56 / 317
彼女に伝う俺の愛
1
しおりを挟む今まで俺と外デートする時の夏実のファッションは、一言で言えば「清楚系」。
メイクも大人びた雰囲気で、25センチの身長差を気にしてか靴もヒールの高いものを選んでいる。
初めは「最近の10代はそんな服装が流行ってるのか?」と思っていた。
実際街を歩いて周囲を見回すと10代なのか20代なのか見分けがつかない服装の女性で溢れているように思う。
誕生日デートの時もやはりそうで、姉の菜央ちゃんから譲り受けたという「あー、結婚前の菜央ちゃんそんな服着てたな」っていうキレイ目可愛い服装を身に纏っていた。
だが、デート2日目に夏実とした奇怪フード巡りで行列に並んでいた時に「やっぱり10代だってそれらしい服装する女も居るじゃないか」と気付いた。
今までのデートも、誕生日デートも、夏実が着ていた服装は似合っていたとは思うし、隣に並ぶ歳上の俺とのバランスはちゃんととれていたと思う。
しかし行列に並ぶ若い女性に挟まれながら改めて夏実の格好を頭の先から眺めてみると「俺って菜央ちゃんとデートしてるんだっけ?」という変な違和感に包まれた。
30男に釣り合うファッションをしてくれてるのに、素直に喜べない。
夏実にそれは似合ってない訳ではなく、むしろ俺好みなファッションなのに、何故か嬉しくない。
今まで全く気付かなかった感情が、奇怪フードを求める10代の夏実とのギャップと共に湧き上がって……直後、シャボン玉がパンと割れるような感覚に陥り、それが俺を少しモヤモヤとさせた。
そのモヤモヤはホテルに戻って性欲によって吹き消された訳だけど、今日の昼に夏実へメールを送りながら「夏実は勉強の事と同じく、その面でも頑張りすぎていたんじゃないか」という事実にようやく気付いた。
「ねぇ、私の服装変じゃない? 湊人の好みとかけ離れてない?」
夏実の腹に好物をパンパンに詰める事に成功した俺は、そのまま彼女と一緒に電車に乗って少しだけ離れた繁華街の方へと移動する。
「変じゃないよ。『夏実が友達と遊びに行くような服装で来て』っていう俺の指示通りだし、頭の団子も可愛い」
俺の指示通りの服装をした夏実は、頭のてっぺんにデカい団子を冠し、ギンガムチェックのオフショルダートップスに濃紺のワイドパンツというシンプルなスタイルで、足には厚底のサンダルを履いていた。
メイクの種類なんて俺には分からないけれどなんとなく雰囲気的に「頑張りすぎてない感」が出ていて嬉しい。
「やっぱり変だよ。湊人はスーツ姿だし余計に違和感あるって」
「そうか? ラフって指示したから俺としてはもっとTシャツジーパンくらいの感じをイメージしてたよ」
「それはラフ過ぎてデート向きじゃないし。本当はもっとオシャレしたかったのになぁ~」
「サンダルももっとぺたんこにすれば良かったのに。いつも足疲れないか?」
「湊人と歩くのにぺたんこなんて絶対いやー! 手が繋げないもん」
「ははっ、可愛いなぁ夏実は」
夏実とそんな会話をしながら、俺は指を夏実の手に絡めて恋人繋ぎをした。
俺みたいな年齢の社会人が夜蝶観測を理由に多数行き交うこの道は、ネオンの光を強く感じる。
「あっ」
15センチ見上げた夏実の瞳は潤んでいた。
それは鬱陶しい外湿度の所為だろうか?
「夏実、こっち……」
それとも繋いだ手を裏路地へと導く、俺特有の低い声だろうか?
0
お気に入りに追加
52
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
〈社会人百合〉アキとハル
みなはらつかさ
恋愛
女の子拾いました――。
ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?
主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。
しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……?
絵:Novel AI
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる