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Chapter9:甘える

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 洗濯物を干したり、炊けた舞茸ご飯をおにぎりにしてお味噌汁と一緒に食べたりしていたら、あおくんも元気を取り戻した。

「ありがとう、はな。俺がなんで突然『はなの家に行きたい』って言ったのか、理由を聞かずにいてくれて」

 ニコニコ笑いにもなっているけど、まだ遠慮の気持ちが残っている気がしたから

「理由なんて聞かないよぅ! だって彼氏が一人暮らしの彼女のお家に行きたくなるのに理由なんて必要ないでしょっ?」

 と、わざと元気な声を出してあおくんのネガティブな気持ちを跳ね除けようと試みる。

「そっか……理由なんて要らないかぁ」
「うんっ! いつでも私の家に来ていいんだからねっ!
 この前みたいに私が泣いちゃって駆け付けてくれたのはもちろん嬉しかったけど、こうやってに遊びに来てくれたって構わないんだよっ!」

 あおくんから直接話を聞いていないから「何でもない時」だなんて言ってしまったけど、みどりちゃんからの又聞きでというのは知っている。

(これは嘘じゃない……私は、嘘をついているわけじゃないから……)

 「知っている」のを「知らない」と言い切ってしまうのは流石に嘘だと思う。でも私のこの言い回しは嘘ではないし今のあおくんの心を解す方法の一つであると信じたかった。

「うん……分かった。俺が会いたくなったら、いつでもはなに甘えていい?」

 あおくんの口から初めて「甘えていい?」なんて言葉を聞いた気がする。

「もちろんだよっ!!」

 だから私は満面の笑みで返事したし

「もちろん……かぁ」
「うんっ! この前あおくんは『彼女のワガママをきくのは彼氏の醍醐味』みたいな話をしてくれたでしょ? それって『彼氏のワガママをきいたり甘えを受け入れるのは彼女の醍醐味』とも言い換えられると思うんだ」

 今思い浮かんだ言葉をそのまま彼に伝える。

「うん……なるほど」
「だって彼氏と彼女は対等の関係なんだもん♡」
「そっかぁ」
「そうだよぅ♡ ぎゅー♡」

 それに、こうして見つめ合って言葉を交わしていると、キュンキュンきちゃって断りもなく彼にぎゅーっと抱きつく。

「ちょっと……はなぁ」

 ベッドでイチャイチャした流れでご飯を作って食べてるから、私達は下着姿の状態。

「えへへ♡」

 1時間前も肌をくっつけて気持ち良くなっていたのに……。
 いや、そうしていたからこそ、食事中の今その気持ち良さがフツフツと沸き上がってくる。

「えっちな気分になっちゃう……まだご飯中なのに」
「そうだね♡ なっちゃうね♡ えへへ♡」

 ブラからお胸がこぼれてしまいそうになるくらい彼の胸板に自分の体をスリスリしているから、えっちな気分になってきているしあおくんも私と同じような雰囲気になってくれているのが嬉しい。

「ね……せっかく作ってくれたはなの美味しいご飯、ちゃんと食べよ?」

 それでもあおくんの理性はギリギリのところで踏ん張っているみたい。

(頑張り屋さんだなぁ、あおくんは♡)

 そんな理性、負けちゃえばいいのに……なんて考えを持っている私はエロい彼女なんだろうか?

「そうだね♡ 食べ終わったらまたイチャイチャしようね♡」

 エロい彼女はあおくん好みなのかもしれないけど、流石にエロ過ぎてはドン引きされるかもしれない。

 私は彼の唇にチュッと軽いキスをして、あおくんの手におにぎりを手渡しあげた。

「うん……食べ終わったら、続きだね♪ はな♡」
「そうだよぅ♡ 続き、たっぷりしようね♡」
 
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