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本編
第六話 降り立った男
しおりを挟む「うきゃぁぁぁあ!」
「落ち着け、一路」
「無理無理無理!! むしろ何で真尋くんはそんなに冷静なの!?」
一路の涙が上に向かって零れて行く。耳元でビュービューと鳴る風が五月蠅くて、真尋はため息交じりに「慌てても仕方がないだろう」と零す。
時限の狭間からティーンクトゥスに見送られた二人は、仲良く絶賛落下中だ。
「パラシュートも無い落下中に落ち着いてられるのは、此の世で真尋くんだけだからね!?」
一路が全力で叫んだ。
「ティーンクトゥスが大丈夫だと言っていただろう。いいか、落ち着け、猫を思い出すんだ。くるりと回転して着地すれば、衝撃は大分和らぐ」
真尋はからかい交じりに言葉を紡ぐ。いつもならそれが真尋の揶揄だと見抜く一路も流石に今はそれどころでは無い様だ。
「あのね! こんな! 上空から! 落ちたら! 人間は死ぬの!」
「一路、お前は弱虫が過ぎるぞ。見て見ろ、世界が変わっても空はこんなにも鮮やかに青い」
白い雲が際立たせる空の青さは、鮮やかで爽やかに美しい。
「僕が弱虫なんじゃなくて、真尋くんの神経が地下に埋められた水道管並に図太いだけだからね!? ああ、折角生き返ったのにまさか落下して死ぬなんて、うえぇえ、海斗兄ちゃぁぁん!」
弟に激甘だったブラコンの兄を呼び出した一路に真尋は、やれやれと肩をすくめてその首根っこを掴んで引き寄せ肩に担ぎあげた。からかうのもここまでにしておかないと、後で怒られる。
「ま、真尋くん?」
困惑に塗れた声に名前を呼ばれる。
「舌を噛まない様に歯を食い縛って俺にちゃんとしがみ付いていろ」
「へ?」
「返事は!」
「は、はい!」
一路が慌てて真尋の背中におんぶするような形でしがみついた。余程、怖いのか全力でしがみ付かれて少し苦しかった。
真尋は、肩に掛けていたロープを外しながら辺りを見回す。
眼下に広がるのは、広大な深い森だ。大きな湖があるが、森の外からこの湖に来るにはかなりの時間がかかりそうだと思えるほど森の深いとことにある湖だった。太陽に照らされて、湖面が眩い光を煌めかせている。落下している自分たちから向かって左手、東の方角には平原が広がり遥か彼方に街と思われる灰色のものが見えた。この森を出た後は、まずはあそこに向かうのが良いだろう。
ティーンクトゥスが何を思ってこの森の上に窓を開いたのかは知らないが、平原や人里でなくて本当に良かったと思う。空から降ってくるところを人に見られることほど厄介なことは無いし、大地がひび割れる程の衝撃で人里に落下すれば、それはもう天災だ。
「さて、そろそろだな」
真尋は、ロープを構えて、ふーっと息を吐きだした。一路が「真尋くん?」と不安そうに名を呼ぶのに、大丈夫だ、と返してロープを構え直し、前方よりやや下を見据える。
先ほど見つけたばかりの、己の中にある恐らく魔力を呼ばれるものをロープに流し込んでいけば、ロープは真尋の魔力を纏って淡く青色に輝いた。そして、そのロープを湖に向かってぶん投げた。錘が風を切る様にして飛んでいき、何かへと巻き付く。
「ふむ、捕まえられたようだ」
「捕まえたって何を!?」
「風だ」
「へ、あ、は? ぎゃあぁあああ!」
ぐわんと二人の体は真尋が捕まえた風を起点に宙へ漕ぎ出すブランコのように前へと押し出された。そして、真尋は落下の勢いが殺され、ふわりと宙に投げ出されたその瞬間、ロープをアイテムボックスにしまった。二人はそのまま湖に落ちる。ざっぶーんと水柱が上がった。
落下の勢いで二人は湖に沈む。先ほどまで耳元で騒いでいた風の音が今度は、気泡が上へと昇って行くくぐもった音に変わる。透明度の高い湖は、思っていたより深く、底が見えない。得体の知れない魚が泳いでいるのを横目に溺れそうな一路の腕を掴んで真尋は、水面を目指して水を蹴った。
「はあっ!」
「ぷはっ!」
水面に顔を出し、大きく息を吐きだした。
「一、大丈夫か?」
「はぁはぁはぁ……だ、大丈夫に見える?」
俯いたままの一路が呻く様に言ってばっと顔を上げる。緑の混じる琥珀色の瞳が恨めし気に真尋を睨み付ける。
「こ、こんなハリウッドのアクションスターも真っ青の着地が出来るのは、真尋くんだけだからね!?」
一路の文句を聞き流しながら真尋は、肩を竦める。
「魔法とやらは便利だな」
「使いこなすのが早いよ……」
呆れたように言う一路と自分の体を再び取り出したロープで繋ぐ。これで一路が沈んでもすぐに分かる筈だ。
「それだけ喋れれば十分に元気だな。泳げるだろ? 行くぞ」
真尋は、一番近い岸を目指して泳ぎ出す。顔を出して居たいので平泳ぎだ。一路も同じように泳ぎ出した。
「綺麗な湖だねぇ」
一路が言った。真尋は、ああ、と頷いて返す。
二人の一メートルほど下を鮮やかな黄色と紫でミノカサゴの様なヒレを持つ奇怪な魚が数匹泳いでいることも、それが当たり前のように牙を持っていることも黙って居よう。騒ぎ出すに違いない。
「空気が綺麗なのは確かだな。緑も鮮やかだ」
暫く泳いで漸く足が地面を捉えた。いつの間にか少し遅れていた一路をロープごと引っ張れば「楽ちんだあ」と一路が楽しそうに笑った。その姿に少しばかりほっとしながら、二人は漸くアーテル王国の大地を踏んだ。
「森だね!」
「森だな」
一路の言葉に同意する。
大きな湖を囲む様に辺り一帯、見渡す限り鬱蒼と木々の生い茂る森が広がっていた。道なんてものも無ければ、人の姿も見えない。二人はずぶ濡れの状態でそこに立っていた。
「えーっと今は、夏だっけ?」
「ああ。あいつが間違ってなければ、水の月の頭だ。向こうで言う六月くらいの気候だな」
アーテル王国、というかこの世界にも四季があり、一月は三十日、そして、十二か月で一年らしい。ティーンクトゥスが入れておいたという知識の中にあった。
地球では一年は真冬の最中に始まるが、アーテル王国では植物が芽吹き、魔物たちが動き出す春と共に新しい年を迎える。陽の月、花の月、木の月が春、水の月、火の月、雷の月が夏、音の月、雲の月、風の月が秋、星の月、雪の月、氷の月が冬となっている。つまり今は初夏と呼ばれる季節に相当するわけだ。
冬だったらこの時点で真尋と一路の始まりは随分と悲惨なものだっただろう。今は少し汗ばむくらいの陽気で濡れていても心地よいと感じられる。
「今日はどうする? 野宿する?」
「それしかないだろうな。町の方角は、落下中に確認してある。とりあえず今日からここで暫くは自分の能力と魔法とやらについて学ぼう。ついでに今後のことも含めて話し合いもしなければならないしな」
そう告げて真尋は首にきちんとロケットがぶら下がっているのを確認し、そっと安堵の息を吐く。ロケットの中を確認すれば、濡れることなく写真は綺麗なまま一番大切な雪乃が微笑んでいる。ティーンクトゥスに言って保護魔法とやらを掛けさせておいたのだ。本人曰く「水に濡れても、火の中に放り込んでも、ドラゴンに踏まれても大丈夫ですよ!」とのことだ。
「でもまずは着替えようか、ずぶ濡れだもん」
「そういえば、あいつがアイテムボックスとやらに必要な物を入れたと言ってたな」
「あ! 言ってた言ってた。この指輪がそうなんだよね?……これをどう使うんだっけ?」
「《リスト・オープン》」
瞬間、シュンと微かな音がして真尋の手元に半透明の薄い水色の板みたいなものが現れた。
「うわ、凄い! どうやったの!?」
「魔力が自分の中にあるのは分かるな? それを言葉に込めて口にしただけだ」
「え? 待って、僕まだそこまで追いついてないんだけど」
一路の言葉にやれやれと肩をすくめて、リストと思しき板を消す。
「目を閉じろ」
真尋の言葉に一路が素直に頷いて目を閉じる。
「ゆっくりと呼吸をして、神経を研ぎ澄ませるんだ。お前が弓を引く時のように」
一路の静かな呼吸が聞こえる。
「腹の底に意識を向けろ。ある筈だ、そこにこれまで無かった異質なものが」
「……あ! あった!」
一路がばっと顔を上げた。その顔は実に嬉しそうだ。
「それが分かれば後は簡単だ。それを体の中に循環させるんだ。血液の流れを想像すればいい。そして、言葉に魔力を乗せろ」
真尋の言葉に一路は再び静かな呼吸を繰り返し、神経を研ぎ澄ませる。
「…………《リスト・オープン》」
シュンと音がして一路の目の前にも半透明の水色の板が現れた。
「わ! 出来た! 真尋くん、僕にも出来たよ!」
子供みたいにはしゃぐ一路の頭をぽんと撫でて真尋も再びリストを開く。
半透明の水色の板はタブレットくらいの大きさだった。
アイテムボックス・リスト
・取り扱い説明書 1
・魔物魔獣図鑑 1
・宝刀・月時雨 1
・ロザリオ 1
・腕時計 1
・高校の制服 1
・携帯食 30
・テント 1
・ナイフ 1
