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彼女に伝う俺の愛
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それまで言葉も出せず涙を流してばかりいた夏実が
「うううぅ~……」
と、また泣きそうな表情で小さな呻き声をあげて
「湊人のばかぁ」
そう言葉に出して、俺の首に腕を回して抱きつく。
「うん、その調子。俺の悪いところもっと言って」
俺は夏実の背中を優しく撫でた。
「高1の進路指導で大学の学部選びした時だって本当は、ワザと湊人の苦手そうな科目のやつ選んで困らそうとしたのに。なんで真面目に予習して勉強しちゃうの? 仕事めちゃくちゃ忙しいのに『文系も理系も教えられるように俺も勉強し直した』って、バカだよ湊人ぉ」
「ふふふっ、そう言えば繁忙期だっていうのに、夏実の入学前から夜中1人で勉強したよなぁ」
抱きついて、耳元でそんな事を夏実が言ってきたから思わず笑ってしまって
「笑わないでよバカ湊人!」
って続けて怒られた。
「うん、気付かずに予習して勉強してごめん。笑ってごめん」
それで俺は最初の宣言通り、夏実の「バカ」に対して彼女の背中を撫でながら「ごめん」と謝った。
「昨日も、私を抜きにしてお母さんと話すの酷い!」
「ごめん」
「本当はあの後すぐ広瀬家へ行ったんだけど玄関からお母さんの声が聞こえて、湊人にめちゃくちゃ怒ると思ったから私も怖くなって、おじちゃんが私を2階に上がらせてお布団敷いてもらっちゃったんだから!」
「うん、ごめん」
「私の大事な進路の事でお母さんと湊人が真面目に話してるのに、お父さんは酔い潰れて寝てるし……もうなんなのあのおっさん!! 信じらんない!」
「和明さんが酔い潰れるまで親父が酒飲ましてごめん」
「もうっ!! お父さん酔い潰れたのは湊人の所為じゃないのに謝らないでよバカぁ!!」
「それもそうだな、ごめん」
「そもそもお父さんみたいな男性がおっさんなんだからね! 湊人は全然おっさんじゃないんだから!」
「んー、それはどうだろう?」
「湊人はまだ30なんだから、くたびれたとか言わないでよ! 私にとってはまだ王子様なんだから!」
「それには『ごめん』って言えない。本当にくたびれてるから」
「くたびれてないもん! 王子だもん!」
「いや、絶対王子じゃないし。今だって全裸でこんな事して王子の要素皆無だし」
「そもそもなんで全裸なの? 意味わかんない!」
「夏実に素直になってほしいなって思ったらこうなった」
なんか途中から、ごめんって謝れるような会話にはなっていなかった。
いつの間にやら半分元気だった俺の股間は萎え、馬乗りだったはずの夏実と身体をピッタリ合わせて、抱き合いながらその会話を続けていた。
「湊人バカすぎるよ! もっと絶対いい方法あったよ!」
「いや……他の方法だと俺が変態行為しちゃうなと思って」
「今でも充分変態だよぉ……バカぁ」
俺の耳元で、涙声になる彼女の後頭部を撫でて、また「ごめん」と言うと
「でもそんな湊人がすきぃ……大好きぃ」
彼女は涙声のまま、嬉しい言葉を口にしてくれた。
「うん、俺も好き。大好き」
「…………もう喋る事なくなっちゃった」
「もう? 喧嘩なんだからもっと言い合わなきゃ」
「湊人知らないの? 恋人同士の喧嘩は、お互いが『好き』って言ったら終わるんだよ」
「そうなんだ? ……それは知らなかった」
「私の前にいろんな人と付き合ってたのになんで知らないの? バカ!」
「夏実が物知りなだけじゃないか? 誰から聞いたのか知らないけど」
「友達から聞いたの! ……っていうか学校の勉強だけじゃなくてそういう勉強もちゃんと教えてよね! 湊人は大人なんだから!」
「そういう勉強って、エッチな意味?」
「もうっ…………バカ♡」
夏実の「バカ」が、俺を罵倒する意味でない事に気付いたから、萎えたはずの棒が、重なる夏実の身体との間で膨らんでいって……
「じゃあ仲直りのエッチ、する?」
夏実が断らないという確信を持った状態で、そう呼びかけた。
「あのさぁ。私ってエッチの経験そんなにないんだよ? それなのに湊人の部屋へ行ってゴムの箱を取ってくるなんて……」
「ごめんな。お袋変な顔してなかった?」
「一応『忘れ物取りに来た』とは言ってみたけどさぁ。きっと不思議に思われたよぅ」
夏実からゴムの箱を受け取りながら俺は苦笑して、そばに寄ってきた夏実の服を脱がせた。
「それなら多分平気だよ。親父もお袋も夏実大好きだから、疑う事はしないと思う」
「それ、ホント?」
淡いブルーの可愛らしいブラが姿を現して、俺は笑いながら柔らかで豊かな胸の谷間に指を差し込んでみる。
「ホント。実の息子よりも夏実を溺愛してるから」
その部分は汗や湿気でしっとりと熱くなっていて、まるで薔薇色の秘部のようにこの指に吸い付いてくれた。
「夏実はさ、どんな事されてみたい?」
夏実の裸は誕生日以来毎日目にしているな、と下着を脱がしながら思う。
全身を舐め回すようにこの裸体を眺めたいけれど、そんな事したらまた夏実の美しさに圧倒されて頭がまた変になってしまうから……だから、さっき指を差し入れて遊んだ谷間の跡に視線を集中させる。
