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第4話 貴方の春を願う

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 グレースは、朝からせっせと繕い物をしていた。
 今日は週に一度のお休みで、弟も学校が休みの日なので家族全員が揃っていた。グレースは母とソファに並んで座り、繕い物の内職をして、弟はリビングの片隅で遊んでとねだる妹と一緒に積み木で遊んでいた。積み木は隣に住む大工のゴメスおじいちゃんがくれたものだ。廃材から作られたその積み木でお城を作るらしい。

「グレース、騎士団でのお仕事はどう?」

 高熱で倒れて寝込んだ時は冷や冷やしたが、きちんとしたお医者様に診てもらい、薬も良いもの飲めたためか、セリーヌは元気そうだ。

「皆さん、とても紳士的で優しくしてくださるわ」

 グレースは心からそう答えた。
 家族にも自分にもジルベール達にも、嘘を重ねているグレースだけれど、これだけは本当のことだと胸を張って言える。
 第三師団は平民だけで構成された騎士団で、口さがない人は彼らのことを粗野だとか、乱暴だとか言うけれど、グレースはそんなふうに感じたことは一度だってない。

「私がお掃除をしていると、皆さんいつも挨拶をしてくれるし、感謝の言葉をくださることもあるわ」

 第三師団の騎士たちは、グレースに「いつもありがとう」と言ってくれる。

「……騎士様だもの、男性が多いでしょう?」

「大丈夫よ、皆さん本当に紳士的で」

「そうじゃなくて、その中に良い人はいないの?」

 心配そうにセリーヌが言った。
 十代後半が結婚適齢期のこの国で、二十歳になった娘を母は心配しているのだろう。

「騎士様なんて恐れ多いわ」

 グレースみたいな嫁き遅れの娘では、相手に失礼だという言葉は飲み込んだ。これ以上、母を落ち込ませたくない。母は自分が働けないせいで、グレースが働きづめなのも、恋人を作らないのも、自分のせいだと心配ばかりしているのだ。

「でもあなた、このままじゃ……」

「大丈夫だよ!」

 積み木で遊んでいたロビンが声を上げた。
 グレースとセリーヌは、どうしたの、とロビンに顔を向ける。

「オレがもっと大きくなって、立派な仕事に就いて、オレがお姉ちゃんもお母さんもミシェルも養ってあげる!」

 ロビンが至極真面目な顔で宣言した。
 その優しい決意が嬉しくて、グレースとセリーヌは顔を見合わせて笑い合い、ありがとう、とお礼を言った。だが、複雑なお年頃の弟は、グレースたちが自分の宣言を冗談として受け取ったと思ったのか、拗ねたように唇を尖らせた。

「オレ、本気なのに……」

「もちろんよ、ロビン。笑ったのは冗談だと思ったからじゃないわ、私もお母さんも嬉しかったのよ。ロビンのその優しさが嬉しかったの。ねえ、お母さん」

「ええ。あなたは見た目も中身も、ラウルにそっくりだわ」

「……お父さんに?」

 ロビンがおずおずとこちらにやってきた。ミシェルは我先にとやってきて、母の膝に乗る。近くにきた息子の頬をセリーヌの細い手が優しく撫でた。

「髪も目も尻尾も耳も、ラウルそっくり」

 母は愛おしそうに目を細めた。
 娘から見ても両親は仲の良い夫婦だった。いつまで経っても万年新婚夫婦と使用人たちが笑っていたのを覚えている。
 だから父が亡くなったと知らせが届いたときの母の憔悴ぶりは、すさまじかった。それでも残された我が子を守ろうと母は頑張ってくれたのだ。

「ミシェルは? ミシェルはおかあさんに?」

「あなたは、私とラウルを足した感じね。でも目の色はお父さんと同じなのよ」

 ロビンは、ぼんやりとだが覚えているそうだが、当時、まだ赤ちゃんだったミシェルには父の記憶はない。

「もし将来、ミシェルがお父さんの顔が知りたくなったら、お兄ちゃんを見ればいいわ。本当によく似ているのだから」

 母がくすくすと可笑しそうに笑った。弟と妹は顔を見合わせて首を傾げていたが。
 久しぶりの穏やかな休日にグレースは、ここのところ不安に押しつぶされそうだった心が凪いでいるのを感じた。
 だが、その穏やかな空気をほんのりと玄関からのノックの音が破る。

「オレ、見て来るよ」

 そういってロビンが止める間もなく行ってしまった。馬車の音はしなかったが、治安の良い地区ではないし、我が家にお客様なんて月に一度、家賃を徴収にくる大家さん以外は、来たためしもない。それに近所の人は我が家の誰かの名前を呼びながらドアを叩くのだ。

「私も行ってくるわ」

 心配そうなセリーヌを押しとどめ、グレースは立ち上がった。

「やあ、坊主。お姉さんはいるか?」

 だが、その瞬間、玄関から聞こえてきた聞き覚えのありすぎる声にグレースは慌ててリビングを飛び出す。
 案の定、そこにいたのはジルベールだった。

「し、師団長様……? どうされたのですか?」

「休日にすまないな。今、大丈夫だろうか」

「はい、大丈夫ですが……ロビン?」

 なぜかロビンがグレースとジルベールの間に入って、まるでグレースを庇うように立っている。

「どうしたの、ロビン」

「別に」

 とは言うものの、黒い猫の耳は後ろに伏せられて、尻尾も下がっている。誰がどう見たって警戒していた。

「この間、会ったでしょう? お姉ちゃんの職場の……」

「知ってるよ。師団長だ」

「様よ」

「……師団長様」

「別に様なんて呼ばれるようなあれじゃないから、ジルベールと呼んでくれてもいいぞ。坊主も君も」

「坊主じゃない! オレはロビンだ!」

「ロビン!」

 どうしてかジルベールに噛みつくロビンにグレースは慌てるが、ジルベールは気にした風もなく「悪い悪い、ロビンだな」と言いながら、しゃがみこんでロビンと目線の高さを合わせる。

「君の姉さんに用があるんだ。話をしてもいいかい?」

「……オレも聞いていいなら」

「かまわんよ。聞かれて困るような話じゃない」

 一体、ロビンはどうしちゃったのかしら、とグレースの頭は疑問符でいっぱいになる。素直で優しい弟らしからぬ様子にオロオロしてしまう。
 だが、ジルベールはあまり気にしていない様子で、しゃがんだままグレースを見上げた。

「君は今日、暇だろうか」

「お姉ちゃんは、暇じゃ、むがっ」

 とりあえずグレースは弟の口を手でふさいだ。

「何か緊急の用事ですか? あ、何か備品が足りなかったとか、お掃除に行き届かない点が……」

「まさか。君の仕事はいつも通り素晴らしい。今日、俺は夕方まで非番なんだが……買い物に付き合ってもらえないだろうか」

「お買い物?」

「というわけで、君の姉さんを少し借りてもいいだろうか?」

 ジルベールは、混乱するグレースをよそにロビンに許可を申し出ていた。ロビンがふがふがと何か言っている。
 ロビンの口をふさいだままだったのを思い出して、手を離す。

「……ちゃんと返すか?」

 なんて口の利き方をと諫めようとするグレースを制して、ジルベールは真っ直ぐにロビンを見つめて頷いた。

「当たり前だ」

「……なら、いいけど」

「ありがとう。というわけだ、グレース。君の時間を少し俺に貸してくれ」

 なんだかよく分からないうちにグレースは、ジルベールと出かけることになっていた。
 母に挨拶をというジルベールを玄関先に押し留め、不安そうにしていた母に「師団長様に用事を言付かったの」と説明し、最低限、身なりを整えて玄関に戻った。
 ロビンと何かを話していたらしいジルベールが立ち上がる。

「ロビン、少し出かけてくるわね。お母さんとミシェルをお願いね」

「分かった」

 なんだか拗ねている弟を不思議に思いつつ、これ以上ジルベールを待たせるわけも行かない、と弟の頭を撫でてからグレースは外へ出た。

「師団長様、お待たせしました」

「いや、こちらこそ急にすまない」

 そういって苦笑するジルベールは、見慣れた騎士服ではなく、私服姿だった。
 師団長とはいえジルベールも平民であるから、その辺にいる町の人々が着ているようなズボンにシャツ、ベストというこの国で最も見慣れた服装だった。髪型も休日だからか普段より少し緩い。でも、騎士の証のように剣だけは彼の腰にあった。
 なんだか知らない人みたい、と少しドキドキする。

