やっぱりアナログが好きな私が頑張って描いてみた

『彼女が18になった』

表紙画解説

　こちらの画像……実は……

　↑ちょっと怖いんですよ。

　読者様方は作品検索をする際にサムネイルサイズの表紙画像から目にすると思った私は今回「サムネで見るといい感じに見えるけど、拡大するとギョッする仕上がりにしたい」目的でこのようにしてみました。
　
　さて、何が「ちょっと怖い」なのかお分かりですか？
　お団子頭の女の子、首がないんです。
　「女の子に添えられている手や手首で女の子の首が隠れて見えないという設定のイラストにしている」が正しいんですけどね。

　作品のネタバレになるのですが、手前の手や手首は30歳の男性主人公。女の子が18歳のヒロインになります。
　主人公はタバコの煙を吸うと体調を崩す体質であるというのが成人した以降で判明したキャラクターで、知らずの内に長年紫煙に囲まれた生活をしていました。特に苦手としていたのは桃農家を営んでいる母の親戚での集まり。
　毎度行くのが嫌で集まりの最中は縁側でポツンと座ってやり過ごしていた幼少期の主人公。彼を唯一癒したのが収穫したての水蜜桃すいみっとうでした。
　12歳に成長し、親戚宅に母親も主人公を連れて行かなくなった頃に出会ったのが水蜜桃のように愛らしいヒロイン。以後主人公はヒロインを獲れたての桃のように慈しみます。

　……という物語ですので、背景となる水彩は桃の実をイメージする色で構成しており、ヒロインのお団子頭や顔の輪郭も桃の実の丸みを意識して描いています。
　一見主人公の手指がヒロインの頬や髪を撫でているように見えるのですが、拡大サイズでこのイラストを眺めると「あれっ……ヒロインの顔を桃みたいにもいで持ち上げてんじゃね？」という意味深な見方になるんですよ。

　『彼女が18になった』だなんてどストレートなタイトルにしたくらいですから、やはりイラストもパンチの効いたものにしたかった…………けれどもこの作品はあくまで30歳と18歳が織りなす純愛モノですから、パンキッシュにかつホラーにするわけにはいきませんでした。
　最初の章で私は「色彩もパンクである事に気付いた」というお話をさせていただきましたので、自作小説作品で初めて「背景に水彩色鉛筆を使用して他人の目を惹く背景色にする」を試し、ヒロインの首元に目線が集中しないようにワザと黒髪のハイライトを強めに表現したんです。（恐らくこの画像、パッと見た時に髪の毛もしくは黄色い背景の方に目線が向くのではないかと思います）
　目線がまずイラスト上部に向き、じわじわと下りていく→そしてヒロイン首元を見ることなく作品をクリックorスルーして別の作者様の作品イラストへと視線移動する……というweb小説表紙イラストにおける人間の視認や心理を（かなり）強めに意識してみました。
　私の作品はまず他人の目に留まり手にしていただく機会が非常に少ない（ぶっちゃけ物語内容が投稿サイトの需要に合っていない）ので、表紙画像で読者を釣る効果は見込んでおりません。そもそも私には読者様方を釣るほどの画力がありませんからね。
　出来る事と言えば、アナログの色鉛筆画というオリジナリティとサムネ映えする色彩選びくらい。（釣るほどではありませんがサムネ映えくらいはしたいと思っています）自分の出来得る範囲で物語内容に沿ったイラストを描いて披露したいんです。

　このイラストの効果なのかR-18な内容がお気に召されたのは分かりませんが、私の作品群の中で『彼女が18になった』は累計ポイントが最も高く2022年12月7日現在で23401ptいただいております。（公開日数83日目）大変ありがたい事でございます。


　以上、表紙画解説でした。ここまで読んで下さり誠にありがとうございます。