痴漢されたのが忘れられなくて自分で開発しちゃう大学生の話

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「じゃあこれ負けたらテキーラね。」
「えー怖い、」
「私もやりたいでーす!」
「よし観覧車持ってきて。」

元カノが居るコンカフェ(コンセプトカフェの略:メイドカフェなど)にヤリサーの先輩に無理やり連れてかれて飲まされていた。顔要員。連絡先交換要員。ヤリサーなんて1年以上前に辞めたのに、未だに絡まれる。しかもいないって言ったのに元カノ出勤日だし。隣に座ってくるし気まずいし。

「悠、まだこの人たちとつるんでるの?」
「いや、久しぶりだよ。飲みに来るのは。」
「へー、付き合ってた時はお店全然来てくれなかったのに、他の子に手出さないでよ。さすがに気まずい。」
「やんないって、」

くっつかれると、その気にならないわけじゃないんだけど。金出して元カノと飲む気持ちとか先輩たちは考えたことあんのかな。キャスドリ(キャストドリンクの略:女の子たちの酒代)2000円だぞ。この店たけーんだよ。楽しみに来てんだから、別な女の子付いてほしい。なんて、言える雰囲気でもなく、ゲームに負けてテキーラ飲まされた。

スマホがぶーってなる。

「私ブロックされてる?」

そんなメッセージを3秒眺めて、してないよって意味に画面を見せる。

「別れるって話、了承してない、」
「俺、金払ってお前と別れ話しなきゃなんねーの?」

マジだるい。先輩に席変わってって言って、別な女の子の隣の席について言われた。

「セリハあんとき結構泣いてましたよぉ。」
「えーマジ?なんか飲む?」
「いいんですかぁー。」
「どーぞ。好きなの飲んで。シャンパンでもいいよ。」
「え。ホントに?」
「うん。ミキちゃんかわいいから、いいよ。」

だから黙れ。マジこの店一生こねぇわって。言ってやりてぇけど。先輩はヤリたい女がいるらしいから無理か。つか俺来る意味ある?気まずいだけじゃねって思ってたら、スマホの電話が鳴った。

蓮さんからで飛び跳ねる。トイレで電話を取る。

「え、あ、もしもし。」
「ぶはっ、もしもしとかダサ。」
「……じゃあなんていえばいいんですか、」
「蓮さん大好き。」
「今日声聞けたからこれオカズにして抜きます。」
「マジ?ビデオ通話しようよ。」
「ホントにするなら家帰りますけど、」
「嘘、今どこいんの?新宿居る?」

秋葉原だ。新宿いればよかった。

「いや、でも、新宿行けなくはないです、」
「マジ?どこだよ。女の声するけど。友達もいるの?」
「友達というか、先輩というか。元カノがいて今すぐ店を出たいというか。」
「草。なんて店?」
「××××です。」
「あー、一回行ったことあるわ。客がいる。」
「マジっすか。」
「つかタクシー代出してやるからこっちこない?友達連れてきていいから。素人の女だからワンチャンヤレるつって連れ出せるだろ。」
「了解っす。」

蓮さんもほぼヤリサーの先輩とノリが変わらない。たぶん他人には俺もこういう風に映ってるんだろうなと思う。ゴミみたいな大学生だよな。

「1時半にコリンズの前来れる?」
「……了解です。」
「何その間。」
「いや普通に早く会いたいなって。」
「12時までは店あるから。」
「そっすよね。分かってます、」
「そんな名残惜しそうにされると電話切りずらい。」
「……すんません。」
「スピーカーにして画面見て。」

画面越しの蓮さんと視線が合う。今日もクソイケメンだ。ホストのスーツってなんかしゃれてていいよね。就活スーツとはわけが違う。ゲームしてるときの寝巻の崩れた感じもたまらないけど、キメてるのもかっこいいなって、スクショした。

「余計会いたくなったしょ。」
「っ……、会いたく、なった。めっちゃ会いたい、……今度店行こうかな、客として行ったら迷惑ですか?」
「いや、別に来てもいいけど、会いたいなら家来ればいいだろ。」
「そりゃ、そうなんですけど、スーツ姿かっこいいなっておもって、」
「今度これでヤる?」
「……やる、」
「そんな顔すんなって、明日休みだから。」
「ん、……また後で、待ってます。」

先輩たちに内容伝えると超乗り気だった。元カノには睨まれた。そして、蓮さんたちと合流する。ホストっぽい人たちと、客っぽい女。

「バー行こうかなって思ってんだけどいい?」
「なんでも大丈夫ですよ。」
「おっけ。」

客っぽい女も別に蓮さんの指名というわけでもなさそうで、ヤリサーの先輩たちが挨拶をすると楽しそうにしゃべっていた。ヤリサーなんて入ってるだけあってみんな顔はそこそこいいからね。列の一番後ろを歩いていると、蓮さんが隣に来て、のっそりした動きで小指を絡んできた。びくりと肩が跳ねる。

「仕事頑張ったから癒して。」
「えらいです、」
「そんだけ?」
「な、なにしてほしいですか?」
「キス。」

えってびっくりする。めちゃめちゃ前に皆歩ってるし、蓮さんのお客さんもいるんじゃないのって、思うけど、蓮さんが止まって目つぶるから、戸惑って。

「早く。」

結局、してしまった。心臓バクバクする。バレたらやばいの俺より蓮さんじゃん。

「いや子供かよ。」
「だ、だって、バレたら、ヤバいの蓮さんですよ、お客さんいるのに、」
「いーじゃん。別にバレて怒ったら別な客捕まえるし。」

大体蓮さんはいつもこの調子である。しょっちゅう女にキレられると自分で言っていたが、自業自得過ぎると思う。

「さすがにアフターで別な人とキスしたらブチギレられますよ。」
「今日のアフターぜってー金になんねーからやる気にならん。帰ってゲームしたい、タクシー乗ってバックれる?」
「別に俺はいいですけど、」
「……先輩にぶっ殺されるよなぁ、」

今日は蓮さんの先輩が捕まえたい客があの女の中にいるらしく、蓮さんが付いた女は別な店にマジの担当がいるから、とにかくやる気にならないのだという。だんだん距離が縮まって腰を抱かれる。いつの間にか、首筋にキスされて。

「っ、蓮さん、」
「自分で呼んどいてあれだけど、お前に会うとヤリたくなんだよね。」

それは俺もである。顔見るとちょっと勃起する。腰を抱いてた手がシャツの中入り込んできて、手の冷たさに身体が飛び上がった。つーって背中をなでられる。

「っ……♡」

歩きながらセクハラするなんてどんだけだよって!横向いたらまたキスされた。ダメだ。マジでこの人仕事する気全然ないっぽい。

「んっ……♡」

酒とタバコの匂いがする舌が絡んで。

「あー……くっそヤリたい」

そんなことを耳元で呟かれるから、だんだん、俺のほうもおかしくなってくる。

「今日の昼間、蓮さん配信してたじゃないですか。」
「うん。」

蓮さんは、普段趣味で顔出しながらゲーム実況をしてて、ホスト以外でも女から金を巻き上げている。配信だけで余裕で食っていけると言っていたから、もうこの人はたぶん女がどうやったら自分を好きになるかってことが、手に取るようにわかるんだと思う。

「それ見ながら抜いてたから、絶対俺のほうがヤリたいって思ってます。」

そう言ったら蓮さんは噴き出して笑った。なんでだよ。

「抜ける配信してたっけ今日。」
「いや、めちゃめちゃVAL〇RANT(FPSゲーム)してましたね。」
「それで抜いたの?」
「声と顔見れてれば抜けますよ。意外と。」

真顔で言ったらマジで笑ってた。だからなんでだよ。

「今度オナってるとこ見せてよ。」
「……別に、いいですけど、」
「動画撮っていい?」
「まぁ、いいですけど、」
「ハメ撮りは?」
「興奮しそうっすね、」
「ふはっ、寛大すぎ。なんでもさせてくれんじゃん。ハメ撮り写真ホーム画にすんのは?」
「それはちょっと、さすがに、ヤバい人だと思われますよ。」

そんな会話しながらバーに到着すると、ホストでもないのに女が寄ってきて、蓮さんと引き離された。蓮さんも、さすがに女の子としゃべっていて、諦めるしかなかったので、大人しく会話した。

「キミ時々蓮と一緒に居るよね。」
「そっすね、」
「どこかの店の子?」
「いや、全然、ゲームで知り合ったんです。」
「あー蓮、なんかやってるよね。バンバン撃つやつ。ヲタクっぽい客も最近増えてるし、配信者もイケメン多いよね。」

そう言って、身体が密着して、名前を聞かれる。この人胸でけーな。エロい。

「名前聞いてもいい?」
「悠です。」
「悠くんはホストやんないの?人気出そう。私指名するよ。」
「いや、あんまし興味なくて。」
「女にもお金にも困ってないから?」
「さぁ、どーだろ。お姉さんみたいな可愛いお客さんだけだったらホストもありかも。でもしゃべるの苦手だからな、」
「苦手なの?」
「なんか、かわいい女の子と話すと緊張する。ほら、手汗いまヤバいもん。触って。」

