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俺の口吸い彼女の甘噛み
★14
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この沈黙は俺の所為だ。
やはり余計な事をしでかしたのだと、自分の振る舞いを悔やむ。
夏実に掛けた言葉に全て偽りはないのだけれど、明らかにこれは受け止める側の人間の気持ちを汲んではいなかったのだ。
「ごめん、夏実。俺、酔ってないはずなんだけど頭がおかしいから」
だから俺の言った事は忘れていい。……そういう気持ちで夏実の腰を抱えて俺から離そうと自分の腰も後方へ引く。
「やだ」
それなのに夏実は俺の方を向いたままそれを拒んで、腰を引く俺から離れまいと、セクシーな腰付きで密着してくる。
「忘れるなんて嫌っ」
夏実はもう一度そう言ったかと思うと、ふいっと後ろを振り返ってワインボトルをワイングラスに向かって逆さまに向け、残っていた飲み物を全てグラスの中に注いでしまう。
ノンアルコールワインとはいえ、上品とは言えない容量がグラスの中に注がれると……
「んっ……」
俺がしてみせた量よりも明らかに多くその口の中に含ませた。
「夏実……っ??!!」
突然の行動に狼狽えた俺の顔を、夏実は両手でガッシリと挟むと
「んんんー!!!!」
口移しの失敗だなんて言えないくらいの量を口の端からビシャビシャ溢していく。
「んっ!!」
夏実の口内にあるもの全量を溢させるわけにはいかないと、半分くらいは飲み込んだ気がするのだが
「っはあっ……はあっ……はあっ……はあっ」
俺から口を離した夏実の着ている黒とボルドーのシャツにワインの染みがついていて
「夏実っ……! やりすぎだろ、これ……」
俺の方は口の端や首筋どころか、胸の辺りまでかなりびしょ濡れになってしまっている。
首元のスカーフを外して薄紫色のシャツのボタンも開けたとは言っても、これを脱いだら無残な事になっているのは間違いない。
ワインを溢しまくった張本人は、俺の前で一度微笑んだかと思いきや
「ハグー!!」
と明るく大きな声を出してギューッと抱きつき全体重を俺の上半身にかけてきた。
「ちょっ!! ……っ、だあっ!!」
当然の事ながら俺は彼女に押し倒される形でバッタリとモスグリーンのラグマットの上に横倒しされる。
一応ラグの上だから、以前フローリングに頭を打ち付けた時よりは痛くなかったが、それでも充分後頭部にゴツッと音が鳴るくらいの衝撃を受けた。
「湊人の素直な気持ちを、忘れたくないし忘れるわけない」
俺を押し倒した彼女は真顔で俺にそう言うと唇を重ね……舌を出してきた。
歯列を舐めてくる可愛らしい舌を受け止めようと、俺は口を開けてそれを迎え入れる。
だがしかし、俺の口内にその舌が留まったのはほんの一瞬だけで、その後は濡れた口の端や流したままになっていた涙の跡に、彼女は唇をくっつけた。
「ん……」
息衝きの音を小さく鳴らす俺に、彼女は……小さいながらもはっきりと「うん」と言い、ピンク色の舌を俺の顔の上に乗せてゆっくりと滑らせる。
最初は涙を吸い取るように
次は溢したワインの紅を拭うように
唇や舌を巧みに操って顔の上を這い回り、顎のラインの通過したらチュッと音を立てて首に吸い付いた。
「はあぁっ」
吸い付くとは言っても、キスマークの痕がつく程の強い吸い付きではなく、唇の一番柔らかな部分を俺の肌に密着させては「チュッ」という水気の混じった空気の音を可愛らしく鳴らす。
学生時代、夏実以外の女に求めた強い吸い付きや噛みつきとは全く違う……柔らかで優しいリップ音や甘噛み。
高校生の静華から「性癖」と揶揄された、脳がそれしか考えられなくなるくらいの刺激や痛覚とは……今夏実がしている行為は、それとは全く違っていた。
「ああぁ……」
それなのに、身体がゾワゾワ、ムズムズしてくる。
内側から熱くなってきて、吐息混じりの声が自然と出てくる。
「気持ちい……あっ…………」
やわらかくて
優しくて
音だけがエロティックに耳に残る、甘い行為。
俺の望んだ「性癖」に対する夏実の答えはきっとそういう事なのだ。
そして俺の望んだ行為が真の意味での性癖なのだとしたら、そんな温く甘やかな行為にきっと欲情なんかしない。「物足りないからもっと強く噛め」と夏実に要求したのだろう。
なのに現実の俺は息を荒くして、情けない声を断続的に出し、恥ずかしいくらいに身体の全てを反応させていた。
「湊人ぉ……好きぃ♡」
「気持ちがいい」と言葉に出し、喘いで体を反応させる30歳の情けない男に対し夏実は嬉しそうな声を上げる。
