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Chapter:11 可愛いジェラシー
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「俺……それまで『恋』ってよく分かっていなかったんだ。美人の異性と出会うきっかけが出来て、偶然にもツーショット写真が撮れたからって浮かれてさ。正直今振り返っても『美月のどんな部分に惚れたんだろう?』って……あんまり思い出せなくって」
「なんで元カノさんを好きになったのか、覚えてないの?」
「うん……そうだね。はなを好きになった時とは違うんだよ。
はなに片想いしてる時は、はなの可愛らしい部分にキュンときてたし、今だって好きな部分をたくさん言える。
だけど、美月のどこが好きだったのか……どんなデートが楽しかったのか……あんまり思い出せないんだ。だからはなが言ってくれたような『元カノとの思い出』も、どこへ行ったとか何を食べたとかの行動そのものは記憶していても、その記憶に感情が上乗せされてないんだよね」
「上乗せ?」
「うん……今思えば、俺は美月と彼氏彼女としての関係を結べてなかったし、美月を好きでいる事が最初から出来ていなかったんだと思うんだ」
(あ……それ、なんか分かるかも。ミツキさんがとびきりの美人さんだから特に……)
多分、1年前の「恋に恋する」って様子だったんだと思う。それか、テレビドラマや映画の中の女優さんに惹かれる……みたいな。
(憧れの人とか、外見の美しい人とツーショット写真なんか撮れちゃったら浮かれちゃうよね?)
「私とは……関係が結べているのかな?」
(私ときちんと関係が結べてるのが「ミツキさんみたいに美人じゃないから」だったらイヤだけど)
あおくんの当時の様子を段々と理解しつつも「もしそうだったらイヤだな」という疑問を投げかけてみると、あおくんは彼女の丸眼鏡をそっと外し……
「もちろんだよ、俺ははなが大好き。可愛らしく笑う表情も、ふわふわの髪も今みたいな三つ編みも、やわらかな身体も、温かな心も全部全部愛おしくてたまらなくて……離したくないし誰にも渡したくないって思うよ」
また強く抱きしめて、私の目尻からこぼれた涙をキスで吸い取ってくれた。
「んっ♡」
あおくんの唇の感触は、フワッとやわらかくて……愛おしくって……すごく心地良い。
「はなは俺を気遣った行動を取ってくれるし、電話やメッセージのやり取りでもさ、毎回会話のキャッチボールが出来ていて時間があっという間に過ぎるでしょ? 美月とはそうならなかったんだ。デート中も無言の時間が出来たりしてて、映画に誘う事が多かったような気がする」
あおくんもあおくんで私への愛おしさをいっぱいに感じているのか背中や腰を愛おしく撫でる手つきがセクシーさを増してきていて……
「はなとは、この2ヶ月の付き合い期間で色んな事が出来たと思うし、それが全部楽しかったし、はなから『次はこんな事したい』って提案してくれたりする。
美月の場合はなんか……俺に提案とかはなくて受け身ばっかりだったんだよね『私をもっと楽しませてよ』って、文句言われちゃってたし」
ミツキさんとの過去を振り返り……反省し。
「はなはすごく良い子っていうか、最高の彼女だと感じてるんだ。はなと付き合えて良かったって思うし、彼氏としてはなに楽しい気持ちを提供して共有し合えているんだなって自覚出来ているし」
その反省があったからこそ私をたくさん愛せているんだと……いっぱい頬にキスをして、いっぱい抱き締めてくれていて
「はなは俺が初めての彼氏でしょ? 俺ははなが『2人目』の彼女ではあるんだけど……実質俺もはなに初めての『恋』を捧げられているような気がするんだよ。
美月と過ごした2ヶ月も思い出ではあるけど、はなと過ごしている2ヶ月はその何倍も何十倍も充実してて、初めて俺はちゃんとした『彼氏』が出来てるって感じてる」
そうやって素直な気持ちそのままを言葉にして
「はなと付き合っているのに貼り付けたままにしていたのは良くない。それは本当に俺の不手際で、しかも貼り付けていたのを忘れていたなんて美月にも撮ってくれたまさやんにも悪い。だから、はながそれに対して怒る気持ちがあるのなら甘んじて受け入れるよ」
