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第十五話
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五百万億塵点劫の刹那をけみした。
壇ノ浦は圧倒的なる静寂につつまれている。
唐船のうえで持国天とにらみあっていた毘沙門天は仏敵を破滅せしめるという武器である宝棒をかかげたまま一歩あとじさりする。義経の操縦する持国天は咆哮する。「背中に帝を鎮座せしめこちらに刀をふるわさざるとは戯けものが」と。実際に持国天が右手の刀をふりおろせば同時に毘沙門天は左右いずれかにとびのき持国天の刀は帝もろとも唐船の船房を破壊する位置関係にあった。毘沙門天を操縦する知盛の戦略どおりである。おそらく義経は持国天を後退させて櫓櫂船をまたいで知盛と対峙するか増長天同様に神聖冒瀆すべからざる霊威によって空中戦にもちこむこころづもりであろう。然様にうごけば神器たる宝塔をもちいてまた火焰の颶風をまきおこし櫓櫂船もろとも焼燬せしめるか空中において増長天を火炎焱燚と満身創痍にさせ再起不能にすることができる。ここまで予測どおりにうごけば唐船に安徳陛下が鎮座したもうているという『かたち』のまま平家を凱旋せしめることがなせる。今回も勝目は平家にある。
壇ノ浦は圧倒的なる静寂につつまれている。
唐船のうえで持国天とにらみあっていた毘沙門天は仏敵を破滅せしめるという武器である宝棒をかかげたまま一歩あとじさりする。義経の操縦する持国天は咆哮する。「背中に帝を鎮座せしめこちらに刀をふるわさざるとは戯けものが」と。実際に持国天が右手の刀をふりおろせば同時に毘沙門天は左右いずれかにとびのき持国天の刀は帝もろとも唐船の船房を破壊する位置関係にあった。毘沙門天を操縦する知盛の戦略どおりである。おそらく義経は持国天を後退させて櫓櫂船をまたいで知盛と対峙するか増長天同様に神聖冒瀆すべからざる霊威によって空中戦にもちこむこころづもりであろう。然様にうごけば神器たる宝塔をもちいてまた火焰の颶風をまきおこし櫓櫂船もろとも焼燬せしめるか空中において増長天を火炎焱燚と満身創痍にさせ再起不能にすることができる。ここまで予測どおりにうごけば唐船に安徳陛下が鎮座したもうているという『かたち』のまま平家を凱旋せしめることがなせる。今回も勝目は平家にある。
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