・蔦のロープ 1
・普段着の革紐 2
・普段着のチュニック5
・普段着のズボン 5
・普段着のローブ 2
・普段用の靴 3
・神父の服 3
・神父のシャツ 5
・神父の手袋 3
・神父の靴 3
・神父のローブ 2
・神父のコート 1
・下着 10
・靴下 10
・無の魔石 Rank:S 10
Rank:A 100
Rank:B 500
・地の魔石 Rank:S 10
Rank:A 100
Rank:B 500
・水の魔石 Rank:S 10
Rank:A 100
Rank:B 500
・火の魔石 Rank:S 10
Rank:A 100
Rank:B 500
・風の魔石 Rank:S 10
Rank:A 100
Rank:B 500
・光の魔石 Rank:S 10
Rank:A 100
Rank:B 500
・闇の魔石 Rank:S 10
Rank:A 100
Rank:B 500
・鉄貨 10,000枚
・灰鉄貨 10,000枚
・銅貨 10,000枚
・赤銅貨 1,000枚
・銀貨 1,000枚
・紫銀貨 1,000枚
・青銀貨 1,000枚
・金貨 100枚
・黒金貨 100枚
・白金貨 100枚
・虹白金貨 50枚
とりあえず、ティーンクトゥスの経済観念が破綻している馬鹿だということだけは分かった。
アーテル王国の通貨は、S(シル)で1S=1円くらいの認識で合っているようだ。それぞれの貨幣一枚につき、鉄貨は一S、灰鉄貨は十S、銅貨は百S、赤銅貨は千S、銀貨は一万S、紫銀貨は十万S、青銀貨は五十万S、金貨は百万S、黒金貨は一千万S、白金貨は五千万S、虹白金貨は一億Sだ。黒金貨以降は、取引専用貨幣で普段の生活の中で使われるものではない。庶民が普段使うのは鉄貨から銀貨、貴族は金貨までを使う。
そもそも神様であるあの男に金というものがどれほどの価値として彼の中に存在しているかは分からないので、一概に馬鹿と言い切ってしまうのも可哀想だろうか。だが、真尋の脳内にある常識的な物価から考えれば、一生豊かに遊んで暮らせるほどの財産がこのボックスの中に入っていた。
だが、それは家があり、それに準ずる家具の類や生活費術品があり、という様々な前提条件があってこそだ。これから生活の基盤を築いていかなければならないので、存外、馬鹿な額では無いかもしれない。ティーンクトゥスは愛情を一杯詰め込んでおいたとかなんとか言っていたので、これだけの財産はひとえに真尋と一路が路頭に迷わない様にというティーンクトゥスの純然たる厚意なのだろう。金というものは有れば揉め事の一端になることもあるが、有って困るものでは無い。
「一路のは?」
莫大な財産に固まる一路のものを覗き込めば、魔石や貨幣に関しては同じだったがそれ以外のものが少しだけ違った。
アイテムボックス・リスト(イチロ)
・取り扱い説明書 1
・薬草図鑑 1
・宝弓・風花 1
・ロザリオ 1
・高校の制服 1
・携帯食 30
・テント 1
・ナイフ 1
・ガラス瓶 (小) 5
・試験管 10
・普段着の革紐 2
・普段着のチュニック 5
・普段着のズボン 5
・普段着のローブ 2
・普段用の靴 3
・神父見習いの服 3
・神父見習いのシャツ 5
・神父見習いの手袋 3
・神父見習いの靴 3
・神父見習いのローブ 2
・神父見習いのコート 1
・下着 10
・靴下 10
どうやら一路は神父ではなく、神父見習いらしい。
「ま、真尋くん、ど、どうしよ、ぼ、僕、ここ、こんな大金無理! 銀行に! 預金せねば!」
「落ち着け。アイテムボックスが銀行みたいなものだろ」
真尋は、なだめるように一路の肩を叩いて、とりあえず着替えを一式取り出す。一路は、そうだけど、と言いながら不安そうに指輪を見た後、リストを閉じて同じように着替えを取り出した。
ずぶ濡れの服を脱いで、その辺の木の枝に引っ掛けておく。
着替えを終えた真尋は、改めて周りを見回す。湖と森以外は、本当に何もない。森の中の木々や植物は、地球の木々と大きく変わっている点は無いように思えた。見たことのない形の葉をしているものもあるにはあるので、不用意に触れない方がいいだろう。毒があれば厄介だ。
湖は際まで木々が生い茂っている部分もあるが、真尋と一路のいるところは十メートル四方は平らで木々も生えていない。水辺には石がごろごろしているが少し離れれば草が生えていて柔らかい。
