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Chapter12:クリスマスの夜に
★7
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(ふあぁぁぁ~~……お部屋選ぶの緊張しちゃったぁ)
クリスマスの夜、しかも時刻は22時半っていう……所謂カップルが良い雰囲気になってこういうホテルに向かうにはちょうど良い時間だと思うんだけど、なんともラッキーな事に本館は3部屋も空いていた。
(選択肢が3つだけとはいえ、迷ったし緊張しちゃったよぅ……)
私達がホテルを利用するのは今回が2回目。
初めての時は一度本館へ入ったものの満室で慌てて別館に回り、あおくんが顔を真っ赤にしながら「なるべく普通のお部屋を」と私が緊張し過ぎないように選んでくれた。
……けど、今日は私が部屋を選ぶ事に。
「はなはオシャレなものが好きだからお部屋選びもセンスあるね♪」
数分前、あおくんは私の背丈に合わせるよう腰を屈めながら「はなに選んでもらいたいなぁ♡」なんてセクシーボイスで囁きお願いしてきた。
「センスなんかないよぅ……テキトーに選んだだけだもんっ!」
エレベーターの中であおくんはニコニコしながら私を褒めてくれたんだけど、私の右耳にはまだコショコショとくすぐるようなセクシーボイスの余韻が残っていて素直に頷けないでいる。
「ふふっ♡ はな、可愛い♡」
ニコニコはいつも通りだし、言葉はハッキリ喋っていて呂律が回るという事もない。
「やぁん……恥ずかしい」
だけど、声質はいつもと違う気がする。
「恥ずかしがらなくていいのに。俺とはなしか居ないでしょ」
「そうなんだけどぉ……」
エレベーターの密室だからこそ感じられる、彼のゆったりしっとりとした発語やその発声と共にほんのりと浮かび上がる水蒸気の立ち上り。
「ふふふ♪ お部屋入るの楽しみだね♪」
エアコンの暖房で適度に暖められた周囲の空気には負けないくらいの熱を彼は発している。
「う……うん」
私はコクンと頷きながら「やっぱり酔っ払ってるのかな」と、いつもとは違う些細な点による違和感を察していた。
「じゃあ、開けるね」
「うん」
エレベーターを降りて、左に曲がってまっすぐ歩いた突き当たり。
そのドアにカードキーを翳してあおくんは部屋の扉を開けた。
「「わぁ……」」
受付のディスプレイよりも実際の方が青みが強い。
ブルーの照明や、シャンデリア代わりに部屋全体をあしらったビーズカーテンのガラス玉一つ一つが光に反射していて、ここだけ異世界に迷い込んだかのようで……
「綺麗だね」
「うんっ! すっごく綺麗……」
今からエッチな事をするお部屋の概念を覆してしまうような幻想的な内装に惚れ惚れとしてしまった。
「はなってさ、暖色系が好みでしょ?赤とか、ピンクとか、オレンジや黄色。
だから正直な話、青いお部屋を選ぶなんて意外だなって思ったんだよ」
あおくんはスマートに私の手からマーケットで購入した雑貨の入った紙袋を窓際に設置しているカフェテーブルの上に置くと、手招きして外の景色を見せようとしてくれた。
「確かに、個人的には暖かみのある色が好きかなぁ」
「でしょ?」
「うん、あおくんからプレゼントしてもらったこの赤いストールも気に入ってるし」
部屋の階層は思ったよりも高く、夜景の白色の光と窓に反射してる青のガラス玉が良いバランスを保ってとっても落ち着く雰囲気だ。
「だからね、意外って思った」
「ん……」
私が敢えて、このブルーのお部屋を選んだのには理由ががある。
「そういえば、前に持ち帰ったパンフレットにも載ってたんだっけ?」
「うん、スイートルームも気になったけどこのお部屋の写真もパンフレットにあってなんとなく覚えていたの」
……一つ目の理由は、残っていたあの3部屋の中で唯一記憶に残っていた内装だったから。
「そっかぁ……気になってたんだね、実は俺もそうだった」
「うん……あおくん、お家でもあのパンフレット見てたよね? このお部屋のページ開いたままでテーブルの上に置かれてた時あったし」
「えへへ、うん。はなと初めてエッチした大事な日だから、時々見てた♡」
理由の2つ目は、あおくんもこのお部屋の色味やビーズカーテンが好みなんじゃないかって気付いていたから。
「やっぱりそうだったんだね、あおくんは名前の『蒼』の通りブルーの色合いが好きだもん」
赤みの色が好きな私と、青みがかった色が好きなあおくん。
「俺が好きな色を選んでくれたの嬉しいな」
前回は私に配慮してお部屋を選んでくれただろうから、今回はあおくんの為に選ぼうって気持ちがあったんだ。
「えへへ」
実際こうしてあおくんに喜んでもらえると、すっごく嬉しい。
「あたまナデナデしちゃう♡」
「ありがと♡ 嬉しい♡」
彼の温かな手で頭を撫でられるとホッとするし……
(あおくんのセクシーな気持ち、ブルーのお部屋の効果で少し落ち着いたかなぁ?)
