4 / 4
4、狂乱の先にある未来
しおりを挟む今から自分に降りかかる最大級の災厄が頭に浮かび、俺はとっさに口を開いた。
「やめて、それだけは……」
しかし、そんな訴えはゴランの耳には届かなかった。
俺に覆い被さり、乱暴に服を引き千切っていく。まさに野獣そのものの姿に、身体の奥が凍りつく。
「カシオ! 頼む! ゴランを止めてくれ!」
「はぁ? 俺が止めろって言っても小便ぶっかけたのはどこの誰だよ?」
カシオにゴランを止めるつもりはまったく無い。分かっていたはずなのに、恐怖で身体が震えだす。
服はあっという間にすべて破かれ、生まれたままの姿にされた俺は、うつ伏せにされ、そのまま腰を持ち上げられた。
ここが闇夜でなければ、サオもタマも穴も丸見えの情けないポーズだ。
そして、恐怖に震えるポーズでもある……。
「ゴランはな、なんつーか……精力の塊みたいなヤツでな。オスもメスも関係ねーんだ。穴があればいいってやつ? 調教にはピッタリだろ?」
「……ふざけ……ッッ……!? ガ、ァ、ア、止メ、ァ、ァア……!?」
肛門から下腹部へ、異物が俺の中に侵入してきた。
肉壁を貫き、腸をえぐり、奥深くまで達すると、そのまま前後に動き出す。
「アァ……カシオ……コイツ……気持ちいい……」
「ぅグァ……ギァあ……ッ!? 待っ、テ……」
容赦なく打ち付けられるゴランの腰が、凶悪な肉棒が、俺の身体をえぐって嬲って壊していく。この身体では、抵抗もできず、なすがままにされるしかなかった。
「緩香樹の雫を飲んでて良かったな。あれがなかったら痛みで狂ってたぞ」
「こ、んな……ぐッ……狂った、ほうが……がァッ……マシ、だ……。絶対、許さんぞ」
「……言っとくけどな。俺たちは本当にただ静かに暮らしてただけなんだ。ケンカ売ってきたのはお前たち人間だぜ? お前らがそういうつもりなら、俺たちも自分の住処を守るために、あらゆる手段を用いるだけだ。俺たちを怨むのはお門違いだからな」
それに、とカシオは続けた。
「俺は受けた傷はちゃんと返す主義なんだ。ほら、こっち見ろよ」
見ると、カシオのズボンが下げられ、勃起ペニスが俺の眼前に突きつけられていた。
「なに、を……。ッッ!?」
勢いよく放出された小便が、俺の顔に降りかかる。
髪を、顔を、口内を、薄汚い小便が侵していく。
「あ~よく出た。この時のために昼間からガマンしてたんだぜ。さて、と……」
不意に、小便にまみれた口に、カシオのペニスを突き立てられた。
「んぶぅッ!?」
「くは……気持ちいい……」
そのままカシオは激しく腰を振り始めた。
「ヤバ……コレいい……。俺は、ゴランと違って、オスには興味ないんだけど、コッチは、オスもメスも、関係ない、もんな」
「ゥグァア……!」
ゴランの叫びと共に、腹の奥に、熱くて気持ち悪いものが注がれた。
これ……まさか……。
「ははは。もうイったのか? 相変わらず早漏だな。あ、でも大丈夫だジャック、安心しろよ。コイツ絶倫だから、お前が奴隷になるまで、何十回でもできるからな」
その言葉を裏付けるように、今さっき精を放出したばかりのゴランの凶棒は、すぐに硬さを取り戻し、俺を蹂躙し始めた。
狼に口を穢され、熊に体内を侵され、いつ終わるともしれない狂乱の中で、絶望しかない未来を前にし、俺は、意識を手放した。
これが全部夢だったらいい。そう願って。
10
お気に入りに追加
16
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。


春を拒む【完結】
璃々丸
BL
日本有数の財閥三男でΩの北條院環(ほうじょういん たまき)の目の前には見るからに可憐で儚げなΩの女子大生、桜雛子(さくら ひなこ)が座っていた。
「ケイト君を解放してあげてください!」
大きなおめめをうるうるさせながらそう訴えかけてきた。
ケイト君────諏訪恵都(すわ けいと)は環の婚約者であるαだった。
環とはひとまわり歳の差がある。この女はそんな環の負い目を突いてきたつもりだろうが、『こちとらお前等より人生経験それなりに積んどんねん────!』
そう簡単に譲って堪るか、と大人げない反撃を開始するのであった。
オメガバな設定ですが設定は緩めで独自設定があります、ご注意。
不定期更新になります。


ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる