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第一世界 神魔交錯戦域ヴェレツェルト 序章 勇者召喚世界
4,訓練②
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さて、それじゃあ書庫に行こっか。
書庫の場所を知らなかったからすれ違ったメイドさんに聞いたりして辿り着いたけど兵士?騎士?がいるな
「すいません、書庫を利用したいんですが」
「それでは利用許可証を拝見させていただきます。
……こ、これはっ!失礼しました。貴方の利用できるのは第1書庫から第2書庫までとなります。」
「ありがとうございます、第2書庫はどこまでですか?」
「それでしたら第2書庫と第3書庫の境界に騎士が立っているのでそれが目印になります。」
「わかりました」
それじゃあ見てみよっか。まずは第1書庫、仮に一般書庫と呼ぼう。ここから見てみると多くが歴史書系が多いかな?おっ、初代勇者と初代魔王の本あるじゃん読んでみよ。
あ、ふーん。史実と同じかは分からないけど結構好きな内容じゃん。他の本とかも見てみよっか。
第3書庫だと多少魔導書とかもあるけどネタ魔法か下級のが多いな。第2書庫行こうか。
こっちは第1書庫よりちょっと危なそうな本が多いな。
うっわこれとか明らかに危険なやつじゃん。禁書指定して第3書庫に入れた方が良さそうなレベルのオーラを纏ってるんだけど……とにかく中身を見てみようか。
んん?これはなかなかに面白そうな魔法が書いてあるな。【融合】って、なになに……自身と非生物、または非生物同士を融合させる秘術?へぇ、これ結構凄い術なんじゃない?
あれ……自身を対象に使用すると対象は耐え難い痛みを味わい場合によっては廃人と化す?あぁ……一瞬でも優秀とか思った僕が間違いだった。でも一応もしもの時のために覚えておいても……
ふぅ、とりあえず融合は後回しにして他になにかあるかな?
うん?【交換】、ほうほう。Aの位置ととBの位置を入れ替えると、そして入れ替えの対象に自分以外の生物を選ぶと消費魔力が増える……擬似的な転移みたいなことが可能になる?移動には使えなくても戦闘には役立ちそうだな。
魔力を魔導書に流して習得っと。魔導書に書いてあるスキルは魔導書の内容を理解して魔力を流すことで習得できるらしいけどこんなに簡単なら国民に魔導書に触れる機会を与えれば小国でもあっという間に強国になりそうだよな。
あとは一応融合の方も習得しとくか。他にはなにかないかなっと。
精霊について、精霊と妖精の違い、竜と龍……結構気になる本はあるな、これらも読んどこうか。
「勇者様、そろそろお部屋に戻られた方がよろしいかと。ムード騎士団長らが担当している前衛職の方々の訓練も終わりましたし。」
ん?もうそんな時間か、後衛組の訓練が終わってから書庫に来たけどもうかなり時間経ってたんだな。
「ありがとうございます。そうですね、そろそろ戻ります。」
「書庫の本は第2書庫以上にある本だと騎士団と宮廷魔導師団のどちらかの団長または陛下の承認がなければ持ち出し不可となっていますのでお気をつけください。」
持ち出し不可なのか、まぁそれこそ研究とかしない限り持ち出す必要なさそうだけど。
「わかりました。気をつけておきますね」
さて、今日もいつもの場所に行かないとね。夕食を食べる場所が決まっているのはちょっと不便だけど食事の内容がいいから文句は言えない。
「まおぉぉぉぉ……」
うわっ、びっくりした。夕食場所に入るなり突然地の底から響くような声が聞こえてきたんだけど……多分って言うか、十中八九秋だよな。
やっぱりか、なんか朝見たときよりげっそりしてる気がするけど。
「どうした秋?」
「ムード団長の訓練くっそキツイ、まず訓練場を重りを付けて10周、その後普通より重く作られた武器を持って騎士団の人が見せたお手本の動きをひたすら反復練習。反復練習が終わったと思ったら今度は筋トレ……初日からやる訓練の密度じゃねえよ……」
うへぇキツそ。魔力って言う制限がある後衛な分こっちの方が肉体的疲労が少ないのかな。あっちは前衛組なのに何故か弓士とかのジョブについたやつもいるし。
「そっか、こっちは魔力を感知してそれを動かす練習、動かせるようになったら動かす速度を上げる。それまで出来たら初級魔法の発動練習って感じだから精神的疲労はあっても肉体的疲労は無かったぞ。魔力がなくなったら訓練出来ないからある程度訓練したらその後は自由時間。」
「くっ、なんでそっちとこんなに差があるんだ……でもウルカ副団長の演武は良かったぞ、何より装備が少ない軽戦士系の職だから露出も多くt……っ!あわわ……」
ん?ウルカ副団長の話をしだして少ししたところで顔が真っ青になったけど一体どうしたんだ?……視線の先を見てだいたい察したわ。彼女さんのすぐ近くで他の女の人の話を熱心にしてたらそりゃあねぇ……秋南無……
さて、夕食も終わって部屋に帰ってきたけど今日は何しようかな、昨日はモーガンさんの授業内容を復習するっていうやらなきゃいけない事があったけど。
とりあえず今日書庫で見た精霊関係の本に書いてあった精霊の力を借りる方法を試してみようか。
ただ真摯に精霊にその力を貸してくれるよう祈るだけって書いてあったけど。力を貸すことを精霊側が承認したらその承認した精霊が目の前に現れるらしいけど上手くいくかな?
……1時間経過、未だ現れず。
……2時間経過……
……3時間……
地球で言う9時くらいから祈り始めてもう12時くらい。そろそろ寝ようかな。明日の訓練に支障をきたしても困るし。続きは明日の夜にしよう。
ふぅ、朝か。こっちに来て今日で4日目だけど自分で早く起きれるようになってきた。地球にいた頃より朝の時間に余裕がある。
おかげで朝急がなくても良くなってありがたい。
さて、メイドさんが呼びに来るまで時間があるから日課の魔力消費しようかな。書庫の本にも魔力は使う機会が少ない人より多い人の方が総魔力量が多くなりやすいって書いてあったし。
【交換】にも【融合】にも魔力沢山使いそうだから今のうちから増やせるなら増やしておかないと。
魔力を感じてその流れる速度をもっと早く、そして流れを太く。さらに少しずつ魔力を体外に放出して……
はぁ、これだけでも慣れてないと結構疲れる。早くこれを片手間でサクッと出来るくらいになりたい。
そろそろ時間かな?汗の処理して着替えて待っておこう。
「クジョウ様、朝食の準備が出来ましたのでお呼びしにまいりました。」
「はーい今行きます!」
今日も普段通りの朝食だね。これがいつも通りって慣れてきた自分にちょっと突っ込みたい気もするけど。
今日の訓練は何をするのかな?昨日の時点で魔力、属性、魔法の種類までは習ったから今日から本格的に実践するのかな?
食事も済ませてクラスメイトはそれぞれ訓練場に向かって行く。
「今日から皆さんには実際にそれぞれが持つ属性の魔法を発動できるように訓練してもらいます。ですがまずその前に昨日の訓練で行った魔力操作をウォーミングアップ代わりにやってみましょうか。」
実践って聞いてテンションが上がってたヤツらが魔力操作って聞いて露骨にテンション下げたな。ラノベ受け売りだけど魔法を使うのに一番重要な技術だと思うんだ。
「あまり魔力操作に対してやる気がない方もいるようですが魔法を発動する上で魔力操作を十全にできていなければ本来発動するものも発動しません、なので魔力操作は我々宮廷魔導師団も日々の訓練に取り入れることにしているんですよ。」
お、本職の言うことを聞いてやる気のなかったやつもやる気を出してるな。ていうか宮廷魔導師団でもちゃんと魔力操作やってるんだな。
「それではまず男女問わず2人組を作ってください。」
うげっ、2人組とかいうトラウマを異世界でも抉られるとは……秋に彼女が出来たせいで男女問わずの2人組では確実に余りになって残ってる人と組む……
「ねー真緒くん、おーい!聞いてるー!?真緒くーん!!」
「うわっ?!森宮さん?一体何事?」
「あはは、今日の訓練の2人組なんだけど私と組んでくれない?」
「え?他の女子は?どうせなら同性と組んだ方がいいでしょ。」
「あー、確かにそうなんだけど。地球にいた頃いつも私の相手秋くん固定だったからほかのクラスメイトと違っていつもの相手ってのが居ないんだよね…
女子はみんな私以外同性で組んでるから残りは男子だけだし。それならいつも一緒にいる真緒くんの方がまだ安心感あるかなって」
あぁ、なるほど。いつも秋相手に2人組を作っていたせいで余り枠になっちゃったと。余り枠内で組むなら普段秋とよくつるんでる僕の方が他の男と組むよりマシってことね。
「わかった、それじゃあよろしく。」
「ありがとう、こちらこそよろしくね。」
「それでは皆さんパートナーを組み終えましたね。今後の訓練は基本的にその2人でパートナーを組んでもらいます。それでは皆さん、まず初級にあたる球系の魔法を発動するための練習から始めましょうか。自らのもつ属性名+ボールで発動するのでそれぞれやってみて下さい。」
それじゃあやってみますか、でもその前に魔力の流す速度を予め早めておこう。
「それじゃあ森宮さん、どっちから先にやる?」
「うーん、私から先にやっていい?」
「うん、大丈夫だよ。」
「ありがと、それじゃあ私からやるね!」
「フッ!」
ん?手刀で印を組んでる、結界って発動前に準備が必要なのかな?
「『大神よ悪辣なるものを阻み空を隔てる盾をここに!』『守護結界!!』」
おぉ、なんかうっすらと盾みたいなのがさっき手刀を切った場所を中心に形成されてる。でもこれそんなに強度はなさそうだね。
「どう?強度確認のために叩いてみてくれる?」
「うん、わかった。」
コンコンッ
ピシィッ……
「あっ……」
「あぁ……ダメかぁ……それじゃあもう1回やるね」
うーん、やっぱり強度不足かぁ……色が薄いし輪郭も朧気だからもしテンプレ通りならって思って試してみたけど。
「ふぅ、『大神よ悪辣なるものを阻み空を隔てる盾をここに!!』」
おっ、さっきより若干濃くなった気がするね。
「どうかな?また叩いてみて」
コンコンッ
……
お、やっぱり少し硬くなってる。
「さっきよりも硬くなってるみたい!もうちょっと強く叩ける?」
「やってみる」
ふぅ、それじゃ今度はちゃんと構えて、と。せいっ!
…………
もう1発、せいっ!!
ピシィッ……
あっ、割れちゃったか。
「さっきよりは断然硬くなってるみたいだよ、でも僕の筋力で補正無しでも壊せる強度だから実際にはまだ使えないと思う」
「そっかー、それじゃあもっと強度を上げれるようにしないと。でももう私残り魔力無いから交代しよっか」
「わかった。座って休んでて」
僕が使える魔法は四元魔法と光魔法、四元魔法は名前から推測するに四大元素に含まれる火、水、風、土のことだと思う。
魔力の循環を加速、そして1度に流れる魔力をより多く……
よし、準備は出来た
「『火よ、集いて焦がせ』『ファイアボール!』」
おぉ!出来た!
「凄いっ!真緒くん1回で成功するなんて!」
それじゃ次は水属性、
「『水よ、集いて貫け』『ウォーターランス!』」
……
あれ?失敗か。じゃあもう1回。
「『水よ、集いて貫け』『ウォーターランス!!』」
よしっ!成功した!
次は風だ。
「『風よ、集いて切り裂け』『ウィンドエッジ!』」
よしっ!これも成功!
魔法って属性を決める文言とどんな魔法かを決定する文言、そして魔法名を言えば発動するのかな?
今のところ、どれも最初に魔法の属性、次に系統、最後に魔法名って感じで詠唱が構成されてる感じだけど。
ライトボールは昨日の時点で安定して発動できるようになったから後回しでいいとして、四元にあたる属性は次で最後だね。
「『土よ、集いて撃ち抜け』『ソイルバレット!』」
失敗か、てか土魔法ってこの世界ではソイルって言うんだな。地球で読んでたラノベはだいたいアースとか、作品によってはストーンとかだったけど。
それじゃあもう一回やるか、
「『土よ、集いて撃ち抜け!』『ソイルバレット!!』」
よしっ!成功だっ!習得してる属性の初級魔法は一応全て使えるみたいだ。
あれ?そういえばさっきまで聞こえてた詠唱が聞こえなくなったな、どうしたんだろう。
ん?見た感じだとみんななんか疲れてる?魔力切れかな?
僕は最近朝起きてから魔力を消費して食事に向かうから多少周りと比べて魔力が伸びた?多分能力値の魔力がSなのも関係あるんだろうけど。
「はい、皆さん魔力を使い切ったみたいなので今日の訓練は終わりになります。明日の訓練に備えて自主的に訓練もするように」
「あー、森宮さん大丈夫?」
「うんー、ちょっと疲れはあるけど歩けないほどじゃないかな。真緒くんは余裕そうだね」
「うん、まだ魔法は使えるかな、でも使い切って倦怠感に襲われたくないからここで区切るけど。」
「そっかー。あ、私も書庫に行きたいんだけど案内してくれない?」
「うん、いいよ。でもその前に秋にちゃんと言ってからね。」
「はーい」
「ねぇ、モーガン。あのマオって子後衛組の中じゃ頭一つ飛び抜けてるね。ほかの純粋な魔法職と比べても魔力量が負けてないし魔法の構築と成長速度もトップクラスだ。彼が魔剣士みたいな半前衛じゃなければ後衛組のリーダー役にするのに。」
「そうですね、私も彼のレベルはかなり高いと思います。彼らの元いた世界には魔法を使う人が居ないみたいですがそれであのレベルとはもし彼が普段から魔法に触れて生活していたらどれほどの高みに達していたのかと思うと……」
「うん、でもモリミヤちゃんも結構凄いよね。あっちの世界でも巫女の家系だったって言ってもあそこまで結界を習得するのが早いなんてね。最初は脆くてもその後すぐ改善できるのは彼女の強みだよ。」
書庫の場所を知らなかったからすれ違ったメイドさんに聞いたりして辿り着いたけど兵士?騎士?がいるな
「すいません、書庫を利用したいんですが」
「それでは利用許可証を拝見させていただきます。
……こ、これはっ!失礼しました。貴方の利用できるのは第1書庫から第2書庫までとなります。」
「ありがとうございます、第2書庫はどこまでですか?」
「それでしたら第2書庫と第3書庫の境界に騎士が立っているのでそれが目印になります。」
「わかりました」
それじゃあ見てみよっか。まずは第1書庫、仮に一般書庫と呼ぼう。ここから見てみると多くが歴史書系が多いかな?おっ、初代勇者と初代魔王の本あるじゃん読んでみよ。
あ、ふーん。史実と同じかは分からないけど結構好きな内容じゃん。他の本とかも見てみよっか。
第3書庫だと多少魔導書とかもあるけどネタ魔法か下級のが多いな。第2書庫行こうか。
こっちは第1書庫よりちょっと危なそうな本が多いな。
うっわこれとか明らかに危険なやつじゃん。禁書指定して第3書庫に入れた方が良さそうなレベルのオーラを纏ってるんだけど……とにかく中身を見てみようか。
んん?これはなかなかに面白そうな魔法が書いてあるな。【融合】って、なになに……自身と非生物、または非生物同士を融合させる秘術?へぇ、これ結構凄い術なんじゃない?
あれ……自身を対象に使用すると対象は耐え難い痛みを味わい場合によっては廃人と化す?あぁ……一瞬でも優秀とか思った僕が間違いだった。でも一応もしもの時のために覚えておいても……
ふぅ、とりあえず融合は後回しにして他になにかあるかな?