手のひらぎゅって握ると。

「なにそれかわいい、」

って、なんか飲む?って聞かれた。

「あんまりお酒わかんないんだけど、甘いやつがいい。」
「これとかは?」
「わかんないからそれにしようかな、」
「えー、マジで始めなよ。私が貢ぐよ?」
「貢がなくていいよ。今度一緒に飲み行こ。」

とりあえずラインだけ交換して、一緒に飲んでたんだけど。

「おい、悠。」

後ろで呼ぶ声が聞こえて、振り向く。

「こっち。」

席を開けてくれたっぽくて、立ち上がると、女の子に腕をつかまれた。

「このまま二人でもいいけど、」
「あー、うん、」

男と女ってのは難儀な生き物だ。男はヤリたいがために女の子と会話の駆け引きをするけど、女の子はその駆け引きの部分を楽しんでるんだから、ヤリたいって目的がないと途端全部面倒になる。ヤんないのに駆け引きする意味だよ意味。ゼロだろ。

「ごめん。」

なんか当たり障りない言葉を言うのも面倒で席を立った。

「邪魔した?」
「いや、全然。」
「なんかすげー俺睨まれてんだけど。」
「……蓮さんに会いに来てんだから、あの子としゃべっても意味ない。」
「ははっ、いいね。優越感半端ねーわ。こっち向いて。」

甘いキスが降ってきて、腰を抱かれた。

「っ……み、んなみて、」
「嫌?」
「俺は、いい、ですけど、」
「じゃーいいじゃん。俺もお前とイチャつくために呼び出したんだし。」

うれしすぎて多分顔赤かったと思う。先輩たちに見られてるのとか、一瞬でどうでもよくなった。抱き着いて自分からキスをすると、舌が絡んできて、ソファに押し倒される。ギラギラした目。すげー好き。

「お前、最近可愛い子みっけたってそいつか。」
「そう、死ぬほど顔面整ってから見てみ。悠、上向いて。」

するするとシャツの中に入ってきた手のひらがカリカリってニップレスを剥がしにかかる。蓮さんの手だって考えると頭の中ふわふわしてくる。場所とか人とか時間とか周りが全然見えなくなってたんだけど、誰かに髪の毛を分けられて、蓮さんじゃないおんなじぐらい顔が整った人と視線があった。

「っぁ♡……ふぁ♡ぁっ……だれ?」
「へー綺麗な顔してんなぁ。手出してねぇで店に紹介して欲しいレベルだけどな。」
「悠は女なんかより、俺の方が好きだもんな。」
「ん……好き、」

本当お前どうやってこんな可愛い子ばっか見つけてくんのとか、人数たんねぇからゲームは参加しろって言われてたり、楽しそうだなぁって頭の片隅で考えた。会話はみんなとしてるのに手だけは俺の身体に触れててぺりぺりとニップレスを剥がした。

「ぁっ……♡ひぁっ♡」

シャツを捲られて手遊びのように弄られる。

「んっ……、ンン……♡」
「いや、あの女ホテル行こうが口癖だからめんどくせぇよマジ。」
「ヤっときゃいいじゃん。喋るほうだりーよ。」
「寝顔とか撮られるとぜってー被りにバレっから。」
「お前のところメンヘラ女ばっかだからだろ、あ、樹くん一気どーぞ。」
「草。運なさすぎ。」

長い間中途半端に撫でられたりとか、摘まれて先端をとんとんとただ繰り返し押される。

「はぁっ……♡ぁっ♡」

もどかしすぎて苦しい。それでも服擦れるだけでイキそうになってる俺からしたら十分すぎる刺激で、ちょっとずつちょっとずつ快感が蓄積されてく。もうちょっと激しくして欲しいって思うのに、蓮さんの意識は嫌いな客の話に夢中になってる。

「てかお前ら悠の大学の先輩なんだっけ」
「そ、そうっす、」
「こいつ普段どんな感じ?」
「え、いや……ヤリチン?」
「……俺高校の時彼女取られました。」
「ぶっは、何、お前彼女取ったの?」

爆笑した蓮さんと視線があって。

「あれ、もう結構イキそうだね。」

ちゅってキスされて、カリって弱く引っかかれる。

「あっ……♡れん、さん……♡もどかし♡ぁっぅ♡」
「えー、でもこのままでもイケそうじゃない?」
「ぅっ……んっ♡でもっ、」
「もっとちゃんと弄って欲しいの?」

こくこくって必死に頷くのに、余計に優しく、肌をなぞるだけのように撫でられる。

「はぁ……♡っ……♡」
「悠、もう女とヤレねぇんじゃねえの?」
「え?ふっぁ♡……わかんなぃ♡」
「最近ちんこ使ってる?」

首振りながら、触ってもらってないもう片方の乳首に自分で触れようとしたら手首掴まれた。

「だめ。」
「っ……、ぅっ♡」

なんか泣けてきた。意地悪すぎるもんさ。もうちょっとだけ強くして欲しいって言ったら弱くするんだよ。自分で触ろうとしたら止められて。ぽろぽろ溢れてくる涙を蓮さんは指で拭いながら笑ってる。

「マジかわいいね。泣いちゃうの。」

って写メ取られた。

「……お前本当性癖やべーよ。」
「うるせぇな。口出すな。」
「悠くんさ、世の中全員蓮よりはいい男だかんな。」
「はぁ?余計なこと言うな。死ね。」

蓮さんが最低なことはもう確かめなくても周知の事実だし、ネットでググってもクズってしか書かれてない。それでも死ぬほど売上があってリスナーがいるんだから、こう言う人種が好きな俺みたいなのが世の中にはいっぱいいるんだろうと思う。死ぬほどセックスうまいし。

だから、いいんだ全然蓮さんがクズでも、全然いい。でも、今は会話じゃなくて俺のこと見てほしくて。必死に腕を伸ばす。蓮さんの顔をこっちに向けてキスをする。自分の身体を蓮さんの身体に押し付けて刺激を作ろうとすると蓮さんがキスを深くしてくれた。

「んぁ♡ぁっ♡ひっぁ♡ンンッ♡」
「俺の身体でオナニーしてないで、ちゃんとおねだりしてみ?」
「っ……俺のこと見て♡こっち見て、ぁっ♡ちゃんと触ってほしい♡もう、イキたい♡いじめないで……♡もどかしくてしんじゃう♡れんさんおねがい♡」
「はー最高♡勃つわ」

腰を抱かれて舌先が胸に触れる。

「っぁ……♡」

甘噛みされるとそれだけで軽くイった。

「んっぁ~~~~♡ひぁ♡あっ♡」

軽く腰が仰け反って、意識が飛びかける。気持ちよさに悶えながら、やっと触れてくれた悦びに、その快感に集中した。硬くなった舌先が先端をこりこり押し潰してくる。なんで指とおんなじ動きでも舌ってだけでこんな気持ちいいんだろう。訳わかんない。蓮さんが息を吸うためにちょっと離れると外気が冷たくてじんじんした。

「気持ちいい?」
「んっ♡きもちぃ♡ぁん♡頭ふわふわする♡」
「びくびく止まんないもんな。イキすぎてバカになんなよ?」
「っぁ♡ひぁっ♡ん……♡がんばる♡」

ふーって息を吹きかけられて、びくっと腰が跳ねるとべろっと柔らかく舐められた。

「平らなのにこんなにエロくてどーすんのお前。」

どーすんのって言われても困る。もうだって後戻りできないんでしょ。ずっと擦れないようにしないと日常生活も危ういもん。ぐっとズボンの上からちんこ押されてちょっと反応するけど。そんなの全然物足りない。それより。ずっと。

「ははっ……また許可ないと上手にイケないの?」
「ぁっ♡ンンっ♡いきたい……♡いきたい♡はぁ♡いかせてっ♡」

イケる日とイケない日があって。たまにスイッチが入ると上手にイケなくなる。軽くイクばっかで全然落ち着かない状態になって辛くなる。なんでこうなってるのか自分が一番嫌なんだけど、イケないものはイケないから。泣けてきて。そしたら蓮さんはちょっとめんどくさそうに言うのである。

「いや俺イっちゃダメなんて一言も言ってねーからな?」
「っぁ♡ぅっ……♡ごめ、なさい♡でも、ぁっ♡」
「いいよって言われないと上手にイケないの。」
「ぅっぁ♡ごめん、なさい♡ひぁっ♡あっ♡」
「はぁ……、」

小さなため息と、胸から離れる唇。耳元に一瞬息がかかって。

「ほら、イっていいよ。」

その一言で全身が脈打つ。びくびくって激しくして痙攣して、あと一歩足りなかった快感が埋まって、爆発する。直接触れられる以上の快感が脳を支配してダメにするんだ。

「っぁ!?ひぁっ♡あっ♡ンン゛♡っ~~~~♡」

蓮さんの胸に抱きついて必死に快感を逃していると頭をぐしゃぐしゃって撫でられて顔を覗かれる。

「上手にイケた?」
「っ……♡ん、イケた、気持ちよかった♡」

甘いキスが降ってきて、夢中になる。ある意味この時間が一番好きだって思うときもあるぐらい気持ちいい。あんなにクズなのにキスは甘くて優しい。ドライオーガニズム。って結局なんなんだろうって思う。

激しければいいってもんでも、優しくて甘ければいいってもんでもなくて、ため息混じりのめんどくさそうな声だったり、イったらルーティンのようのしてくれるキスだったり、腹の中に注がれるあったかい精液の感覚だったり、俺はそういうのが好きなんだと思う。冷たいのも意地悪なのも結局俺の性癖ドストライクだったのかな。

それを味わえるなら他人にどう思われても正直どうでもいいし、多分蓮さんの言うことなんでも聞くと思う。こんなところで脱がされるのも先輩にどんな姿見られるのも全然気になんない。ハメ撮り回されたって全然いい。

でも、気持ち良くしてもらってばっかりなのはなんだか申し訳なくて。ふっと俺もなんか蓮さんを気持ち良くしてあげられないだろうかと思うんのだ。

ケツにちんこ入れて前立腺ゴリゴリやられるのだけがメスイキじゃないと無自覚に教えてもらった俺は蓮さんの趣味について考えるようになった。蓮さんは超のつくドSで従順でなんでも言うこと聞くような子が好き。極端に整った美形が好き。嫌そうな顔するけど甘えられるのは全然嫌いじゃない。連絡の返信が遅い奴は嫌いだけど、逆に返信の催促とかされると途端に冷める。セックスまでの駆け引きがめんどくさくて嫌い。いっつもタバコ臭いのにタバコ吸ってる女は抱かない。ビッチも嫌い。でも処女もめんど臭い。

相当趣味がガチガチだから、セックスしまくりなのかと思いきや、萎えて女放置してホテル出ることがしょっちゅうらしい。とにかく性癖が自己中。でも人類最強にセックスがうまい。顔が最強で、手がエロくて声がエロくて舌がエロくて、ちんこは太くて長い。

女にモテモテなのもネットできゃーきゃー言われてんのも、たまらなくかっこいい。こんなのスーツ似合う人どこにいる?マジ最強。だから蓮さんにも気持ちよくなってほしい。

俺に抱きつかれたまま、テキーラのショットを飲もうとしてる蓮さんに耳打ちする。

「好き。」
「何、どうしたの。今日は甘えたがり?」
「ん……、ホント会えて嬉しかった。触ってもらえて嬉しかった。大好き。」
「……人前でヤラれんの好きなの?」

疑心暗鬼のようなそんな顔に。

「蓮さんに触られてると周りなんも見えないから全然気になんない。多分外でもイケる。」
「ふはっ……そゆこと?大好きじゃん、俺のこと。」
「だから、なんかめっちゃ好きだってなって、言ったの。蓮さんにイっていいよって言われると、言葉でイった感じして、本当気持ちいい、いつかなんも触んないでも声だけでイケるかも、」
「じゃあ俺が許可しないと一生オナ禁状態になんのも時間の問題じゃん。」
「た、たしかに、」
「ふはっ、マジウケんだけど。イっていいよって録音送ってやるか?」

適当に言った言葉でも腰がびくってなる。

「っ……♡ほんと?」
「いいよ。声だけでイケるよう練習しなよ。」
「する、嬉しい、ありがとう、」
「ありがとうなの?かわいいね。」

ちゅってキスと。

「つか、なんか勃ってきたんだけど。フェラしてくんね。」
「やったことないから、あんま、上手じゃないけど、」
「じゃあ今日は下手でも許すから次練習してきて。」

うんって頷きながら、ソファから降りて蓮さんの足の間に座る。ファスナー下げて下着を下げて手で抜きながら先走りが垂れる先端にキスをする。味はまぁおいしくはないんだけど。

太くて長い蓮さんのを下の方は手で抜きながら、少しずつ咥えていく。蓮さんが俺の乳首を舐める時のようにねっとりと唾液を使って、時々舌先を固くして筋を舐める。

「そんな下手じゃねーじゃん。」
「ほん、と?♡」

自分がされて気持ちよかったところを思い出しながら、じゅぶじゅぶと唾液で滑らしながらカリを咥えながら舐める。

「すげー気持ちよさそうなんだけど、終わったら俺にもやってよ。」
「なんでだよ」
「いーじゃん。なんも減らねぇだろ。」
「お前男無理って言ってただろうが。」
「言っとくけどお前も言ってたからな。」

蓮さんのがびくって脈打ったのを確認したら、ゆっくり唇を離して、焦らすように側面をぺろぺろと弱めに舐める。落ち着いたらもう一度咥えて、イカせる直前まで刺激して、弱めてを繰り返す。

「はぁ……♡イカせてくんねぇの?」

脳に響く甘い声。俺の方が勃ちそうになる。深く喉の奥のまで咥えて、視線をあげる。

「もうちょっと咥えて、」

これが死ぬほど苦しくて、うまく息ができない。でも喉の中に入ってくる感じが嫌じゃなくて、酸欠でふわふわするのも興奮する。苦しさに嗚咽すると、それがうまいこと蓮さんのを締め付けるっぽくて頭掴まれてぐって深く突っ込まれた。

「あー、すげー締まる♡出すよ?」

その言葉に返事をする余裕もなく、どろどろした精液を半分ぐらいは喉に直接出された。口の中が独特の苦さで充満してて、頭がふわふわする。

「まだ飲むなよ。」

小さく頷いて。

「口開けて。」

口を開けたせいでとろりと少しだけ溢れると指で拭われて口の中に戻される。

「ちゃんと噛んだら飲んでいいよ。」

何回か噛んで、ゆっくり飲み込む。全部飲み込んだ証拠に口を開けて、まだどろりと濡れてる蓮さんのを掃除するようになめる。

「苦しかったろ。」
「苦しい、けど、喉に射精されるの好きかも、」
「ははっ……味は、美味しかった?」
「……めっちゃ苦い、でも、……嬉しかった。ちゃんとイってくれて、よかった、もっと上手になる、」
「でも意外とうまいよ。マジでうまい。むしろなんでうまいの?」
「なんか、されて気持ちかったやつやった。」

へらぁって笑うと頬ふにふにされて。

「お前が女抱いてるの俺想像できないんだけど。本当にヤリチンだったの?」
「別に、ヤリチンってほどでは、ないですよ、」
「でもあいつの彼女取ったんだろ?」

笑ってる蓮さんの服を直してちょっと抱きつくとギュッてしてくれて、のろのろ隣に座った。

「それは、その子が部室で寝てた俺に、こう乗ってきて、一回だけって言われたから、」
「うわーーー!!聞きたくない聞きたくない!!」
「すいません、」
「高校も大学も10人ぐらい聞き回ったら一人はこいつに彼女取られたって言うと思いますよ。こいついれば女がハエみたいに群がってくる。」
「えー。マジか。俺の前では本性隠してんの?」

蓮さんに顔覗かれて、首を傾げた。

「別に、そんなつもりはないですけど、いや……むしろ最近やっと自分の性癖に気付きました。」
「どんな性癖?」
「えっ、」

ばっと顔が赤くなる。

「照れるとこがわかんねーんだけど、」
「わかんないですか?」
「全然分からん。」
「俺は……無理矢理されるのも虐められるのも恥ずかしいのも全部好きです。」
「あー、そういうこと、」
「……攻めるより攻められる方が好きだし、今日みたいな、ちょっと酷いなってやつも全然好き、蓮さんが好きってのもあるけど、マジで、蓮さんのする行動が、ド性癖、いっぱいいじめられたい。セックス上手い人に抱かれるとこんな気持ちいいんだって思った。女に生まれたかったって思うくらい、気持ちよすぎて、マジで孕みたかった。好き。全部好き。いくらでも酷くされたい。毎回意識失うまで抱いてほしい。絶対中出ししてほしい。跡とかいっぱいつけられたい。」
「それ俺が好きって話じゃん。」
「ん……、好き。」

ふってくるキスを受け入れて、顔見られるのが恥ずかしいから抱きついた。

「いや、俺はあれだわ。本当に顔面がタイプ。」

そんなところが好きなんですよ。理解してもらえない気がするけど。ちょっと疲れたから、抱きついたままバーで寝た。なんだかんだそのままの体勢で飲んでてくれたみたいで起きたら、寝過ぎなって笑われた。マジ好き。

一緒のタクシーに乗って帰った。蓮さんの家に着くまでの間。散々尻の中に指入れられて、2回くらいイった。腰支えられながら部屋に入って、へたり込んだ俺に。

「疲れた?」
「ん……声出せないの辛い、」
「でも興奮するくない?」
「……する、」

腕引っ張られて抱っこされる。

「いっぱい慣らしたんだから、ちゃんとセックスしないとね。」
「する、いっぱいする……♡」
「なんだっけ。中出ししまくって意識飛ぶまでヤって孕ませて欲しいんだっけ?」
「っ……♡そう、です♡」

ベッドの上で下ろされてぐちょぐちょの下半身を脱がされると笑われた。

「悠の匂いしかしないね。今日何回イった?」
「わ、かんない。」
「でもフェラしながら甘イキしてたもんね。」
「ん……した。キスされてる時も何回か軽くイった、下着ぐちょぐちょで気持ち悪い。」
「洗濯したみたいにびちゃびちゃ。」

床に投げられると濡れた音がして、足を上げられる。

「悠今度ここらへんの毛脱毛しようよ。」
「へ、あ、わかりました。」
「そしたら舐めてあげるから。」
「っ……♡」
「ひくひくしてる。期待した?」

コクリ。小さくうなずく。この体勢にされたら、もう頭の中は期待しかなくて、蓮さんのが入ってくるのを今か今かと待ち望んでる。入口に触れると、くぱぁって密着して、もう離したくないってのが、身体全体の意思みたいだった。

「ぁっ♡ひぁっぁっ♡いっちゃ♡いくっ♡」

もうすでに日の出が見えるぐらいの時間で、つまり1時30分から朝方までいろんな形でじらされまくった俺の身体は入れられただけびくんと大きく身体がのけぞった。前立腺にも到達しないで、カリを中に受け入れただけでイクって思った瞬間。

「悠。まだ駄目だ。我慢。」

訳が分からなかった。

「ッーーーー♡や、やらっ♡やらっ♡やだっ♡っぁ♡だめっ、むり♡いかせてっ♡おかしくなっちゃ♡」

ボロボロってこぼれた涙に、蓮さんは砕けたみたいに笑って。

「もうイキすぎて、中敏感になりまくってるから、辛いだろ?ちょっと休憩だよ。」
「やだっ♡ぁっ♡ひぁっ♡いきたい♡やらっ♡」

イケないほうが辛いに決まってる。快感が永遠で終わりがなくて、ずっと腹の中が痙攣する。蓮さんのを締め付けて緩められない、筋肉が麻痺してくる。快感で脳みそがおかしくなる。怖い。怖い。怖い。するすると涙拭われて。でも視界に入った蕩けたみたいな笑顔が、心臓の鼓動を早くする。蓮さんが幸せそうでうれしい。

「その間に、入れてやるから、ほら、中ちょっと緩めて。深呼吸して。」
「む、むり♡ゆるめらんなぃ♡ごめ、なさぃ♡だめっ♡息すえない♡」
「悠さ。この前だめとか無理とか言うなって言ったよな。」
「っ……、ご、めなさい、」
「抜く?」

それだけは嫌だ。

「も、いわないっ、ゆるして、」
「はぁ、じゃあ、まず息吸って。俺と一緒にね。」

蓮さんの胸が上下するのと同時に無理に酸素を取り込む。その瞬間、蓮さんのが中に入り込んできて、意識が飛んだ。

「っぁーーーー!?♡っーーーーー♡ひ゛ぁ♡ぁ゛♡」
「悠、意識飛ばしたらもったいないよ。」

弱く頬を叩かれて。

「戻って来いって。」
「ぁっ♡ひぁっん♡ンン゛ぁ♡」
「イケないのそんなヤバい?」
「ぁっ♡あ゛っぁ♡やばいっ♡しんじゃう♡きもちよすぎて♡ぁん♡しんじゃうっ♡」
「でもお前こういうのが好きなんだろ?」

そう。ホント。マジ。すげー好きなんだ。あのいつも人を馬鹿にしたような蓮さんの顔が少し高揚して楽しそうで。がちがちに勃起したのに無理に暴かれて。イケないのに脳の中はもう何百回もイってるくらい幸せで。気持ち良すぎて怖いのに、意識飛ぶぐらいヤバいのに、蓮さんが好きだって言葉で全身ぐちゃぐちゃ。この人に頭おかしくして欲しい。

「好き♡すきっ♡ひぁっ♡蓮さんがすき♡ぁっ♡大好き♡」
「ふはっ♡お前もう全然会話できねーじゃん。俺が好きってことしか考えらんなくなってんの?」
「あ゛っん♡ひぁっ♡すき♡れんさんと♡せっくすしてりゅ♡しあわせ♡」

やっとやっと奥まで入って、頭の中うまく考えられないって思いながら、腕を伸ばすと少し首を下げてくれて、抱き着かせてくれる。こめかみのところにキスされて、瞼の上にキスされる。

「好きなの。」
「ん……♡好き、ぜんぶすき♡」

お礼に蓮さんにも同じところにキスをして、最後に唇にキスしようとして。その前に低い声が、響く。

「いっぱいイっていいよ。上手に孕めよ。」
「ぇぁ?♡っ゛ぁ~~~~!?♡」

大きく身体がのけぞって、身体いっぱいにイクのが続く。でも声を殺されるようにキスされて。お腹の中にあったかいのが流れてきて。快感と幸せが一気に押し寄せてくる。脳がバカになって、幸せで幸せでおかしくなった。

「んんっ……♡ンっ♡っひぁ……♡」
「ちょっと言葉だけでイキそうって意味分かったわ。」
「ぇ……?♡」
「好きって言われんのいいね。普段言われ慣れてるはずなのになんかちげーわ。」

ちゅって唇にキスされて、首筋に跡をつけるように吸い付かれる。そのあともいっぱいキスマつけてもらって、また軽くイった。でも中入ったままだからバレて笑われた。

「またイったの?」
「ん……♡イった♡」
「つか、ホントに俺の許可ないとイケないんだね。」
「……なんか、前よりひどくなってる気がする、」
「確かに。つーか、逆にイケっていったら強制的にイっちゃうってことなの?」
「ど、なんだろ。」

物は試しだって。

「目つぶって右耳に意識向けて。」
「ん……♡」
「イケ。」
「っぁ!?♡いっちゃ♡いっちゃぅ♡ぁっ~~~~~♡ひぁあっ♡ぁっ♡」

効果は抜群で、意味不明だった。訳が分かんないまま、急に快感がびくびくって襲ってきて、イってる。たらたらってちんこから情けなく精液が弱弱しく流れ落ちていた。

「ッ……マジ?すげー締まる♡」
「はぁっ……はぁっ、ぁっ……♡」
「イケたじゃん。」
「もぅ、イキすぎて死にそう、」

そして、それは俺の深刻な悩みになる。マジで、一人でイケなくなったのだ。家で、蓮さんと会わない日、普通にオナニーしようとして、前立腺弄ろうが、乳首捏ねり回そうが、イケなくて。身体が停止した。ちんこでイケなくなるってのはネットで見たから、しょうがないかぐらいに思ってたのに。

え?ヤバくない?なんで?マジで。

そして先日のセックスを思い出す。蓮さんにイクなと言われてイケなくなり、何でもないところでイケといわれて強制的にイったあの時間。なんとなしの平日のゲーム中、ふっと蓮さんに悩みを打ち明けた。そしたら。ふざけて。

「華の大学生がオナ禁なんて、面白過ぎるだろ。ほらイっていいよ。」

って笑いながら言われて、エペ(APEXの略:FPSゲーム)って3人ペアで通話しながらやることが多いから、もう一人の人の前で喘ぐわけにいかないじゃん。てか、俺も自分の身体がびっくりで、ゲーム中、全然エロい事の一つも考えていないその時間に、イクとか思ってないからさ。慌てて通話をミュートにした。

「っ……♡はぁ……マジか、」

マジで悩みはたぶん深刻だ。でも、蓮さんに送ってもらった「イっていいよ」という声が俺の救いになった。練習とかいらねぇじゃん。声だけで余裕でイケるようになってしまった。つか、蓮さんの許可がないともはやイケない。

だから試すことにした。蓮さんが休みの日、夜に配信をしてたから、ベッドで寝っ転がって、自分に簡易の手錠をする。簡単に外れるけど無意識で触ったりしないようにするためのもの。一切自分の身体は触らない。

「なんか今日、久しぶりに休みだったからさ、買い物行ったんだよ。したら、中学の時の同級生が店員でさ、最近なにやってんのって言ったら、結婚するんだって話されてさ。俺らもそんな歳かーって思ったんだよね。」

ゲームの待機画面での会話。蓮さんの日常会話が聞こえる途中で。

ーーイっていいよ。

そんな声が、ダブって聞こえる。びくん。

「ぁっ♡んぁっ……♡いく……♡」

触りたい。乳首とか、中に指入れて、前立腺弄りたい。けど。なんか。それとも違う。気持ちよさがあって。

「そっちの建物敵いる。」
「了解です。」
「こっち、ボルトあるよ。」
「マジ、俺欲しい。弾ある?」
「バックパックあります。」

ーーイっていいよ。

「っ゛~~~♡やばい、ぁっ♡たまんない♡」

もう、死ぬほどイキまくった。オナニー最高だわって、ベッドのシーツぐっちゃぐちゃにした。さすがに最後に指入れて前立腺弄ってイきまくったけど、それ以上にドハマった。それが馬鹿だった。マジで何にも先のことなんて考えていなかった。俺がこの2週間でやったことと言えば、フェラの練習と脱毛の予約くらいだった。あと大学の授業中、イヤフォンつけて、蓮さんの声でオナった。スリルヤバかった。最高だった。

毎週のように会う時もあれば、2週間くらい会わないときもあって、あのセックスの日以来2週間ぶりに会おうってなった日のこと。

「お、その服着てきたの?いーじゃん。」

蓮さんが買ってくれた服を着てったのはいいが、俺は、蓮さんの声聞いた瞬間、最近は勃起しないでイクことばっかだったちんこが、久々にめちゃくちゃ勃起した。困惑。そしてさすがに蓮さんも困惑した。

「え、なんでしゃがみこむの。びびんだけど、」
「い、いや、その、」

そして、渋谷のハチ公の前で説明するわけにもいかず、近場の喫煙所で、蓮さんにタバコ吹っ掛けられながら、蚊の鳴くような声で、顔面真っ赤にしてこの2週間のことを話した。さすがに恥ずかしかった。毎日、何時間も、大学でも、四六時中時間あれば貴方の声聞いてオナってました。って。恥ずかしくて死ぬってわけじゃないけど、さすがにそのせいで声聞いただけで勃起して、立てなくなりましたは、ちょっと恥ずかしかった。

蓮さんはクソほど爆笑した。

「いや、ホント相変わらずお前可愛いね。」

額にキスされて、その間も蓮さんはくすくす笑ってる。

「ここでもイっちゃうの?」
「ぜ、絶対イっちゃうから、やめて、」

また爆笑。逃げようとして、逃げられるわけなく、ぐって腰抱かれて、耳元に唇がくっつく。だめ。まじ。ほんと、

「真昼間の野外で、こんな人だらけの渋谷で、恥ずかしくねーの?」
「っ……♡」
「あ、俺にヤラれるんだったら、外でもいいんだっけお前。」
「ぁっ……♡」
「ちゃんと俺が見ててやるから、上手にイってごらん。」
「っ~~~~♡ぁっ♡ン゛ンっ♡ん~~~♡」

必死に口元に手当てて、しゃがみこんで、びくびく肩を震わせる。生の声ヤバい、息耳にかかった。エロい。非じゃない。たまんない。脳みそ飛ぶ。でも蓮さんと言えばクソほど爆笑してて。しゃがみこんだ俺のズボンをぐちゃっと触った。

「マジでイくじゃん、」
「だ、だから言ったじゃないですか、」
「バカなのお前、偏差値いくつの大学に通ってんだよ。」

確か77くらいあった気がする。最近勉強全然してない。いや元から勉強したことなかった。ゲームやめてオナニーしてるだけだ。

「ホントマジ、どうしよう、蓮さん。」

縋るような目を向けたら。

「どうするつってもなぁ、それ俺がわりーの?」
「……いや、これは、全然、蓮さんは悪くないです、」
「そしてお前はなんでちょっと距離とんだよ。」

グって腕を引かれる。びくり。

「な、なんか、蓮さんって、ちょっと耳元で話す癖あるじゃないですか。」

多分職業柄ってやつなんだと思う。女の子扱いされてるわけじゃない。でも、こうちょっと、話すとき一瞬距離を近づけて耳の近くで話すんだ。それが。それが今の俺には。

「それが、今の俺にはキツいっていうか、」
「そんな状態でヤレんですか先輩。」
「セックスは誘ってもらえるなら毎日でもヤリに行きます、だから今は離れ」
「無理。」

腕引っ張られて服屋に連れていかれる。最近蓮さんは日常生活でも可愛がってくれてて、飯連れてってくれたり、配信出してくれたり、服買ってくれたり、自分の好みの服を着せ替え人形のように俺に着せて楽しそうにしてる時もある。大体目ん玉飛び出そうなほどの高級ブランドで、でも着てくると嬉しそうにしてくれる。てか、俺の古着ユニクロGUの3点セット人生を考えれば、選択肢など明らかである。

でも俺の脳みそは蓮さん=俺の欲望のすべてだから、蓮さんに会うともうなんかふわふわする。麻薬うたれたみたいに、幸せで脳みそ働かない。それが最初は感情だけだったのに、身体もそうなってきて、ここまでくるとちょっと不便だ。

「やっぱLのほうがいいな。」
「あー、なんでお前そんな服とっとけって言うのかと思ったらその子に着せたかったのか。」
「そう、似合うべ。」

へらっとうれしそうに笑って、俺の雑にワックスで整えた頭をぐしゃってする。エロいことするときに女傷つけるのはさすがにアレだからってよくハンドクリームを塗ってる手のひらはすべすべでエロい。

「うし、着て来い。」

選択肢もなく試着室に入れられて、服を着て。

「ん。かわいいじゃん。」

そう褒められる。かっこいいなんて一回も言われたことはない。普段はかわいいなんて言われたことないのに、蓮さんは俺をかわいいとしか言わない。

「こういうのはお前普段着るの?」
「GUと親友かましてたんで、蓮さんが似合うっていうなら、なんでも喜んで着ます。」

かわいいって。大学生の成人間近の男に言う言葉としては誉め言葉なのか分からないけど、蓮さんに繰り返し言われるようになって好きになった。かっこいいって言われるより、かわいいって言われたいって思うようになって。

「そう?実際不細工が着るブランドよりイケメンが着るGUだと思うけどね。お前は何でも似合うよ。様になる。」
「そ、ですか?」

指先で毛先をいじられて。

「マジかわいい。」

JKみたいな言い方にちょっと笑った。両手が顔をこめかみのあたりに触れて目頭を指先でなぞられる。

「かわいくてしゃーない。」
「ん、へへ、俺も、蓮さんのこと好きです、」
「ふはっ、ん、知ってる」
「すげー好き。」

瞼の上にキスしてくれてふわって離れる。

「とりあえずこれとこれ。」
「はいよ。随分メロメロだな。」
「可愛いっしょ。最近本当お気に入りなんだよね。」
「人形みたいに綺麗な顔してる。同業?」
「いや、ただの大学生。」
「配信のほう?」
「まぁ、ゲームもよくするけどな。うめーよ。プロチーム入ってんだっけ?」
「一応ですけどね、そんな別に、めちゃくちゃうまいってわけじゃ、」
「自論だけどプレデター帯(ゲーム内の一番強いランク帯のこと)はプロかニートだと思ってる。」
「……ニートだって言ってます?」
「お前大学行ってんの?」
「い、行ってますよ、」
「あぁ、授業中オナってんだっけ?」
「流石にそれは毎日じゃないですよ!?」
「とりあえず最近絡んでるやつでは一番うまいわ。」
「マジ?今度やろーよ。教えて。」
「全然、俺でよければ。」
「ラインは?」
「えっと、」

パッと腕を掴まれる。

「Discord(本名を使わず複数人で通話や会議はできるソフト)でいいんじゃね?」
「あー、そっちの方がいいか。これです。」
「蓮が過保護してんの笑うんだけど。」
「うっせ。あんまライン教えんのやめとけ。」
「そー、なんっすか。」
「男はまぁいいけど女は警戒しといたほうがいい。マジめんどくせーから。」
「こいつ高校の時の6股を2年くらい前に晒されて相手の女半分も名前覚えてなくて死ぬほど炎上してたからな。マジウケる。」
「え、そーなんですか?」
「YouTubeググったら死ぬほど出てくる。忘れた頃に晒されると知らねぇよってなるマジ。まぁ炎上しても謝れば2、3ヶ月で治まっから。どーってことねぇよ。」
「慣れがハンパないっすね。」
「別に晒してる側も知り合いだし。ネタだよネタ。まず人が来ないとリスナー増やすもクソもねーからな。炎上もラッキーぐらいでいいんだよ。」

蓮さんの自論に店の人はマジウケるって笑ってた。そういうもんなのかな。よくわかんないけど、蓮さんがいいならいいか。って、昼飯食いながらネットググったら蓮さんの6股相手は錚々たるメンバーだった。

モデルに女優に教育実習生にキャバ嬢etc…どんな人生歩んでたら高校時代にこの手の女に手出せるのか聞きたかった。

「え、どうやって出会ったんですか、」
「年齢詐称してホスト始めてたからな。」
「なんでバレたんですか。」
「そん中に客として続いてる奴が結構いて、なんか知らないうちにお互い知り合って、当時のことバレて晒し系の配信者に情報流された。」

なんていうかこう。生きてる世界が違うとはこういうことだと思った。

「大変っすね。」
「陳腐な感想だなおい。」
「いや、次元が違すぎて。」
「大学の10人に1人の彼女取ってる人に言われたくないね。」
「取ってないですよ……、誘われて、することないときとかだけですし、彼氏いるなんて知らなかったですし、」
「お前も十分タチ悪いだろ。」

向かい合った席で頬をぶちゅって押しつぶされた。

「てかもう、女の子に勃たない気がしますけどね、」
「まぁ俺の許可ないとイケない状態だとセックスどころじゃねーよな。」
「……それなぁ、」

今日の昼は焼肉で聞いたこともない部位を皿に入れられてうまいうまいって食べてる。

「俺に捨てられたら死んじゃうね。」
「死んじゃう、捨てないで蓮さん、」

素直にお願いすると頭ぐしゃぐしゃって。

「……俺は最近周りから見てもお前のことばっからしいから当分は心配しなくていいんじゃない?」

いや、デレじゃん。デレ、じゃん!?普通に嬉しくてにやけた。抱きつきたかったけど机があって無理だった。ぐしゃぐしゃってしてきた手を掴んでキスした。油ついたって怒られたけど笑ってくれた。こんな幸せでバチあたるんじゃねって、なった、

焼肉も食べ終わって、なぜか盛り上がってゲーセンでプリクラを撮った、そのままマリカをして、外暗ってリアクションしたころに、蓮さんの携帯が鳴った。何か適当に返事した蓮さんが、すげーめんどくさそうに。

「一瞬店寄ってもいい?」
「全然、いいですけど、」
「今日締め日なんだけどさ。」

そもそも店いなくていいんですか。という言葉は飲み込んだ。

「なんか、一瞬でいいから顔だけ見せろって、そしたら売掛払うって、そもそもてめーが使った金だろっつの、くっそムカつくんだけど、マジゴミ女。」

30秒前までの機嫌の良さはもう欠片もなかった。

「あのクソメンヘラ女、ラインもうぜぇし、〇〇くんは誕生日ラインくれたよって言われたんだよこの前。じゃあ、担当変えればって感じじゃね?」
「そ、ですね。」
「てめぇなんかの売り上げなくてもこっちはなんの支障もねぇっつの。」

ガンッゲームの台を叩く音がして、ため息をついて。

「はぁ……行くかぁ、」

諦めが付いたようにゲーセンを出て、タクシーに乗った。その間も、蓮さんは結構、いやめちゃくちゃ不機嫌で、なんとなく蓮さんの手を握った。指を一本一本繋ぐ恋人つなぎってやつ。

「どーしたの。」
「いや、えっと、今日は楽しかったですね。」
「そう?」
「これ、見てください。」

インスタに今日撮ったプリクラを載せた。締め日にね。独り占めした。って書いた。

「今日、蓮さんを独り占めしたとか、優越感ヤバい。」
「そうだよ。お前に独り占めされたかったわ、最悪、」

肩に頭がぐだって乗って。

「機嫌取ろうとしてる?」
「え、いや、」
「下手糞なぁ、もっとエロいの頼むよ。」
「エロ、いの。い、いくらもヤリたいんですけど、どーしたら、あ、フェラ練習したの見てほしいです。」
「ぶはっ、勉強かよ。いや、いくらでも見っけど。もう店付くよ。」
「あ、え、どしよ、」
「エロいのは家帰ったら頼むから、今は癒してくださいよ。」
「癒し!?」

それこそどうすればいいの!?おっぱいないし身体固いしマジでどすればって、思ってるうちに、首筋に顔うずめられて、匂いかがれて、びくっとなる。

「あげた香水使った?」
「毎日使ってます、いい匂いだって言われて、」
「お前っぽい匂いだろ。」
「でもあの、俺も蓮さんと同じ奴は似合わないですかね?」
「ジバンシイ?」
「そうです、いや、あの、蓮さんの匂いが単純に好きなだけなんですけど、」
「これ?」

薄いバックから香水を取り出して少しだけ振りかけてくれる。

「……いや、なんか勃ちそうだからやめときます。」
「草。悠くんは俺が触るだけで勃っちゃうんだもんね。」
「そ、その言い方やめてもらえます?」

首筋に触れる唇が、ちゅって吸い付いて、多分跡をつけられる。あぁ、だめだ。感じる。

「っ……、あの、」
「そういやここつけてなかったなと思ってさ。あ、こっちも、」
「ほ、ホントに勃つから、……んっ♡」
「ちょっとちょっかい出しただけで勃ちゃうの深刻じゃん。」
「それ以上に深刻な問題だらけですよ……、マジで、声ないとイケないのはどうにかしないと、」
「どうにかすんの?嫌?」
「い、や、じゃないですけど、」

マジで気持ちいけど、でも。

「蓮さんに飽きられたら俺客になりますよ、」
「イカせてもらうために店くんの?マジ笑うんだけど、エロいことする店じゃねーから。」
「だ、だから治さないと、」
「いーじゃん。当分飽きねーって。」
「今治さないともっと深刻になりますよ、絶対、今も毎日蓮さんのこと考えてるのに、」
「ふはっ、エロいことばっかり?」
「え、いや、いろいろ。」
「いろいろって何。エロいこと以外は何考えんの。」
「え、」

途端、顔が熱くなる。

「……い、いろいろです、」
「いや教えろよ。機嫌治したいんだろ?」
「こんなので、機嫌治るわけ、」
「現にだいぶ回復した。」
「っ……、なんか、朝、抱きしめられて起きるのとか、頭ぐしゃぐしゃってされるやつとか、かわいーって言われるのとか、何してんのって腰抱かれんのとか、全部、よく思い出しますよ、」
「かわいいって言われんの嫌じゃねーの?」
「違和感、みたいなのはあったんですけど、最近、好きです、」
「かわいーね。」

耳元でぞくぞくってして身体がびくつく。

「っ……♡」
「なぁ、悠。」
「は、はい、」
「好きって言って。」
「え?……す、好きです。」
「もっと。」
「今日も、あの、世界一かっこよくて、好きです。朝、会った瞬間に本物かっこよすぎてびっくりして、たばこ顔面に吹っ掛けられたのも好き、イカされていじめられたのも好き、ゲームするとき楽しそうなのかわいいし、配信も仕事もそつなくこなすのに裏では愚痴ばっかりなのも可愛くて好き、最近、エロいこと以外でも、蓮さんのことばっかりで、全部好き、でも、焼肉屋で俺ばっかりって言ってくれたの、うれしくて死んだ、好き、」
「俺も、お前に好きって言われるの好き。」
「っ……、よ、よかったです、」
「いっぱい言って。」
「溢れて止まらないので、言えるのうれしいです、」
「ははっ、かわいいね。ホント、かわいい。」

甘いキスが、好きで、好きで、しょうがなかった。可愛いねって言われるのうれしくて。首に抱き着いて必死にキスに応じた。そんなことしてたら、店の近くについて。

「……まぁ、頑張るわ、」
「やる気でました?」
「いややる気はでてねぇけど、仕方ないという踏ん切りは付いた。」

そんなため息のような蓮さんの声に被さる高めの女性の声。

「あ、蓮ッ!!休みなのにホントに来てくれたの!?普段絶対来ないのに、え、まって、超うれしい、」
「事務所で待ってて、」
「了解です。」

腰から手が離れて。

「由美さんが会いたいって言ったらどこでも行くよ。顔見れてすげーうれしい。」

営業スマイルも正直嫌いじゃないからちょっと見て居たいような気分でもあった。バチバチに気合の入った蓮さんもかっこよくて好きだって、あの時いえばよかったなって思った。ボーイの人にも蓮さんの連れだという認知があるのでそそーっと事務所のほうに行ったら、あの日蓮さんと飲んでいたナンバー1兼オーナーがいた。

「あ、お疲れ様です。」
「おつかれい。蓮とデート?」
「デートというか、まぁ、遊んでました。」
「最近、嫌な客に会うたびに、悠に会いたいってぼやいてるよあいつ。」
「え、……うれしいです、」
「ぶはっ、相変わらず素直だね。ちょっとめんどくさい客だから、1時間ぐらいは覚悟しときなね。ごめんね。せっかくのデートなのに。」
「全然、大丈夫です。」
「じゃあ俺ホール戻るから。あと、ホスト興味あったらうちきなね。絶対売れるから。」

最近会うたびにホストになろうと言われる。俺が蓮さんに触られて喘ぎまくってたの見てたのにそんなのは全然気にしないらしかった。ありがとうございますと小さくお礼を言ってYouTube見て時間を潰すことにした。

2,30分たって、誰かが事務所に入ってくる。

「あれ、お前、蓮の、」
「えっと、こんばんは。」
「なにしてんの?」
「蓮さん待ってて、」
「アイツなら当分戻れねぇよ。太客が締め日に来てくれたってシャンパンおろしまくってる。」
「あー、まぁ、しょうがないですね。」

ってスマホ画面をもう一度見ようとして、なぜかとなり座られた。

「お前暇ならさ。」
「え、はい、」
「フェラしてよ。」
「え、いや、え?」
「この前蓮にしてただろ。それだよ。」
「な、なんでですか。」
「なんで?あんなの見せつけられて忘れられないだろーが。ヤラせろって言わないだけマシだろ。」
「いや、でも、」
「いーからさっさとヤレよ。」

髪を一瞬掴まれて、ぱっと振り払うと、相手はめちゃくちゃ怒った。

「は?蓮と寝るような奴がなに純情ぶってんだよ。ふざけんな。あ、それとも自分が気持ち良くなれない行為は嫌か?どーせ今日も蓮とヤってきてすぐ入れられるんだろ?仕方ないから入れて」

なんだこいつうざ。

「あんたはタイプじゃないから無理。」
「あぁ!?」
「そもそも男に抱かれるとか、9割無理、触んなキモい」

パッと赤くなった顔が怒りに染まって腕振り上げるから受け止める。こちとら彼女取ったってどんだけ男に殴られかけてると思うんだ。

「てめぇ蓮の連れだから調子に」
「乗ってないですし、貴方に絡まれなかったらこうして暴れてることもない。」

殴られそうな腕を掴んでソファの上に押し倒す。

「あぁ……、抱いても男としても快楽しか味わえないですよ。俺があんたの世界変えてあげましょうか。」
「ッ……、いや、」
「大丈夫です。蓮さんみたくは上手くないかもしれないですけど、高校の時は毎週違う女とヤってたので、下手ってことは無いと思います。」
「冗談だ、冗談だから、上に乗るのやめ、」

薄いシャツの上、腰をなぞって服の上から胸の位置を確かめる。

「女の子は胸に脂肪が多いから感度で限度があるんですけど、男は際限ないですよ。」

ぷつりぷつりと外して優しく撫でる。

「胸なんて感じるわけ、」
「感じますよ。想像して、ここには性器のように神経が集中してて、大切なのは認知の差です。触られたら気持ちいいんだって、考えてください。」
「っ……♡」
「ははっ、すげー上手。才能ありますよ。可愛い。」

頭を撫でるとその目は期待に染まってた。ムカつくと思っていたこの人も存外可愛い人なのかもしれないって、考えたときである。ガチャって事務所の扉が開く音がする。その人物といえば蓮さんである。

「悠、帰ろーぜ……えっと、どういう状況?」
「いや、」

ぱっと男の身体から降りて思う。俺が襲ってるように見えるくないかと。数回瞬きして説明する。今まであったことを。

「草。」

頭ポンポンされながらゲラゲラ笑った蓮さんは相手の男に一発ガンと蹴りを入れて、

「調子乗んなよ。」

また笑った。怖って思った。帰り道。

「どっか触られた?」
「いや、全然。触られて無いですよ。」
「ならいいけど、別に女はいいけどね。男はちょっとやだね。」

肩らへんの服の匂いを嗅がれる。

「他のやつの匂いすんのとか気分悪い。全部俺の好きなようにしてたのに、入り込んでくんなっつの。」

蓮さんの通ってる美容室に連れてかれて、蓮さんが買ってくれた服を着て、靴を履いて、香水をつけて、蓮さんに連れて行かれた飯を食って。蓮さんの言われるがままで。

「俺も蓮さん以外に触られるの嫌です、そもそもあんま男好きじゃ無いし、」
「俺らは俺らの中で完結してんだからちょっかい出して来んなって感じだよな。」

コクリ。頷くといろんなところキスされて。蓮さんも少し女物の香水の匂いがした。

「蓮さんに触って欲しくて色々やってただけで他の人に好かれても意味ないし。」
「俺のためだけのえっちな身体だもんね。」
「ちゃんと蓮さん以外には反応しないですよ俺。」
「可愛いじゃん。浮気できない身体にしとけよ。」

ん。って少し照れくさくなりながら返事した。しないよ。興味ないもんって。頭の中で呟いてた。家着いて、流石に一日遊んだから風呂入ろって話になって、服脱がされながら身体にキスされる。

「んっ……♡」
「跡ちょっと薄くなっちゃってんな。」
「ん……寂しいからいっぱいつけてほしい、」
「跡つけられんの好きなの?」
「すき……、見えるとこつけて♡」
「ははっ、エロいなぁ。また他のやつに誘われるよ?」

ぺりぺりって剥がした乳首のニップレスが少し蒸れて柔らかくなっててヒリヒリする。ちゅってキスされて。

「ぁっ……♡」

舐められると敏感になってたから最強に気持ちよかった。

「気持ちいい?」
「んっ……♡気持ちいぃ♡」

頭をすりって撫でられて心地よさに目を瞑る。よたよたしながら蓮さんの服も脱がしてたんだけど、ふらふらし出した俺にぱぱっと蓮さんは自分で服を脱いでしまって。

「あ、そういえば、ここ剃ったの?」

ってニヤッとした笑いを浮かべた。剃ったていうかちゃんと脱毛通い出した。

「赤ちゃんみたいですよ、マジで」

毛がないと楽な面もあるけどそうじゃない面も多くて、外でイったりすると、それこそ今日みたいに下着びちょびちょになる。とろとろと糸引きながら下着を下げると。

「うわ、たまんねぇ。」

って臍のあたりにキスされた。

「脱毛してくれる人女の子だからちょっと恥ずかしいですけどね、」
「なんだその今にもエロ展開になりそうなシチュエーション。」
「いや、地味に痛くて悶えますよ。」
「マジ?いやでもすげーいいじゃん、」

って毛のなくなった部分に触れられる。ぴくり。今まで毛があって触れられたことのないところって微妙に敏感で、へんな感じがする。

「風呂場でよく見せてよ。」

って腕引かれて、全身鏡の前で足開かされる。すっげー明るい風呂場。ツルツルの自分の性器。蓮さんの足の間に挟まれて。謎プレイが始まる。

「保健体育の時間さ。男女分けられてオナニーのやり方習ったの覚えてる?」

覚えているような、覚えていないような。

「ちんこ扱くんだよってわかるだろって言われた記憶が、ありますけど、」

言われた言葉を真似るようにその日はなぜか蓮さんの右手にちんこが包まれた。一定の硬さになるまで亀頭弄られたりカリなぞられたりしてびくってなってたんだけど。

「朝1あった時はあんなガチガチだったのに全然ダメだね。」

そもそも最近あんま勃起っていう勃起しないんだよ俺。今日は蓮さんに会って盛大に勃起してむしろ俺がびっくりしたわけで。

「んっ……はぁ♡」
「悠くん、家でオナニーする時どうしてるの?不感症じゃないかって先生心配なんだけど。」

蓮さんは保健の先生の設定なのかただの変態の設定なのか意味不明なキャラで俺の尿道の先っぽをぐりぐりしてくる。気持ちいい気持ちいけど。

「おれ、おんなのこだから……んっ♡ちんこじゃイケない♡」
「え。でもこれちんこちゃんとついてるくない?」
「はぁっ……勃起しないからっ♡ちんこじゃないの、」
「あぁ確かに、じゃあ悠くんはここは触んないの?」
「ん……♡さわんなぃ♡」

ノリに乗ってくるとこういうのも楽しいわけで、もう俺もすげーノリノリだった。たらたら先走り垂らして今か今かと待ってるし、俺の腰の下で蓮さんのもバチバチに勃起してるのに、こんなくだらないやり取りして。馬鹿っぽくて好き。入れられたいしフェラしたい。でも楽しい。

「女の子ってことはおまんこついてるの?」
「ん、ついてる♡」
「えーどこ。先生に見せて。」
「ま、ってね、」

足をもう少しだけ広げて、蓮さんの手に自分の手を重ねて誘導する。鏡に自分のを移しながら移動させて、人差し指をちょんと触れ出せる。

「はぁっ……ぁっ♡」
「あぁ、本当だ。すげーエロい。ひくひくしまくってちょっと触っただけで指咥え込んでる。これはまんこだね。」
「んっ……♡先生のちんこ……っぁ♡入れるためにあるの♡」
「ノリノリじゃん。」
「のりのり、でも、蓮さんは、ぁ♡全然先生では無いと思う、」
「うっせ。ほら、ここはなんて言うんですか、悠くん。」
「っぁ♡ぁっ♡ぜ、んりつせん♡です♡」
「ゼンリツセン?なんですかそれは。」

とんとんって入ってきた指が前立腺を押してくる。2週間ぶりの蓮さんの指ヤバい。嬉しい。きゅんきゅんする。

「ひぁっ……♡お、おすと、イっちゃう♡とこ♡ぁっ♡きもちぃ♡」
「じゃあここいっぱい虐めたら悠くんはイキまくっちゃうんだね?」
「ぁっ♡ぁっ♡イケないっ……♡ごめんなさい♡イケない♡」

甘イキはできるけど、完全には達せない。びくびくって身体が揺れて痙攣する。2、3本って指が増えて刺激を激しくしてくたびに体がイキたくてびくつく。

「イキまくるスイッチのはずなのに押しても押してもイケないね。」
「ぁっ♡ひぁっ♡ごめ、なさい♡俺悪い子だからっ♡先生の許可ないとイケない♡」
「そなの?先生に“いいよ”って言われないとイケないの?」

