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Chapter:6初体験

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「今日行くカフェってどんなところ?」

 実は、あおくんから今日のデートプランを詳しく聞いていなかった。

(今からカフェに行く……とは聞いていたんだけど、具体的にどんなカフェなんだろう?)

 あおくんは私が質問してきたのが嬉しかったようで

「昭和レトロな外観のカフェらしいんだ。実は俺もまさやんに教えてもらったばかりでよく分からなくて」

 私の指をギュッと更に強く絡め優しく前後に振りながら答えてくれた。

(おぉ~! 昭和レトロカフェかぁ♪)

「じゃあ『jolie manteジョリー・マント』みたいなお店かな?」

 私とあおくんの仲で「昭和レトロ」といえばやっぱり『jolie manteジョリー・マント』を思い浮かべる。

「そうかも」
「いいねー♪ 私達が最初にデートっぽい事したのが『jolie manteジョリー・マント』のランチだったもんね♪」

 ……そう。付き合う前だから「デート」と呼んで良いか分からないけど、私達が楽しく過ごして別れの際に「仲良しさん」の関係を結べたのは紛れもなく『jolie manteジョリー・マント』のおかげだった。

「うん。だからまさやんからオススメされた時に『いいかも!』って思ったんだ」

 だからあおくんが今日のデートに『jolie manteジョリー・マント』を少し意識したカフェを選んでくれたっていうのがとっても嬉しくて

「うんうんっ! 今日がお付き合いスタートして初めてのデートだもんね♡」

 と、私もテンションを上げる。

「そういうこと♡ えへへ」
「えへへ♡」

(あおくんは私との「仲良しさん」の関係をとっても大事にしてくれている感じがあるんだよね)

 あおくんと「えへへ」って笑い合うと幸せな気持ちになるしほっこりする。

(これって、フィーリングが合ってるって事なのかなぁ……)

 会う機会は少なかったけど、春からの半年は私の人生をパァッと明るくさせてキラキラと輝いていた。
 私はこの半年をとっても大事だと感じていたし、これからも大切な思い出にしていきたいと思っている。
 そしてあおくんも私と同じような事を考えてくれているんだろうと、「えへへ」から伝わってくるんだ。

「楽しみだね♪ あおくんの好きなエビグラタンもメニューにあるといいね!」

 恋人繋ぎした2人の腕を振り子みたいにブンブンと揺らしながら話す私に合わせて

「確かに! 食べ比べ出来るよね」

 あおくんも私のブンブンに合わせて腕を動かしてくれ、同調してくれるのが本当に嬉しい。

「コーヒーも美味しいかなぁ~♪ あおくんはコーヒーの違いが分かるかっこいい大人だからなぁ~♪」
「雨上がりブレンドに気付いたのはたまたまだからねっ! ランチの前に飲んだばっかりだったから」
「まぁそうだけどね~♡ うふふ♡」
「ふふ♡」

(カフェもだけど、あおくんとのランチタイムが楽しみだなぁ♪ 『jolie manteジョリー・マント』でランチした時と同じ……ううん、それ以上に楽しくて幸せな時間を過ごせるに違いないもん!)

 歩いて向かっている今も私は幸せでたまらなかった。
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