奈落に落ちたら案の定裏ダンジョン直行ルートでした

猫蜜柑

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第一世界 2章 魔国編

16,脱出とテンプレ

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 転移した場所は少なくともクラスメイトたちと入った表の入口付近ではないとわかるところだった。それどころかダンジョンに関係するものが何も無いただの森の中に飛ばされたようだ。

 ・・・・・・これ帰還用ゲートの誤作動とかじゃないよな?

《我がダンジョンを作る時に設定した2つの脱出先のどちらかだろうな、人族は王国に飛ばし魔族は魔国側に飛ばす。それ以外はパーティメンバーの比率かパーティリーダーの種族によって決まる。

記憶通りならここは魔国だと思うからこの森を抜ければ何かしら人の暮らす領域があるだろう。そこに向かうといい》

 ゲートの誤作動を疑っていると魔王の声が頭に響いた。これが念話と言うやつか。それにしても、ここが魔国って聞こえた気がしたけど……僕の聞き間違いかな?

《いや聞き間違いではないぞ、マオの種族は吸血鬼、ってことは魔国出身だろ?》

 いつも間にか呼び方が名前になってるのは置いといて、

「あれ、言わなかった?僕はこの世界出身じゃない王国に召喚された異世界人で晴空の同郷だよ」

 あの後パーティを組むんだからって敬語抜きの名前呼びで決まったけど、圧倒的年上に対しての名前呼びは違和感あるなぁ……

《だから私の顔を見て日本人っぽいとか言ってたんだ。てっきり知り合いに日本人が居るか昔居たっていう長命種かと思ってた。種族もルキウスが覗いてるのを横から見たらヴァンパイアってあったし》

 攻略してる様子だけじゃなくて種族も覗き見られてたのか。
 でもステータスは見てないのかな?自分でもかなり特異なステータスになってると思ってるけど2人からは何も言われてないし。実際のところどうなんだろう?

《あー、それなら種族によって転移先を変える設定してたのが裏目に出たな。まぁ、最悪俺の大罪で道中はショートカットできるからそれで行ってくれ》

「わかった。まぁ確かに戸惑いはしたけど直ぐに邪神が復活するわけじゃないしこの際だから王国に向かう前に魔国を観光しようかな?」

 それにしても、召喚されて訓練してダンジョン潜ってクリアして、ここまで2ヶ月ちょっと。思い返してみるとかなり濃ゆい時間を過ごしてきたよなぁ……


 そうして感慨にひたっていると突如突風が吹き荒れ木々の枝を揺らし陽の光が地面を染めた。そして陽の光が当たった場所に黄金色と桜色の2つの魔法陣が現れた。そして2つが重なると同時に火柱が立ちその中から彼女、アマテラスさんが現れた。

《なぁマオ、そいつ誰だ?どことなく邪神と似た雰囲気を感じるんだが》

《火の中から現れた巫女服の美少女……どう考えても怪しい。少なくとも普通じゃないね》

 あ、そうか。2人は僕のダンジョン攻略の様子は見ていたけど僕神界に拉致されてがアマテラスさんと会った時は時間が止まっててそれ以降会ってないから彼女のこと知らないのか。

《まず彼女から邪神と似た雰囲気を感じるって言うのはあながち間違いじゃない、だって彼女神だからね。
 そして晴空のほうは聞き覚えがあるかもしれないけどアマテラスだよ。さっきも言ったけど一応名前をもう一回言っておく。》

《アマテラスって日本神話の?それが本当だとしてもアマテラスってこの世界の神様の中にいないんじゃなかった?》

《あぁ、記憶にある12柱の最高神と名のある上級神の中に該当する名は無い》

《あー、それは僕が召喚される時に元の世界の方から勝手についてきたみたい。地球の中でも日本固有の神様って扱いだからこの世界の最高神の中にはいない》

 アマテラスについての説明が終わると同時にそれまで一言も発さなかった本人?本神?が口を開いた。

「私の名前はアマテラスです。彼から聞いた通り神で太陽神としての権能を持ってます。それと2人の声も聞こえるから会話はできますよ。真緒君の居た世界の中でも一地域の神なのでこちらの神々や邪神とは種族以外に関連はありません」

 あ、アマテラスも2人と話できるんだ。翻訳する手間が省けて僕が楽出来る。そう言えばダンジョンから出たら会いにいくって言ってたのはこういうことだったんだね。

「それと真緒くん、はいこれ」

 そう言って渡してきたのは白く何の装飾もないシンプルな腕輪だ。これを渡されても僕にどうしろと?

