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 散々な目に合った俺は帰ってから城を離れ領地に帰りのんびりと暮らしていた。

 一週間と言う短い期間だが、俺はのんびりと過ごしていた。

 このまま城にとどまれば俺の子が欲しいと言い出した側室の子たちに押し倒されてしまいそうだったからだ。

 俺の子云々は王様も乗り気で、側室ではなく他の子に産ませようかとも思っているから怖い。

 確かに俺の子と言うなら俺が産んだ子供たちも俺の子に違いないのだが、俺には似ていないのだ。

 それがどうもお気に召さないようで、王子たちを交えて一大プロジェクトと化していた。

 俺に似た子なら母が産んだ妹が俺に似ているんだからと思うが、妹は魔力量が少ないのだ。

 一応俺と魔力の循環を毎日行いそこそこの魔力量にまで上げたが、それでも俺との魔力量は雲泥の差なのだ。

 領地では兄の手伝いをしながら領地を見て回っているのだが、ちらほらと見かけない人たちを見るようになったのだが、彼らの頭には獣の耳がついているのだ。

 「もしかして、あの人たち獣人族の……」

 この世界は人間族のほかに獣人族、魔族、エルフ族と言われる亜人が住んでいる。

 めったに人里には表れないのだが、彼らはおびえながら仕事をしていた。

 よく見ると彼らの首には何か巻かれておりそれにはかなり強い魔力が含まれていたのだ。

 「まさか……奴隷……」

 この国には奴隷制度はないのでいないが他の国は奴隷制度があり亜人は奴隷として取引されていると聞いたことがある。

 観察しているとこの農園を任されている農夫が彼らに鞭を振るっているではないか、俺は馬をおり農夫の元に向かうと風魔法で農夫を吹き飛ばした。

 「何をやっているんだ!」

 「邪魔するな!
 こいつらを買い付けたのは俺だ、こいつらに何しようと俺様の勝手だろ」

 「御党首様はご存じのことか」

 「当たり前だろ、御党首様の許可がなければ奴隷制度のないこの国に奴隷は連れてこれないからな」

 「もし、違っていたらお前の首がどうなるかわかっているんだろうな」

 「お前みたいなのが御党首様に会えるわけないだろ」

 俺のことを知らない農夫はばれないと高をくくっているのがわかる態度で見下したように俺を見た。

 俺は風の魔法で兄に連絡を取り、ここまで来るように言った。



 


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