うん?【交換】、ほうほう。Aの位置ととBの位置を入れ替えると、そして入れ替えの対象に自分以外の生物を選ぶと消費魔力が増える……擬似的な転移みたいなことが可能になる?移動には使えなくても戦闘には役立ちそうだな。
魔力を魔導書に流して習得っと。魔導書に書いてあるスキルは魔導書の内容を理解して魔力を流すことで習得できるらしいけどこんなに簡単なら国民に魔導書に触れる機会を与えれば小国でもあっという間に強国になりそうだよな。
あとは一応融合の方も習得しとくか。他にはなにかないかなっと。
精霊について、精霊と妖精の違い、竜と龍……結構気になる本はあるな、これらも読んどこうか。
「勇者様、そろそろお部屋に戻られた方がよろしいかと。ムード騎士団長らが担当している前衛職の方々の訓練も終わりましたし。」
ん?もうそんな時間か、後衛組の訓練が終わってから書庫に来たけどもうかなり時間経ってたんだな。
「ありがとうございます。そうですね、そろそろ戻ります。」
「書庫の本は第2書庫以上にある本だと騎士団と宮廷魔導師団のどちらかの団長または陛下の承認がなければ持ち出し不可となっていますのでお気をつけください。」
持ち出し不可なのか、まぁそれこそ研究とかしない限り持ち出す必要なさそうだけど。
「わかりました。気をつけておきますね」
さて、今日もいつもの場所に行かないとね。夕食を食べる場所が決まっているのはちょっと不便だけど食事の内容がいいから文句は言えない。
「まおぉぉぉぉ……」
うわっ、びっくりした。夕食場所に入るなり突然地の底から響くような声が聞こえてきたんだけど……多分って言うか、十中八九秋だよな。
やっぱりか、なんか朝見たときよりげっそりしてる気がするけど。
「どうした秋?」
「ムード団長の訓練くっそキツイ、まず訓練場を重りを付けて10周、その後普通より重く作られた武器を持って騎士団の人が見せたお手本の動きをひたすら反復練習。反復練習が終わったと思ったら今度は筋トレ……初日からやる訓練の密度じゃねえよ……」
うへぇキツそ。魔力って言う制限がある後衛な分こっちの方が肉体的疲労が少ないのかな。あっちは前衛組なのに何故か弓士とかのジョブについたやつもいるし。
「そっか、こっちは魔力を感知してそれを動かす練習、動かせるようになったら動かす速度を上げる。それまで出来たら初級魔法の発動練習って感じだから精神的疲労はあっても肉体的疲労は無かったぞ。魔力がなくなったら訓練出来ないからある程度訓練したらその後は自由時間。」
「くっ、なんでそっちとこんなに差があるんだ……でもウルカ副団長の演武は良かったぞ、何より装備が少ない軽戦士系の職だから露出も多くt……っ!あわわ……」
ん?ウルカ副団長の話をしだして少ししたところで顔が真っ青になったけど一体どうしたんだ?……視線の先を見てだいたい察したわ。彼女さんのすぐ近くで他の女の人の話を熱心にしてたらそりゃあねぇ……秋南無……
さて、夕食も終わって部屋に帰ってきたけど今日は何しようかな、昨日はモーガンさんの授業内容を復習するっていうやらなきゃいけない事があったけど。
とりあえず今日書庫で見た精霊関係の本に書いてあった精霊の力を借りる方法を試してみようか。
ただ真摯に精霊にその力を貸してくれるよう祈るだけって書いてあったけど。力を貸すことを精霊側が承認したらその承認した精霊が目の前に現れるらしいけど上手くいくかな?
……1時間経過、未だ現れず。
……2時間経過……
……3時間……
地球で言う9時くらいから祈り始めてもう12時くらい。そろそろ寝ようかな。明日の訓練に支障をきたしても困るし。続きは明日の夜にしよう。
ふぅ、朝か。こっちに来て今日で4日目だけど自分で早く起きれるようになってきた。地球にいた頃より朝の時間に余裕がある。
おかげで朝急がなくても良くなってありがたい。
さて、メイドさんが呼びに来るまで時間があるから日課の魔力消費しようかな。書庫の本にも魔力は使う機会が少ない人より多い人の方が総魔力量が多くなりやすいって書いてあったし。
【交換】にも【融合】にも魔力沢山使いそうだから今のうちから増やせるなら増やしておかないと。
魔力を感じてその流れる速度をもっと早く、そして流れを太く。さらに少しずつ魔力を体外に放出して……
はぁ、これだけでも慣れてないと結構疲れる。早くこれを片手間でサクッと出来るくらいになりたい。
そろそろ時間かな?汗の処理して着替えて待っておこう。
「クジョウ様、朝食の準備が出来ましたのでお呼びしにまいりました。」
「はーい今行きます!」
今日も普段通りの朝食だね。これがいつも通りって慣れてきた自分にちょっと突っ込みたい気もするけど。
今日の訓練は何をするのかな?昨日の時点で魔力、属性、魔法の種類までは習ったから今日から本格的に実践するのかな?