「どこにテント張る?」
「魔獣だか魔物だかのことを考えると難しいな。盗賊とかも居るかもしれんしな」
「そうだよねぇ。日本でだって山の中で野宿するなら野生動物のことも考えなきゃいけないしね」
一路が真尋の言葉に頷いて、眉を下げた。
多少はティーンクトゥスから知識を貰ったとはいえ、あくまでそれは最低限のものだ。ここがどこで何という場所なのかはさっぱりと分からない。それはつまりどういった危険が潜んでいるのかが分からないということだ。
「……ボックスの中に入ってた取説読んでみる? なんか書いてあるかも」
思い出したように言って、一路が本を取り出す。分厚いそれは、表紙に日本語で「取り扱い説明書」と書かれていた。
二人はその場に並んで腰を下ろし、真尋は一路が開いたそれを覗き込む。
まずは目次が有って、どうやら持ち物についての説明が書かれているようだ。中身も日本語で書かれているのを見ると、自分たち以外の人間に見られない方が良いということだろう。
『持ち物のあれやこれ
・テント
私特製のテントです! 中は快適素敵空間になっていて防音・防犯・防御に優れているのでドラゴンにブレスを吹きかけられてもびくともしませんので真尋様と一路様の安眠をお約束します! ちょっと張り切って作ったのであまり人には見せない方がよろしいかと思います。レベル的には国宝レベルになっちゃったので!
・ナイフ
小ぶりのナイフです。薬草採取や薬草を取り扱うのに最適なナイフです。ミスリル製ですので、とっても丈夫ですよ!
・ガラス瓶(小)
何かの役に立ててください! ちなみに水を入れて、一路様か真尋様の光魔法で浄化すると聖水が出来上がります。この聖水を魔獣は嫌いますので、野営の際は周囲に巻くと安全ですよ!
・試験管
何かの役に立ててください!!
・神父見習い服のセットについて
一路様が大活躍できるようにありとあらゆる加護を付加してみました。宮廷魔導師長の最大の魔法をぶつけられても焦げ目一つつきませんよ! 特殊な生地ですがそれがばれないような造りになっているので、是非とも普段から気軽に身に着けて下さいね! 戦いの最中に身に着けても立派な防具になりますよ! そんじょそこいらの防具なんて目じゃないです! ただ物理には弱いのでお気を付けくださいね! これもやっぱり国宝レベルなのです!
・ロザリオについて
このロザリオは、魔力を注ぎ込むことで貯蓄しておくことが出来ます。ちょっとした武器にもなりますので普段から身に着けておくことをお勧めします!』
真尋と一路は、ロザリオを取り出してみた。想像していたよりもずっと大きい。
美しく白銀に輝く二十五センチほどの棒だ。直径は一センチ強、先端から五センチほどの所に直径三センチほどの透明な水晶のような丸い石があった。先端には取り外し可能と思われる黒い数珠が連なっていて、ベルトなどに括り付けられるようになっていた。
「これ、何の植物だろう? アイビーに似てるけど……」
一路がロザリオに施された丁寧な彫刻を指先で撫でながら言った。
真尋は「さあ」と返しつつ書いてあった通り、魔力を流し込んでみる。すると透明な丸い石が淡く輝いた。底に何かがあるように見えて傾ければ、蒼にも銀にも見える不思議な液体がほんの少しだけ溜まっていた。もう少し増やそうか、と魔力を流し込もうとするが、一回につきどれくらいと決まっているのか、それ以上、魔力は流し込めなかった。
「これが魔力の色ってことなのかな」
一路も同じようにロザリオを傾けていた。彼の魔力は、穏やかな緑に柔らかな琥珀色で彼らしい優しい色をしている。彼の瞳と同じ色は、森を思わせた。
「一路の魔力は、森を思わせる優しい色だな」
「えへへ、ありがとー」
真尋の言葉に一路は照れくさそうに笑って、指で頬を掻いた。
「真尋くんのは、綺麗な月夜の色だね」
「そうか? ありがとう」
そう返して、真尋は革紐にロザリオを括り付けた。一路も大切そうにそれを革紐に括り付ける。
「一路、続きを」
「はいはい。えーっと次のページっと……」
一路を促し、次のページへと進む。
『宝弓・風花(かざはな)
神の力を宿した弓。一路様の使い慣れているであろう和弓を参考にしました! 本体は世界樹で出来ています。それ以外の細かな部位は、世界樹周辺の植物を使いました! 弦の部分は、天の絹糸とオリハルコンを紡いで作ってみました! ちょっとはりきり過ぎて大陸一の弓になってしまいました!
この弓の矢は一路様の魔力です。一路様の属性にあった矢を番えることが出来ますので、色々と試してみてくださいね! 光の矢は、バーサーカー化した魔獣を浄化し屠ることも出来るので是非とも役立てて下さいね!
この弓は、学習型の武器ですので、使えば使うほど精度も威力も上がりますので、どんどん使って下さい。ただ、世界樹で出来た武器はエルフ族の長老の家に代々伝わる秘宝以外は存在しませんので、エルフ族にこれの材質を見破られるとガチで襲われる可能性もあるので気を付けてくださいね! エルフ族にとって世界樹は命よりも大事なものなので密猟を疑われる可能性があります!』
「どこから突っ込めばいいか分からない!」
一路が頭を抱えて本の上に突っ伏した。
真尋は、もしかしなくともティーンクトゥスがくれたあのロープも世界樹なんたら言っていたので、とんでもない価値があるのだろうということに気付いた。そして、自分のボックスにも宝刀という文字があったのも思い出す。
自分のボックスから取説を取り出して、目当てのページをそっと開き、上から順に辿る。一路の持ち物と少し違う部分もある。真尋のナイフは大振りで素材採取向けらしい。
『宝刀・月時雨(つきしぐれ)
神の力を宿した刀。真尋様にぴったりの日本刀というもの参考にしました! 刀身はオリハルコンとミスリルの合金でできています。鍔はミスリル製で月の細工を施してみました。柄は世界樹を使い、その他の装飾も最高のものです。鞘もオリハルコンとミスリルの合金でできていますが、細工はミスリルと銀の合金で真尋様に似合う繊細な細工を施してみましたが、とっても綺麗に出来たので満足です!ちょっと頑張りすぎて大陸一の刀になってしまったのですけどね!
この刀は、真尋様の魔力を流しこむことで、炎を纏う事も氷を纏うことも可能です。光の力を纏えば、バーサーカー化した魔獣を浄化し屠ことが出来ますので、是非とも役立ててくださいね!
この刀は、学習型の武器です。使えば使う程切れ味抜群の素晴らしい一品になるのでじゃんじゃん使って下さいね。ただ、オリハルコンとミスリルの合金は世界に今の所存在しておらず、そもそもミスリル製の武器は王家が所有する伝説の英雄が使ったもの以外は存在しないので、くれぐれも取り扱いには注意してくださいね!』
そうだ、殴ろう。そう決意したのに生憎とティーンクトゥスはここに居ない。
確かに武器を持たせてくれるのはとても有難い。それも真尋と一路の能力に見合った素晴らしい武器だ。しかし、世の中には限度という言葉がある。幾ら精度が良かろうと普段使いが出来ない上にとんでもないお宝では厄介なことこの上ない。何事にも限度であるとか、見合ったレベルというものがあるのだ。
「もしかして、こういうのを作っていたことも、僕らがスカイダイビングする理由だったのかなぁ」
一路がどこか遠くを見つめながら言った。
真尋は、はぁぁとため息を零してこめかみを抑えた。本人に確認する術はないが、一路の言葉は間違いなく正解だろう。
「ふふっ、いるよねぇ、誰かの為に頑張り過ぎちゃうお馬鹿さんって」
柔らかな笑い声は、呆れを含んでいるが酷く優しい。
「……悪気が無いのが一番、性質が悪いな」
思わず真尋も苦笑を零してしまう。一路が、だねぇ、と可笑しそうに笑って頷く。
これらには一つだって悪意が無いのだ。真尋や一路が安心して眠れるように、安全に戦えるように、そういう優しさであるとか愛情が、あの馬鹿野言う通り、目一杯詰め込まれているだけなのだ。
「あとで、お祈りするついでにお礼言おうね」
「そうだな」
でも小言も言おう、と心の中で呟いた。何事にも限度があるということをあの馬鹿には分からせねばならない。
「さ、続き続き!」
一路が自分の本をしまって、今度は真尋の本を覗き込んでくる。
第二章は、ステータスについてと書かれている。
『ステータス
ステータスとは、個人の能力やレベルなどのリストです。個人情報でもありますね!
