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Chapter:11 可愛いジェラシー
②
しおりを挟む数日後の月曜日。
俺は可愛いワンコのキーホルダー付きの鍵を仕事用ポーチに御守り代わりとして忍ばせながらニマニマしていた。
(はなと部屋の合鍵交換……やって良かったなぁ♪)
昨日は数時間ほどしか一緒に居られず、しかも買い物とカフェデートしてバイバイした状況になってしまったのだけれど、心は満たされていて幸せいっぱい♪ 花屋のバイトにも身が入る。
(こんなにワクワク出来るなら、もっと早く交換しておくべきだったかなぁ……なんてね)
デート前に合鍵交換の話をはなに持ち掛けたら、はなもとっても乗り気になってくれて楽しくキーホルダー選びが出来たし、買い物あとのカフェでも合鍵の使い方を楽しく会話したりなどして、本当に幸せだった。まさやんから良いアイデアをもらえて今も嬉しいし感謝している。
(しかもはなが夕食準備して俺の帰りを待ってくれるし……ああ~家に帰るのが楽しみ!)
俺が渡した合鍵は、今日早速はながコンビニバイト終わりに使ってくれる事になった。
40万を母さんに振り込んだ件は車購入を諦めたおかげで痛手にならずに済んだのだけれど、せっかくなら今のうちに貯金額を少しでも戻しておきたいし5年も父親代わり兄代わりとして見守ってくれている健人さんの力になりたい。だから今日は午前中から閉店時間までガッツリ働く予定でいた。通常ならはなとは会うどころかビデオ通話すら断らざるを得なかったなかんだけれど、合鍵を渡したとなれば話は変わってくる。
(俺の部屋がもっと料理しやすい環境だったら良かったんだけど……それはまぁ仕方ないよなぁ)
今日ははなが夕方に俺の部屋へ行き、炊飯器でメシを炊いてコンビニ惣菜を温めて夕食の準備をしてくれる事となり、部屋の掃除までしてくれるらしい。
(彼女が俺の部屋掃除をしてくれるなんて最高すぎる!!)
はなの負担にならないよう、いつもより早起きをしてトイレ掃除・風呂掃除を済ませておいて、はなには部屋の掃除機かけやテーブルの拭き掃除をしてもらう話になっている。
(ああ~♡ めちゃくちゃ嬉しいし楽しみ!!)
事前にはなから「部屋の小物で触ったり動かしたりなどしてはいけないものはないか?」という質問を受けたけれど、決して潔癖症でもない俺にタブーなものは一つもないし、なんなら彼女のはなが赤面してしまうようなエッチなグッズや雑誌、ましてDVDなんて置いていないから心配する事もされる事もない。
(まさやんみたいにエロ関連の収集癖が無くて良かったぁ……レンタルなんてかれこれ1年近くやってないもんなぁ)
これははなにも驚かれたんだけど、ほぼ一年、俺は独身男の必需品と呼ばれるようなエロ的なものは部屋に置いてないしスマホで動画視聴すらしていなかった。存在するといえば、はなと使用する目的ではなから買い取っているゴムくらいだろうか。
……というのも、今年の初めに元カノ美月に片想いをして、2月に付き合い始めた。そしてその2ヶ月後に俺は美月に振られ、その日の夜にはなと運命的な出会いをして恋心を育てていき10月からカレカノになっている。
今まで誰かに片想いしている最中はセクシー系の女優やアイドルの際どい肉体を見るのは申し訳ないという主義があって、それで美月に片想いし始めた今年1月からこの12月まで、そういった類のものには手を出していない。だから俺の居ない時間帯に彼女のはなが部屋に入ったって何の問題もないというわけだ。
(はな、俺の部屋にエロいものが全くないって知ってホッとしてたなぁ……やっぱり、気になるよなぁ合鍵使って俺の部屋に1人だけポツン状態になるってのに、どこかしらにそんなものが隠れてるとか)
実ははなが俺の部屋で夕食準備する件について最初なかなか首を縦に振らなかったのは、そういった懸念があったらしい。もう2ヶ月も互いの部屋を行き来しているから、俺の部屋に無いなんて気付いていそうな気もしていたんだけど「私が目に入ってないだけで、本当はあるって可能性も……」って赤面しながら仮定の話をしていて、ある意味それがゾクゾクきて興奮したほどだ。
(まぁ、合鍵持ってるっていってもマナーは守っていきたいからなぁ……俺も勝手にはなの部屋に行こうなんて考えはないし、節度持って楽しく鍵を使っていきたいなぁ…………)
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