「青い光はリラックス効果があるからいつもとは違うセクシャルな違和感に効果をもたらしてくれるんじゃないか」っていう3つ目の理由が、酔っ払ってるかもしれないあおくんを落ち着かせられているのだと……改めてこの部屋を選んで良かったって感じたんだ。
「それじゃあ、はなにご褒美あげなくちゃね♪」
…………け、ど…………?
「えっ?」
コートを脱がされストールも外されて、オフショルダーのニットとスカート姿になった私をあおくんが素早くヒョイッとお姫様抱っこして
「いっぱいいいこいいこしてあげる♡」
一呼吸するよりも早く、私の背中がふかふかのベッドの上に下ろされた時———
「ふえぇ……?」
(あっ、もしかしてこれは……)
あおくんに3つ目の理由は効かなかったのだと思い知らされる。
「ブルーのお部屋ってさ、エッチな感じしない?」
グッと、押し倒されて……エレベーターで感じたよりも熱い吐息をかけられて
「えっ……ちぃ?」
「うん♡ すっごくエロいよ、このお部屋♡」
スカート越しに彼のゴリッとした硬いモノの感触に気付いた頃にはもう……
「んふうぅん♡」
私の口内はあおくんの熱い舌や唾液で満たされてしまって
「んん……」
「んふう♡」
舌の心地良い愛撫を受けながら、熱い指が私の肩や腰をスーッと触れていって
「っ……ふ……」
あっという間に下着姿にされてしまった。
クリスマスの夜、しかも時刻は22時半っていう……所謂カップルが良い雰囲気になってこういうホテルに向かうにはちょうど良い時間だと思うんだけど、なんともラッキーな事に本館は3部屋も空いていた。
(選択肢が3つだけとはいえ、迷ったし緊張しちゃったよぅ……)
私達がホテルを利用するのは今回が2回目。
初めての時は一度本館へ入ったものの満室で慌てて別館に回り、あおくんが顔を真っ赤にしながら「なるべく普通のお部屋を」と私が緊張し過ぎないように選んでくれた。
……けど、今日は私が部屋を選ぶ事に。
「はなはオシャレなものが好きだからお部屋選びもセンスあるね♪」
数分前、あおくんは私の背丈に合わせるよう腰を屈めながら「はなに選んでもらいたいなぁ♡」なんてセクシーボイスで囁きお願いしてきた。
「センスなんかないよぅ……テキトーに選んだだけだもんっ!」
エレベーターの中であおくんはニコニコしながら私を褒めてくれたんだけど、私の右耳にはまだコショコショとくすぐるようなセクシーボイスの余韻が残っていて素直に頷けないでいる。
「ふふっ♡ はな、可愛い♡」
ニコニコはいつも通りだし、言葉はハッキリ喋っていて呂律が回るという事もない。
「やぁん……恥ずかしい」
だけど、声質はいつもと違う気がする。
「恥ずかしがらなくていいのに。俺とはなしか居ないでしょ」
「そうなんだけどぉ……」
エレベーターの密室だからこそ感じられる、彼のゆったりしっとりとした発語やその発声と共にほんのりと浮かび上がる水蒸気の立ち上り。
「ふふふ♪ お部屋入るの楽しみだね♪」
エアコンの暖房で適度に暖められた周囲の空気には負けないくらいの熱を彼は発している。
「う……うん」
私はコクンと頷きながら「やっぱり酔っ払ってるのかな」と、いつもとは違う些細な点による違和感を察していた。
「じゃあ、開けるね」
「うん」
エレベーターを降りて、左に曲がってまっすぐ歩いた突き当たり。
そのドアにカードキーを翳してあおくんは部屋の扉を開けた。
「「わぁ……」」
受付のディスプレイよりも実際の方が青みが強い。
ブルーの照明や、シャンデリア代わりに部屋全体をあしらったビーズカーテンのガラス玉一つ一つが光に反射していて、ここだけ異世界に迷い込んだかのようで……
「綺麗だね」
「うんっ! すっごく綺麗……」