ステータスの数値を隠したい場合は、隠蔽のスキルを使います。隠されたステータスは本人以外の方は当人が許可をすれば見られるようになります。
スキルについて
スキル
スキルとは才能のことです。神の恩恵でもあります。
先天的にすべての人が最低一つ以上のスキルを持って生まれてきます。スキルは、将来の職業決定に大きく関わって来るもののひとつです。
例えばスキル・剣術は騎士や冒険者。調合は薬師、鑑定は商人など様々な職業に適したスキルがあり、多くの人々は生まれ持ったスキルを元に将来を決めます。
ですが、並々ならぬ努力をすれば後天的にスキルを獲得することも出来ますので、一概にこうだとは言えません。また剣術スキルがなければ、剣が扱えない訳でも、戦闘において使えない訳でもないのです。スキルは、その人が持つ才能を引き出し、伸ばすための補助に過ぎないのです。
スキルレベル
スキルのレベルは、基本的に上限30です。
日々、才能を伸ばす努力をすればレベルは上がって行きます。
ギフトスキル
ギフトスキルは特別なスキルです。称号に付与するものと種族固有のものがあり、称号付与は後天的獲得ですが、種族固有の獲得は不可です。又、性質上、ギフトスキルにレベルは存在しません。
例)樹木言語……エルフ族・妖精族が必ず持つスキル。樹木の言語を理解することが出来ます』
「スキルレベルの平均値が分からないのは、厳しいね。異常な数値だった場合、目立っちゃうからねえ」
一路が困ったように言った。真尋もその言葉に頷く。平均以上であることは、一概に良いことだと言い切ることも出来ない。目立つということは、良くも悪くも人を引き付ける。寄って来る人間が善人ばかりであるとは絶対に言い切れないのだ。
これまでの十八年間の人生で、真尋はそれらを嫌という程学んでいる。真尋と一緒にいることの多い一路も同様だ。
どうしたものか、と思いながら真尋は、先のページへと進む。
『レベルについて
まず、基本的な個人のレベルは、一般的人は三十代で殆どレベルが上がらなくなり、その平均は50前後になります。理由としては経験値が次のレベルに上がるほど得られないことです。日常生活の中で魔法やスキルを使えばレベルは上がりますが、やはり冒険者や騎士のような特殊な職業以外では日常生活の使用では然程の経験値は得られません。またレベルが上がるにつれて、次のレベルに上がる為に必要となる経験値が増えて行くこともレベル停滞の要因としてあげられます。ちなみにすべての種族に置いて、レベルの上限は100となります。
魔法系統のレベル上限は30ですが、基本的に20まで行くと宮廷魔術士になれますよ! その上を目指すならどれか一つでも属性魔法のレベルが25は必要です! ちなみに現・宮廷魔導士長は、火魔法レベルが26でこの国一番の実力です!
スキルレベルも上限は30です。剣術のスキルレベルが18以上なら一級、二級騎士、冒険者ランクBに相当します。20以上で正騎士または冒険者ランクAも夢じゃありません! 25以上になると騎士団団長に相当し、更に上の冒険者ランクSを目指せますよ!』
真尋は、そこで一旦、本を閉じる。僅かだが平均値に関する情報があるのは、幸いなことだった。
ステータスと言うのは、どうやら真尋が思っているよりもずっとこの世界においては重要なものらしい。確かに真尋がこれまで生きていた地球上でも形は違えどステータスというものはある程度求められる。向こうではやはり、見目であるとか、財産、頭脳、血筋などが求められるがこちらでは、貴族階級が存在する以上、それに付加して魔力やスキル、属性などのレベルの高さが必要とされ、おそらく平民であってもそれ相応の能力さえあればある一定基準までは、のし上がっていくことが出来るのだろう。
「よし一路、ステータスを見てみよう」
「じゃあ、まずは僕の見ようよ! 楽しみだなぁ!」
「分かった。その次に俺のものを見よう」
「えっとこうかな?……《ステータス・オープン》」
シュン、と小さな音がする。現れたのはやっぱり半透明の薄水色のパネルだった。
名前 イチロ・スズキ Lv.32
種族 高位人族
年齢 18 性別 男
職業 神父見習い
称号 神が見守る者
加護 守護神ティーンクトゥスの加護
HP 6000/6000
MP 7895/8000
属性 地 水 風 光+
地魔法 Lv.20
水魔法 Lv.21
風魔法 Lv.18
光魔法 Lv.22
スキル
弓術 Lv.25
体術 Lv.18
鑑定 Lv.15
探索 Lv.12
調合 Lv.12
調教 Lv.10