「とりあえず、店の目星はつけてあるんだ」

 そういってジルベールが歩き出し、グレースも慌てて後を追う。
 住宅地を抜けて、商店街へ、さらに歩いて賑やかな表通りへと出る。
 いつも騎士団に行くのに通り過ぎるだけの表通りは、大勢の人であふれている。グレースの二歩前を歩くジルベールは目星をつけているという店へ迷いなく進んで行く。背の高い彼の一歩はグレースの二歩分はあって、人ごみの中ついて行くのは大変だった。
 表通りは華やかな女性がたくさんいた。皆、流行を取り入れたワンピースや小物を身にまとい、綺麗に化粧をしている。可愛らしいケーキのような彼女たちが、ジルベールに気づいて頬を染める。
 ふと、仕立て屋のガラスに映った自分に足が止まる。
 草臥れたブラウスとボディスに茶色のスカート。顔だって化粧っけは一つもないし、手指も毎日の仕事で荒れていて、ガサガサだ。母から受け継いだ白い髪も手入れをしている暇もないから、傷んでいる。それを飾り気もなく一つに結んだ自分の姿は、随分、みすぼらしかった。
 父が生きていたころはグレースも年頃の娘らしく流行に合わせてワンピースやドレスを新調して、母と一緒にアクセサリーを選んで、化粧を教えてもらった。手だって傷一つない綺麗な手だった。
 今の荒れた手だって家族を守ってきた証だ。後悔はない。だが、ジルベールの傍にいるには随分と不釣り合いだ。
 騎士団で仕事をしている時は良い。自分も彼も『制服』に身を包んでいるから。
 でも、それを脱いだらこんなにも違うのだ。
 今日はお休みで、気持ちを切り替える日だったのに。

「ねえ、白猫のお姉さん、ひとり?」

「うわ、こりゃ当たりじゃん」

 ふいに影が差して顔を上げれば、見知らぬ男性が二人、グレースを見下ろしていた。
 年はグレースと同じくらいだろうか。一人は剣を下げているから、冒険者かもしれない。
 辺りを見回すがジルベールの姿はない。うっかり足を止めたものだから、グレースはジルベールを見失ってしまったようだ。

「ねえねえ、俺たち今から甘いもの食べに行くんだけどさ」

「白猫ちゃんも一緒に行かない?」

「いえ、私は」

「行こうよ。俺たち奢るしさ」

 伸びてきた手に腕をとられる。振りほどこうにも、グレースの抵抗など彼らにとっては子猫のじゃれあい程度にしか効果はないようだった。

「あの、離してくださっ」

「おい、何をしている」

 地を這うような声に男たちの肩が跳ねた。
 だがすぐに、その男たちの肩に大きな手がそれぞれ置かれた。ミシミシと骨の軋む音が聞こえてきそうなほどの力が籠められているが。

「あだっ、あだだだ!」

「なっ、なにす、し、師団長さん!」

 男たちは自分の肩を砕こうとしている相手が第三師団師団長だと気づいて顔を青くする。

「彼女は俺の連れだ」

「師団長様……!」

 グレースが呼びかけると、ぱっとその手が二人の肩を離した。

「すす、す、すみませんでした……!」

「二度とこんな真似はしません!」

 男たちは潔く頭を下げると慌てて逃げて行った。
 ジルベールは「次はないからな!」と言いながら男たちに向けて舌打ちをした。
 男たちを睨みつけていたジルベールが、ぱっとグレースを振り返る。

「すまない、置いて行ってしまって」

「私が、歩くのが遅くて、申し訳ありません……っ」

 眉を下げたジルベールにグレースは深々と頭を下げた。

「いや、俺が悪い。君の歩調に合わせるべきだった。ところで大丈夫か? 腕を掴まれていたが、怪我はしなかったか?」

 伸びてきた手から逃げるように一歩下がる。

「だ、大丈夫です、本当に。申し訳ありません」

 またも頭を下げると、ジルベールは「分かった、分かったから顔を上げてくれ」と焦ったように言った。そういえば、ここは人の多い表通りで、立場ある彼に変な噂が立っては大変だと気づいて、急いで顔を上げた。ジルベールがほっと息を吐く。

「すみません……目的のお店を教えて頂けませんか? そうすればまた離れてしまっても合流できると思うので……」

「だめだ。さっきみたいなやつらがまた寄ってくるかもしれないだろう? 俺はロビンから君を預かったんだから」

 至極真面目な顔で、ジルベールは言った。

「……今日は一体、何を買う予定なのですか?」

「誕生日の贈り物だ」

 グレースは、ぐうっと胸が痛むのを感じて目を伏せた。そうですか、と返した声は、震えないようにするので精いっぱいだ。
 『ソフィア』への贈り物。あの時、グレースは断ったはずだけれど、ちゃんと伝わっていなかったのかもしれない。