今からエッチな事をするお部屋の概念を覆してしまうような幻想的な内装に惚れ惚れとしてしまった。
「はなってさ、暖色系が好みでしょ?赤とか、ピンクとか、オレンジや黄色。
だから正直な話、青いお部屋を選ぶなんて意外だなって思ったんだよ」
あおくんはスマートに私の手からマーケットで購入した雑貨の入った紙袋を窓際に設置しているカフェテーブルの上に置くと、手招きして外の景色を見せようとしてくれた。
「確かに、個人的には暖かみのある色が好きかなぁ」
「でしょ?」
「うん、あおくんからプレゼントしてもらったこの赤いストールも気に入ってるし」
部屋の階層は思ったよりも高く、夜景の白色の光と窓に反射してる青のガラス玉が良いバランスを保ってとっても落ち着く雰囲気だ。
「だからね、意外って思った」
「ん……」
私が敢えて、このブルーのお部屋を選んだのには理由ががある。
「そういえば、前に持ち帰ったパンフレットにも載ってたんだっけ?」
「うん、スイートルームも気になったけどこのお部屋の写真もパンフレットにあってなんとなく覚えていたの」
……一つ目の理由は、残っていたあの3部屋の中で唯一記憶に残っていた内装だったから。
「そっかぁ……気になってたんだね、実は俺もそうだった」
「うん……あおくん、お家でもあのパンフレット見てたよね? このお部屋のページ開いたままでテーブルの上に置かれてた時あったし」
「えへへ、うん。はなと初めてエッチした大事な日だから、時々見てた♡」
理由の2つ目は、あおくんもこのお部屋の色味やビーズカーテンが好みなんじゃないかって気付いていたから。
「やっぱりそうだったんだね、あおくんは名前の『蒼』の通りブルーの色合いが好きだもん」
赤みの色が好きな私と、青みがかった色が好きなあおくん。
「俺が好きな色を選んでくれたの嬉しいな」
前回は私に配慮してお部屋を選んでくれただろうから、今回はあおくんの為に選ぼうって気持ちがあったんだ。
「えへへ」
実際こうしてあおくんに喜んでもらえると、すっごく嬉しい。
「あたまナデナデしちゃう♡」
「ありがと♡ 嬉しい♡」
彼の温かな手で頭を撫でられるとホッとするし……
(あおくんのセクシーな気持ち、ブルーのお部屋の効果で少し落ち着いたかなぁ?)
「青い光はリラックス効果があるからいつもとは違うセクシャルな違和感に効果をもたらしてくれるんじゃないか」っていう3つ目の理由が、酔っ払ってるかもしれないあおくんを落ち着かせられているのだと……改めてこの部屋を選んで良かったって感じたんだ。
「それじゃあ、はなにご褒美あげなくちゃね♪」
…………け、ど…………?
「えっ?」
コートを脱がされストールも外されて、オフショルダーのニットとスカート姿になった私をあおくんが素早くヒョイッとお姫様抱っこして
「いっぱいいいこいいこしてあげる♡」
一呼吸するよりも早く、私の背中がふかふかのベッドの上に下ろされた時———
「ふえぇ……?」
(あっ、もしかしてこれは……)
あおくんに3つ目の理由は効かなかったのだと思い知らされる。
「ブルーのお部屋ってさ、エッチな感じしない?」
グッと、押し倒されて……エレベーターで感じたよりも熱い吐息をかけられて
「えっ……ちぃ?」
「うん♡ すっごくエロいよ、このお部屋♡」
スカート越しに彼のゴリッとした硬いモノの感触に気付いた頃にはもう……
「んふうぅん♡」
私の口内はあおくんの熱い舌や唾液で満たされてしまって
「んん……」
「んふう♡」
舌の心地良い愛撫を受けながら、熱い指が私の肩や腰をスーッと触れていって
「っ……ふ……」
あっという間に下着姿にされてしまった。
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