食事も済ませてクラスメイトはそれぞれ訓練場に向かって行く。
「今日から皆さんには実際にそれぞれが持つ属性の魔法を発動できるように訓練してもらいます。ですがまずその前に昨日の訓練で行った魔力操作をウォーミングアップ代わりにやってみましょうか。」
実践って聞いてテンションが上がってたヤツらが魔力操作って聞いて露骨にテンション下げたな。ラノベ受け売りだけど魔法を使うのに一番重要な技術だと思うんだ。
「あまり魔力操作に対してやる気がない方もいるようですが魔法を発動する上で魔力操作を十全にできていなければ本来発動するものも発動しません、なので魔力操作は我々宮廷魔導師団も日々の訓練に取り入れることにしているんですよ。」
お、本職の言うことを聞いてやる気のなかったやつもやる気を出してるな。ていうか宮廷魔導師団でもちゃんと魔力操作やってるんだな。
「それではまず男女問わず2人組を作ってください。」
うげっ、2人組とかいうトラウマを異世界でも抉られるとは……秋に彼女が出来たせいで男女問わずの2人組では確実に余りになって残ってる人と組む……
「ねー真緒くん、おーい!聞いてるー!?真緒くーん!!」
「うわっ?!森宮さん?一体何事?」
「あはは、今日の訓練の2人組なんだけど私と組んでくれない?」
「え?他の女子は?どうせなら同性と組んだ方がいいでしょ。」
「あー、確かにそうなんだけど。地球にいた頃いつも私の相手秋くん固定だったからほかのクラスメイトと違っていつもの相手ってのが居ないんだよね…
女子はみんな私以外同性で組んでるから残りは男子だけだし。それならいつも一緒にいる真緒くんの方がまだ安心感あるかなって」
あぁ、なるほど。いつも秋相手に2人組を作っていたせいで余り枠になっちゃったと。余り枠内で組むなら普段秋とよくつるんでる僕の方が他の男と組むよりマシってことね。
「わかった、それじゃあよろしく。」
「ありがとう、こちらこそよろしくね。」
「それでは皆さんパートナーを組み終えましたね。今後の訓練は基本的にその2人でパートナーを組んでもらいます。それでは皆さん、まず初級にあたる球系の魔法を発動するための練習から始めましょうか。自らのもつ属性名+ボールで発動するのでそれぞれやってみて下さい。」
それじゃあやってみますか、でもその前に魔力の流す速度を予め早めておこう。
「それじゃあ森宮さん、どっちから先にやる?」
「うーん、私から先にやっていい?」
「うん、大丈夫だよ。」
「ありがと、それじゃあ私からやるね!」
「フッ!」
ん?手刀で印を組んでる、結界って発動前に準備が必要なのかな?
「『大神よ悪辣なるものを阻み空を隔てる盾をここに!』『守護結界!!』」
おぉ、なんかうっすらと盾みたいなのがさっき手刀を切った場所を中心に形成されてる。でもこれそんなに強度はなさそうだね。
「どう?強度確認のために叩いてみてくれる?」
「うん、わかった。」
コンコンッ
ピシィッ……
「あっ……」
「あぁ……ダメかぁ……それじゃあもう1回やるね」
うーん、やっぱり強度不足かぁ……色が薄いし輪郭も朧気だからもしテンプレ通りならって思って試してみたけど。
「ふぅ、『大神よ悪辣なるものを阻み空を隔てる盾をここに!!』」
おっ、さっきより若干濃くなった気がするね。
「どうかな?また叩いてみて」
コンコンッ
……
お、やっぱり少し硬くなってる。
「さっきよりも硬くなってるみたい!もうちょっと強く叩ける?」
「やってみる」
ふぅ、それじゃ今度はちゃんと構えて、と。せいっ!