「これは?突然渡されてもどうすればいいのかわからないんだけど」

「あっ、ごめん。それじゃぁ手を出して

・・・・・・よしっ」

 突然に腕にはめられたしその時に時に1回腕輪が腕ををすり抜けだんだけど……

「これは私がこっちに来る前に全能神様から渡された神器、真緒くんのステータスに制限をかけるリミッターだってさ」

 えぇ……リミッターってまじかよ……


 そしてその後アマテラスから聞いた話をまとめると僕のステータスは既に神としても十分やっていけるレベルでその力を下界で自由に振るえば災厄になるとか。
 それで全能神様が僕が完全に力を掌握して使いこなせるようになるまでのステータスをどうするかという答えとして作られたのがこの腕輪、僕が自分の力を使いこなせるようになる事に段階的にリミッターが外れていく仕組みらしい。
 そして神器だからもちろん取り外せないし壊れもしない。

 つまりさっきの説明の流れで付けられたから外すのは不可能、諦めて力を使いこなせるようになるしかないってことだね。
 リミッターの効果は3段階あって今は第1段階としてステータスが全て最大でもBランク固定になってる。
・・・・・・はぁ……結構な縛りだけどスキルに制限がかかってないのが唯一の救いか。

「私も同行するけど真緒くんはまずどこに向かうつもり?私としてはここは魔国だから他のクラスメイトさん達と合流できそうな王国まではかなりの距離があるからまず近くの街に行くことをオススメするけど?」

 そして太陽神アマテラスが仲間になった。

 まぁ突発言われたことでもないしね。ダンジョンで神界に拉致られた時に着いてくるって聞いたし僕がステータスに制限つくからその分の戦力としても頼りになるし。






 なにより僕自身自分に好意を向けてくれてる人がいるのにそれを無下には出来ないからね。アマテラスのことは僕自身ファーストキスを奪われたことを抜きにしても好きだと思うし。





「あぁ、それなら僕もそのつもり。さすがに直で王国に向かうつもりは無いしせっかく魔国に来たんだから王国に向かうのは観光してからでも遅くないでしょ。

あとこの腕輪の効果でステータスはAランクで固定されるって言ってたけど知力が影響を及ぼす思考力とかもBランク相当?」

「いや、その辺の実際の戦闘の時にあんまり影響無さそうなのは本来のステータス相当。具体的には身体能力と耐久力、魔力量と魔法の威力は最大がBランク相当まで落ちるけどけど思考力とか免疫力とか五感とかは本来のランク相当」

 ふむ、制限されるのは戦闘に使われる部分の補正だけ?それ以外は何もないのか。それならこの世界でもある程度上位にあたるBランクの能力があれば普通に過ごす分には何とかなりそうかな。

 それにいざとなればスキルの"魔神化"で全ステータスを一律1段階上昇させられるし常識的に裏ダンジョン下層クラスの魔物なんてそもそも普通はそこら辺にいるわけないし。



 その後はアマテラスから2人に向けた各神様達からの伝言なんかを聞いて腕輪の微調整も済ませ魂を介した登録も完了。
サラッと魂を介したとか言ってたけどさすが最高神クラスの神の1柱なだけあるな。
 なんか穏やかで陽だまりみたいなかみだと思ってたけど今ので最高神クラスの神なんだってことを再認識した。

「あっ、それと腕輪だけじゃなくてこれもあったんだった。真緒くん、2人の剣を前に出して」

 言われた通り聖剣と魔剣を剣先を下に向けて彼女に近づけるとどこからか取り出した光る球体を押し当てそれが剣と同化した。

「それは?見た感じ光球の色違いにしか見えないんだけど」

「これは本来2人に与えるはずだった神格の代わり。
この世界の神格はその種族の枠に収まりきらない力を持ったものか大偉業を成した人や神でない身でありながら信仰を受けるような人に与えられるんだけど、2人は神格が与えられる前にその命が尽きてしかも天界に行かず生前の愛剣にその魂が宿っちゃったから与えられなかったみたい」


