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俺と彼女と恋待つ時
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開けると、そこには布団を抱えた夏実が入ってくる。
「湊人ちょっとどいてー」
「えぇ!?」
夏実の言われた通りにその場を避けると、夏実は抱えていた敷布団をベッドの下に置き
「毛布も持ってくるね」
と、また奥さんの部屋に行ってしまった。
「えっ!? ちょっと待て! 夏実は奥さんの部屋で寝るはずだっただろ?」
俺はこの部屋、夏実は奥さんの部屋にそれぞれ寝る予定と聞いていたから突然もう一組敷布団と毛布セットでベッド下に置かれる状況に頭が混乱する。
「なぁ夏実……」
俺も部屋から廊下に出て夏実が居る筈の、奥さんの部屋のドアノブに手をかけようとしたら
「っぁ……ぁぅ……ん、ぁ……ぁぁっ♡♡♡」
村川夫婦が寝室に使っていると言っていた部屋から生々しい声が耳にビリビリと入ってきた。
(わーーーーーー!!!!!!!!!!
ちょっと待てよ!! 村川くん、珈琲の香りがどうのとか言ってた癖にもうおっぱじめてんじゃねーか!!!!
俺だけならまだしも18の子がいるんだぞ?!!! ほんっとうに何考えてるか分からないな新人ってやつは!!!!!)
手をかけていたドアノブを回してゆっくり開け、奥さんの部屋の中を覗くと
「一緒に寝ても……いいよね?」
と、夏実が毛布を大事そうに抱えて目を潤ませながらそこに立っている。
「いいから早くこっちにおいで!」
彼氏としての甘い台詞というよりは、娘を怖いものから守る父親みたいな心境で俺は部屋の消灯をして毛布を奪い取り夏実の手を素早く引く。
「湊人ぉ……」
それから夏実を部屋の中に入れ、大きく息を吐きながら夏実を優しく抱き締めた。
「ごめん、後輩が変な事始めて」
「湊人は悪くないよ。さっきね、私が朝香さんのコーヒー焙煎するのを見ながら2人でお喋りしてたのね。
焙煎が終わって保存瓶に移し替えるの手伝ってたらいきなり亮輔さんがリビングに入ってきて、キッチンの私達見るなり朝香さんを向こうの寝室連れてっちゃったの」
「なんだそれ。さっき村川くん、奥さんの焙煎した珈琲の香りを嗅ぎに行くとか言ってた筈だけど」
夏実から詳細な話を聞いてもさっぱり意味が分からない。
「でも、亮輔さんが私達のところに来た時は焙煎はもう終わってたんだよ『豆が熱いから蓋は開けたままでいい』って朝香さんに言われて瓶の蓋は開けたままにしていたから、キッチンやリビングには珈琲の良い香りはしていたんだけど」
「それなのに村川くんは奥さんを連れて?寝室に?? 行ったってことか???」
「そう。なんかもう『ガバー』って朝香さん連れて『サー』って行っちゃって」
「『がばー』と『さー』って?」
「うん、ガバーって、サーッて」
夏実の子供じみた擬音もなかなか謎で想像の手伝いにはならなかったが、要するに村川くんは奥さんをいきなり抱きかかえて素早く寝室に連れて行き、奥さんの口から生々しい喘ぎ声をあげさせている……と、そういうことなのだろう。
俺は抱きしめていた腕の力を緩めて夏実を解放してやり、少ししゃがんで目線を彼女に合わせる。
