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嘘の日の誤解が正されたなら
5.
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「佐伯さん。瀬戸は今日も仕事?」
部屋に飾られた桜の枝を眺めながら、お決まりになった質問を投げかける。
「はい、本日はフランスで会議の予定が入っております。明後日には帰国予定です」
「そう……」
ホテルに滞在してから早一週間。
伸び切った髪の毛は綺麗に整えられ、頭のてっぺんから足の爪まで綺麗に磨かれた。少しはオメガらしくなったのではないだろうか。
だが未だに瀬戸は迎えにきてくれない。四月一日まで顔を合わせないつもりだろうか。
ほんの少しでも時間をくれれば俺も好きだと伝えられる。せめてスマホがあれば、メッセージを送るなり電話をするなりできるのだが、施設に入る際に家に置いてきた。
ホテルの電話からかけようにも、俺が覚えているのは実家の固定電話と自分の携帯の番号くらいなものだ。以前、瀬戸が家を留守にする際に置いてってくれたメモを持ち歩いておくべきだった。今さら後悔しても遅い。
だからといって佐伯さんに頼んで想いを伝えてもらうのは何か違う気がして、彼の予定を毎日聞くだけで終わってしまっている。
聞いた後は何かするでもなく、ぼうっとするだけ。掃除も洗濯もないのだから暇で仕方ない。
見かねた佐伯さんがスクリーンをセットしてくれて、オススメの映画を毎日数本持ってきてくれる。
「貴樹様、本日はこちらの映画などいかがでしょうか」
「あ、端っこの見たことない」
「ではこちらにしましょうか」
こくりと頷くと、佐伯さんが映画と飲み物とポップコーンの用意をしてくれる。このポップコーンはただのポップコーンではない。ホテルのシェフがこだわりの素材で作ってくれた最高級ポップコーンである。今日はハーブソルト、昨日はキャラメルで一昨日はのり塩だった。
なんとも贅沢な映画鑑賞だが、上映中は一人きり。佐伯さんにも仕事があるのだ。それでも映画が終わった頃合いを見計らって戻ってきてくれる。新しく淹れてくれた紅茶を飲みながら感想を話し合う。それだけが最近の楽しみになっていた。
「嘘の日が終わったら、俺はどうすればいいんだろうな……」
主人公とヒロインが離れ離れになってしまうシーンを眺めながら、ポップコーンをつまむ。そしてヒロインが取った行動にハッとした。
「手紙か!」
立ち上がり、手を洗ってからメモ用紙とペンを取る。
手紙なんて今まで書いたことないし、国語の知識くらいしかない。季語なんて覚えてないから桜の枝について書いてみた。
そもそも便箋なんて手元にはなく、ホテル備え付けのメモ用紙を使っている癖に何を気取っているのだと自分でも思う。多分佐伯さんに言えばすぐに用意してくれるのだろう。それでも想いを書き殴ったメモを四つ折りにしただけの方が自分らしいと思えた。
映画を最後まで見てから、部屋に戻ってきた佐伯さんに手紙を託す。
「佐伯さん。これ、瀬戸に渡してもらえませんか?」
「かしこまりました」
深くは聞かず、けれども小さなメモを大事そうに受け取ってくれた。あとは瀬戸が読んでくれることを祈るばかりである。
あっという間に日が過ぎ去り、今日は四月一日。あーちゃんと会う日である。
手紙を託してからも瀬戸が部屋にやってくることはなかった。だが自分の気持ちを綴った手紙を渡せたからだろう。俺の気持ちは晴れやかであった。
スーツに袖を通して、佐伯さんにネクタイを結んでもらう。大きな鏡で自分の姿を確認する。
「俺、スーツ似合わないな……」