「うううぅ~……」
と、また泣きそうな表情で小さな呻き声をあげて
「湊人のばかぁ」
そう言葉に出して、俺の首に腕を回して抱きつく。
「うん、その調子。俺の悪いところもっと言って」
俺は夏実の背中を優しく撫でた。
「高1の進路指導で大学の学部選びした時だって本当は、ワザと湊人の苦手そうな科目のやつ選んで困らそうとしたのに。なんで真面目に予習して勉強しちゃうの? 仕事めちゃくちゃ忙しいのに『文系も理系も教えられるように俺も勉強し直した』って、バカだよ湊人ぉ」
「ふふふっ、そう言えば繁忙期だっていうのに、夏実の入学前から夜中1人で勉強したよなぁ」
抱きついて、耳元でそんな事を夏実が言ってきたから思わず笑ってしまって
「笑わないでよバカ湊人!」
って続けて怒られた。
「うん、気付かずに予習して勉強してごめん。笑ってごめん」
それで俺は最初の宣言通り、夏実の「バカ」に対して彼女の背中を撫でながら「ごめん」と謝った。
「昨日も、私を抜きにしてお母さんと話すの酷い!」
「ごめん」
「本当はあの後すぐ広瀬家へ行ったんだけど玄関からお母さんの声が聞こえて、湊人にめちゃくちゃ怒ると思ったから私も怖くなって、おじちゃんが私を2階に上がらせてお布団敷いてもらっちゃったんだから!」
「うん、ごめん」
「私の大事な進路の事でお母さんと湊人が真面目に話してるのに、お父さんは酔い潰れて寝てるし……もうなんなのあのおっさん!! 信じらんない!」
「和明さんが酔い潰れるまで親父が酒飲ましてごめん」
「もうっ!! お父さん酔い潰れたのは湊人の所為じゃないのに謝らないでよバカぁ!!」
「それもそうだな、ごめん」
「そもそもお父さんみたいな男性がおっさんなんだからね! 湊人は全然おっさんじゃないんだから!」
「んー、それはどうだろう?」
「湊人はまだ30なんだから、くたびれたとか言わないでよ! 私にとってはまだ王子様なんだから!」
「それには『ごめん』って言えない。本当にくたびれてるから」
「くたびれてないもん! 王子だもん!」
「いや、絶対王子じゃないし。今だって全裸でこんな事して王子の要素皆無だし」
「そもそもなんで全裸なの? 意味わかんない!」
「夏実に素直になってほしいなって思ったらこうなった」
なんか途中から、ごめんって謝れるような会話にはなっていなかった。
いつの間にやら半分元気だった俺の股間は萎え、馬乗りだったはずの夏実と身体をピッタリ合わせて、抱き合いながらその会話を続けていた。
「湊人バカすぎるよ! もっと絶対いい方法あったよ!」
「いや……他の方法だと俺が変態行為しちゃうなと思って」
「今でも充分変態だよぉ……バカぁ」
俺の耳元で、涙声になる彼女の後頭部を撫でて、また「ごめん」と言うと
「でもそんな湊人がすきぃ……大好きぃ」
彼女は涙声のまま、嬉しい言葉を口にしてくれた。
「うん、俺も好き。大好き」
「…………もう喋る事なくなっちゃった」
「もう? 喧嘩なんだからもっと言い合わなきゃ」
「湊人知らないの? 恋人同士の喧嘩は、お互いが『好き』って言ったら終わるんだよ」
「そうなんだ? ……それは知らなかった」
「私の前にいろんな人と付き合ってたのになんで知らないの? バカ!」
「夏実が物知りなだけじゃないか? 誰から聞いたのか知らないけど」
「友達から聞いたの! ……っていうか学校の勉強だけじゃなくてそういう勉強もちゃんと教えてよね! 湊人は大人なんだから!」
「そういう勉強って、エッチな意味?」
「もうっ…………バカ♡」
夏実の「バカ」が、俺を罵倒する意味でない事に気付いたから、萎えたはずの棒が、重なる夏実の身体との間で膨らんでいって……
「じゃあ仲直りのエッチ、する?」
夏実が断らないという確信を持った状態で、そう呼びかけた。
「あのさぁ。私ってエッチの経験そんなにないんだよ? それなのに湊人の部屋へ行ってゴムの箱を取ってくるなんて……」
「ごめんな。お袋変な顔してなかった?」
「一応『忘れ物取りに来た』とは言ってみたけどさぁ。きっと不思議に思われたよぅ」
夏実からゴムの箱を受け取りながら俺は苦笑して、そばに寄ってきた夏実の服を脱がせた。
「それなら多分平気だよ。親父もお袋も夏実大好きだから、疑う事はしないと思う」
「それ、ホント?」
淡いブルーの可愛らしいブラが姿を現して、俺は笑いながら柔らかで豊かな胸の谷間に指を差し込んでみる。
「ホント。実の息子よりも夏実を溺愛してるから」
その部分は汗や湿気でしっとりと熱くなっていて、まるで薔薇色の秘部のようにこの指に吸い付いてくれた。
「夏実はさ、どんな事されてみたい?」
夏実の裸は誕生日以来毎日目にしているな、と下着を脱がしながら思う。
全身を舐め回すようにこの裸体を眺めたいけれど、そんな事したらまた夏実の美しさに圧倒されて頭がまた変になってしまうから……だから、さっき指を差し入れて遊んだ谷間の跡に視線を集中させる。
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