【完結】雨上がりは、珈琲の香り②

チャフ

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解けない魔法

★10

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 約束を交わす意味合いを含むような、舌のエッチな絡まり合い。

「ん……」
「っはぁ」

 そのキスは、とろんと溶け合っちゃうような甘さとこれから先も続けていきたいと思わせる魅惑的な感触を持っていた。

「ねぇあーちゃん」
「なぁに?」
「俺、今なーんにも悩んでないんだけど、あーちゃんの全身を使って俺を心地良くしてくれる?」
「うん♡」
「勿論、あーちゃんの事を同じように心地良くさせてあげるから♡」
 
 キスの後にりょーくんは甘いお誘いをしてきて、私は彼と共にバスルームを出る。

 
 2人でベッドルームに戻り、お風呂に入る前に外した指輪を嵌めたくなってガラスケースの蓋を開けていたら、りょーくんも「俺も」と私の真似してブレスレットと指輪を嵌める。
 ただそれだけで、心がホワホワ温まってきて嬉しい。

「りょーくんの髪型、まだ見慣れないや」

 私は寝転がってりょーくんの黒髪に指を絡めてみた。
 大胆なイメチェンだから、どうしても今までのりょーくんとは違う人みたいに感じてしまう。

「似合わないかな?」

 眉を下げるりょーくんが可愛いなと思う反面……

「すっごく似合っててかっこいいよ」

 顔の綺麗さがより際立っていてドキドキしちゃう。

「あーちゃん顔赤いよ」

 りょーくんの指が私の頬をくすぐった。

「ひゃん♡」

 撫でたり触ったりされるくらいだと思っていたから、擽りの指遣いに感じて変な声が出る。

「あーちゃんのその声大好き♡」

 りょーくんが嬉しそうな表情になり、舌と指を使って私の全身を妖しく攻め立ててきた。
 しばらくして指が抜かれ舌も離れても、自然と体がりょーくんを恋しがってキュンとする。

「りょーくぅん♡」

 ドキドキが止まらなくて、息を荒くしている私を見て

「そんな顔も大好き♡」

 りょーくんの舌が胸を辿り、乳首を吸う。

「ひゃん♡」
弓形ゆみなりになってひゃんって泣くあーちゃんも大好き♡」

 りょーくんはいつの間にかゴムの包みを手にしていて、口でピッと包みを破った。

「優しくしてね」

 私の願いにりょーくんは照れ臭そうに笑って……

「めちゃくちゃ優しくして、昨夜みたいにあーちゃんとトロトロに溶け合いたいな♡」

 ……と、りょーくんが優しくかっこいい言葉を私に言い、それから包むように覆いかぶさってきた。

「やあぁああああぁぁん♡」





 昨夜も2回しちゃったのに、そこから2回程濃密に愛し合って一眠りするともう昼過ぎ。

 私は急いでサッと汗をお湯で流して服を着ると、遅めのランチを作り始めた。
 その間ずっとりょーくんに見つめられていてすごく恥ずかしかったけど、なんかそれも良いなという気持ちにもさせる。

「あーちゃんのご飯は何でも美味しいよね。凄く健康になった感じする♪」
「そんなお世辞はいいってばぁ。しかもオムライスなんて高カロリー食、健康とは真逆だもん」
「本当だよ。あーちゃんのご飯にいつも癒されてるし、心にも体にも良いって感じするよ」
「そんなこと言われたら、もっと料理のレパートリーを増やさなきゃって気持ちになるなぁ」
「ふふ♡ 期待してるね、あーちゃん♡」

 
 食事の後、ソファに並んで座ってコーヒーを飲んだ。

「今日のコーヒーはミルクとチョコレート入り?」
「そうだよ。明日はハロウィンでしょ?そういえばりょーくん用の特別なお菓子を全然準備してなかったなぁって気が付いたから今日のコーヒーは甘めなの」
「確かに♪ あーちゃんがお菓子くれなかったからイタズラしちゃいそうだもんね♪」

 私のハロウィンにかこつけた理由づけにりょーくんは意地悪くニヤッと笑う。

「お菓子代わりの甘いコーヒーを今あげたからイタズラしないでねっ甘いイチャイチャなら良いけど」
「ふふ♡」
「コーヒーの味はどう?」
「ミルクやチョコのコクとすごく合って良い感じ。甘いコーヒーもすっごく美味しい♪」
「良かった♪」
「なんかこうやってあーちゃんのコーヒー飲んでいると落ち着く。もっと好きになる。っていうか、大好き!! 愛してる!!」

 ほのぼのとしながらソファでコーヒーを飲んでまったりしていたのに、急にガバッとりょーくんが抱きついてきて、私の胸を優しくもみもみしてきた。

「ちょっとぉ! コーヒーこぼれるってば!!」

 髪型は変わってもそういうちょっぴり変態なとことか、でも真面目なところとか優しいところとか……中身は全く変わらない、いつものりょーくんだ。

「好き♡ 朝香姫、好き好き大好きぃ♡」
「もー……亮輔王子ってばぁ♡」

 ヘアスタイルが変わっても、ピアスが一つも無くなってしまっても、彼は私の大好きなりょーくんに変わりはない。

 王子様とお姫様の魔法は……この先もずっとずっと解けないままでいてほしいなぁって、私は思ったのだった。








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