…………
もう1発、せいっ!!
ピシィッ……
あっ、割れちゃったか。
「さっきよりは断然硬くなってるみたいだよ、でも僕の筋力で補正無しでも壊せる強度だから実際にはまだ使えないと思う」
「そっかー、それじゃあもっと強度を上げれるようにしないと。でももう私残り魔力無いから交代しよっか」
「わかった。座って休んでて」
僕が使える魔法は四元魔法と光魔法、四元魔法は名前から推測するに四大元素に含まれる火、水、風、土のことだと思う。
魔力の循環を加速、そして1度に流れる魔力をより多く……
よし、準備は出来た
「『火よ、集いて焦がせ』『ファイアボール!』」
おぉ!出来た!
「凄いっ!真緒くん1回で成功するなんて!」
それじゃ次は水属性、
「『水よ、集いて貫け』『ウォーターランス!』」
……
あれ?失敗か。じゃあもう1回。
「『水よ、集いて貫け』『ウォーターランス!!』」
よしっ!成功した!
次は風だ。
「『風よ、集いて切り裂け』『ウィンドエッジ!』」
よしっ!これも成功!
魔法って属性を決める文言とどんな魔法かを決定する文言、そして魔法名を言えば発動するのかな?
今のところ、どれも最初に魔法の属性、次に系統、最後に魔法名って感じで詠唱が構成されてる感じだけど。
ライトボールは昨日の時点で安定して発動できるようになったから後回しでいいとして、四元にあたる属性は次で最後だね。
「『土よ、集いて撃ち抜け』『ソイルバレット!』」
失敗か、てか土魔法ってこの世界ではソイルって言うんだな。地球で読んでたラノベはだいたいアースとか、作品によってはストーンとかだったけど。
それじゃあもう一回やるか、
「『土よ、集いて撃ち抜け!』『ソイルバレット!!』」
よしっ!成功だっ!習得してる属性の初級魔法は一応全て使えるみたいだ。
あれ?そういえばさっきまで聞こえてた詠唱が聞こえなくなったな、どうしたんだろう。
ん?見た感じだとみんななんか疲れてる?魔力切れかな?
僕は最近朝起きてから魔力を消費して食事に向かうから多少周りと比べて魔力が伸びた?多分能力値の魔力がSなのも関係あるんだろうけど。
「はい、皆さん魔力を使い切ったみたいなので今日の訓練は終わりになります。明日の訓練に備えて自主的に訓練もするように」
「あー、森宮さん大丈夫?」
「うんー、ちょっと疲れはあるけど歩けないほどじゃないかな。真緒くんは余裕そうだね」
「うん、まだ魔法は使えるかな、でも使い切って倦怠感に襲われたくないからここで区切るけど。」
「そっかー。あ、私も書庫に行きたいんだけど案内してくれない?」
「うん、いいよ。でもその前に秋にちゃんと言ってからね。」
「はーい」
「ねぇ、モーガン。あのマオって子後衛組の中じゃ頭一つ飛び抜けてるね。ほかの純粋な魔法職と比べても魔力量が負けてないし魔法の構築と成長速度もトップクラスだ。彼が魔剣士みたいな半前衛じゃなければ後衛組のリーダー役にするのに。」
「そうですね、私も彼のレベルはかなり高いと思います。彼らの元いた世界には魔法を使う人が居ないみたいですがそれであのレベルとはもし彼が普段から魔法に触れて生活していたらどれほどの高みに達していたのかと思うと……」
「うん、でもモリミヤちゃんも結構凄いよね。あっちの世界でも巫女の家系だったって言ってもあそこまで結界を習得するのが早いなんてね。最初は脆くてもその後すぐ改善できるのは彼女の強みだよ。」
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夫アドリアンの愛人ヴェロニクが早速現れるが、エリオットは以前の自分とは違う毅然とした態度で接する。そして、夫に「形式上の夫婦」であることを提案。
公爵夫人という立場を利用し、復讐の準備を始める——。
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今回は少し性描写があります。*を入れています。
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