「師団長様、前に申し上げた通り、私には流行は分かりませんから、きっと参考にはならないです。ですから……」

「ねぇね!」

「お姉ちゃん!」

 聞こえるはずのない妹と弟の声にグレースは顔を上げるが、それより早くミシェルがグレースのスカートに抱き着き、ロビンが先ほどの玄関の時と同じようにグレースとジルベールの間に入った。

「ミシェル? ロビン? どうしてここに?」

「お姉ちゃん、こいつに何かされたの? 泣きそうな顔してる」

 くるりと振り返ったロビンが心配そうにグレースの顔をのぞき込む。

「泣いてなんかいないわ。それよりどうしてここにいるの? お母さんに何かあったの?」

「違う! ちょっとミシェルと遊びに行こうと思って、そうしたらお姉ちゃんがいたから……」

 うるうると若草色の目を潤ませて、ロビンがグレースを見上げる。ミシェルまで同じような顔をしていて、弟と妹にめっぽう弱い自覚のあるグレースは「大丈夫よ」と微笑んで頭を撫でてあげる。

「……うってつけの人材がいたな」

 ジルベールが顎を撫でながらぽつりとつぶやいた。
 やはりなぜかロビンは警戒心もあらわにジルベールを睨みつけていて、グレースは「こら」と慌ててたしなめる。

「……ミシェル」

 ジルベールがしゃがみこむ。あまり大人の男性と関わる機会のないミシェルがびくりと肩を揺らしてグレースのスカートの陰に隠れる。ロビンがシャーっと威嚇するが、ジルベールは気にしない。

「ミシェル、君が誕生日の贈り物をもらうなら何がいい?」

「師団長様!?」

 五歳児に助言を求めるほど迷走しているのかとグレースは目を丸くする。

「ミシェルはまだ五歳で……師団長様の恋人の贈り物を選ぶなんて、とても」

「恋人ぉ!?」

 今度はジルベールが目を丸くしていた。

「だ、誰の恋人の話だ?」

「師団長様の……昨日、お手紙をくださった方ですよね、ソフィアさんって」

「…………そういえば大事なことを言い忘れていた」

 ジルベールがゆっくりと立ち上がる。ロビンがシャーシャー言っているが、グレースにはたしなめる余裕もない。ジルベールの口から直接、恋人を肯定されるのが怖いのだ。

「ソフィアは俺の――妹だ」

「へ?」

 なんとも間抜けな声が出た。

「年が離れていてな……もうすぐ五歳になるんだ。ミシェルと同じくらいだと思うんだが……」

「ミシェルはねぇ、五さいだよ」

 スカートの陰からミシェルが顔を出して、右手を広げた。短くて可愛い指で五歳だとジルベールに教えているようだ。

「こ、恋人ではない……?」

「俺に恋人はいない」

 グレースは徐々に顔が熱くなってきて、真っ赤になっているだろう顔を隠すように両手で顔を覆った。
 とんでもない盛大な勘違いだった。

「お姉ちゃん、どうしたの? 熱?」

 心配そうにこちらを見上げるロビンに「大丈夫、違うの、大丈夫」と返す。

「大丈夫か? 顔が真っ赤じゃないか、やっぱり具合が」

「本当に、なんでもないんです……っ、大丈夫です……っ、すぐ治まります……!」

 グレースは顔を手で仰ぎながら、心を落ち着けようとスカートにくっついているミシェルの頭を撫でた。妹は嬉しそうに喉を鳴らしている。
 可愛いミシェルを撫でて、そのゴロゴロと喉の鳴る音に、グレースの顔の熱もだんだんと引いてきた。

「すみません……取り乱してしまいまして」

「いや、よくわからないが、大丈夫ならいいんだ」

 ジルベールがほっとしたように言った。

「それで、ミシェルの意見を聞きたいんだが……」

「ミシェル、わかんない……」

 ミシェルは困ったように眉を下げた。

「なら、とりあえず店に行こう。現物がないと分からないよな」

 ジルベールが一人納得した。

「今度はゆっくり歩くから」

 そういって本当にゆっくり歩き出したジルベールの背をグレースはミシェルの手を取りロビンとともに追いかけたのだった。

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