それから俺のベストやシャツの前を開くと、ワインで濡れてひんやりとする俺の肌の上にまた舌を滑らせた。
やはり余計な事をしでかしたのだと、自分の振る舞いを悔やむ。
夏実に掛けた言葉に全て偽りはないのだけれど、明らかにこれは受け止める側の人間の気持ちを汲んではいなかったのだ。
「ごめん、夏実。俺、酔ってないはずなんだけど頭がおかしいから」
だから俺の言った事は忘れていい。……そういう気持ちで夏実の腰を抱えて俺から離そうと自分の腰も後方へ引く。
「やだ」
それなのに夏実は俺の方を向いたままそれを拒んで、腰を引く俺から離れまいと、セクシーな腰付きで密着してくる。
「忘れるなんて嫌っ」
夏実はもう一度そう言ったかと思うと、ふいっと後ろを振り返ってワインボトルをワイングラスに向かって逆さまに向け、残っていた飲み物を全てグラスの中に注いでしまう。
ノンアルコールワインとはいえ、上品とは言えない容量がグラスの中に注がれると……
「んっ……」
俺がしてみせた量よりも明らかに多くその口の中に含ませた。
「夏実……っ??!!」
突然の行動に狼狽えた俺の顔を、夏実は両手でガッシリと挟むと
「んんんー!!!!」
口移しの失敗だなんて言えないくらいの量を口の端からビシャビシャ溢していく。
「んっ!!」
夏実の口内にあるもの全量を溢させるわけにはいかないと、半分くらいは飲み込んだ気がするのだが
「っはあっ……はあっ……はあっ……はあっ」
俺から口を離した夏実の着ている黒とボルドーのシャツにワインの染みがついていて
「夏実っ……! やりすぎだろ、これ……」
俺の方は口の端や首筋どころか、胸の辺りまでかなりびしょ濡れになってしまっている。
首元のスカーフを外して薄紫色のシャツのボタンも開けたとは言っても、これを脱いだら無残な事になっているのは間違いない。
ワインを溢しまくった張本人は、俺の前で一度微笑んだかと思いきや
「ハグー!!」
と明るく大きな声を出してギューッと抱きつき全体重を俺の上半身にかけてきた。
「ちょっ!! ……っ、だあっ!!」
当然の事ながら俺は彼女に押し倒される形でバッタリとモスグリーンのラグマットの上に横倒しされる。
一応ラグの上だから、以前フローリングに頭を打ち付けた時よりは痛くなかったが、それでも充分後頭部にゴツッと音が鳴るくらいの衝撃を受けた。
「湊人の素直な気持ちを、忘れたくないし忘れるわけない」
俺を押し倒した彼女は真顔で俺にそう言うと唇を重ね……舌を出してきた。
歯列を舐めてくる可愛らしい舌を受け止めようと、俺は口を開けてそれを迎え入れる。
だがしかし、俺の口内にその舌が留まったのはほんの一瞬だけで、その後は濡れた口の端や流したままになっていた涙の跡に、彼女は唇をくっつけた。
「ん……」
息衝きの音を小さく鳴らす俺に、彼女は……小さいながらもはっきりと「うん」と言い、ピンク色の舌を俺の顔の上に乗せてゆっくりと滑らせる。
最初は涙を吸い取るように
次は溢したワインの紅を拭うように
唇や舌を巧みに操って顔の上を這い回り、顎のラインの通過したらチュッと音を立てて首に吸い付いた。
「はあぁっ」
吸い付くとは言っても、キスマークの痕がつく程の強い吸い付きではなく、唇の一番柔らかな部分を俺の肌に密着させては「チュッ」という水気の混じった空気の音を可愛らしく鳴らす。
学生時代、夏実以外の女に求めた強い吸い付きや噛みつきとは全く違う……柔らかで優しいリップ音や甘噛み。
高校生の静華から「性癖」と揶揄された、脳がそれしか考えられなくなるくらいの刺激や痛覚とは……今夏実がしている行為は、それとは全く違っていた。
「ああぁ……」
それなのに、身体がゾワゾワ、ムズムズしてくる。
内側から熱くなってきて、吐息混じりの声が自然と出てくる。
「気持ちい……あっ…………」
やわらかくて
優しくて
音だけがエロティックに耳に残る、甘い行為。
俺の望んだ「性癖」に対する夏実の答えはきっとそういう事なのだ。
そして俺の望んだ行為が真の意味での性癖なのだとしたら、そんな温く甘やかな行為にきっと欲情なんかしない。「物足りないからもっと強く噛め」と夏実に要求したのだろう。
なのに現実の俺は息を荒くして、情けない声を断続的に出し、恥ずかしいくらいに身体の全てを反応させていた。
「湊人ぉ……好きぃ♡」
「気持ちがいい」と言葉に出し、喘いで体を反応させる30歳の情けない男に対し夏実は嬉しそうな声を上げる。
それから俺のベストやシャツの前を開くと、ワインで濡れてひんやりとする俺の肌の上にまた舌を滑らせた。
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