それから「いい子いい子」と彼女の頭を優しく撫でていると、夏実は顔を真っ赤にしながら
「私、知らなかったの。テレビやソファが置いてあるところの近くに引き戸があって寝室とはそこと繋がってるなんて……」
と、俺に怖々話す。
「確かにあったな、引き戸。あれ、寝室とリビングを隔てる戸だったのか……」
キッチンはリビングの出入り口すぐのところにあり、そこからだと寝室は廊下を通っていくものだと俺でさえ思っていた。
確かにソファに座って村川くんと話してる時も引き戸があんなところにあるな、とは気にかかっていたけれど。
夏実だってテレビを観ている最中もその存在にあまり気を留めなかったのだろう。
村川くんが奥さんを抱えてリビングの奥へと移動するのを夏実もビックリして追いかけたのだと思う。
「もしかして夏実、なんか……見た?」
だからこんな事を少女に訊くのは野暮だ。
とはいえ顔を真っ赤にする彼女の目にしたものの意味を確認したくてつい質問を投げかけてしまった。
「そんな事訊かないでよぉ。やだぁ……」
夏実は恥ずかしそうな声をあげて俺の首に腕を絡めて抱きついてくる。
その時に触れる夏実の肌が、どこもかしこも熱を帯びていて
「まったく!! あの野郎!!」
18の子の肌を熱くした後輩の馬鹿な行動に益々腹が立ってしまった。
「もう帰ろうか? 夏実」
抱きついたままの彼女にそう呼びかけ後頭部を優しく撫でる。
「電車で家まで帰るの?泊まるって連絡したのに?」
「近辺で素泊まり出来るところならすぐ見つかると思うけど」
「でも、帰るなら服取りに行ったり玄関通る時に朝香さんの声を聞かなくちゃいけない……よね?」
「うーん……」
(っていうか、奥さんの甘い声がこっちまで聞こえてきてる気が……)
俺らが会話を止めたら微かに声が聞こえてくるのは本当に気のせいなのだろうか?
(奥さん、声を我慢出来ないタイプ? それともあの野郎がワザと俺らに聞かせようとしているのか?)
「きっと、すぐ終わらないよね?」
あの野郎の持久力がどんなものかは知らないが、若いし体力ありそうだからそれなりにあるんだろう。
「すぐは……終わらないかも」
俺の返答に夏実の身体は一層俺に密着してきて、絡んでくる腕の隙間……俺の首筋に、夏実の唇のような柔らかなものがプチュッと当たる感触がした。
「湊人ちょっとどいてー」
「えぇ!?」
夏実の言われた通りにその場を避けると、夏実は抱えていた敷布団をベッドの下に置き
「毛布も持ってくるね」
と、また奥さんの部屋に行ってしまった。
「えっ!? ちょっと待て! 夏実は奥さんの部屋で寝るはずだっただろ?」
俺はこの部屋、夏実は奥さんの部屋にそれぞれ寝る予定と聞いていたから突然もう一組敷布団と毛布セットでベッド下に置かれる状況に頭が混乱する。
「なぁ夏実……」
俺も部屋から廊下に出て夏実が居る筈の、奥さんの部屋のドアノブに手をかけようとしたら
「っぁ……ぁぅ……ん、ぁ……ぁぁっ♡♡♡」
村川夫婦が寝室に使っていると言っていた部屋から生々しい声が耳にビリビリと入ってきた。
(わーーーーーー!!!!!!!!!!
ちょっと待てよ!! 村川くん、珈琲の香りがどうのとか言ってた癖にもうおっぱじめてんじゃねーか!!!!
俺だけならまだしも18の子がいるんだぞ?!!! ほんっとうに何考えてるか分からないな新人ってやつは!!!!!)