瀬戸の番として紹介するからだろう。ベータの時なら間違いなく手が届かなかったであろう、上質なスーツが用意されていた。瀬戸が選んでくれたらしい。
ネクタイは鮮やかな緑。学生時代にもらったサボテンを思い出す。瀬戸も覚えていてくれたのだろうか……。そんなことを考えてほんの少しだけ感傷的になる。
「いえ、よくお似合いです」
「なんか七五三みたいで。俺も佐伯さんみたいにパリッと着こなしたい」
「私は貴樹様の何倍も歳をとっておりますゆえ。さぁ参りましょうか。下で美鶴様がお待ちです」
「うん」
佐伯さんと共にラウンジで待つ瀬戸の元に向かう。彼も俺と同じ色のネクタイをしていた。あーちゃんに向けた番アピールのためだろうか。
佐伯さんが車の準備をしてくれている間、ラウンジのソファで向かい合って座る。約二週間ぶりの瀬戸はいつにも増して硬い表情をしている。
「瀬戸、久しぶり」
「ああ」
返事も固い。上の空のようにも見える。手紙は読んでくれなかったのだろうか。取引先の思い人を説得するという大役を前にしてはそれどころではないのかもしれない。寂しいが、今は俺のことよりもあーちゃんである。
「今日、晴れてよかったな。会うのは店だけど、やっぱり晴れてた方が気分がいいし」
「そうだな」
「上手くいくといいな」
「ああ」
「お車の準備が整いました」
佐伯さんの運転で待ち合わせ場所の店に向かう。俺でも名前を知っているほど超有名な高級旅亭だ。一宮家御用達の店で、今日のために貸し切ったらしい。
目的地に到着するまで、数えきれないほどの高級車を見かけた。ほとんどが番選びに参加するアルファのものだろう。ベータの時は何とも思わなかったが、実情を知った後では少しだけ複雑だ。
店に入るとすぐに和服の男性が迎えてくれた。涙目になりながら、俺の両手をガッと掴む。
「初めまして、一宮といいます。タカちゃん、今日は来てくれて本当にありがとう」
「あ、はい。あの、はじめまして。今日は頑張ってください」
「ああ、頑張るよ。行ってきます」
彼はペコリと頭を下げ、店を後にした。今から番選び会場に向かうのだろう。一瞬だったが、さすがはアルファ。カリスマ性に溢れており、不思議と応援したいと思えた。
「瀬戸様、どうぞこちらへ」
側で控えていた店員さんに案内され、奥の部屋に通される。部屋には先客が二人。派手シャツの若い男性と、車椅子に乗った老人である。
後者はおそらくオメガ達が『田賀谷さん』と呼んで慕っている人だろう。目元に皺ができており、いかにも優しそうなお爺さんといった風体だ。
そしてもう一人はどこかで見たような気がするがどこだったか。テレビのCMに出ていてもおかしくないほどの美丈夫である。田賀谷さんの付き添いだろうか。入り口付近で立っていると、老人に声をかけられる。
「タカちゃん、瀬戸君、よく来たね。さぁ座って。ああ、喉は渇いていないかい? この中に好きな飲み物はあるかな?」
空いている席に並んで腰掛け、メニューを受け取る。これは飲み物専用のメニューのようだ。飲み放題なんかじゃないだろうに、金額が書かれていないのが怖い。サッと目を通し、一番無難なものを選ぶ。
「ありがとうございます。じゃあ烏龍茶で」
「瀬戸君は?」
「俺も同じで」
「一宮が戻るまで時間がかかるだろうから、軽くつまめるものもあった方がいいよね。タカちゃん、瀬戸君、アレルギーとか苦手なものある?」
「大丈夫です」
「ないです」
「なら適当に頼んじゃうね~。あ、あとでコース来るから本格的な料理はそっちでね」
若い男性はテキパキと注文してくれる。歓迎してくれているのはありがたい。だがここにいない一宮さんを含め、なぜ彼らは俺のことを『タカちゃん』と呼ぶのだろうか。瀬戸のことは瀬戸君のままなのに……。それに彼は一体誰なのだろうか。疑問は深まるばかりである。
