【完結】雨上がりは、珈琲の香り②

チャフ

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溶けて絡めて味わって

★8

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「りょーくんってお酒強い人だったんだね。ワインもビールも飲んだのに顔が赤くなってないし全然酔っ払ってなさそう」

 りょーくんは、先週末に2人でお金を出しあって買ったアロマディフーザーに甘い香りのオイルをセットし、再び私の方を向いて

「そんな事ないよ。あーちゃんと同じくらいのほろ酔い気分かも」

 と、飄々とした返事をする。

「嘘だぁ私よりも全然余裕ある感じだもんっ」
「あーちゃんだって余裕あるでしょ。酔っ払い状態では決してないっぽい」
「そりゃあワイン飲み終えて少し時間が経ったから……お風呂も入ったし」

 12分間の罰ゲームが終わったらそのまま私はりょーくんにお姫様だっこされてバスルームへ直行。ふわふわの泡で全身を洗ってスッキリしたところでこのベッドに居るから私どころかりょーくんまで全裸だ。

「あーちゃんだって充分お酒強い人だと俺は思うよ」
「りょーくんには負けるよぉ」
「ふふ♪」

 そして今の時間帯はりょーくんの言っていた「性の6時間」の真っ最中。
 時間的にもムード的にもエッチな事をもうしてなきゃいけないっていうのに、座り込みながらこんな会話をダラダラしてしまう私。
 りょーくんは私の「意識してエッチをいきなりスタートするのが恥ずかしい」という気持ちを察してくれたようで、嫌がる事なく私との会話やり取りをちゃんとしてくれて、軽くチュッと唇も重ねてくれる。

 りょーくんは変態さんだけど優しい部分もしっかり持っていて、そういう彼が私は大好きだ。

「そろそろ……した方が良いよね?」

 彼の唇が離れた直後、私がそう訊くと彼は優しくニッコリと微笑み

「エロエロで可愛いあーちゃんをいっぱい見せてね♡ 素敵な『性の6時間』を過ごそう♡」

 私の唾液で潤んだ彼の唇がそう動いてキュンときた。

「うん……」

(セクシーな目付きや甘々なイケボも好きだけど、キス直後の潤んだ唇にも弱いんだよねぇ……)

 りょーくんとお付き合いが始まって数えきれないくらいのキスをこなしている所為か、視界にりょーくんのセクシーな唇が入っただけでお股が過剰に反応してしまう。
 キスがエッチのスイッチになっちゃってて、エッチを今から始めるには丁度良いタイミングなんだけど、今日ばかりは私の頭の中に「性の6時間」という言葉がグルグルと回り過ぎちゃってキュンときて濡れてしまうこの瞬間も恥ずかしいし余計なドキドキを生む。

 りょーくんは私の頬にチュッと軽いキスをすると、チェストの引き出しからゴムを一つ取り出してスルスルと被せた。

「照明は落とすよね?」
「えー? 明るい中しちゃダメ? 暗くしたらあーちゃんの仕事に支障出る場所にキスマークつけちゃうかも♡」
「うっ……」

 本当はいつもみたいに間接照明のオレンジ色の明かりだけにしてもらいたかったんだけど「キスマークをバレる場所につけるかも」の脅しにすぐ屈服してしまう私。

「明るいと恥ずかしい? でもね、アルコールでほっぺが真っ赤になってるエロ可愛いあーちゃんの顔をちゃんと見ながらエッチしたいんだ」

 りょーくんは私に覆い被さりながら、大きな手で私の頬を包み、親指で私の目の下から頬骨にかけてスッと撫でてきた。

「んっ……」
「撫でたところ、気持ちいい?」
「うん……」
 
 簡単な質問をするりょーくんの表情はとても嬉しそうで、今この瞬間が幸せで堪らないといった様子でいる。

「クリスマスイブの夜……しかも『性の6時間』って言われてるような時間帯に、こうして裸であーちゃんとベッドの上で過ごしてると思ったら嬉し過ぎるし結構興奮してる」
「っあ……りょーくんのっ、すっごくかたいぃ……」

 濡れ濡れのお股にクチュリとりょーくんの先端をほんの少し差し入れただけで私は全身をビクッと震わせた。

「さっきのチーズフォンデュみたいに中はトロトロみたい♡」
「やぁん♡ 言い方がエッチぃ♡」
「んっ」
「んあぁっ……」
「痛い? やっぱり指で解してからにする?」

 私に掛ける言葉は優しく私の体を思い遣ってくれているのに、彼の男性的な部分は我慢出来ないみたいで声掛け中の今も硬い先端をお股の入り口をグリグリ押し付けていた。

「んっ……痛くないからっ……いい」
「本当に? 痛くならないかな?」

 今のりょーくん自体、複雑な心境なんだと思う。
 エッチしたくて堪らなくて、本心ではもう挿入したい気持ちでいっぱいなのに、私のお股が裂けたり痛がったりするのは嫌だと考えているから。

「りょーくんは早く繋がりたいでしょ? 私と……」

 だからこそ、彼にそのままストレートにそれを伝えると、彼は苦笑いして眉を下げた。

「うん……なんか、ごめんね。あーちゃんの言う通り、本当はもう我慢出来ない。裸エプロンで食器洗いしてるあーちゃんの顔がとっても可愛くてずっとキュンキュンしてたから」
 
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