びくん。身体が大きく跳ねて、ぎゅって中を締め付ける。

「ぁっ~~~~♡イケない♡先生おねがぃ♡イカせてっ♡お願いっ♡」

じゅぽじゅぽって生々しい音が響きながらおねだりし続けて、半べそかいた頃に、蓮さんが耳元でくすくす笑って、俺の耳たぶを加えた。

「可愛くてしゃーないわマジ。とりあえず一回イキな。」
「ンン゛ッ~~~~♡ぁっ♡イってる♡はぁっ♡」

勃起しきらないちんこからたらたらって情けなく精液が流れて。首だけ振り向かされてキスさてる。

「とろとろな。」

そのまま首にギュッて抱きついた。

「髪とか洗ってないけどどうせドロドロになるしなぁ。もうベッド行く?」

頷きながらキスしたらそのまま抱っこされて立ち上がった。びっくりする。そのままベッドに下ろされて。

「何びっくりして。」
「抱っこされたから、重くないですか……?」
「いや軽くはないけどね。全然余裕だよ。」
「ま、マジですか。すげーです。」
「そう?足上げてみ?もっとびっくりすっから。」

言われるがまま足を上げると、そこに蓮さんの顔が近づいて、ちゅって、穴にキスされて、舌がっ。

「えっ♡ひぁっ♡蓮さっん♡ひぁっ♡待って、」

焦りすぎて蓮さん顔を手のひらで押し退ける。

「ま、待って、蓮さん。」
「何。この前舐めてやるって言ったじゃん。そのために風呂入ったんだし。」
「ま、マジで、」
「嫌なの?」
「っ……♡」
「すげー期待してるように俺には見えんだけど。」
「……な、めてほしいです。」
「ん。あと、」

髪の毛ごと頭を蓮さんの方に寄せられて、耳元に唇が寄る。

「好きなだけイケよ。俺が許すから。」

その言葉がある意味俺の快楽のストッパーを解除して。

「ぁっ♡ひぁっ……♡中っ♡舌♡やばい♡ぁっ♡」

もう全部気持ちよかった。中を舌で弄られるのもヤバいし、持ち上げる手が腰を撫でるのもゾクゾクする。中の道を硬くした舌がなぞってびくびくって腰が浮く。

「こっちもちゃんと勃つかな?」

蓮さんの完璧な顔が俺ちんこに近づいてキスして。あっあっ。なんかダメだって。思うのに。ここぞって時にはめちゃめちゃちゃんと勃起すんの。

「ははっ……ちゃんと男じゃん。」
「す、ません、」
「こっちでイケっかな?」
「本当、最近使ってなくて、」

でも蓮さんはうまかった。フェラもめちゃめちゃ美味かった。おっきい熱い口が俺のを咥えて、カリ舐められるとすげー情けない声がでた。

「っはぁ……♡」

亀頭にキスされて、尿道の先にちゅって吸いつかてる。うわっ。気持ちいいヤバい。つか。死ぬほど絶景。

「れ、蓮さん」
「ん……?♡」
「撮っていいっすか、」
「ふはっ、いーよ♡」

これ。多分。世界中で俺だけが知ってる絵。死ぬほどエロくてマジで俺しか知らない世界線。ぶわーって体の奥が熱くなって。腹の下のところがマグマみたいに熱くなる。マジで激る。

「ぁっ……♡ぁっ♡イキそ♡」

マジで最近使ってなかったしイキかたわかんなくて触っても勃たなかったのに早漏と言われても情け無いくらいに簡単にイキそうになる。イケイケって押し出されるみたいに刺激されて。

「っ♡イっちゃ♡ぁっ♡ぁっ~~~♡」

その時にパッと離されて。

「うえ、にが、」
「ッ!?あっ、の、すいま、せ」
「いやいーけど。この前俺盛大に飲ませたし。ちょっと口すすいできていい?」

盛大に首振って大人しくなってもっかい謝った。

「す、すいませんマジ。」
「ちゃんとイケたじゃん。」
「本当に久々っすけど。……気持ちよかったです。」
「それはそれはよかったです。じゃあもっとね。気持ちよくなろーね。」

口をすすいだせいでちょっと冷たい蓮さんにキスされながら押し倒されて。

「撮られたしハメ撮りでもするか。」
「撮るなら俺も後でほしーです。」
「エロいハメ撮りってどーやって撮るんだろーね。」
「んっ……♡角度とかも大事そうですけどね、」
「でも素人臭いのもいーけどなぁ。入れるよ?」
「っぁ♡ん♡はい……♡」

俺のスマホ勝手に弄り出し出してカメラ向けられる。レンズと視線があって顔撮られてんだなって思った。入れられてるとこじゃなくてこっちなの。

「ぁっん♡はっ♡中……♡」
「ゆっくり入れよーね♡」
「な、んでこっち撮るんですか♡」
「俺のおかずにするために撮ってるから。ほらそろそろ、きもちーとこ。」
「ぁあっ♡ンン゛っ~~~♡れんさん、きす♡」
「キスしたいの?」
「ん……♡キスするっ♡」

蓮さんのせいでハメながらするキスが好きになった。とにかくキスされるのが好き。気持ちいいことなんだって身体に教え込まれてる。ぐんぐん中に入ってくるのを受け入れながら。

「おいで。」

自分で腕伸ばして少し身体を起き上がらせて飛びつくようにキスをする。

「んふふ、がっつきすぎ♡」
「キスすき……♡ぁっん♡はぁっ♡」
「奥挿れるよ?」
「んっ……♡あ゛っ~~~♡んぁっ♡ぁっ♡」

一番奥のところ、家で一人じゃ弄れないから、セックスの時だけ奥に入ってくる。だから一番最初ぐって入る時一瞬意識飛びそうになってぎゅって抱きつくとあやすみたいに頭なでられる。

「全部入った。」
「ん……♡」

きつく抱きついてたのを緩めて触れるだけのキスをちゅちゅって何回か繰り返す。ちょっと離れて、ゆっくりまた押し倒された。

「動いていい?」
「っぁ♡うん……♡」

ゆっくり抜き差しが始まって、ぐっぐっ、ってちょっとずつ早くなる。セックスしてるなぁっていかにもな音が部屋ん中響いて体温上がってくる。

「はっぁ♡ぁっ♡あ゛っ♡ぁっ~~~♡」

イキそうだって頭で考えた頃。

「ゆう、」
「ん……?♡ぁっ♡ど、しました?♡」
「好きってほしーんだけど。」
「っ♡好き……♡」

可愛すぎるだろって。上手く言葉にできない感情がぶわっと溢れた。甘いキスは降ってきて。

「かわいぃ……♡好きっ♡ぎゅってして♡」

ぎゅーって抱きついて。

「えへへ……♡んっ♡だいすき…♡ぁっ♡あぁっ♡イっちゃ♡すき♡っ~~~~♡」
「っ……、ん、俺も好き。」

ぶああって言われた言葉に熱が暴発した。イきながらも意味わかんなくて嬉しくていっぱいいっぱいだった。びくびくすんの落ち着いてきても嬉しいの止まんなくてずっと好きってぼやいてた。

「蓮さん、」
「ん。」
「ふへへ、えへへ、嬉しい好き。」

ぐしゃぐしゃって頭かき混ぜられてまだおわんないんだけどさ。抱きしめられてベッドに一緒に倒れ込んだ。いつものいっぱいキスするの始まって。頭ふわふわする。

もうそれから好きしか言ってなかった気がする。幸せすぎて、ちょっと記憶曖昧だった。





可愛くてしゃーない。最近マジよく言ってる。店でも家でもかわいーってぼやいてる。店の誰より人形みたいに整った顔がちゃんと人間だと証明するように欲情した顔をする。

なんで俺のことを好きになったのか正直さっぱりだがめちゃくちゃに好きらしく、従順で素直で、いつ呼び出してもすぐに来る。

「明日会うか。」

って、配信中ゲームしながら言ったら、嬉しそうに会いたいですって高揚したように返事した。知らんうちに似合いそうだなって服を買ってやったらいっつもそればっかり着てたり、高い店で食べさせるとほっぺた落ちるとかマジ顔で言ってSNSに映えない写真載せてる。

可愛くてしゃーない。

二言目には好きだってわかったよってなるけど気分は悪くなくて。へらっと笑うのがかわいくて。ゲームの話がめちゃくちゃに盛り上がって。女の話をしても笑って興味津々だから話すときになんも考えなくてよくて。

これがかわいくなくてなんだっていうんだ。

ホスト始めてから、配信始めてから、女という生き物がATMにしか見えない。仕事に紐づくセックスはどれだけ相手の技術がうまかろうと理性が切れないから、プライベートで女に連絡するけど、え、俺休みの日まで女の相手すんの?ってなってたのが、全部、悠に会って解決した。

宝石みたいに綺麗な瞳が俺だけを映す。たまらない優越感だ。

「ふへへ、えへへ、嬉しい好き。」

こいつに好きって言われると、自分の一番欲しかったものをもらえたような、そんな感覚になって。何もかも満たされる。

俺の腕の中で安心しきったような顔で寝るのが、悪くないなと思うんだから、ものすごい心境の変化だ。かわいいってすげーよ。JKがかわいいって言葉を連呼してる理由がすげーわかった。

何してもかわいいんだから意味不明だ。かわいいは最強だ。普通にこいつに触るやついなくなればいいって思うもんさ。俺なしじゃイケなくなればいいって思うし。

服も髪も頭にてっぺんから足の先まで、全部俺の色に染めて、消せなくなっちまえばいいのに。


んなこと考えながら、悠の寝顔を撮った。



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