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Chapter9:甘える

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「あおくんただいまっ! 買ってきたからすぐに着替えてみてね」

 コンビニと私の部屋が同じ建物で良かったと今日ほど思った事はない。
 急いで玄関扉を開け、あおくんにトランクスを手渡すと

「急いでくれて本当にありがとう。早速使わせてもらうね」

 と、優しく微笑み受け取ってくれた。

「うん!」
「トイレで履いてくる」
「トイレじゃなくてもいいよぅ」

 あおくんはとっても遠慮がち。

(脱衣所の方が広くて着替えやすいはずのに……)

 そんな事を思いながらも、私は残りの買い物を洗面台の棚の上に置いて使いやすいようにしてあげる。

(あおくんお腹空いてるよね? 炊き込みご飯を仕込んで後でおにぎりにしてあげたら喜ぶかなぁ……)

 もよおしてないから別にいいんだけど、あおくんはトイレからなかなか出てこない。

(トランクスを履く用事にしては、長いよね……)

 まだあおくんとお付き合いして1ヶ月くらいだし、お互いの家へ行き来する回数もまだまだ少ない。

(みどりちゃんの予想が本当に当たってて、あおくんが辛い思いをしているなら……)

 だから、買い物へ出掛けている間に待っていたリビングで……ではなく、より狭い空間のトイレでなら…………。

「っ……ぐすっ……」

(やっぱり、あおくん泣いてるみたい)

 「私に申し訳ないと思いながらも泣けるんじゃないか」って私なりに予想してみたら、まさにそのまんま当たっちゃって…………。

(よしっ、今のうちに炊き込みご飯の準備しよっと!)

 冷蔵庫からマイタケや鶏ひき肉を取り出して簡単な舞茸ご飯の準備に取り掛かる。



「はな、ごめん」

 炊飯器のスイッチを入れたタイミングであおくんがトイレから出てきた。

「謝らないで」
「バスタオル、ありがとう」
「どういたしまして」

 目を赤くしながらボソボソと喋るあおくんに、私は笑顔で対応して……それから

(あおくんが喜ぶ事って何かな……)

 気持ちが沈んでいる彼の心をほぐしてあげたいと考え、彼の手を引いて

「ベッド、いこっか!」

 明るい声で誘った。

「えっ?」

 あおくんはキョトンとした表情をする。

「洗濯機がピーッて鳴るまで、ギューッてハグしたいの。ダメ?」

 それでも上目遣いで、可愛らしく言い直してみるとあおくんの頬はフニャンと弛んで

「ううん、俺もハグしたい」

 と頷いてくれたのですっごく嬉しくなった。

「良かったぁ、えへへ♡」

 嬉しさいっぱいで、あおくんをベッドに仰向けにさせて……貸していた私の服を脱がせて

「あっ、はな」
「下着姿でハグぅ♡」

 お互い、下着の状態でギューッと抱き合う。

「はなぁ、大胆じゃない?」
「そうかなぁ?」

 下着姿になったのは、私の服を着たままじゃあおくんが可哀想に感じたからっていう理由と……

「うん、大胆だよ」
「だって、そうしたかったんだもぉん♡」

 裸が触れ合う部分が多ければ多いほどあおくんの遠慮な気持ちもハダカになってくれるんじゃないかと思ったからの、理由。2つあったんだ。

「もうっ……はな、えっちぃ」
「えっちだよー♡ ふふふ♡」

 ベッドに寝転んで、毛布をスッポリとかぶって

「あっ……」
「あおくんの大好きな私のおっぱいでぇ、ムニムニ攻撃ぃ~♡」

 あおくんが泣いてしまわないよう、精一杯振る舞う。

「ちょっ……はなぁ」
「ムニムニ、イヤかな?」
「イヤ……じゃない」
「じゃあ、いっぱいムニムニするぅ♡」

 あおくんの鼻先を、ブラで寄せられた谷間にズボッと埋めると

「あおくん、いっぱい匂い嗅いでみて♡ ボディソープの香りが残ってるか確かめてみて♡」

 そう呼び掛け、谷町の匂いを嗅がせる。

「うん……」

 あおくんは素直にスンスンと鼻を鳴らし

「ボディソープの香りより甘い匂いがする」

 そう答えてペロペロに変換させた。


「あっ♡ やあぁん♡ あおくぅん♡」

 匂いを嗅がせたのは成功だったみたいで、遠慮ばっかりしていたあおくんが懸命に舌を動かし、えっちになっていく。

「大胆に誘ったはなへの仕返しだよ」
「んっ……」

 一旦顔をあげて見つめてきたあおくんの目はトロンとしていて、さっきまでの悲壮な雰囲気が取れている。

「だからいっぱい谷間舐めちゃう♡」
「ふあぁぁん♡ あおくんえっちぃ♡」

 あおくんのセクシーな舌遣いに酔いしれ、彼の意のままにさせる。

「うん、えっちだよ俺。はなよりもずっと」
「あああぁん♡♡」

 舌の動きに快感を得ながらも、私はすごくすごく嬉しくなって……

「あおくん……あおくぅん」

 彼の頭を優しくナデナデして

「はなぁ……はなぁ……」

 本当に洗濯機がピーッっと音がなるまでベッドでイチャイチャしてしまった。

 
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