 なるほど、神格ね。本当はああいう風に与えられるのか。そしてそれを取り込んだ2人が宿っている剣は融合と同時に光りだし剣としての形から人型へと形を変えていく━━━━━━━








 そして光が晴れるとそこにはダンジョンの最下層で出会った時と変わらない姿の2人、ルキウスとソラが立っていた。

「ふむ、ダンジョン内での魔力バックアップ抜きで肉体を形成できるとはな。神格を得たことでステータスも上がっているのか?
おかげで今の魔国を自分の目で見られるのはありがたい」

「私も、本物の体が無くなってからダンジョン内でからだをけいせいでにるようになるのに長い時間がかかったし真緒に付いて出た今自分の意思で動いたりは出来ないと思ってた」

 これが神格の効果?かはわからないけど人化できたことで2人とも喜んでいる。
 そして2人が人化出来るようになったことでうちのパーティーの戦力がさらに強化された。もう本当に僕は力を使いこなすための修行に専念して戦闘は3人に任せてもいいかもしれない。







 そしてその後は実体を持った2人とアマテラスの3人ともに談笑しながら歩いていると、突如として森の奥で火柱が上がった。

 木で視界が遮られているから原因は分からないけど……森の中で炎とかもしこれが自然現象じゃなくて人が原因ならそいつ馬鹿だろ…森の中で火を使うとか最悪自分たちまで巻き込まれるぞ。

「ソラ、ルキウスの2人は霊体化してアマテラスは僕の中にいて。僕はとりあえず火を消す、場合によっては何かあるかもしれないからその時は手を借りるかも」

 2人が霊体化しアマテラスが某名前の長い吸血鬼のように僕の中に入ったところで身体超強化、身体超強化を発動、そして

「『風神雷神』『自己改造・脚力強化』」

 風神雷神で風雷を体に纏わせさらに速度を上昇、自己改造で脚力を上げることで踏み込みの威力を上げ地面を蹴り砕き跳躍する。
 途中整備されてない箇所があるせいで普通は足と取られて速度が落ちるけど無尽走破と立体機動のおかげで木を足場にしたり悪路に足を取られずに進めるから目的地まで最短距離最短速度で進むことが出来た。

 そして火柱が見えた辺りに着くとそこには細やかな装飾が施された豪華な馬車とその周りを守るように召喚された際に王国で見た騎士のような格好をした男達が立っていた。

 そしてその人たちと相対しているのは見るからに怪しい格好をした、いわゆる暗部や暗殺者のような人がいる。互いに無言で武器を構えている。だけど見たところさっき見えた火は消化されているみたいだ。
 森で怪しい人物に襲われる紋章付きの馬車とはなんてテンプレ。

 ここは魔国だし紋章付きの馬車を守ってる側に手を貸すべきかな。それにまだ遠くて細部まで見えないけど王城の書庫で見た本に書いてあった魔国の王族を表すものと同じように見えるし。

 迷宮感覚で魔法を使えばステータスが下がってるとはいえ被害は大きいだろうしここは久しぶりの魔力武器化を使おう、殺す前に尋問とかする必要もありそうだし。

「加勢します!相手は殺害or制圧のどちらがいいですか?」

「えっ・・・それは……」



 あーもー、突然現れた相手に声かけられて戸惑うのはわかるし突然声掛けた僕も悪いかもしれないけどけど声掛けた人じゃなくてそれ以外も戸惑わないで欲しいなぁ、相手さん完全に逃走準備してるし

「返事出来ないならとりあえず尋問するかもしれませんから制圧しますよ!事後処理は任せますからね!」

さてと、エクスカリバーやダーインスレイブは2人が霊体化して持ってるから使えないし他の武器も今の状況には向かない。ってことでそれじゃあ僕が持つ中で制圧に最も向いた武器、炎すら凍らせたあの蒼刀を使おうか━━━━━━



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