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そんなことが一月過ぎた。
王妃様が進み具合を確認しに来てくれたおかげで私はこの地獄から解放されたのだ。
涙を流しながら王妃様は謝られ、私はどう反応すればいいかわからなかった。
それだけ感情がだしずらくなっており、心が死んでいたのだ。
そんな私を哀れに思ったのかその日から甲斐甲斐しく看病してくれ、いつの間にか少し表情が戻ってきていたところに衝撃の現場を見てしまったのだ。
妹と殿下が抱き合っているところをだ!!!!
王妃様は肩を震わせ持っていた扇子を折ってしまったくらい衝撃だったのだ。
それだけならまだしも口付けまで交わしていた。
王妃様の何かが切れたのか、私の腕を掴むとそのまま部屋に戻り王妃様は騎士服に着替えると剣を握りまた出て行ってしまったのだ。
私と侍女たちは慌てて王妃様を止めるがそれを無視して突き進んでいく、誰にも王妃様を止めることが出来ないのだ。
殿下の前に行くとそれはそれは低い地を這うようなお声で殿下のお名前を言うと、殿下の体が反応したんですよ。
「どうなされたのです……」
「お前を一から鍛えなおしてやる」
殿下はへっぴり腰で逃げようとしているのがわかったが、それは騎士様たちにより妨害され連行されていった。
妹は殿下が連行されていくのを呆然と見つめていたが、王妃さまにより覚醒され妹も侍女たちにより連行されて行ったのだ。
私は騎士たちの方を見に行ったのだが、最近練習をサボっていたのか騎士たちの剣を受けるのが精いっぱいで反撃できていないのだが……段々感覚を取り戻してきたのか反撃している。
「一体私が何をしたというのだ!!!」
「あなた様が婚約者としたレイナさまが今どのようなことになっているのかお分かりか!!!」
「レイナのことは母上に任せているだろ!
こんな仕打ちを受けるいわれはないぞ!!!」
「ではレイナさまの妹君と抱き合っていたのはどう説明するのですか?」
「レイナに合いに来たのを案内していただけだ、さっきだって躓いたのを支えただけだ」
「悪いのですがその状況だと疑われても仕方ありません」
「どういうことだ?」
「王妃様はレイナさまとの婚約を破棄する意向で考えています。
レイナさまの婚約者は我らが団長殿になるとおっしゃっておりました」
「ふざけんな!!!!
レイナをようやく捕まえたんだ!!!!
他の誰かにやるなんて選択肢はない!!!!!」
殿下はそう叫ぶと怒りに任せて騎士に切りかかったのだが団長が気付き止めてくれた。
ホッとしたのだが、その直後に身震いがしたのだ。
本能的に逃げなければという気持ちになり私はその場を後にした。
王妃様が進み具合を確認しに来てくれたおかげで私はこの地獄から解放されたのだ。
涙を流しながら王妃様は謝られ、私はどう反応すればいいかわからなかった。
それだけ感情がだしずらくなっており、心が死んでいたのだ。
そんな私を哀れに思ったのかその日から甲斐甲斐しく看病してくれ、いつの間にか少し表情が戻ってきていたところに衝撃の現場を見てしまったのだ。
妹と殿下が抱き合っているところをだ!!!!
王妃様は肩を震わせ持っていた扇子を折ってしまったくらい衝撃だったのだ。
それだけならまだしも口付けまで交わしていた。
王妃様の何かが切れたのか、私の腕を掴むとそのまま部屋に戻り王妃様は騎士服に着替えると剣を握りまた出て行ってしまったのだ。
私と侍女たちは慌てて王妃様を止めるがそれを無視して突き進んでいく、誰にも王妃様を止めることが出来ないのだ。
殿下の前に行くとそれはそれは低い地を這うようなお声で殿下のお名前を言うと、殿下の体が反応したんですよ。
「どうなされたのです……」
「お前を一から鍛えなおしてやる」
殿下はへっぴり腰で逃げようとしているのがわかったが、それは騎士様たちにより妨害され連行されていった。
妹は殿下が連行されていくのを呆然と見つめていたが、王妃さまにより覚醒され妹も侍女たちにより連行されて行ったのだ。
私は騎士たちの方を見に行ったのだが、最近練習をサボっていたのか騎士たちの剣を受けるのが精いっぱいで反撃できていないのだが……段々感覚を取り戻してきたのか反撃している。
「一体私が何をしたというのだ!!!」
「あなた様が婚約者としたレイナさまが今どのようなことになっているのかお分かりか!!!」
「レイナのことは母上に任せているだろ!
こんな仕打ちを受けるいわれはないぞ!!!」
「ではレイナさまの妹君と抱き合っていたのはどう説明するのですか?」
「レイナに合いに来たのを案内していただけだ、さっきだって躓いたのを支えただけだ」
「悪いのですがその状況だと疑われても仕方ありません」
「どういうことだ?」
「王妃様はレイナさまとの婚約を破棄する意向で考えています。
レイナさまの婚約者は我らが団長殿になるとおっしゃっておりました」
「ふざけんな!!!!
レイナをようやく捕まえたんだ!!!!
他の誰かにやるなんて選択肢はない!!!!!」
殿下はそう叫ぶと怒りに任せて騎士に切りかかったのだが団長が気付き止めてくれた。
ホッとしたのだが、その直後に身震いがしたのだ。
本能的に逃げなければという気持ちになり私はその場を後にした。
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