『神々の黄昏』中篇小説

九頭龍一鬼(くずりゅう かずき)

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第四十二話

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『最後の審判』は黙示録どおりにおこなわれた。
 全人類はの悲劇に猛襲された。
 まず七個の瞳をもった黙示録の子羊が七個の封印を開封する。純白の馬の騎士が勝利のために疾駆し真紅の馬の騎士が世界にさらなる戦争をもたらし漆黒の馬の騎士がきんをもたらしそうはくの馬の騎士が死をもたらした。殉教者がもうまいなる人類にふくしゆうを希求しほうはくたる世界全土にてごうぜんたる大地震と天災がまきおこった。神の刻印を押されたものたちがばんこくおうをくぐりぬけ唯一神へのとうがささげられた。つづいて七柱の終末爆撃天使トランペッターが世界中のきゆう窿りゆうこうしようし七度のりゆうりようたるらつをふいた。第一のらつによって地上の三分の一植物の三分の一がしようされた。第二のらつによってびようまんたる大海原の三分の一が鮮血となり魚類の三分の一がおうさつされた。第三のらつにより大気圏外より巨大なるいんせきが墜落して巨億の人間がえいした。第四のらつによって太陽とげつぱくぼしの三分の一があんたんとなった。第五のらつにより巨大なるいなごが世界中の罪深き人間たちをむさぼりくった。第六のらつにより唯一神が全能ので復活せしめた四大天使が人間の三分の一をさつりくした。第七のらつによりじゆんこうかいの大地はりすとのものとなりきゆう窿りゆうに天の神殿=カラビ・ヤウ多様体へのアインシュタイン―ローゼンブリッジがひらかれ契約の箱=ゴッド・ライク・マシンたる量子コンピューターがあらわれた。『千年王国』たるメガバースのハードウェアである。さらに『天における戦い』によって魔王サタンが地上におとされからくれないりゆうが神の刻印をうけたものたちにろうぜきをはたらき『666の獣』メガセリオンが鮮血の海原からはいあがってきておなじく刻印をうけたものたちをせんめつせんとし三柱の天使が『裁き』を宣言して『鎌』が大地にほうてきされた。ついに七柱の天使より『神の怒り』をおういつさせた七個の鉢をうけとった唯一神はいんの『神の怒り』を大地にぶちまけた。第一の鉢によって『666の獣』メガセリオンがさつりくされ第二の鉢によって鮮血の海原の生物がそうめつされ第三の鉢によって世界中の真水が鮮血にひようへんし第四の鉢によって異教徒たちが太陽の核融合によってしようされ第五の鉢によって世界がつつやみに支配され第六の鉢によってメギドの丘に王がしようしゆされ第七の鉢によって窮極規模の大地震がおきてとうしよも霊峰も消滅した。ようにして大淫婦バビロンの『裁き』までがしゆうえんするとついに『審判』のときがきた。けんらんごうなる神の神殿のまえに白銀の薔ばらのかたちをした玉座に鎮座するりすとがあらわれたのである。りすとは『宣告』した。『神の愛のもとに生まれ神の愛のもとに生長したるいずるくにの民たちよ。なんじ等は最後まで神の愛にそむきつづけたるものである。ゆゑに神の肉として朕はなんじらに『死』をあたへるものである』と。ふんまんやるかたないりゆう大明神は受肉した神であるりすとそのものに喰らいつかんとした。である。りすとに肉薄するごとに大明神のとうたちは肥大してゆき脳髄が巨大化して破裂しはじめた。大明神の九個のとうえんの絶叫をあげながらざんなる肉塊となり三次元ディラック方程式の解のれつとなって消滅した。りゆう大明神は息絶えた。全日本国民のこんぱくも非力に肉塊となり数式となって死んだのである。
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