部屋に飾られた桜の枝を眺めながら、お決まりになった質問を投げかける。
「はい、本日はフランスで会議の予定が入っております。明後日には帰国予定です」
「そう……」
ホテルに滞在してから早一週間。
伸び切った髪の毛は綺麗に整えられ、頭のてっぺんから足の爪まで綺麗に磨かれた。少しはオメガらしくなったのではないだろうか。
だが未だに瀬戸は迎えにきてくれない。四月一日まで顔を合わせないつもりだろうか。
ほんの少しでも時間をくれれば俺も好きだと伝えられる。せめてスマホがあれば、メッセージを送るなり電話をするなりできるのだが、施設に入る際に家に置いてきた。
ホテルの電話からかけようにも、俺が覚えているのは実家の固定電話と自分の携帯の番号くらいなものだ。以前、瀬戸が家を留守にする際に置いてってくれたメモを持ち歩いておくべきだった。今さら後悔しても遅い。
だからといって佐伯さんに頼んで想いを伝えてもらうのは何か違う気がして、彼の予定を毎日聞くだけで終わってしまっている。
聞いた後は何かするでもなく、ぼうっとするだけ。掃除も洗濯もないのだから暇で仕方ない。
見かねた佐伯さんがスクリーンをセットしてくれて、オススメの映画を毎日数本持ってきてくれる。
「貴樹様、本日はこちらの映画などいかがでしょうか」
「あ、端っこの見たことない」
「ではこちらにしましょうか」
こくりと頷くと、佐伯さんが映画と飲み物とポップコーンの用意をしてくれる。このポップコーンはただのポップコーンではない。ホテルのシェフがこだわりの素材で作ってくれた最高級ポップコーンである。今日はハーブソルト、昨日はキャラメルで一昨日はのり塩だった。
なんとも贅沢な映画鑑賞だが、上映中は一人きり。佐伯さんにも仕事があるのだ。それでも映画が終わった頃合いを見計らって戻ってきてくれる。新しく淹れてくれた紅茶を飲みながら感想を話し合う。それだけが最近の楽しみになっていた。
「嘘の日が終わったら、俺はどうすればいいんだろうな……」
主人公とヒロインが離れ離れになってしまうシーンを眺めながら、ポップコーンをつまむ。そしてヒロインが取った行動にハッとした。
「手紙か!」
立ち上がり、手を洗ってからメモ用紙とペンを取る。
手紙なんて今まで書いたことないし、国語の知識くらいしかない。季語なんて覚えてないから桜の枝について書いてみた。
そもそも便箋なんて手元にはなく、ホテル備え付けのメモ用紙を使っている癖に何を気取っているのだと自分でも思う。多分佐伯さんに言えばすぐに用意してくれるのだろう。それでも想いを書き殴ったメモを四つ折りにしただけの方が自分らしいと思えた。
映画を最後まで見てから、部屋に戻ってきた佐伯さんに手紙を託す。
「佐伯さん。これ、瀬戸に渡してもらえませんか?」
「かしこまりました」
深くは聞かず、けれども小さなメモを大事そうに受け取ってくれた。あとは瀬戸が読んでくれることを祈るばかりである。
あっという間に日が過ぎ去り、今日は四月一日。あーちゃんと会う日である。
手紙を託してからも瀬戸が部屋にやってくることはなかった。だが自分の気持ちを綴った手紙を渡せたからだろう。俺の気持ちは晴れやかであった。
スーツに袖を通して、佐伯さんにネクタイを結んでもらう。大きな鏡で自分の姿を確認する。
「俺、スーツ似合わないな……」
瀬戸の番として紹介するからだろう。ベータの時なら間違いなく手が届かなかったであろう、上質なスーツが用意されていた。瀬戸が選んでくれたらしい。