農業 Lv.10
魔法創造 Lv.10
「うわぁ……かなりチートなステータスだなぁ」
一路が頬を引き攣らせながら言った。
「確か、ティーンさんが、生まれ持った魂の性質と器に合わせてしか能力値は設定できないって言ってたけど、これはやり過ぎじゃない?」
真尋は、首を傾げる一路のステータスを見ながら、説明書の内容と比べて行く。
ティーンクトゥスのくれた偏り過ぎた知識の中に、ステータスの平均個数というものがある。真尋や一路の年代に関わらず、一般人の固有個数は平均が二だ。この時点で一路の個数はチートというわけだ。
一路の全体的なステータスレベルを鑑みれば、偏りはあるものの冒険者ランクBかギリギリAに相当するだろう。それにレベルから見てまだ伸びしろがある点で言えば、彼は十二分にこれから強くなっていくだろう。
一路はこう見えて、中学の頃から始めた弓道の腕前は高校時代、三年連続全国大会個人戦第一位という成績を持っている。
真尋は、幼いころから自分自身が人より大分優れているという自覚がある。勉強もスポーツもそれ以外のことも、あるジャンルのこと以外は、少し学んだだけで十二分に自身の戦力に出来る程度には理解することが出来る。
そんな真尋の影に隠れがちだが、鈴木一路は、世間から見れば十二分に優れた人間だ。そうでなければ、真尋の補佐など出来る訳が無いのだ。本人にはあまりその自覚がないようだが、真尋が通っていた高校は国内でも有名な進学校で日本一の学力を誇っている。そこに入学できること自体が普通ではないのに、一路は真尋に勉強を教えて貰ったんだから合格した。それが当たり前だと思っているのだ。幾ら真尋が教えても、相手にそれを理解し、物にするだけの能力が必要ということに気付いていないのだ。
水無月真尋が出来過ぎるが故に鈴木一路は自分自身の能力に全く気付いていない。というのが正しい見解だ。
そもそも学力だって真尋が常に全教科満点で首席という少々、常識的ではない成績を誇っていた故に一路は、自身が次席であることに何ら疑問を抱いて居ない。「真尋くんにとって、今回の試験は簡単すぎたでしょう? 僕にも簡単に解けるくらいだもんねぇ」と暢気に笑っていたほどだ。その時、二人が居たのは生徒会室で、休憩中だった生徒会の会計と書記の二人が勢いよくコーヒーを吹き出し、書類が数枚お釈迦になった。
異世界に来てまでも、一路は鈍感なままだ。出来れば、彼自身の能力についてこれから自覚というものを持たせてやりたいと思う。五歳の頃から共にあるが故に一路は鈍感になってしまったのだ。もしも真尋がいなければ、一路は自分自身の能力にもっと自信が持てたのではないだろうか、と考えるも、そもそも一路の能力を自分の好き放題に引き出したのは、真尋自身だ。真尋は将来、自分で会社を作るつもりであった。幼稚園の卒園アルバムにも将来の夢は「起業」と書いたほどだ。その時から既に一路の能力が欲しいと思い、真尋をサポートできるだけの能力を彼に持ってもらおうと奮闘した結果がこれだった。
「あ、でも、ティーンさんが愛情いっぱい込めたって言ってたから、その恩恵もあるんだろうねぇ」
一路は暢気に笑いながら、自分のステータスを眺めている。
これに自覚を持たせるのは、難しいだろうな、と真尋の優秀な脳みそが訴えて来る。長い時間をかけていくしかないな、と真尋は一人、結論を出した。
「さ、次は真尋くんのステータスだよ!」
くるりと振り返った一路が鼻息荒く言った。期待にキラキラ光る琥珀色の眼差しを受け流して、真尋は自分自身のステータスを呼び出す。
「《ステータス・オープン》」
名前 マヒロ・ミナヅキ Lv.36
種族 高位人族
年齢 18 性別 男
職業 神父
称号 神を土下座させた男 神が見守る者
加護 守護神ティーンクトゥスの加護
HP 8000/8000
MP 11698/12000
属性 地 水 火 風 光+ 闇
地魔法 Lv.18
水魔法 Lv.20
火魔法 Lv.22
風魔法 Lv.23
光魔法 Lv.25
闇魔法 Lv.17
スキル
剣術 Lv.25
槍術 Lv.20
弓術 Lv.16
体術 Lv.22
隠蔽 Lv.15
探索 Lv.12
解読 Lv.12
木工 Lv.10
魔法創造 Lv.10
「あいつは最終的に俺に世界征服をして欲しいのか?」
真尋は自分のステータスを見ながら率直な感想を述べた。
「ははっ、かもねえ。真尋くんなら冒険者のSランクにも騎士団団長にも宮廷魔導士長にもなれるよ、おめでとう」
一路がケタケタと笑いながら真尋の肩を叩く。