手をかけていたドアノブを回してゆっくり開け、奥さんの部屋の中を覗くと
「一緒に寝ても……いいよね?」
と、夏実が毛布を大事そうに抱えて目を潤ませながらそこに立っている。
「いいから早くこっちにおいで!」
彼氏としての甘い台詞というよりは、娘を怖いものから守る父親みたいな心境で俺は部屋の消灯をして毛布を奪い取り夏実の手を素早く引く。
「湊人ぉ……」
それから夏実を部屋の中に入れ、大きく息を吐きながら夏実を優しく抱き締めた。
「ごめん、後輩が変な事始めて」
「湊人は悪くないよ。さっきね、私が朝香さんのコーヒー焙煎するのを見ながら2人でお喋りしてたのね。
焙煎が終わって保存瓶に移し替えるの手伝ってたらいきなり亮輔さんがリビングに入ってきて、キッチンの私達見るなり朝香さんを向こうの寝室連れてっちゃったの」
「なんだそれ。さっき村川くん、奥さんの焙煎した珈琲の香りを嗅ぎに行くとか言ってた筈だけど」
夏実から詳細な話を聞いてもさっぱり意味が分からない。
「でも、亮輔さんが私達のところに来た時は焙煎はもう終わってたんだよ『豆が熱いから蓋は開けたままでいい』って朝香さんに言われて瓶の蓋は開けたままにしていたから、キッチンやリビングには珈琲の良い香りはしていたんだけど」
「それなのに村川くんは奥さんを連れて?寝室に?? 行ったってことか???」
「そう。なんかもう『ガバー』って朝香さん連れて『サー』って行っちゃって」
「『がばー』と『さー』って?」
「うん、ガバーって、サーッて」
夏実の子供じみた擬音もなかなか謎で想像の手伝いにはならなかったが、要するに村川くんは奥さんをいきなり抱きかかえて素早く寝室に連れて行き、奥さんの口から生々しい喘ぎ声をあげさせている……と、そういうことなのだろう。
俺は抱きしめていた腕の力を緩めて夏実を解放してやり、少ししゃがんで目線を彼女に合わせる。
それから「いい子いい子」と彼女の頭を優しく撫でていると、夏実は顔を真っ赤にしながら
「私、知らなかったの。テレビやソファが置いてあるところの近くに引き戸があって寝室とはそこと繋がってるなんて……」
と、俺に怖々話す。
「確かにあったな、引き戸。あれ、寝室とリビングを隔てる戸だったのか……」
キッチンはリビングの出入り口すぐのところにあり、そこからだと寝室は廊下を通っていくものだと俺でさえ思っていた。
確かにソファに座って村川くんと話してる時も引き戸があんなところにあるな、とは気にかかっていたけれど。
夏実だってテレビを観ている最中もその存在にあまり気を留めなかったのだろう。
村川くんが奥さんを抱えてリビングの奥へと移動するのを夏実もビックリして追いかけたのだと思う。
「もしかして夏実、なんか……見た?」
だからこんな事を少女に訊くのは野暮だ。
とはいえ顔を真っ赤にする彼女の目にしたものの意味を確認したくてつい質問を投げかけてしまった。
「そんな事訊かないでよぉ。やだぁ……」
夏実は恥ずかしそうな声をあげて俺の首に腕を絡めて抱きついてくる。
その時に触れる夏実の肌が、どこもかしこも熱を帯びていて
「まったく!! あの野郎!!」
18の子の肌を熱くした後輩の馬鹿な行動に益々腹が立ってしまった。
「もう帰ろうか? 夏実」
抱きついたままの彼女にそう呼びかけ後頭部を優しく撫でる。
「電車で家まで帰るの?泊まるって連絡したのに?」
「近辺で素泊まり出来るところならすぐ見つかると思うけど」
「でも、帰るなら服取りに行ったり玄関通る時に朝香さんの声を聞かなくちゃいけない……よね?」
「うーん……」
(っていうか、奥さんの甘い声がこっちまで聞こえてきてる気が……)
俺らが会話を止めたら微かに声が聞こえてくるのは本当に気のせいなのだろうか?
(奥さん、声を我慢出来ないタイプ? それともあの野郎がワザと俺らに聞かせようとしているのか?)
「きっと、すぐ終わらないよね?」
あの野郎の持久力がどんなものかは知らないが、若いし体力ありそうだからそれなりにあるんだろう。
「すぐは……終わらないかも」
俺の返答に夏実の身体は一層俺に密着してきて、絡んでくる腕の隙間……俺の首筋に、夏実の唇のような柔らかなものがプチュッと当たる感触がした。
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