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第十四話

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 まさしく地獄だった。
『天罰』は神のふんにほかならなかった。
 爆発に喫驚して木造建築にすがりついていた男性は木造建築とみずからの肉体が融合して『建物人間』となった。いつだんらんしていた家族をまもらんとみなで抱擁しあっていたろくしんけんぞくはみなの肉体が融合して『合体人間』となった。いちの希望によって爆発からとんざんせんと疾駆していた女性は筋肉を緊張させていた両脚から地面に植えつけられて『樹木人間』となった。逃走てんしたことによって家族にとりのこされた子供は背中から虹色のちようよくがはえて『ちよう人間』となった。ほかのものたちもあるいは肉体が巨大化して皮膚が千切れぞうろつの団塊となりあるいはひやくがいきゆうきようこつかくが肥大化してうち側から肉体をつらぬいてへいしあるいは心臓にシュヴァルツシルト半径が発生して内臓から皮膚から眼球からすべて内側へとふくそうされあるいは数秒間に異常な速度で肉体が進化し皮膚という皮膚から目玉がうまれたり歯がはえたりして意識を喪失しあるいはまんこう穿せんこうがあいて巨億のぎんばえしようしてゆきあるいは四肢と十指が関節からせつだんされた。新潟市はもうりようの地獄となる。『受肉した使徒』を中枢にようにして虹色の球体はほうはいとして巨大化したのちに『ちやちや』になった新潟市内のもろもろを量子力学的に波動関数をしゆうれんさせて『一個の巨大なる団塊』へとしようしゆさせていった。のひとびとはふくしや状の波紋でこつぱいにされたのちふくそう状の波紋にすいこまれてゆく。ふくげきじようの日常生活がなされていた新潟市のもろもろは『巨大なはいきよの球体』にされて波紋にまきこまれてゆきしやはんざんさんがんたる『十字架型』のキノコ雲となってひようびようたるはいきよのうえにしようりつしていった。最後に『巨大なる新潟市のはいきよの団塊』は襤褸ぼろ襤褸ぼろの十数万人の死骸とともにごうぜんとして破裂して大地に墜落してゆく。羅利粉灰にされた新潟市内にはそうきゆうから婆羅婆羅になったれいみんたちの肉塊やぞうろつおよび鮮血の豪雨がふりそそぐ。ようにして新潟市に『天罰』をくだしたミカエル厳密には操縦者であるトヨヒコ・カガワはへんぽんとしてりゆうちようなる日本語でせきてきに生存した新潟市民へと宣告した。「『最後の審判』の日はちかい。なんじ等邪宗のものよ。改心するがよい」と。
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