ふむ、と真尋は顎を撫でながら自分のステータスをどう扱うかを考える。剣術や体術においては、自信がある。どちらもこれまで真尋が極めようと努力してきたものだ。だがそれが実践でどこまで通用するかは不明だ。冒険者がいる、騎士団がある、ということは、きっと日本のような安全な世界では無いのだ。
「この世界で生きるということは、生物を殺さなければいけないことも……自身の命を守るために人を殺めなければならないこともあるかも知れない」
一路の真剣な眼差しが真尋を見上げる。
「俺達に与えられた偏った知識と常識の中でさえ、この世界の治安は日本の治安に遠く及ばない。盗賊もいる。強盗も強姦も貴族による理不尽な仕打ちも当たり前の世界だ。地球上にだってそういう危険が溢れる国や地域は溢れる程だった。俺もお前もこの与えられた能力だけを頼りに自分の身を護り、そして、あの馬鹿野郎を神として成長させなければならない」
一応神様だよ、と一路が律儀に言った。真尋はさらっと流す。
「だが、あいつは隠したつもりだろうが、こんなものを見せればあっという間に俺もお前も良い意味でも悪い意味でも目立つ。俺達に与えられた常識はあまりに少なすぎてあの馬鹿を殴り飛ばしたいが、どう考えても最初から目立つのは賢明じゃない」
「真尋くんには、隠蔽のスキルがあるからこれを活用するしかないね」
一路が真尋のそれを指差して言った。
属性一つとっても、自分達は多過ぎるのだ。神が作った器は、きっと二人が思うより基礎値が高い筈だ。それに何より、この「高位人族」という文言も怪しい臭いがぷんぷんする。
「俺のもだがお前のも弄った方がいいな」
「そうだねー……属性も二つに絞って、スキルも二つか多くて三つくらいにしておいた方がいいね」
「神に仕える者として、少しばかり優秀であることを前提のステータスにしよう」
一路がしばし考えた後、そうだね、と頷く。
「間違いなくそれが正しい手段だよ。やっぱり油断させておいた方が、後々、攻め落とす時に隙が出来るから。多分、王都で暴利をむさぼる教会を滅ぼすことは簡単だけど、僕らの最優先事項はティーンさんの力を取り戻して、信仰を根付かせることだもんね。真尋くんは、その辺、どうしようと思ってるわけ?」
一路が首を傾げる。
「新しい宗教として、広めようと思っている」
「でも、信仰対象は同じだよね?」
「地球上にも似たようなことはあるだろう。それと同じだ。神様という存在は解釈によってどうとでもなるものだ。見ることも会うことも出来ないのだから、結局は人々の想像でしかない。それを利用する」
「成程ねぇ。でもまずは、拠点となる町で生活の基盤を作らないとね」
一路がふむふむと頷いた。その顔は、実に楽しそうだ。真尋の企みに参加する時、一路はいつも楽しそうだった。昔、どうしてか聞いたことがあるが「天才の考える悪戯は、非凡で面白いから」と言っていた。
「勿論だ。あの馬鹿野郎も俺達のお蔭で大分力を取り戻しているようだからな」
「その辺は、また夜にでも話し合おうか。とりあえず、魔法のこととかもうちょっとちゃんと知りたいんだよね……基礎知識って本当に基礎だけだし」
「小学校一年生レベルと言って差し支えない程度だからな」
真尋の言葉に一路が、だねぇ、と苦笑を零した。
「でも、それを落下中にあれだけ使いこなすんだから、真尋くんは凄いよね」
「一か八かだったけどな」
「…………え?」
「さあ、続きを読もう」
固まった一路に余計なことを言ってしまったな、と思ったが構わずページをめくる。
「ねえ! ちょっと失敗してたらどうするつもりだったの!?」
「成功したんだから、とやかく言うな。ほら、お前の大好きな魔法の話だぞ?」
第三章魔法についてというページを一路に見せるが、緑の混じる琥珀の瞳は、真尋を睨み付けることを止めない。
「後で絶対にお説教だからね」
一路が唸る様に言った。
「……覚えていたらな」
ぼそっと返した返事に一路の目がまた一段と鋭くなったが、真尋が何も言わずにページをめくると一路は渋々、本当に渋々、本に意識を向けたのだった。
―――――――――――――――
ここまで読んで下って、ありがとうございました!
感想やお気に入り登録もとてもとても嬉しいです!
今回は長くなってしまいましたがどうしても書き進めたかったので!……次のお話では魔法についてのお話になる予定です!
(途中で7000字分のデータが消えた時は泣きたかったです……)
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