ネクタイは鮮やかな緑。学生時代にもらったサボテンを思い出す。瀬戸も覚えていてくれたのだろうか……。そんなことを考えてほんの少しだけ感傷的になる。
「いえ、よくお似合いです」
「なんか七五三みたいで。俺も佐伯さんみたいにパリッと着こなしたい」
「私は貴樹様の何倍も歳をとっておりますゆえ。さぁ参りましょうか。下で美鶴様がお待ちです」
「うん」
佐伯さんと共にラウンジで待つ瀬戸の元に向かう。彼も俺と同じ色のネクタイをしていた。あーちゃんに向けた番アピールのためだろうか。
佐伯さんが車の準備をしてくれている間、ラウンジのソファで向かい合って座る。約二週間ぶりの瀬戸はいつにも増して硬い表情をしている。
「瀬戸、久しぶり」
「ああ」
返事も固い。上の空のようにも見える。手紙は読んでくれなかったのだろうか。取引先の思い人を説得するという大役を前にしてはそれどころではないのかもしれない。寂しいが、今は俺のことよりもあーちゃんである。
「今日、晴れてよかったな。会うのは店だけど、やっぱり晴れてた方が気分がいいし」
「そうだな」
「上手くいくといいな」
「ああ」
「お車の準備が整いました」
佐伯さんの運転で待ち合わせ場所の店に向かう。俺でも名前を知っているほど超有名な高級旅亭だ。一宮家御用達の店で、今日のために貸し切ったらしい。
目的地に到着するまで、数えきれないほどの高級車を見かけた。ほとんどが番選びに参加するアルファのものだろう。ベータの時は何とも思わなかったが、実情を知った後では少しだけ複雑だ。
店に入るとすぐに和服の男性が迎えてくれた。涙目になりながら、俺の両手をガッと掴む。
「初めまして、一宮といいます。タカちゃん、今日は来てくれて本当にありがとう」
「あ、はい。あの、はじめまして。今日は頑張ってください」
「ああ、頑張るよ。行ってきます」
彼はペコリと頭を下げ、店を後にした。今から番選び会場に向かうのだろう。一瞬だったが、さすがはアルファ。カリスマ性に溢れており、不思議と応援したいと思えた。
「瀬戸様、どうぞこちらへ」
側で控えていた店員さんに案内され、奥の部屋に通される。部屋には先客が二人。派手シャツの若い男性と、車椅子に乗った老人である。
後者はおそらくオメガ達が『田賀谷さん』と呼んで慕っている人だろう。目元に皺ができており、いかにも優しそうなお爺さんといった風体だ。
そしてもう一人はどこかで見たような気がするがどこだったか。テレビのCMに出ていてもおかしくないほどの美丈夫である。田賀谷さんの付き添いだろうか。入り口付近で立っていると、老人に声をかけられる。
「タカちゃん、瀬戸君、よく来たね。さぁ座って。ああ、喉は渇いていないかい? この中に好きな飲み物はあるかな?」
空いている席に並んで腰掛け、メニューを受け取る。これは飲み物専用のメニューのようだ。飲み放題なんかじゃないだろうに、金額が書かれていないのが怖い。サッと目を通し、一番無難なものを選ぶ。
「ありがとうございます。じゃあ烏龍茶で」
「瀬戸君は?」
「俺も同じで」
「一宮が戻るまで時間がかかるだろうから、軽くつまめるものもあった方がいいよね。タカちゃん、瀬戸君、アレルギーとか苦手なものある?」
「大丈夫です」
「ないです」
「なら適当に頼んじゃうね~。あ、あとでコース来るから本格的な料理はそっちでね」
若い男性はテキパキと注文してくれる。歓迎してくれているのはありがたい。だがここにいない一宮さんを含め、なぜ彼らは俺のことを『タカちゃん』と呼ぶのだろうか。瀬戸のことは瀬戸君のままなのに……。それに彼は一体誰なのだろうか。疑問は深まるばかりである。
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