『神々の黄昏』中篇小説

九頭龍一鬼(くずりゅう かずき)

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第二十八話

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 金城大尉たちは最後の作戦を進捗させていた。
 りゆう大明神を守護するがための『計画』であった。
 きようどうしていた金城大尉はたまゆらそうきゆうを仰視する。かあさんもちゃんもなんとかできたかな。こんなけつべつになったがおれたちは神となって天上天下をまもるんだ。神州日本列島九箇所にてなる『ハラキリ』が遂行されるなか神軍大本営を中枢とする帝都東京にて極秘計画は進捗していった。今回は『特別』なる『ハレ』の時宜である。しよくそうぜんたる鳥居をくぐりたる南授与所をけみした金城大尉たちはうつそうたる樹冠のゆらめく外拝殿をへてかくやくたる巨億の白砂のなかにはくの敷石がつらなっている神聖ぼうとくすべからざる明治神宮は内拝殿の境内にて正座した。金城ひろは一点のじんかいもゆるさぬせいぼくなるかみしもでまさに『最後のハラキリ』に臨まんとする。金城大尉を前列として後列にれつした『撃墜王』の三軍人による『親衛隊』候補たちは純白のかみしもをはだけて上体を露呈させた。神性エネルギーのていげんも計算してまず金城大尉が優先的に電極を接続機関に挿入して『ハラキリ』をする。東しののめのたゆたう明治神宮のきゆう窿りゆうにて神性エネルギーが粒子化されててん使ミカエルとのとうじようまんこうに火やけどをしながらも分霊のによりおんみようしようされて無事にかいふくされたスサノオノミコトがあらわれる。つづけて後列の『撃墜王』たちが『ハラキリ』をすると月と夜の神とされ巨大なる人間の肉体にでくひくの『月面』状のとうをもたれ白銀の装束をまとわれて背中にげつぱくの後光がしていらっしゃるツクヨミノミコト・らいていの神でありみずからのつるぎが神武天皇陛下をまもりなさったといわれておなじく巨大なる肉体にあいたいたる『密雲』のとうをなされ純白のかみしもに瑠璃色の装束をまとわれたタケミカヅチノミコト・天岩戸においてらいかいたるいわおをうごかされたといいかいなる肉体に『いわお』状のとうをもたれれん色のはかまに純白の装束をてんじようされたアメノタヂカラオが姿すがたをあらわされた。四柱のかみがみのうち血気盛んなるタヂカラオが四人の軍人に尋問される。のたまわく『なんじ等日の元の國の民たちよ。なにゆゑに朕等をしようへいしたるや』と。代表して金城大尉がこたえる。「神州日本国民の一致団結により現前したまうりゆう大明神を守護しつつが教国にてんちゆうをくだすためであります」と。タヂカラオがさらに尋問せんとされるとかんとしてスサノオノミコトがようそく阻止しこたえなされた。『よかろう。金城ひろよ。ただし朕等の宿敵はそのものにあらず。朕等はおそらくの天使たちととうじようする運命にあり。それでもよからむや』と。金城大尉以下四人の軍人は同時にこたえた。「恐縮ながらよろしくおねがいいたします」と。ようにして四人の軍人は『古事記』の文字列へとひようへんし四柱のかみがみの『はら』のうちしようしゆされていった。四人の軍人はかみがみの精神世界にて覚醒する。四人は四柱のかみがみを『操縦』して太平洋へとしようしていった。
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