情けなさを認め、受け入れて
「…………」
「はな、本当にごめんなさい」
ハグを解いて、私に向かって深く深く頭を下げてくれたのだった。
「なんで元カノさんを好きになったのか、覚えてないの?」
「うん……そうだね。はなを好きになった時とは違うんだよ。
はなに片想いしてる時は、はなの可愛らしい部分にキュンときてたし、今だって好きな部分をたくさん言える。
だけど、美月のどこが好きだったのか……どんなデートが楽しかったのか……あんまり思い出せないんだ。だからはなが言ってくれたような『元カノとの思い出』も、どこへ行ったとか何を食べたとかの行動そのものは記憶していても、その記憶に感情が上乗せされてないんだよね」
「上乗せ?」
「うん……今思えば、俺は美月と彼氏彼女としての関係を結べてなかったし、美月を好きでいる事が最初から出来ていなかったんだと思うんだ」
(あ……それ、なんか分かるかも。ミツキさんがとびきりの美人さんだから特に……)
多分、1年前の「恋に恋する」って様子だったんだと思う。それか、テレビドラマや映画の中の女優さんに惹かれる……みたいな。
(憧れの人とか、外見の美しい人とツーショット写真なんか撮れちゃったら浮かれちゃうよね?)
「私とは……関係が結べているのかな?」
(私ときちんと関係が結べてるのが「ミツキさんみたいに美人じゃないから」だったらイヤだけど)
あおくんの当時の様子を段々と理解しつつも「もしそうだったらイヤだな」という疑問を投げかけてみると、あおくんは彼女の丸眼鏡をそっと外し……
「もちろんだよ、俺ははなが大好き。可愛らしく笑う表情も、ふわふわの髪も今みたいな三つ編みも、やわらかな身体も、温かな心も全部全部愛おしくてたまらなくて……離したくないし誰にも渡したくないって思うよ」
また強く抱きしめて、私の目尻からこぼれた涙をキスで吸い取ってくれた。
「んっ♡」
あおくんの唇の感触は、フワッとやわらかくて……愛おしくって……すごく心地良い。
「はなは俺を気遣った行動を取ってくれるし、電話やメッセージのやり取りでもさ、毎回会話のキャッチボールが出来ていて時間があっという間に過ぎるでしょ? 美月とはそうならなかったんだ。デート中も無言の時間が出来たりしてて、映画に誘う事が多かったような気がする」
あおくんもあおくんで私への愛おしさをいっぱいに感じているのか背中や腰を愛おしく撫でる手つきがセクシーさを増してきていて……
「はなとは、この2ヶ月の付き合い期間で色んな事が出来たと思うし、それが全部楽しかったし、はなから『次はこんな事したい』って提案してくれたりする。
美月の場合はなんか……俺に提案とかはなくて受け身ばっかりだったんだよね『私をもっと楽しませてよ』って、文句言われちゃってたし」
ミツキさんとの過去を振り返り……反省し。
「はなはすごく良い子っていうか、最高の彼女だと感じてるんだ。はなと付き合えて良かったって思うし、彼氏としてはなに楽しい気持ちを提供して共有し合えているんだなって自覚出来ているし」
その反省があったからこそ私をたくさん愛せているんだと……いっぱい頬にキスをして、いっぱい抱き締めてくれていて
「はなは俺が初めての彼氏でしょ? 俺ははなが『2人目』の彼女ではあるんだけど……実質俺もはなに初めての『恋』を捧げられているような気がするんだよ。
美月と過ごした2ヶ月も思い出ではあるけど、はなと過ごしている2ヶ月はその何倍も何十倍も充実してて、初めて俺はちゃんとした『彼氏』が出来てるって感じてる」
そうやって素直な気持ちそのままを言葉にして
「はなと付き合っているのに貼り付けたままにしていたのは良くない。それは本当に俺の不手際で、しかも貼り付けていたのを忘れていたなんて美月にも撮ってくれたまさやんにも悪い。だから、はながそれに対して怒る気持ちがあるのなら甘んじて受け入れるよ」
情けなさを認め、受け入れて
「…………」
「はな、本当にごめんなさい」
ハグを解いて、私に向かって深く深く頭を下げてくれたのだった。
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