クロノカレー

僕はカレー専門店の店長だ。僕の作るカレーは暗黒のように真っ黒い。僕はそのカレーを17年煮込み続けている。その間に僕は恋人を殺し、大学のサークル仲間を殺し、新しい恋人まで殺してしまった。黒いカレーにはそんな彼らの亡骸と残された思いが溶け込んでいるのだ。そのカレーを求めて、連日、僕の店にはたくさんの客が訪れる。
24h.ポイント 0pt
0
小説 194,096 位 / 194,096件 現代文学 8,675 位 / 8,675件

あなたにおすすめの小説

修復屋リコルヌ 〜依頼主は物語の中の人〜

渚乃雫
キャラ文芸
「本の修理に、参りました」そう言った僕に、彼らはいつも驚くのだ。 皆さんが昔読んだことがあるであろう、物語たち。 もしも、ある日、その本の内容が、変わっていたら。 もしも、その物語の住人達が、困っているとしたら。 物語の、終わりがくるはずなのに、終わりがこない。 そんな、困った、を解決するのが、 郊外にひっそりと佇む、一軒の潰れそうで潰れない古本屋。 修復屋リコルヌ。 またの名を、修復屋 一角獣。 彼らは、人知れず、不思議な本を修復する、世界でたった一つの、本の修復屋なのです。

田舎の娘、風が吹くを見て詠む事

はぎわら歓
恋愛
皇太子のニシキギは宮廷を抜け出し、一人の娘、ミズキを見初める。その娘と間違えられた地方受領の姫、クチナシは、自分とよく似た下女、ミズキと入れ替わる。ミズキは実はクチナシと従妹同士だった。 ミズキはニシキギと結ばれゆるゆると蜜月を過ごすが、やがて戦乱が始まる。

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

不妊妻の孤独な寝室

ユユ
恋愛
分かっている。 跡継ぎは重要な問題。 子を産めなければ離縁を受け入れるか 妾を迎えるしかない。 お互い義務だと分かっているのに 夫婦の寝室は使われることはなくなった。 * 不妊夫婦のお話です。作り話ですが  不妊系の話が苦手な方は他のお話を  選択してください。 * 22000文字未満 * 完結保証

メガネ

マツダシバコ
現代文学
いじめられっ子の彼。どこに行っても彼は虐げられる。みじめな生活を送っている。いつしか自殺は彼のステータスとなっていく。リストカットは彼の生きる活力を生み出す行為なのだ。ある日、いつもように通りかかった不良グループにいじめられていた彼だったが、死んだのは彼に暴力を振るっていたグループのリーダー格のトモダチの方だった。

透明少女症候群

塔野とぢる
ライト文芸
この世界の少女の何割かは、18歳を迎える頃、透明になって消えてしまう。

【完結】愛も信頼も壊れて消えた

miniko
恋愛
「悪女だって噂はどうやら本当だったようね」 王女殿下は私の婚約者の腕にベッタリと絡み付き、嘲笑を浮かべながら私を貶めた。 無表情で吊り目がちな私は、子供の頃から他人に誤解される事が多かった。 だからと言って、悪女呼ばわりされる筋合いなどないのだが・・・。 婚約者は私を庇う事も、王女殿下を振り払うこともせず、困った様な顔をしている。 私は彼の事が好きだった。 優しい人だと思っていた。 だけど───。 彼の態度を見ている内に、私の心の奥で何か大切な物が音を立てて壊れた気がした。 ※感想欄はネタバレ配慮しておりません。ご注意下さい。

【完結】忘れてください

仲 奈華 (nakanaka)
恋愛
愛していた。 貴方はそうでないと知りながら、私は貴方だけを愛していた。 夫の恋人に子供ができたと教えられても、私は貴方との未来を信じていたのに。 貴方から離婚届を渡されて、私の心は粉々に砕け散った。 もういいの。 私は貴方を解放する覚悟を決めた。 貴方が気づいていない小さな鼓動を守りながら、ここを離れます。 私の事は忘れてください。 ※6月26日初回完結  7月12日2回目完結しました。 お読みいただきありがとうございます。

処理中です...