『神々の黄昏』中篇小説

九頭龍一鬼(くずりゅう かずき)

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第四十三話

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 ようにして第二次世界聖戦は終局にいたった。
 のういつ神國と神國がはいじくしたのち唯一連合教国軍にはんぎやくせんとしていた日本神國も敗戦し枢軸神國軍が全滅したことで一件落着『とはいかなかった』。そもそも綿めんばくたる歴史上カトリック・プロテスタント・東方正教会など新興宗教もほうすれば千状万態の系譜に分岐していたりすときよう会はそれぞれに独自の『最後の審判』の伝承がしんぴようされていた。ようなる状況において連合教国軍のなかで教国が独断的なる解釈でくりの『最後の審判』を発動させたことにより無論英吉いぎりす教国やソヴィエト教国をへきとうとするりすときよう会各派閥は沈黙しているわけにはゆかなくなった。まず英吉いぎりす教国が教国に宣戦布告しちようきゆう爆撃天使メタトロンおよびサンダルフォンでしんとんD.C.へのじゆうたん爆撃をおこなった。つづいて『天使たち』が教国と英吉いぎりす教国にろうだんされている状態ゆえにソヴィエト教国は『とくせい』をおかしてでも人類を鎮護する覚悟で堕天使長ルシファーおよび『七つの大罪』を象徴する七大魔王をしんとんD.C.へと投入した。七大魔王には最後の審判で封印された大魔王サタンもふくまれたのでかんねいじやのサタンの復活により最後の審判の計画もにできるのではないかとこうかくしたのである。ほかにも北欧諸国はすいりしや神話のかみがみとのこんぱく接続を遂行して爆撃神ゼウスや北欧神話におけるらいていの神トールなどのかみがみを投入しいんはヒンドゥー教神話における破壊神シヴァやらいていの神インドラなどを投入したのち宇宙神ブラフマーを投入して世界の法則までみだしていった。ようにして三位一体の唯一神ヤハウェと聖霊エロヒムおよびりすとたちにたいする世界各国の神聖ぼうとくすべからざるかみがみとの『最終決戦』が遂行された。魔王たちはエロヒムととうじようし爆撃神たちは残存した天使部隊をせんめつした。破壊神は唯一神と一騎打ちをし宇宙神は泡宇宙をビッグクランチさせてサイクル宇宙を誕生させんとした。非力だった。創造主であり全知全能である神のまえであらゆるかみがみが肉塊となりあらゆる操縦者がへいしていった。白銀の玉座に鎮座するりすとは宣告した。『邪宗のかみがみよ。邪宗のかみがみしんぴようするものたちよ。なんじ等の邪心は神のこころに背かれた。なんじ等をすべてこの窮極集合よりデコヒーレンスせしめるところである』と。ないに世界中の神話におけるかみがみや天使や魔王たちの肉体はぞうろつが巨大化して複雑怪奇なる肉塊となり三次元ディラック方程式の解となって消滅していった。ようにしてかみがみは死んだ。
 りすとを信じるものだけが救済された。
『この宇宙』に千年王国の時代が到来したのだ。
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