『神々の黄昏』中篇小説

九頭龍一鬼(くずりゅう かずき)

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第四十四話

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 戦いはおわった。
 聖戦はおわったのだ。
 神聖ぼうとくすべからざるりゆう大明神のからだとともにこんぱく接続していた全日本国民はぶつした。聖戦はおわったが『日本の歴史』はおわっていなかった。全日本国民はなる映像を体験した。全日本国民は『日本の歴史』をかんしていた。全日本国民は日本列島そのものであるりゆう大明神とこんぱくが接続されていたのでりゆう大明神ひつきよう『日本列島のそうとう』をみていたのだ。といえども『その日本列島の歴史』は『この日本列島の歴史』とはかいしていた。りゆう大明神の精神世界からそくめつされた全日本人の『意識』はロジャー・ペンローズのひようぼうする量子脳理論におけるマイクロ・チューブとなって膜宇宙間の素粒子同士の量子エンタングルメントによって『ほかの膜宇宙』と接続していたのである。てんじようきゆうのこの膜宇宙ではそれぞれの宗教の神話とは相違して四十五億年前ほどに地球が誕生し幾度かの生命の大絶滅をけみして大陸に人類が誕生した。連綿たる歴史のなかで人類は七大大陸をろうだんし一部のモンゴロイドは日本列島へとほうちやくした。『われわれ』全日本人のこんぱくは狂喜乱舞した。
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