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第六十一話
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西郷隆盛に喫驚している遑はなかった。ブリッジをぬけた刹那からスサノオはクロフネたちの『集中攻撃』の対象となっていた。窮極集合艦隊の提督がホログラムとして物語ったとおり十一次元時空ではそれぞれの膜宇宙による『窮極集合大戦』がおこなわれていたのだ。十一次元宇宙で竜攘虎搏しているクロフネのかずは『およそ無限個』である。四次元立方体から巨大なる立方体へとおりたたまれた無限個のクロフネたちは廼時に『エネミー』すなわちスサノオの存在に気付いて総攻撃してきた。四方八方で七色の大爆発がおこるなかスサノオは爆風をかわして十一次元時空を飛翔しまわり反撃した。スサノオは十一次元のことわりを分析したうえで『草薙の剱』から光明を発射させてクロフネたちを爆発させてゆく。さらに無尽蔵のクロフネがフラクタル状に囲繞してくるとスサノオは草薙の剱の光明を無限長の『巨大なる剱』のかたちにしてふりまわした。『まことの草薙の剱』のすがたとなった光芒を廻転させクロフネを大爆発させてゆく。すでに十兆個のクロフネを撃破したころであった。相手は機械だがこちらは『肉体をもつ神』である。さすがにスサノオも疲労困憊してきた。その間隙にクロフネたちの集中砲火をうけたスサノオは両脚をもぎとられた。一心同体の操縦者たる隆盛も両脚を截断される。万事休すとおもわれた爾時に隆盛がいった。「ミコトよ。十一次元のことわりをもってすればわれわれも『無限個』のいのちを獲得できるはずと存じ申す」と。その言葉どおりにスサノオは精神を集中させ一柱の神たる御稜威をもって無限柱に『分裂』した。左腕と両脚を喪失したスサノオが十一次元に『無限個』出現する。これで無限柱の神神対無限個のクロフネである。無論すべてのスサノオたちは満身創痍である。それでも無限個のスサノオは複雑怪奇に時空を超越して『まことの草薙の剱』である巨大なる光明をふりまわし無限個のクロフネたちを爆発させていった。十一次元で無限個の七色の球体がきらめく。最後に一個のクロフネがのこった。クロフネはスサノオの精神世界へと通信してくる。くだんの『燕尾服』の青年である。いわく「貴殿たちがただしいのかわれわれがただしいのか。それはこれからの『歴史』がおしえてくれるでしょう」と。スサノオは光明をはなつ剱の刃先を最後のクロフネにむけてふりおろす。クロフネは爆発し『デコヒーレンス』される。
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