゃんもヨウスケも食べて♪」
数分前私にブスと言ったヨウスケさんが上原さんにシチューを渡された途端に表情をパアッと明るくさせる。
(ヨウスケさんは本当に上原さんのビーフシチューが好きなんだなぁ……)
私は納得の頷きをし、上原さんの手からシチュー皿を受け取った。
「あいにくバゲットは手作りじゃないんだけどね」
「とっても良い匂いですよ! もしかしてこのバゲット、『タカパン』の商品ですか?」
私はクープがしっかりと入っている特徴的な見た目が視界に入ったので、つい『After The Rain』2軒隣で経営されているパン屋さんの通称を口にすると
「そうだよ『タカパン』のバゲット、最近ハマってるんだ♪」
上原さんはニコニコとした笑みを向けてくれた。
「分かります分かります♪シチューに合いそうです」
また上原さんのしなやかな手からガーリックトーストが乗せられたパン皿を受け取って隣をチラッと確認すると、ヨウスケさんは既にパクパクと食べ始めていた。
「こらヨウスケ『いただきます』くらい言ったら?」
「あれ? 言わなかったっけ? まぁいいじゃん」
「良くないよ」
「はいはいいただきまー」
態度はちょい悪だけど、ヨウスケさんの食べ方はお付き合いを始めたばかりのりょーくんに似ていてクスッと笑ってしまう。
「いただきます……」
改めて正面へと向き直り、スプーンでビーフシチューをすくうとこれまた良い匂いで……
「ん~♪」
そのまま口に運ぶとヨウスケさんの言ってた言葉の意味を知った。
「どうかな? 朝香ちゃんのお口に合うかい?」
上原さんの声に私は何度も何度も頷く。
「お肉がやわらかくてすっごく美味しいです!!」
本当はもっとちゃんとした食レポをしたいのに自分に語彙が無くてもどかしい。
スプーンで簡単に切れるくらい煮込まれた牛肉が野菜の香りをまとっていて、とにかく美味しいビーフシチューだった。
(凄いなぁ上原さん!きっとものすごく時間をかけて作ったんだろうなぁ……)
私が食べている間、上原さんはヨウスケさんのお代わりを注いであげたりバゲットを追加したりと忙しくしている。
(上原さん、ヨウスケさんのお世話ばかりしているけど上原さんご自身は召し上がらなくてもいいのかな?)
ふとそんな疑問を抱いたんだけど、私達の食べる様子をとても嬉しそうに見ていて「上原さんって面倒見のいい人だった」と思い起こす。
(そうだよね……上原さんはなんたって思春期のりょーくんをずっと支えてきた方なんだもん。ご自分のシチューは後でって、思っているのかもしれないなぁ)
「はーーーー生き返ったーーーー!!」
今まで無心で食べ続けていたヨウスケさんはお腹をさすりながら席を立つ。
上原さんは食器を片付ける為、彼と入れ替わるように私の側へ来て
「ヨウスケにタバコ、吸わせてもいいかい? 煙が苦手なら部屋で吸わせるけど」
と伺いを立ててきたので
「もちろん♪ 平気ですよ♪」
と答えた。
(食後の一服って事かな? 上原さん同様ヨウスケさんも喫煙者なんだろうなぁ)
私の了承を得た上原さんは、既に革張りソファでくつろいでいるヨウスケさんに「気にしないでいいみたい」と声を掛けて、またキッチンに戻りバゲットをカットし始めた。
「ヨウスケは俺以上にニコチン中毒だから。申し訳ないね」
そしてそう言いながら私の方を向き眉を下げるので
「いえいえとんでもないです。普段通りくつろいでもらって構いませんので!」
私は「本当に気にしていない」という素振りを上原さんに見せた。
「朝香ちゃんは本当に良い子だね。禁煙社会の世の中だというのに偏見がない。
以前俺に話してくれたよね『タバコだってコーヒーだって嗜好品なんだから、タバコ愛用者を邪険にしたくない』みたいな事を」
「えっ、まぁ……そうですね、えへへ」
上原さんが新しいお皿をカウンターに置きながらとびきりハンサムな笑みを私に向けてきたので、ちょっと恥ずかしくなる。
「さて、俺もいただこうかな」
ヨウスケさんが座っていた隣の席に上原さんは腰掛け、静かに丁寧に合掌をしたその時———
私のスマホとは違う着信音が聞こえてきた。
「え?」
びっくりする私とはうって変わり、上原さんが残念そうな表情をしてスマホを取り出している。
スマホを耳に当て、電話の相手の声に「はい……はい」と返事をして
「……分かりました。今から伺います」
と言って電話を切った。
「何?まさか、またあのオバサン?」
ソファでタバコを吸っていたヨウスケさんがこっちの方を向きながら上原さんに声をかける。
「うん、今から行かないと」
今から食事っていうところだったのにどうやらお仕事が入ってしまったみたいだ。
電話の声は年配の女性のようで、漏れ出る声を私が聞く限りかなり強い口調で上原さんを呼びつけていた。
「何かあったんですか?」
ヨウスケさんは何となく事情を掴んでいるみたい。恐る恐る私が訊くと
「クレーム対応しに行くんだ。ここの住人だからすぐなんだけど」
と、指を下に向けてそう言う。
「ええ? このマンション、クレーム用件があるんですか?」
「建物というよりはね、人間関係かな。朝香ちゃんや亮輔には無関係な内容なんだよね」
「!!」
(ひえぇ……マンションの住民同士でのいざこざかぁ……もう20時過ぎてるのに上原さん、今から仲裁に向かうのかぁ)
しかもしょっちゅうあるみたいな空気感でそこにも驚きだ。
(上原さんは今から出掛けて忙しいしヨウスケさんはくつろいでるし……私完全に邪魔だぁ)
私は、ニットコートを手に部屋から戻ってきた上原さんに
「ご馳走様でした! お忙しいようなので私帰りますね!」
と言い、自分の鞄を腕にかけて椅子から降りたんだけど
「クレーム対応っていってもすぐ終わるんだよ。だから朝香ちゃんはまだゆっくりしていいよ」
と、私を止めようとする。
「でも……」
「ヨウスケが邪魔なら部屋に行かせるし」
「いいえヨウスケさんが邪魔だなんてそんな」
食い下がらない上原さんに、私はそう咄嗟に返事したけど
(そっかぁ……もしここで待つとしたら、少しの間だけでもヨウスケさんと2人きりになってしまうのかぁ。
りょーくんが就活セミナーで帰宅が遅いとはいえ、りょーくんの気持ちを汲むとマズい状況だよねぇ)
自分の彼氏がジェラという状況から判断して、やっぱり帰ろうと思い直す。
「やっぱり私帰りま」
「俊哉っ! あのオバサンんとこ早く行ってやんねぇと怒られるぞ! 急げ急げ!!」
突然頭上から降ってきたヨウスケさんの声によって私の言葉がかき消されたと思ったら
「ちょっと! ヨウスケっ」
「ほらほら早く行けよ。んで早く戻ってこい」
咥えタバコのヨウスケさんが上原さんの背中をグイグイ玄関まで押しやっているのが私の視界に入って
「心配しなくても『お嬢さん』に迷惑かけねーよ。俺、下のエントランスであと何本か吸っとくから。だから俊哉はなーんにも気にしないで行って来い。んで早く戻って腹いっぱいシチュー食え!」
それから玄関で上原さんにそう言うヨウスケさんと
「じゃ、朝香ちゃん。何もない家だけど待ってて!」
私に呼びかける上原さんの声が向こう側から聞こえ、扉が閉まる音と共に静かになった。
数分前私にブスと言ったヨウスケさんが上原さんにシチューを渡された途端に表情をパアッと明るくさせる。
(ヨウスケさんは本当に上原さんのビーフシチューが好きなんだなぁ……)
私は納得の頷きをし、上原さんの手からシチュー皿を受け取った。
「あいにくバゲットは手作りじゃないんだけどね」
「とっても良い匂いですよ! もしかしてこのバゲット、『タカパン』の商品ですか?」
私はクープがしっかりと入っている特徴的な見た目が視界に入ったので、つい『After The Rain』2軒隣で経営されているパン屋さんの通称を口にすると
「そうだよ『タカパン』のバゲット、最近ハマってるんだ♪」
上原さんはニコニコとした笑みを向けてくれた。
「分かります分かります♪シチューに合いそうです」
また上原さんのしなやかな手からガーリックトーストが乗せられたパン皿を受け取って隣をチラッと確認すると、ヨウスケさんは既にパクパクと食べ始めていた。
「こらヨウスケ『いただきます』くらい言ったら?」
「あれ? 言わなかったっけ? まぁいいじゃん」
「良くないよ」
「はいはいいただきまー」
態度はちょい悪だけど、ヨウスケさんの食べ方はお付き合いを始めたばかりのりょーくんに似ていてクスッと笑ってしまう。
「いただきます……」
改めて正面へと向き直り、スプーンでビーフシチューをすくうとこれまた良い匂いで……
「ん~♪」
そのまま口に運ぶとヨウスケさんの言ってた言葉の意味を知った。
「どうかな? 朝香ちゃんのお口に合うかい?」
上原さんの声に私は何度も何度も頷く。
「お肉がやわらかくてすっごく美味しいです!!」
本当はもっとちゃんとした食レポをしたいのに自分に語彙が無くてもどかしい。
スプーンで簡単に切れるくらい煮込まれた牛肉が野菜の香りをまとっていて、とにかく美味しいビーフシチューだった。
(凄いなぁ上原さん!きっとものすごく時間をかけて作ったんだろうなぁ……)
私が食べている間、上原さんはヨウスケさんのお代わりを注いであげたりバゲットを追加したりと忙しくしている。
(上原さん、ヨウスケさんのお世話ばかりしているけど上原さんご自身は召し上がらなくてもいいのかな?)
