上 下
18 / 31
中学校生活

# 春休み中の事件 4

しおりを挟む
そのあと、無理やり指を入れられた。

痛いと気持ち悪いしかなく、ただ生理的な涙が出た。
「全然感じてなくね」

そう言って翔吾は無理やりに指を動かした。
余計に痛く枕に顔を押し付け、後ろ手に縛られた拳を強く握るしかできなかった。

切れたんじゃないかというくらい痛く、後ろを振り向いて首を振った。
翔吾は笑ってこう言った。

「男興味無いけどそれ結構そそるわ」

そう言ってから指を1度抜き、またローションを足していた。

零の方を見て助けを求めたが、俯いていただけだった。
なんで俺ばっかこんな目に合わないといけないんだろと思った。

ケツは痛いし気持ち悪いし、事の発端の零は項垂れているだけだし。
俺はそう思って考えることをやめ、枕に顔を押し付けた。

もう1度指を入れてきてここ?と聞いてくる。
無視していると髪を後ろからひっぱられた。

「んん!」
首を振ると口のガムテープを外された。

「感じるまでするからフリでもしとかないと終わんないんじゃね」

急に外され、息が上手く出来なくて酷く噎せた。
そこでやばいと思ったのか、友明が俺の足を離した。

離された足でそのまま近くの翔吾のことを蹴った。

翔吾の腹を蹴ったようで、腹を抑えていた。
「お前のその細い体のどこにそんな力あるんだよ」

「翔吾 もうやめよ」
友明がそう言った。

俺はそのまま座り、翔吾を見た。
「普通に犯罪ってこと分かってるよな」

翔吾はそう言う俺の首を掴んで壁に押し付けてきた。
「このこと警察とか学校、親とかに言うなよ」

そのまま零の方を向いた。
「お前も奏のこと守りたいなら言うなよ」

そう言って俺の事をそのままベッドに押し倒して跨った。
「は?」

「このまま何もなしとかつまんないからさ」
そう言いながらズボンを下ろした。

「ねえやめて」
俺はなにをするのかわかってそう言った。

零も手を荒く動かしていた。
友明も直太も翔吾を止めようとしたが、翔吾が振り払っていた。

そのまま俺の口の中を無理やり開けて、入れようとしてきた。
俺は必死に首を振り、口を閉じた。

「翔吾やめろ!!」
友明と直太が2人で止めに来て、翔吾は抑えられた。

零も手のガムテープを破ったのか、手の拘束が外れていた。
零は俺のガムテープをすぐ外してくれた。

俺は恐怖と嫌悪感、そして絶望でそのまま翔吾達を置いて家を走って出た。

家に着いて何も言わずにシャワーを浴びた。
気持ち悪くて仕方がなくて、必死に体を洗ったことは覚えている。

親がどうしたのと聞いてくるが、そのまま寝室に籠った。

そのことがきっかけとなり、人の触ったもの、人の持っている物、人の食べているもの。
とにかく人に関する事が、全て気持ち悪く感じるようになった。


春休み明けから俺は不登校になった。

しおりを挟む

処理中です...