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あなたと、一緒に……
エピローグ
しおりを挟む昨夜激しい雨が降ったとは思えないくらい今朝からずっと晴天に恵まれ、とっても心地よい時間を広島の地で過ごせていた。
「綺麗だね、ジュン」
「うん……それから、すっごく良い匂いがする♪」
今日は温室の天井を開けているので、シェード代わりのバナナの葉が黄緑色にキラキラと輝いて見え、青空によく映えている。
そして目線すぐ上から足元にかけて無数の花をつけているコーヒーノキは、これ以上ないくらいに私達を祝福しているように感じられ
沢山の「おめでとう」の言葉によって、祝福の結びつきを手伝う。
「さぁっ! 今からコーヒーを淹れるね!!」
私はジュンとの手繋ぎをゆっくりと解くなりその場にいるみんなに呼び掛けた。
白いシフォンワンピースにコーヒーの染みがつくかも、なんて野暮な事は誰も口にしない。
何より、本日の主役である私が一番にそれを望んでいるのだから。
広い温室にはこの日の為だけにカフェスペースが設けられ、私は即席のコーヒーマスターとなった。
とっておきのグアテマラアンティグアを丁寧に挽いて上質なネルの生地ででゆっくりとハンドドリップしていき、サーバーをクルクルと揺らしたら、人数分に並べられた青磁色のカップへ出来上がったコーヒーを静かに注いでいく。
……勿論私のカップは縁が少し歪んでいて、それがまた心をほっこりとさせる。
「さぁ、コーヒーを淹れたよ。冷めないうちに、みんなで飲んで……
……一緒に、休みましょう♡」
《完》
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