ふとそんな疑問を抱いたんだけど、私達の食べる様子をとても嬉しそうに見ていて「上原さんって面倒見のいい人だった」と思い起こす。
(そうだよね……上原さんはなんたって思春期のりょーくんをずっと支えてきた方なんだもん。ご自分のシチューは後でって、思っているのかもしれないなぁ)
「はーーーー生き返ったーーーー!!」
今まで無心で食べ続けていたヨウスケさんはお腹をさすりながら席を立つ。
上原さんは食器を片付ける為、彼と入れ替わるように私の側へ来て
「ヨウスケにタバコ、吸わせてもいいかい? 煙が苦手なら部屋で吸わせるけど」
と伺いを立ててきたので
「もちろん♪ 平気ですよ♪」
と答えた。
(食後の一服って事かな? 上原さん同様ヨウスケさんも喫煙者なんだろうなぁ)
私の了承を得た上原さんは、既に革張りソファでくつろいでいるヨウスケさんに「気にしないでいいみたい」と声を掛けて、またキッチンに戻りバゲットをカットし始めた。
「ヨウスケは俺以上にニコチン中毒だから。申し訳ないね」
そしてそう言いながら私の方を向き眉を下げるので
「いえいえとんでもないです。普段通りくつろいでもらって構いませんので!」
私は「本当に気にしていない」という素振りを上原さんに見せた。
「朝香ちゃんは本当に良い子だね。禁煙社会の世の中だというのに偏見がない。
以前俺に話してくれたよね『タバコだってコーヒーだって嗜好品なんだから、タバコ愛用者を邪険にしたくない』みたいな事を」
「えっ、まぁ……そうですね、えへへ」
上原さんが新しいお皿をカウンターに置きながらとびきりハンサムな笑みを私に向けてきたので、ちょっと恥ずかしくなる。
「さて、俺もいただこうかな」
ヨウスケさんが座っていた隣の席に上原さんは腰掛け、静かに丁寧に合掌をしたその時———
私のスマホとは違う着信音が聞こえてきた。
「え?」
びっくりする私とはうって変わり、上原さんが残念そうな表情をしてスマホを取り出している。
スマホを耳に当て、電話の相手の声に「はい……はい」と返事をして
「……分かりました。今から伺います」
と言って電話を切った。
「何?まさか、またあのオバサン?」
ソファでタバコを吸っていたヨウスケさんがこっちの方を向きながら上原さんに声をかける。
「うん、今から行かないと」
今から食事っていうところだったのにどうやらお仕事が入ってしまったみたいだ。
電話の声は年配の女性のようで、漏れ出る声を私が聞く限りかなり強い口調で上原さんを呼びつけていた。
「何かあったんですか?」
ヨウスケさんは何となく事情を掴んでいるみたい。恐る恐る私が訊くと
「クレーム対応しに行くんだ。ここの住人だからすぐなんだけど」
と、指を下に向けてそう言う。
「ええ? このマンション、クレーム用件があるんですか?」
「建物というよりはね、人間関係かな。朝香ちゃんや亮輔には無関係な内容なんだよね」
「!!」
(ひえぇ……マンションの住民同士でのいざこざかぁ……もう20時過ぎてるのに上原さん、今から仲裁に向かうのかぁ)
しかもしょっちゅうあるみたいな空気感でそこにも驚きだ。
(上原さんは今から出掛けて忙しいしヨウスケさんはくつろいでるし……私完全に邪魔だぁ)
私は、ニットコートを手に部屋から戻ってきた上原さんに
「ご馳走様でした! お忙しいようなので私帰りますね!」
と言い、自分の鞄を腕にかけて椅子から降りたんだけど
「クレーム対応っていってもすぐ終わるんだよ。だから朝香ちゃんはまだゆっくりしていいよ」
と、私を止めようとする。
「でも……」
「ヨウスケが邪魔なら部屋に行かせるし」
「いいえヨウスケさんが邪魔だなんてそんな」
食い下がらない上原さんに、私はそう咄嗟に返事したけど
(そっかぁ……もしここで待つとしたら、少しの間だけでもヨウスケさんと2人きりになってしまうのかぁ。
りょーくんが就活セミナーで帰宅が遅いとはいえ、りょーくんの気持ちを汲むとマズい状況だよねぇ)
自分の彼氏がジェラという状況から判断して、やっぱり帰ろうと思い直す。
「やっぱり私帰りま」
「俊哉っ! あのオバサンんとこ早く行ってやんねぇと怒られるぞ! 急げ急げ!!」
突然頭上から降ってきたヨウスケさんの声によって私の言葉がかき消されたと思ったら
「ちょっと! ヨウスケっ」
「ほらほら早く行けよ。んで早く戻ってこい」
咥えタバコのヨウスケさんが上原さんの背中をグイグイ玄関まで押しやっているのが私の視界に入って
「心配しなくても『お嬢さん』に迷惑かけねーよ。俺、下のエントランスであと何本か吸っとくから。だから俊哉はなーんにも気にしないで行って来い。んで早く戻って腹いっぱいシチュー食え!」
それから玄関で上原さんにそう言うヨウスケさんと
「じゃ、朝香ちゃん。何もない家だけど待ってて!」
私に呼びかける上原さんの声が向こう側から聞こえ、扉が閉まる音と共に静かになった。
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