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21  ベルクside

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 エリーと会ったのはあの子が十歳の時だ。

 第二王子と第三王子の側近候補と婚約者候補を決める催しとしてお茶会を開いた。

 子供たちのほかに親も参加するので大掛かりなものになったが、ひと際輝いていたのは古くからの親友ジェーンの家族だろう。

 ジェーンと一緒にいる子はこの会場にいる令嬢たちの中でも一番きれいでかわいかったが、男の子なのにはびっくりした。

 まして、かなりの魔力量を保有しているのが彼らを取り巻くオーラーで分かる。

 でもなぜあんなに周りを警戒しながらオーラーを放っているのかがわからなかったが近づいた時にわかった。

 強い妬みや嫉妬といった感情が魔力として攻撃しているのだ。

 彼のオーラーによってすべて跳ね返されて、具合が悪そうにしている奴らが無意識で放った呪詛により呪詛返しに会った輩だと言うことが一目両全だった。

 私も魔力量が多く切れたりして魔力を解放してしまうと誰も止められないことからそれなりに自生していたが、最愛の妻の命を奪った呪詛を目の当たりにして切れてしまったのだ。

 その時の記憶はあまりないが、私を呼ぶ声とともに暖かい何かが私の中に入ってくるのがわかった。

 手は小さな手が握られており彼が私に魔力を注ぎ俺の魔力が彼に流れていくのがわかった。

 魔力の暴走が収まると彼がいきなり倒れたのでびっくりしたが、どうやら魔力切れを起こしたようなので彼の為に部屋を用意させた。

 私は柄にもなくエリーのかわいい手を握っている彼らに嫉妬していた。

 兄弟なんだからと言い聞かせたがやはり気に入らないのだから仕方ない。

 「何苛ついているんですか、まさかとは思いますがエリーの手を握り魔力を送っているのが気に入らないとか言いませんよね」

 「流し込むなら私の魔力だっていいじゃないか」

 「暴走した人間が何言ってんの!」

 「あの子は俺の暴走を止めたんだよ、なら俺の為に生まれてきた子だろ」

 「いい加減にしなさい!
 あなただって今の魔力量では十分におお補ってあげられないことぐらいわかっているでしょ?」

 「……」

 「確かに暴走は止めましたが、それはあくまであの子の魔力量が多かったから相殺できただけの話です」

 マリーのことは愛していたよ。

 幼馴染の大切な女の子だった。

 結婚出来て嬉しかったのも事実だしね。

 でもあの子に向ける気持ちはマリーに対する気持ちと違っていたんだ。

 独占欲。

 誰にも触れさせたくなく、俺だけの目に映ればいいと思える感情に俺は戸惑った。
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