【完結】雨上がりは、珈琲の香り②

チャフ

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解けない魔法

★6

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「今日は本当にたくさんのプレゼントをありがとう。真澄や藤井くんにもお礼言わなくちゃね」
「うん、あーちゃんが俺の想像以上のお姫様になったのは矢野のおかげだし」
「お姫様だなんて大袈裟だよ。りょーくんはカッコいい王子様になってるけど私は……お姫様っていうより、ギャルのコスプレみた」

 ちゅっ

 私の言葉を遮るように、ワイン味の唇が音を立ててくっつく。

「俺にとってあーちゃんは素敵なお姫様なんだよ。コスプレだなんて言うの禁止っ」
「ごめんなさい。りょーくんがお金出してくれて、真澄がちゃんと私の為に私に似合うものをトータルコーディネートしてくれたのに」

 自虐して自分を落としてりょーくんを持ち上げたつもりだったんだけど、その心持ちこそがりょーくんと真澄を傷付ける言葉なのだと知りすぐに謝る。

「そうだよ。俺は金しか出してないけど矢野には感謝してる。
 改めてこうして見てみると矢野の見立てはすごいなー♪ この白いニットワンピース、可愛いけどセクシーでスゲー俺好み♪」

 りょーくんはそう言いながら微笑んで、グラスに残ったワインを1滴私の谷間に落としてむしゃぶりついた。

「あっ……やあああん」

 ヒヤッとしたワインの水滴と、直後に追いかけてきたりょーくんのねっとりとした温かい舌の感触で私はとろけてしまった。

「酔っちゃったかも♪」

 りょーくんは私のグラスを取り上げて2つともチェストの上に置くと私の体を支えながらゆっくりとベッドに横にさせた。

「はあっ……ああん♡」
「こういうのってオフショルダーっていうんだっけ? 鎖骨や谷間もだけど肩が丸出しでスゲーエロい♡」

 ワンピースのデザインによって曝け出されている肩からデコルテにかけてりょーくんの舌がゆっくりと這って、熱い手はお尻までしか覆ってくれていないミニ丈の裾の隙間にスルッと入っていく。

「んはぁ♡」
「このまま抱きたい♡」

 興奮した息きを私に浴びせながらりょーくんは言う。 

「このままって……?」
「服着たまま、下着も着けたまま……俺もファスナーだけ開けて……こうやって、あーちゃんの下着をズラして挿入したい」

 彼の指が私の内股を伝って、下着のクロッチ部分を少しだけずらすとそのまま溢れた蜜の中に指を奥まで入れて掻き回した。

「あっ♡はあぁっ……」

 指だけなのに全身がビクビクする。

「あーちゃん濡れすぎだってば。もしかして一日中濡れっぱなしなんじゃないの? 濡れてない時がないよね?」

 意地悪くりょーくんが笑う。

「そんなこと……ない……っもぉん♡」

 指の動きに腰をくねらせながら答えているとまた

「入れていい?」

 と確認の質問がくる。

「うん。りょーくんとエッチ、したい」

 私が頷いて答えるとりょーくんはチェストの、指輪が入ってた方とは別の引き出しを開けた。
 勿論私はそこに何が入っているのか知ってる。

「じゃあ、どのゴムにしようかな……」

 引き出しから箱を取り出すりょーくんの腕をパシッと掴んで、私は言った。

「長く繋がっていたいから、分厚い方がいい」

 ゴムの種類が色々ある事も私はちゃんと把握していた……けど、私の方からゴムの種類を指定したのは初めてだ。

「えっ」

 りょーくんは目を見開かせながら私の方を振り向く。

「分厚いの……りょーくんは嫌?」
「嫌とかじゃなくて、あーちゃんからそんなエッチな事言われたら分厚くてもすぐ出ちゃうっていうか」

 多分私の顔は真っ赤だ。間接照明だから彼には気付かれてないんだろうけど、体が熱くて堪らないから。

「それでもずっと繋がりたいの。出ても、抜いて欲しくないの。
 あとね……私のお尻も、ちゃんと触っていいよ」
「えっ?」
「りょーくんって本当は女性の丸いお尻も好みでしょ?私のお尻にもよく目がいくの知ってる。でも私が1年以上痴漢に遭ってたからってワザとお尻を避けて私の体に触れてるのも……ちゃんと知ってるから」

 脳も体も熱い。私も酔っ払ってきてるのかもしれない。
 だから……ううん、酔っ払ってなくてもやっぱりこれだけはちゃんと伝えなければとも思っていた。

「あーちゃん……なんで、そんな事俺に……」
「『そんな事』なんて言わないで。私達半年も付き合っているんだからりょーくんが私の体のどの部分を注目してるかくらい分かるし、りょーくんに我慢させるのは良くないって思うから」

 付き合って早や半年、りょーくんがイチャイチャハグやエッチの最中私のお尻を必ず避けて触れている事に私は気付いていた。
 そして……女性の丸いお尻が胸以上に好きだっていうりょーくんの嗜好も。

「……あーちゃんが恐怖に感じていた1年は長いから」
「もう平気だよ。だって、怖かった期間の半分であってもりょーくんとのお付き合いは幸せいっぱいだし、今もすっごく幸せだもん」

 実は、試着室でこのニットワンピを身に付けた時に決めていた。
 「この服を着たまま、大好きなりょーくんに……1番最初にこの丸いお尻のラインをエッチに触ってほしい」って。
 特にこのワンピは胸も、くびれも、お尻も形がハッキリ強調されていて、着てて正直恥ずかしいんだけど「コンビニで会ったあの女性にこの服なら勝てる」っていう気持ちにもなれた。

 真澄から「彼に愛される勝負服っていうんだよそういう服」と電車の中でこっそり教わった。
 だから、私もりょーくんにエッチに愛されたい。って気持ちがより強まったんだ。

「俺があーちゃんのお尻に目が行ってるのバレてたか……恥ずかしい……けど、嬉しい」

 りょーくんは黒いゴムの個装を取り出すなり、私を熱く抱き締め濃厚なキスを始める。

「んぁっ」
「あーちゃんにこんな事言っちゃダメだって、我慢してたけど……あーちゃんのお尻ってエッチで可愛らしいから、つい手を伸ばしたくなってた」
「んむっ……」
「あーちゃんを痴漢してたゲス野郎達の気持ちがよく分かるよ」
「ふむっ」

 りょーくんは、まるで私の反論を言わせないとばかりに、自分の言葉の合間に私の唇や舌を貪る。

「あーちゃんの言う通り、本当はずっとずっとお尻を触りたかった。あーちゃんの体全部を攻略したかった」
「んんぅ」
「でもやっぱり、我慢しなきゃって……俺が触る事であーちゃんのトラウマを呼び覚ます行動だけは取らないようにしなきゃって」
「んっ……っちゅうっ」
「っはぁ……あーちゃんが良いって言うなら遠慮しないよ。このワンピに包まれた丸くてエッチなお尻はもう……俺のものだからっ!」

 濃厚キスの合間に喋るりょーくんの吐息が荒くなってるのが分かるし、私の息も荒い。
 それから、履いてるスラックスのテントがエッチに張っているのにも私はちゃんと気付いていた。


「あーちゃん……きて」

 黒いゴムを股間に装着し、両脚を開いて座るりょーくんが私の方に両腕を伸ばす。
 私はそれに導かれるように、りょーくんの体に上から覆い被さり

「うん……」

 自分で下着をズラして……
 もう一方の手でりょーくんの硬いモノを支え、自分の穴に導き……
 ゆっくりと自分で腰を落として挿入させた。
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