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 一年ぶりの帰還に城を挙げての歓迎ムードだったが、それを壊したのは教会の人間だった。

 「聖属性を持っている以上教会に来てもらわなければ困ります」

 「断る」

 「これは決まりで」

 「彼は全属性を持っている以上それに値しない、彼はすでに英雄として認知されてしまっている以上教会が何を言おうと国民は納得しないよ」

 「しかし」

 「俺以外にも聖属性を持っている方はいますよね?」

 「いるが、微々たるもので」

 「なら全員で祈れば通じたのではないのですか?」

 俺や王様の反撃に何も言えなくなった教会側はしずしずと帰ることしかできなかった。

 大きくなり過ぎた協会は今回の件で信用を無くすことになり、教会にいた聖属性を持った女性たちは家族の元に戻れることになった。

 ただある年齢になると戻っても迷惑になると城にとどまり侍女として働くことになった。

 俺は彼女たちを集めては祈りの場に行き祈りを奉げた。

 確かにここに来たときは微々たる聖の力も少しずつ強くなっているのだ。

 「どういうことだ」

 「彼女たちも力の循環ができてなかったので個人的に循環を手伝い今に至ります」

 「凄いな、これなら戦力になる」

 「彼女たちは剣での戦い方も教えています」

 俺は彼女たちが来てから少しずつ剣の腕を磨かせ、足でまといにならないようにした。

 数か月後には城に残った聖属性の女性たちは一人残らず、騎士団のメンバーと結婚することとなった。

 かかわることで信頼が生まれ、信頼が愛に変わるのは早かった。

 親元に帰った聖属性の持ち主たちも、やはり親元にいてもいずらいのかほとんどの子たちが戻り修行の上彼女たちにもパートナーができた。

 騎士団は所帯持ちが増え、今の寮では間に合わず急遽隣に所帯持ち用の寮を建てにぎやかな空間ができたのは言うまでもない。
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